ホンダセンシングの特徴

ホンダセンシングの安全技術の特徴とN‐BOXなどの搭載車種

ホンダセンシングは、搭載車の販売台数が北米市場で100万台を超えた世界で支持される安全運転支援システム。フリードやN‐BOXなどの国内市場での搭載車種、衝突軽減ブレーキシステムなどの技術的特徴や作動条件も紹介。

ホンダセンシングの安全技術の特徴とN‐BOXなどの搭載車種

ホンダセンシングの技術的特徴・搭載車種をタイプ別に分けて紹介

ホンダは、2018年4月11日のプレリリースで、先進の安全運転支援システム「Honda SENSING (ホンダセンシング)」搭載車の累計販売台数が、米国市場で100万台を超えた事を発表しました。

同社は、2022年時において米国で販売する全ての四輪車で「ホンダセンシング」の標準装備を目指します。今回は、ホンダセンシングにパッケージングされる「衝突軽減ブレーキシステム」「誤発進抑制機能」など安全システムの技術力や作動条件、フリードやN‐BOXなど搭載される車種についても紹介します。

ホンダの安全運転支援システム「ホンダセンシング」の技術力

ホンダセンシングは、ミリ波レーダーと単眼カメラ、コントロールユニットで構成される先進の安全運転支援システムです。

同安全支援システムにパッケージングされる「路外逸脱抑制機能」「アダプティブ・クルーズ・コントロール」などの特徴を紹介します。

衝突軽減ブレーキシステム(CMBS)

衝突軽減ブレーキシステム(CMBS)の参考画像衝突を回避して被害を最小限にするためのブレーキサポート

「衝突軽減ブレーキシステム」では、前走車・歩行者・対向車との衝突を回避するため、あるいは被害を軽減するために、段階的に安全システムが作動します。

ホンダセンシングで前走車・歩行者との衝突回避ホンダセンシングで前走車・歩行者との衝突回避するシステム

ミリ波レーダーと単眼カメラによって5km/h以上のスピードが出ていれば作動する先行車や歩行者に対する衝突回避システムは、衝突リスクの高さに応じて、警告音とディスプレイ表示、自動ブレーキングの強弱で、衝突を積極的に回避します。リアクティブフォースペダル・E‐プリテンショナー装備車であれば、アクセルペダルの振動やシートベルトの引き込みが加わります。

ホンダセンシングで対向車との衝突を回避ホンダセンシングの対向車との衝突を回避するシステム

対向車(二輪車、自転車は除かれる)と向こうから歩いてくる人に対する安全支援システムは、自車のスピードが約80km/h~100km/h以下で作動します。

衝突軽減ブレーキシステムが作動しない恐れがあるケース

  • トンネル内などの暗い場所
  • 電波を反射する物体が近くにある
  • 歩行者の身長が1m以下、2m以上
  • 歩行者の体の一部がリュック等の荷物で隠れている

路外逸脱抑制機能

路外逸脱抑制機能の参考画像路外へはみ出さないようステアリング振動と音で警告

「路外逸脱抑制機能」は、約60km/h~約100km/hの速度域において、走行車線から路外へはみ出してしまう恐れがある場合に作動する運転サポートシステムです。

同システムでは、単眼カメラで車線を検知し、はみだす恐れがある場合には、メーター表示とステアリング振動で注意を与え、路外へのはみ出し幅が大きいとコントロールユニットが判断すれば、ブレーキシステムに命令を与え減速します。

路外逸脱抑制機能が作動しない恐れがあるケース

  • 車線が薄くなっている
  • 車線が陰に隠れて見えない
  • 路面が濡れているとき
  • 急カーブ
  • ウインカー操作を行っている

歩行者事故低減ステアリング

歩行者事故低減ステアリングの参考画像歩行者と衝突するのを避けるためにステアリング操作をサポート

「歩行者事故低減ステアリング」は、車速が10~40km/hの速度域にある場合に作動する安全システムで、走行車線をハミ出て、路側帯を歩く人と衝突する恐れがある場合に、シグナル音やメーターでの警告に加え、路側帯に車を移動させないようにステアリング制御をサポートし、衝突を回避します。

歩行者事故低減ステアリングが作動しない恐れがあるケース

  • ウインカー操作をしている
  • 急カーブ
  • 歩行者の身長が約1m以下、約2m以上
  • 歩行者の一部が傘などで隠れている

車線維持支援システム(LKAS)

車線維持支援システム(LKAS)の参考画像車線逸脱をステアリングの振動や音で警告

LKASは、高速道路で長距離移動する際に利便性の高まる運転サポートシステムです。

LKASは、約65km/h以上の速度で作動して、単眼カメラで走行車線を検知し、車線をはみ出しそうになったら、ステアリング振動と音などによる警告で注意を促します。

通常走行モードにおいても、車線中央部を走行するようなステアリングサポートを行い、ロングドライブ時の負担を減らします。

車線維持支援システムが作動しない恐れがあるケース

  • 車線が薄くなっている
  • 車線が陰に隠れて見えない
  • 路面が濡れているとき
  • 急カーブ

ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)

ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の参考画像適切な車間距離を保ち設定した速度内で走行

アダプティブ・クルーズ・コントロールは、急カーブや加減速操作の少ない高速道路等において、先行車との適切な車間距離を保つように運転サポートを行うシステムです。

同システムは、設定した速度での定速走行中に、先行車との距離や速度差をレーダーで測定し、接近し始めたら、自動的にスピード調整を行い適切な車間距離を維持させます。

自車と先行車との間にクルマが割り込んできたら、今度はそのクルマをターゲットとします。前走車が車線変更等でいなくなれば、設定速度までスピードを上げます。

レジェンドなどの車に備わる0km/h以上で作動する「渋滞追従機能」は、高速道路走行中に渋滞が発生している際に役立つ機能です。前走車がストップしたら自車もストップし、前走車が動き出したら自車もスタートして、追従走行を再開します。

アダプティブ・クルーズ・コントロールが作動しない恐れがあるケース

  • 大型トラックの側を走行
  • トンネル内を走行
  • 前走車が特殊な形状をしている(タンクローリーや軽トラなど)

標識認識機能

標識認識機能の参考画像道路標識の見落としをサポート

「標識認識機能」では、単眼カメラで道路標識を認識し、標識の種類に応じたベストなタイミングでディスプレイ内に表示させ、ドライバーに標識を見落としさせないようサポートを行います。

車両通行禁止や一時停止は標識を通過する手前で(60km/h以下で作動)、速度制限や追い越し禁止は標識を通過後にディスプレイ表示させます。

標識認識機能が作動しない恐れがあるケース

  • 標識が遠い位置にある
  • 日陰・木の枝で一部が隠れている

誤発進抑制機能

誤発進抑制機能の参考画像10km/h以下の誤発進で警告

「誤発進抑制機能」は、停車中あるいは10km/h以下での走行中に、前方に車両などの障害物があるにもかかわらずに、アクセルを強く踏んでしまった際に作動する安全システムです。

搭載するミリ波レーダーが近い距離にある障害物の有無を確認し、アクセル操作を行った場合に衝突の恐れがある場合には、音やメーター内表示で警告を与え、急加速をコントロールします。

誤発進抑制機能が作動しない恐れがあるケース

  • 前の車が正面にいない
  • 立体駐車場などの坂道

オートハイビーム

「オートハイビーム」では、夜間走行時の安全性アップにつながるクリアな視界を確保するために、ハイビームとロービームを自動で切換えます

同システムでは、約30km/h以上のスピードが出てる際に、単眼カメラで前方の明暗を確認し、周囲に街灯などがなく暗い場合には、光量を確保するために自動でハイビームへと切り替えます。先行車・対向車が確認されれば、自動でロービームへと切り替わります。

オートハイビームが作動しない恐れがあるケース

  • 対向車・先行車が二輪車や自転車
  • シビアな天候状況
  • カーブが続く道

先行車発進お知らせ機能

先行車発進お知らせ機能の参考画像先行者が発進したらアラームやメーター内でお知らせする

「先行車発進お知らせ機能」は、信号待ちなど車を停めている際に、前の車が発進しているにもかかわらず、自車が気づかず停車を続けている場合に作動するシステムです。

ミリ波レーダーで前走車の状況を検知し、前の車が移動したにもかかわらず、自車が止まったままであれば、警戒音やメーター内で状況を知らせて、発進をうながします。

先行車発進お知らせ機能が作動しない恐れがあるケース

  • 前走車が極端に遅い場合
  • 正面にいない
  • 勾配のある坂道
  • 前の車が正面にはいない
  • 特殊な形状の車両(二輪車・荷台の高いトラックなど)

後方誤発進抑制機能

「後方誤発進抑制機能」は、バック駐車する際に、後ろにある障害物とぶつかりそうな場合に作動する安全システムです。

同システムは、停車時・10km/h以下の低速後退時に作動します。進行方向に障害物があるにもかかわらず、アクセルペダルを踏み込んだ場合には、警告音で注意を与える、またはアクセルコントロールを行って衝突を回避します。

後方誤発進抑制機能が作動しない恐れがあるケース

  • 後方にある障害物が細い
  • センサーが汚れている
  • 悪天候や低温状況
  • 周辺に超音波発信物がある

ホンダセンシングが搭載される車種はこれからも増えていく

ホンダセンシング搭載車種ホンダは今後全ての車種にホンダセンシングを搭載する予定

ホンダセンシングは、米国市場では2014年10月発売の「CR‐V」で初めて搭載されました。日本では、2015年1月に発売した「オデッセイ」に初搭載。その後、搭載する車種を増やし、日本国内では軽自動車市場で好調な販売を続けるN‐BOXや、世界で評価されるコンパクトSUVヴェゼルなど計13車種に搭載されます。

ホンダは、国内外において自車への「ホンダセンシング」の搭載に積極的なため、今後も搭載車種は増えていきます。

日本国内でホンダセンシングを搭載する車種

  • セダン/ハッチバック
    レジェンド、アコード、グレイス、シビック ハッチバック、シビック セダン、インサイト
  • コンパクト
    シャトル、フィット
  • ミニバン
    オデッセイ、ジェイド、ステップワゴン、フリード
  • SUV
    ヴェゼル、CR-V
  • 軽乗用車
    N‐BOX

※2019年4月時点
※車種により、パッケージングされる安全運転支援システムは異なります。

進化を続ける「ホンダセンシング」によって事故に遭わない社会が実現

ホンダ車

ホンダは「ホンダセンシング」を中心とした安全技術を今後も進化させる事で、事故に遭わない社会の実現を目指します。

ホンダセンシングは今後、「衝突軽減ブレーキシステム」などの既存システムの性能を上げて、新たな安全運転支援システムを導入して、その技術力によって事故に遭わない車社会を実現させます。