プロボックスの一部改良でT-ConnectとDCMを全車標準装備
トヨタの商用バン、プロボックスが2026年9月4日に一部改良を受けて発売されました。今回のトピックは車載通信機DCMの全車標準装備化と、それによるコネクティッドサービスT-Connectへの対応です。ヘルプネットによる緊急通報やマイカーサーチが使えるようになり、実用一辺倒だった働くクルマの安心感が一段引き上げられました。
モデルチェンジではなく装備追加を軸とした改良ですが、価格は全グレードで見直されています。プロボックスの改良内容を、変更点と価格から順に見ていきましょう。
プロボックスがT-Connect対応の一部改良を2026年9月4日に実施
一部改良でT-Connectに対応したプロボックス(写真はF ハイブリッド車・オプション装着車)
プロボックスの一部改良が2026年9月4日に実施され、同日から発売されています。
今回の改良は外観や内装の意匠変更、パワートレインの刷新を伴うものではなく、最新の法規への適合と、コネクティッド関連装備の充実が柱です。専用通信機であるDCMを全車に標準搭載し、トヨタのコネクティッドサービスT-Connectが利用できるようになりました。
DCMの標準装備でプロボックスがコネクティッドカーへ
DCM(Data Communication Module)は、スマートフォンやWi-Fiを介さずに車両とトヨタスマートセンターを常時つなぐ専用通信機です。これが全車標準となったことで、車両側から通信を行う各種サービスが使えるようになりました。
T-Connectの基本利用料は初度登録日から5年間が無料で、6年目以降は月額330円(消費税抜き300円)が必要になります。社用車として長く乗り続ける前提のクルマだけに、6年目以降の扱いは導入時に確認しておきたいポイントです。
ヘルプネットやマイカーサーチなど業務利用と相性の良い機能が使える
T-Connect対応で利用できる主な機能は、緊急通報サービスのヘルプネット、車両の状態や位置を離れた場所から確認できるマイカーサーチ、車両の警告灯点灯時などにサポートを受けられるeケアなどです。
ヘルプネットはエアバッグ連動タイプで、衝突を検知すると自動で専用オペレーターにつながり、警察や消防への手配が行われます。単独走行が多く、長距離・長時間の運行になりがちな商用バンにとって、事故後の初動を任せられる仕組みが標準で備わる意味は小さくありません。
マイカーサーチには、施錠状態やハザードの消し忘れをスマートフォンで確認できるリモート確認、ドアの閉め忘れなどを通知するうっかり通知が用意されます。複数台を管理する事業所や、駐車場所を離れる時間が長い使い方では、地味ながら効きの良い装備といえるでしょう。
プロボックスの価格は全グレードで47,300円の改定
今回の一部改良にあわせて価格が見直され、全グレードで一律47,300円引き上げられました。改定後の価格帯は1,965,700円から2,308,900円です。
装備の追加分を踏まえると納得感のある改定幅ですが、値上げが続いている点は事業用途のユーザーにとって無視できないところ。導入計画がある場合は早めの見積もり取得をおすすめします。
| グレード | エンジン | 排気量 | 駆動方式 | 値段 |
|---|---|---|---|---|
| G | ガソリン | 1.5L | 2WD(FF) | 1,965,700円~ |
| 4WD | 2,127,400円~ | |||
| F | 2WD(FF) | 2,033,900円~ | ||
| 4WD | 2,196,700円~ | |||
| GX | ハイブリッド | 1.5L | 2WD(FF) | 2,085,600円~ |
| GL | 2WD(FF) | 2,257,200円~ | ||
| F | 2WD(FF) | 2,308,900円~ |
※価格は消費税込みのメーカー希望小売価格です。沖縄地区は価格が異なり、北海道地区の価格には寒冷地仕様が含まれます。
エクステリアとインテリアは従来型を踏襲
スクエアなシルエットを守り続けるプロボックスのエクステリア
外観は2025年11月の一部改良で刷新されたフロントバンパー形状をそのまま継続し、今回の改良による変更はありません。四角く立ち上がったボディは荷室容量の確保に直結し、同時に車両感覚のつかみやすさにもつながっています。
ボディサイズは全長4,245mm×全幅1,690mm×全高1,525mm(4WDは1,530mm)で、最小回転半径は4.9m。全高は一般的な立体駐車場の制限高1.55mを下回っており、街中の使い勝手を意識した設計が20年以上にわたり貫かれています。
仕事道具の置き場所を徹底的に作り込んだプロボックスのインテリア
インテリアも変更はなく、4.2インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイを備えたメーターと、各種スイッチを集約したステアリングホイールを引き続き採用します。
A4サイズのノートパソコンが置けるインパネテーブル、1Lの紙パックまで収まるセンタートレイ、スマートフォンを固定できるマルチホルダーなど、収納の作り込みは商用バンの域を超えた密度です。荷室は2名乗車時で長さ1,810mm×幅1,420mm×高さ935mm、最大積載量はガソリン車で400kg、ハイブリッド車で350kgを確保しています。
なお装備一覧では、ステアリングスイッチの機能表記からハンズフリーと音声認識が外れています。通信機能が追加された一方で操作系の記載は整理されており、細部の仕様は販売店で確認しておくと安心です。
プロボックスが安全装備を強化する一部改良を2025年11月25日に実施
プロボックスが予防安全装備を最新世代のToyota Safety Senseへ強化する一部改良を2025年11月25日に実施。
プロアクティブドライビングアシストや全車速追従機能付レーダークルーズコントロールを追加し、安全運転に寄与します。パワートレインは1.5Lガソリンエンジンと1.5Lガソリンエンジン+モーターのハイブリッドシステムの2種で、従来設定のあった1.3Lのガソリンエンジンは廃止に。
メーターはデザイン変更により4.2インチマルチインフォメーションディスプレイを全グレードで標準化、各操作スイッチを備えた新ステアリングホイールも導入しています。
| グレード | エンジン | 排気量 | 駆動方式 | 値段 |
|---|---|---|---|---|
| G | ガソリン | 1.5L | 2WD(FF) | 1,918,400円~ |
| 4WD | 2,080,100円~ | |||
| F | 2WD(FF) | 1,986,600円~ | ||
| 4WD | 2,149,400円~ | |||
| GX | ハイブリッド | 1.5L | 2WD(FF) | 2,038,300円~ |
| GL | 2WD(FF) | 2,209,900円~ | ||
| F | 2WD(FF) | 2,261,600円~ |
プロボックスへ2024年4月5日にバックモニター内蔵自動防眩インナーミラーを標準化する一部改良を実施
プロボックスが一部改良でバックモニター内蔵自動防眩インナーミラーを標準装備
プロボックスの一部改良が2024年4月5日に実施。
一部改良内容はバックモニター内蔵自動防眩インナーミラーを全グレードで標準化したこと。ボディカラーやグレード整理は行われていません。
| 全長 | 4,245mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,690mm |
| 全高 | 1,525mm(4WD:1,530mm) |
| ホイールベース | 2,550mm |
| 荷室長 | 1,810mm(2名乗車時)/1,040mm(5名乗車時) |
| 荷室幅 | 1,420mm(2名乗車時)/1,415mm(5名乗車時) |
| 荷室高 | 935mm |
| 車両重量 | 1,090kg-1,170kg |
| 最大積載量 | 350kg-400kg(2名乗車時)/200kg-250kg(5名乗車時) |
| 最小回転半径 | 4.9m |
| 最低地上高 | 140mm(4WD:130mm) |
| エンジン型式 | 1NZ-FE型/1NZ-FXE型(ハイブリッド) 直列4気筒 |
| エンジン総排気量 | 1.496L |
| エンジン最高出力 | 80kW(109PS)/6,000rpm[4WD:72kW(98PS)/6,000rpm] ハイブリッド:54kW(73PS)/4,800rpm |
| エンジン最大トルク | 136Nm(13.9kgm)/4,800rpm[4WD:127Nm(13.0kgm)/4,800rpm] ハイブリッド:111Nm(11.3kgm)/3,600-4,400rpm |
| モーター型式 | 1LM型 |
| モーター最高出力 | 45kW(61PS) |
| モーター最大トルク | 169Nm(17.2kgm) |
| トランスミッション | Super CVT-i/電気式無段変速機(ハイブリッド) |
| タイヤサイズ | 155/80R14 88/86S LT |
| ホイールサイズ | 14×5Jスチールホイール |
| 乗車定員 | 2名/5名 |
| 使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
| タンク容量 | 50L(ハイブリッド:42L) |
| WLTCモード燃費 | 15.1km/L-24.2km/L |
プロボックスの一部改良を2021年12月22日に実施 エントリーグレードGX追加
一部改良でハイブリッドのエントリーモデルGXを追加した新型プロボックス
新型プロボックスに新しいグレードGXを追加設定する一部改良を実施。2022年1月6日に発売開始します。
新グレードのGXは必要最低限の装備で販売価格を抑えたコストパフォーマンス抜群のグレードで、装備に拘らずハイブリッドの走行性能を魅力に感じる方におすすめのグレードです。
プロボックスの一部改良は新グレードの追加設定以外では、GXを除くグレードへアクセサリーコンセントを追加したことです。
プロボックスのボディカラーは4種類 ダークブルーマイカメタリックなどオシャレなカラーも設定
プロボックスのボディカラーはダークブルーマイカメタリックなどベーシックなホワイトやシルバーマイカメタリック以外のカラーも揃っています。商用車として登録されることが殆どのプロボックスですが、ベーシックカラー以外もとても似合っています。
プロボックスのボディカラー一覧
- ホワイト
- シルバーマイカメタリック
- ブラックマイカ
- ダークブルーマイカメタリック
ホワイト
シルバーマイカメタリック
ブラックマイカ
ダークブルーマイカメタリック
プロボックスのボディカラーの特徴として、有償カラーが無い点も嬉しいです。ホワイト・ブラックマイカ・シルバーマイカメタリックの比率が多いプロボックスなので、目立つ職種の方は少し派手な色でアピールするのも良いのではないでしょうか。
プロボックスのモデルチェンジ遍歴

プロボックスは、トヨタが2002年から販売しているライトバンです。カローラバン/スプリンターバンの後継として、乗用車の派生ではなく最初から商用バン専用に設計された点が最大の特徴。車名は「プロフェッショナル(Pro)」と「箱(box)」を組み合わせた造語で、その名のとおり荷室容積と使い勝手を最優先した割り切りの良さが支持されています。姉妹車のサクシードは2020年に販売を終了し、現在はプロボックスへ一本化されました。
なお2014年の大幅な変更はトヨタの公式呼称では「マイナーチェンジ」ですが、型式が全面的に改まったため自動車型式認定制度上はフルモデルチェンジとして扱われています。ここでは販売型ごとに整理しました。
プロボックス 2002年7月販売型 NCP5#/NLP5#型/2002年~2014年
2002年7月2日、姉妹車のサクシードと同時に発表・発売されました。プラットフォームは初代ヴィッツ系のNBCプラットフォームを流用しつつ、リヤまわりは荷室のフラット化のために専用開発。商用のバンモデルと乗用のワゴンモデルが用意され、当初はカローラ店とネッツ店の併売でした。
エンジンはバンが1.3Lの2NZ-FE型、1.5Lの1NZ-FE型に加え、1.4Lディーゼルターボの1ND-TV型の3本立て。ワゴンは1.5Lガソリンのみで、トランスミッションは4速ATと5速MTから選べました。
2003年4月17日、CNG(圧縮天然ガス)エンジンの1NZ-FNE型を搭載した仕様を追加。5月15日にはワゴンの特別仕様車「F エクストラパッケージ・リミテッド」を発売し、あわせて特装車のTECSに保冷バンとクーリングバンが加わりました。
2004年4月、ネッツ店での取り扱いが終了し、以後はカローラ店の専売車種となります。
2005年8月1日、一部改良を実施。積載時の光軸ずれに対応するマニュアルレベリング機構付ヘッドランプを全車に採用したほか、ハイマウントストップランプやワイヤレスドアロックの装備を拡大しました。最廉価グレードの「DX-J」はこのタイミングで廃止されています。
2007年9月30日、排出ガス規制への対応が難しくなったディーゼルエンジン搭載車が販売を終了しました。
2008年8月1日、一部改良でハイマウントストップランプが全車標準装備に。
2010年6月1日には燃費と排出ガス性能を高める一部改良を実施し、1.5Lガソリン2WD車が「平成22年度燃費基準+15%」を達成。ドアミラーを電動リモコン式とし、ボディカラーはシルバーマイカメタリックとベージュメタリックの新色を含む5色へ整理されました。
2012年4月26日、一部改良。ワゴンのリヤ中央席に3点式シートベルトを標準装備するなど、安全面の細かな手直しが行われました。
2013年10月11日、乗用登録のワゴンモデルが販売終了。以降は4ナンバーのバンモデルのみとなり、事実上の後継はカローラフィールダーが担う形になりました。
プロボックス 2014年9月販売型 NSP160V/NCP16#V/NHP160V型/2014年~
2014年8月6日にマイナーチェンジが発表され、9月1日から販売が始まりました。1.3Lエンジンを1NR-FE型へ置き換え、全車のトランスミッションをSuper CVT-i(CVT)に統一。従来の4速ATと5速MTは姿を消しています。新型エンジンとCVTを収めるためフロント側のプラットフォームをBプラットフォームへ変更しており、内容としてはフルモデルチェンジに近い刷新でした。
外観はフロントバンパーやグリル、ヘッドランプ、リヤコンビネーションランプの意匠を改め、サクシードと共通のデザインに。グレードは「DX」「DXコンフォート」「GL」に加え、1.5L車の最上位として「F」が新設されました。
2016年8月30日、一部改良を実施。軽自動車を除く4ナンバーの2BOX商用車として初となる衝突回避支援型プリクラッシュセーフティを含む「Toyota Safety Sense C」を全車標準装備し、レーンディパーチャーアラートとオートマチックハイビームもセットで採用しました。あわせて1.5L・2WD車にアイドリングストップ機能を標準装備し、JC08モード燃費19.6km/Lを実現しています。
2018年6月21日から、マツダへ「ファミリアバン」としてOEM供給が始まりました。
2018年11月19日には一部改良を実施し、待望のハイブリッド車を追加。全グレードにハイブリッドが設定され、WLTCモード燃費22.6km/L(JC08モード27.8km/L)を達成しました。ハイブリッド車はエアコンがオートタイプへ格上げされ、センターコンソール後方に小物入れも追加されています。予防安全面ではプリクラッシュセーフティに昼間の歩行者検知機能が加わり、イモビライザーやUSBポートも標準化されました。
2020年5月1日、トヨタの全車種併売化に伴い取り扱い店舗が拡大。5月6日には姉妹車のサクシードが販売を終了し、プロボックスへ一本化されました。同年8月にはガソリン車の燃費・排出ガス表記がWLTCモードへ対応しています。
2021年12月22日に一部改良が発表され、2022年1月6日に発売。既存グレードへアクセサリーコンセント(AC100V・100W)を標準装備するとともに、グレード体系を整理しました。「GL」をハイブリッド専用へ移し、「DX」「DXコンフォート」に代えてガソリン車に「G」、ハイブリッド車に「GX」を追加設定。ボディカラーはボルドーマイカメタリックとライトグリーンメタリックが廃止されています。
2024年4月5日、一部改良でインナーミラーをバックモニター内蔵の自動防眩タイプに変更。1.5Lガソリン4WD車を除いて2022年度燃費基準に対応し、ハイブリッド車のエンブレムは「HEV」表記へ改められました。
2025年11月25日、一部改良を実施。予防安全パッケージを最新世代のトヨタセーフティセンスへ刷新し、プリクラッシュセーフティの検知対象に昼間の自動二輪車を追加、交差点での支援も強化されました。全車速追従機能付きレーダークルーズコントロールとプロアクティブドライビングアシストを全車標準装備としたほか、4.2インチのマルチインフォメーションディスプレイと新デザインのステアリングホイールを採用。パワートレインは1.3Lガソリンが廃止され、1.5Lガソリンと1.5Lハイブリッドの2本立てに集約されました。20年以上前に登場した商用バンが、乗用車と同水準の運転支援を備えるに至った点は素直に驚かされます。
2026年9月4日、一部改良を実施。DCM(専用通信機)を全車標準装備してT-Connectに対応し、ヘルプネットやマイカーサーチが利用可能となりました。あわせて最新の法規に適合させ、価格は全グレードで47,300円引き上げられています。
| プロボックスのモデル | 販売年表 |
|---|---|
| 2002年7月販売型 NCP5#/NLP5#型 | 2002年~2014年 |
| 2014年9月販売型 NSP160V/NCP16#V/NHP160V型 | 2014年~ |




















