ムーヴのモデルチェンジに関する最新情報
ダイハツの軽トールワゴン「ムーヴ」の次期モデルチェンジを2024年秋頃に実施すると予想。先にフルモデルチェンジが行われて誕生した4代目タントと同様に新プラットフォームDNGAで開発する新型ムーヴは、次世代型の予防安全装備スマートアシストの搭載が確実視されています。
KF型エンジンを改良し、新開発のCVTを導入する可能性の高い7代目ムーヴに関する情報を予想も交えて紹介していきます。
新型ムーヴのフルモデルチェンジモデルは2024年秋頃発表・発売
現行型ダイハツ・ムーヴのエクステリア
ダイハツ・ムーヴのフルモデルチェンジを2024年秋頃に発表か。
ダイハツは公式に2023年6月下旬までに現行ムーヴの生産終了を発表、新型モデルの正式発表は2023年内に実施する可能性がありましたが、2024年秋頃に発表・発売へスライド。
新型ムーヴはタントと共通のコンポーネンツとDNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)を採用。重心が低く安定性のある走りと優れた燃費性能、先進技術による高い安全性能を実現。
ムーヴのパワートレインはコンパクトSUVのロッキーからスタートした、100%モーター走行のシリーズハイブリッドシステムe-SMART HYBRIDの搭載が噂されましたが、2024年秋頃のフルモデルチェンジではe-SMART HYBRID搭載は見送りに。
新装備の電動パーキングブレーキとオートブレーキホールドを搭載、9インチディスプレイオーディオや両側スライドドア、そして1,292,500円からのスタートプライスで魅力を高めます。
グレード | 駆動方式 | 値段 |
---|---|---|
L | 2WD | 1,292,500円~ |
4WD | 1,416,700円~ | |
X | 2WD | 1,419,000円~ |
4WD | 1,543,200円~ | |
G | 2WD | 1,633,500円~ |
4WD | 1,757,700円~ | |
RS | 2WD | 1,809,500円~ |
4WD | 1,933,700円~ |
今回のフルモデルチェンジでは6代目ムーヴまで設定していたエアロ仕様のムーヴカスタムの名称を廃止、ムーヴの単グレード展開になり、ムーヴの上級グレードGとRSに専用アルミホイールやエアロパーツなどを装着するエアログレードとして、実質的なムーヴカスタムの代替モデルにします。
注目されるのはLグレードが1,292,500円という予想価格設定。近年は改良せずに車両価格を上昇するケースも一般的になりつつあり、スライドドア搭載で安全装備も充実するモデルが130万円未満で購入できるのは魅力的です。
ムーヴがフルモデルチェンジせずに生産終了する可能性も
ムーヴは2014年のフルモデルチェンジを最後に、大きな改良を行っていません。設計も古いため、2023年にフルモデルチェンジするという噂がありましたが、生産終了の噂も出てきました。
スライドドアを持たず、使い勝手が良いとは言えないため、ダイハツが販売するムーヴキャンバスに統合する可能性があるとのことです。
7代目ムーヴはダイハツの新プラットフォーム「DNGA」を採用
新プラットフォーム「DNGA」を採用する可能性が高い
2024年以降に次期型にモデルチェンジする可能性がある7代目ムーヴは、先にフルモチェンジが行われた4代目タントと同様にDNGA(Daihatsu New Global Architecture)を導入する可能性が高いと判断します。
DNGAは、親会社であるトヨタがプリウスから採用するTNGA(Toyota New Global Architecture)をインスパイアする形で、開発が進められたダイハツの新たなプラットフォームです。
電動化やコネクトサービス等の実現も見据えながら、車の基本設計をゼロベースから見直して一括化させるDNGAを7代目ムーヴが導入すれば、車両重量の軽減化・車体の高剛性化・操縦安定性の向上などが実現されます。
新型ムーヴには次世代型スマートアシストの搭載が期待
次世代型スマートアシストの搭載に期待
7代目ムーヴには、レーンキープコントロール(車線逸脱防止支援システム)、スマートクルーズコントロール(全車速追従機能)、パーキングアシスト等を可能とする運転支援システムを導入した、次世代型スマートアシストの搭載が期待されています。
ライバル車であるホンダ・N-BOXに対抗するために、ダイハツが次世代スマートアシストを新型ムーヴの全グレードに標準装備させるかどうかにも注目が集まります。
マルチスパーク等の新技術が採用されるエンジンを7代目ムーヴが搭載すれば加速性がアップするだけではなくて更なる低燃費も実現
新型ムーヴは現行モデル(6代目)が搭載するKF型の自然吸気とターボエンジンを改良して、量産ガソリンエンジンとしては日本で初めて、スパークプラグが1回の爆発時に火花を2回飛ばすマルチスパーク方式等の先進技術を導入する見込みです。
新型ムーヴがマルチスパーク方式等の先進技術を導入したKF型のエンジンを搭載すれば、先に導入した4代目タント同様に更なる低燃費や走行性能のアップを期待できます。
DNGAを採用する新型ムーヴは現行モデルより優れた燃費性能を実現
車両重量を軽減化できるDNGAを採用、燃焼効率を改善する改良エンジンを搭載する新型ムーヴは、現行モデル(6代目)よりも優れたカタログ燃費や、実燃費を実現させる可能性が高いと判断します。
グレード | 駆動 | 現行型(JC08モード) | 7代目(予測値・JC08モード) |
---|---|---|---|
X | 2WD | 31.0km/L | 32.8km/L |
4WD | 27.6km/L | 29.4km/L | |
X SA3 | 2WD | 31.0km/L | 32.8km/L |
4WD | 27.6km/L | 29.4km/L | |
Xターボ SA3 | 2WD | 27.4km/L | 28.8km/L |
4WD | 25.6km/L | 26.4km/L | |
L | 2WD | 31.0km/L | 32.8km/L |
4WD | 27.6km/L | 29.4km/L | |
L SA | 2WD | 31.0km/L | 32.8km/L |
4WD | 27.6km/L | 29.4km/L |
新開発のCVTを搭載する見込みの7代目ムーヴはワンランク上の乗り心地を堪能できる軽自動車
7代目ムーヴは親会社であるトヨタが開発したDirect Shift‐CVTの流れをくむ無段変速機「D‐CVT」を搭載する見通しです。
伝達効率と変速比幅の拡大を可能とするD-CVTを新型ムーヴが導入すれば、DNGAとの相乗効果によりワンランク上の乗り心地を体感できるようになります。
フルモデルチェンジで誕生する7代目ムーヴの車両価格帯は116万円~180万円ほどになると予想
次期フルモデルチェンジで誕生する新型ムーヴ/ムーヴカスタムの車両価格帯は、116万円~180万円ほどになると予想します。
次世代型スマートアシストやD-CVTの搭載等のアップ要因はあるものの、開発・製造・部品調達の効率化によってコストカットが期待できる新プラットフォーム「DNGA」を導入すれば、ある程度の金額は相殺されるため、モデルチェンジ後の車両価格がアップするのは確実です。
グレード | 駆動方式 | 車両価格 |
---|---|---|
L | 2WD | 1,112,400円~ |
4WD | 1,236,600円~ | |
L SA3 | 2WD | 1,177,200円~ |
4WD | 1,301,400円~ | |
X | 2WD | 1,209,600円~ |
4WD | 1,333,800円~ | |
X SA3 | 2WD | 1,274,400円~ |
4WD | 1398600円~ | |
X リミテッド2 SA3 | 2WD | 1,252,800円~ |
4WD | 1,377,000円~ | |
X ターボ SA3 | 2WD | 1,350,000円~ |
4WD | 1,474,200円~ |
グレード | 駆動方式 | 車両価格 |
---|---|---|
X | 2WD | 1,371,600円~ |
4WD | 1,495,800円~ | |
X リミテッド SA3 | 2WD | 1,490,400円~ |
4WD | 1,614,600円~ | |
X リミテッド2 SA3 | 2WD | 1,490,400円~ |
4WD | 1,614,600円~ | |
RS ハイパーSA3 | 2WD | 1,625,400円~ |
4WD | 1,749,600円~ | |
RS ハイパーリミテッドSA3 | 2WD | 1,625,400円~ |
4WD | 1,749,600円~ |
「感動させる」という意味を持つムーヴのモデルチェンジ遍歴
ムーヴはダイハツが販売していた軽トールワゴンで、「ムーヴ」「ムーヴカスタム」の2グレードで、5代目まで続いた横開き式のバックドアにこだわり続けました。スズキのワゴンRと共に、軽トールワゴン人気を牽引してきた存在でもあります。
ムーヴ 初代 L600/602/610S型:1995年~1998年
1995年L500系ミラをベースとした初代ムーヴが誕生しました。AT車にフルタイム4WDの用意がありました。翌年5月には一部改良で運転席SRSエアバッグシステムとおアワードロックが全車に標準装備されました。「SR」に3気筒DOHCターボEF-RL型が搭載され、4気筒ターボエンジンを搭載しているのは「SR-XX」となりました。
1997年5月、一部改良で「カスタム」モデルを追加。「CL」に4WDの追加設定がされました。12月にはマイナーチェンジを行い、「SR」を廃止、「SR-XX」が3気筒EF型エンジンに変更、4気筒JBエンジンを搭載した「エアロダウンカスタムXX」が追加になりました。
1998年12月、販売が終了します。
ムーヴ 2代目 L900/902/910S型:1998年~2002年
1998年10月、2代目ムーヴに軽自動車規格改定に合わせてフルモデルチェンジしました。エクステリアは現代風に刷新されています。
1999年5月、「CL」をベースとした特別仕様車「ハローキティ」を発売。同年6月、特別仕様車「CLセレクション」を発売。11月にはグレード体系が見直され、「SR-XX」が廃止すると入れ替わりでEF-DET型3気筒DOHC12バルブインタークーラー付きターボエンジンを搭載した「CR」を、装備を省略可した「カスタムLセレクション」、5速MTに4WDの「M4」を追加設定。
2000年、5月、特別仕様車「Sエディション」を発売。「カジュアルSエディション」「カスタムSエディション」「エアロダウンカスタムSエディション」が用意されました。10月には「カスタムL」「カスタムターボ」「エアロダウンカスタム」にABSを標準装備の「リミテッドシリーズ」を設定。新グレードとして「CX-T」を追加。
2001年1月、「エアロダウンRS」「エアロダウンRSリミテッド」を追加。5月には制サイン累計台数100万台を突破した記念に、特別仕様車「メモリアルエディション」を発売。10月には一部改良で環境性能とインテリアがベンチシートになるなど、内装の変更も行われました。グレードでは「エアロRS-XX」、PARCOとのコラボで「カスタムパルコ」「カスタムパルコターボ」が追加されました。12月には「RSパルコ」も追加されています。
2002年6月、「ナビエディション」として、コンパクトナビゲーションシステムⅡを装備したシリーズを発売。10月には3代目と入れ替えのため、販売を終了しました。
ムーヴ 3代目 L150/152/160S型:2002年~2006年
2002年10月、標準者は「生活改新!エキサイティングミニバン」、カスタムは「モバイル世代のラジカルボックス」をテーマに、3代目にフルモデルチェンジしました。
2003年5月、一部改良と特別仕様車「カスタムXリミテッド」「カスタムRリミテッド」を発売。9月には特別仕様車「Lリミテッド」「Xリミテッド」を発売。12月に特別仕様車「ナビエディション」を発売。
2004年5月、ハイグレード仕様の特別仕様車「V Selection」を発売。7月には「ナビエディションⅡ」「カスタムL Vセレクション」が発売。12月にはマイナーチェンジで環境性能が向上し、内外装のデザインが変更されました。また、グレード体系の整理も行われました。
2005年8月、シリーズ発売10周年を記念して、特別仕様車「カスタムVS」「HDDナビエディション」を発売。9月には標準車にも「VS」を追加。
2006年10月、4代目と入れ替えで販売が終了しました。
ムーヴ 4代目 L175/L185S型:2006年~2010年
2006年10月、プラットフォームとエンジンを一新して4代目にフルモデルチェンジしました。ターボエンジンが廃止され、「L」「X」「X Limited」のグレード体型になります。
2007年8月、創立100周年記念特別仕様車「メモリアルエディション」を発売。
2008年6月、特別仕様車「L selection」「カスタムXC edition」を発売。12月にマイナーチェンジを行いました。グレードでは「S」が追加されました。
2009年、特別仕様車「L VS」「X VS」「R VS」を発売。12月に一部改良が施され、グレードの整理などが行われます。
2010年5月、新グレードの「X VSⅢ」を追加。12月、5代目へ移行のため販売を終了。
ムーヴ 5代目 LA100/110S型:2010年~2014年
2010年12月、軽量化とエンジンの見直し、CVTにトランスミッションを統一して5代目にフルモデルチェンジしました。標準モデルが「L」「X」「X Limited」、カスタムモデルが「X」「X Limited」「G「RS」のグレード設定。
2011年5月、スバルのステラにOEM供給を開始。8月と11月に一部改良で環境性能が向上。
2012年5月、一部改良で燃費性能が向上、12月にはマイナーチェンジが行われ、基本性能と燃費性能、安全性能、デザインの向上が施されました。グレードではスマートアシストを搭載したモデルが追加になりました。
2013年6月、国内累計販売台数が307万台を突破。7月には「カスタムRS”SA”」を追加。10月には一部改良が施されます。
2014年5月、特別仕様車「スマートセレクションSA」「スマートコレクションSN」「スマートセレクションSA&SN」が発売されました。12月には6代目と入れ替わりのため、販売を終了しています。
ムーヴ 6代目 LA150/160S型:2014年~2023年
2014年12月、基本性能に重点を置いて6代目にフルモデルチェンジしました。「X"Limited"」「X"Limited SA"」が廃止され、「X"ハイパー"」「X"ハイパーSA"」「RS"ハイパー"」「RS"ハイパーSA"」を追加しました。
2015年4月、一部改良で安全性能が向上。10月、発売20周年記念の特別仕様車「20th Anniversary ゴールドエディション SAⅡ」を発売。
2016年一部改良で、カスタムに「X”Special”」を追加。ハイパーシリーズではインテリアの仕様変更を行いました。
2017年3月に一部変更でボディカラーの見直し、8月にはマイナーチェンジが行われました。スマートアシストⅡがⅢになり、その他の安全性能も強化され、グレードの見直しもされました。
2018年8月、特別仕様車「X”リミテッドSAⅢ”」「カスタムX”リミテッドⅡ SAⅢ”」「カスタムRS"ハイパーリミテッド SA III"」を発売。12月にはボディカラーの設定を変更。
2019年7月、前年8月の特別仕様車をバージョンアップして「X”リミテッドⅡSAⅢ”」を発売。
2020年2月にボディカラーの設定を見直し、8月には仕様変更で環境性能が向上しました。
2021年9月には一部改良と特別仕様車「カスタムX"VS SA III"」を発売。
2023年7月、販売終了。フルモデルチェンジの発表が無期延期となり、ムーヴは一時的に途切れることとなりました。
ムーヴのモデル | 販売年表 |
---|---|
初代 L600/602/610S型 | 1995年~1998年 |
2代目 L900/902/910S型 | 1998年~2002年 |
3代目 L150/152/160S型 | 2002年~2006年 |
4代目 L175/L185S型 | 2006年~2010年 |
5代目 LA100/110S型 | 2010年~2014年 |
6代目 LA150/160S型 | 2014年~2023年 |
安全性の強化・更なる低燃費を実現させる新型モデルの誕生によってムーヴは軽自動車市場での勢いを取り戻す
ワゴンRとの競争関係によって軽トール・ハイトワゴン市場を長い間リードしてきたダイハツ・ムーヴは、ホンダN-BOXや日産デイズなどの新興勢力が登場してからは、同市場においてのシェア率は下落傾向にあります。
軽自動車ながらも高級車に匹敵するような先進の予防安全システムを組み込んで、改良エンジンを搭載して更なる低燃費を実現させる新型ムーヴは、消費者の購買意欲を十分に刺激できる軽自動車です。