光岡自動車の車は昔から個性的!歴代車種を画像つきで紹介!
光岡自動車は、レトロで個性的な車を開発・製造することで知られる自動車メーカーです。本社は富山県富山市にあり、従業員数は約400名で、「日本一小さい自動車メーカー」でもあります。
2018年には創業50周年を迎えており、大手自動車メーカーと異なるクルマ作りで自動車ファンにとっては気になる存在の光岡自動車。どのようにして熾烈な競争のある自動車業界を生き抜き、一目置かれる存在へと成長したのでしょうか。
光岡自動車の歴史、現在販売中の現行車種、50ccエンジンを搭載したミニカーなども含めて過去に販売していた歴代車種を紹介します。
光岡の歴史とは?日本一小さい自動車メーカー誕生までの道のり
光岡自動車の歴史をご紹介。創業時は富山県富山市の小さな工場だった光岡自動車が、自動車業界で一目置かれる企業に成長するまでの道のりを振り返りましょう。
光岡自動車の原点は、整備工場と中古車販売店
光岡自動車の創業は1968年2月。創業者の光岡進は、元は日野自動車のディーラーでしたが、退職して独立。富山県富山市に板金塗装や修理サービスが主体の「光岡自動車工業」を創業し、生計を立てていました。これが現在の光岡自動車の前身です。
創業から1年ほど経過した頃、光岡氏は東京の空き地で行われた中古車の屋外展示販売を目にします。このビジネスを富山でも行おうと、1970年5月に中古車販売「カーショップ光岡自動車」を創業。「BUBU」という店舗名で、全国展開に成功します。
1979年には「光岡自動車工業」と「カーショップ光岡自動車」を統合させて、「株式会社 光岡自動車」が誕生します。
1980年代前半にはミニカー規格のオリジナルカーを初めて開発
1980年代に入ると、光岡自動車は、ミニカー(マイクロカー)と呼ばれる50ccエンジンを搭載した1人乗り専用車を開発。光岡にとって初の自社製造のオリジナルカーとなりました。
しかし、1985年までは自動二輪免許・原付免許で運転が可能だったミニカーですが、法改正により普通自動車運転免許が必要になってしまい、需要が激減。光岡自動車もやむなくミニカー事業から撤退します。
1980年後半からレプリカ車を製造し、「クラシカルな改造車」ビジネスを確立
ミニカー事業から撤退した光岡自動車ですが、創業者で当時の社長だった光岡進氏はアメリカ・ロサンゼルス市内でポルシェ356スピードスターを復刻したVWビートルベースのレプリカ車を目撃します。当時のアメリカでは、自分で組み立てる往年名車のキットカーが流行しており、ここに商機を見出しました。
1987年、メルセデス・ベンツSSKをモチーフにしたVWビートルベースのレプリカ車「BUBUクラシックSSK」を発表。その後もポルシェ356のレプリカ車などを販売し、「クラシックカーをモチーフにした改造車製造」という現在まで繋がるビジネスモデルを確立していきます。
1996年「ゼロワン」により国内10番目の乗用車メーカーとして認定
1994年、光岡自動車は名車ロータス・スーパーセブンをモチーフにしたスポーツカー「ゼロワン」を発表します。自社で設計・製造したフレームを使用したオリジナルカーで、度重なる行政との折衝や衝突試験を繰り返し、1996年に正式に新型自動車として認定されます。
このゼロワンが新型自動車として型式認証を受けたことにより、光岡自動車は日本で10番目の国産乗用車メーカーとなりました。
光岡自動車創業55周年記念の特別モデルM55 CONCEPTを発表
光岡自動車の創業55周年を祝す特別モデルのM55 CONCEPT(エムダブルファイブ コンセプト)を2023年に公開。
55年の人生を歩んだ「同世代の方々」をメインターゲットしたというエクステリア、1970年代の時代感覚をベースに、当時の夢や希望を抱き、時代を駆け抜けたユーザーのマインドを形にしたとのこと。
またM55 CONCEPTはコンセプトモデルとして発表していましたが、2024年11月にM55 Zero Editionとして市販モデルを発表、限定100台で2025年に販売開始します。
M55 Zero Editionの販売価格は8,085,000円。
光岡自動車の現行車種一覧
光岡自動車が販売している車種をご紹介。ガリューやビュートなどロングセラーの印象が強いですが、2018年発表の記念車ロックスターには予約が殺到し、大きな話題となりました。
Buddy(バディ) 2020年~
2020年9月24日にティザーサイトを公開した、光岡自動車初のSUVがBuddy(バディ)です。光岡では「自然体でラフ、それでいてセンスもシンパシーも感じるモデル」としていて、ベース車両はトヨタのRAV4です。
2020年11月26日から先行受付を開始して2021年6月24日発売。
光岡が2018年に販売して話題を集めたロックスターとは違い、限定販売ではなく通常のラインナップなので、納期が長期化したとしても必ず購入できることが嬉しいです。
予想を上回る人気を集めたバディは2021年12月2日に一部改良を実施。2022年は累計販売台数1,000台を突破したことを発表、バディの増産計画もあります。
2022年10月7日にも一部改良を発表。
録画機能付きのインナーミラーを設定したことや、安全装備の拡充、ディスプレイオーディオやマルチインフォメーションディスプレイを大型化しました。
光岡自動車が販売するSUVバディへ特別仕様車MJ style(MJ スタイル)を設定。
2WDを15台と、4WDを5台の計20台のみの希少な限定モデル。
専用ボディカラーのブラックマイカ/スリラーレッドの2トーン仕様で、レザーシート・トリムなども専用になり、左右ドアにBuddy MJ styleのエンブレムを装備。
Buddy MJ styleの販売価格は2WDモデルが6,780,000円、4WDモデルが6,975,800円です。
ガリュー(我流)1996年~
のベースは日産ティアナ。モチーフは1950~60年代の英国ロールス・ロイスのシルヴァークラウドII。近年ではガリューをベースにした霊柩車が葬儀業界で大人気。クラシカルゆえに長期使用しても古く見えず、飽きがこないのが良いらしい。
リューギ(流儀)2014年~
ベース車両はセダンがトヨタ・カローラアクシオ、ワゴンがカローラフィールダー。ガリューと同じく英国ロールス・ロイスのシルヴァークラウドIIをモチーフにしている。光岡初のハイブリッド車も設定。エンブレムは七宝焼き。
ビュート(美遊人)1993年~
光岡自動車の売れ筋モデル。モチーフはジャガー・Mk2。3代目のベース車両は日産・マーチ。ベース車両の内外装を1度分解し、手作業でカスタムしつつ組み立て直して製作。映画『探偵はBARにいる』の劇中車「高田号」としても活躍。
ビュートの特別仕様車「カフェラテ(Caffe Latte)」が2020年4月17日から発売。「可愛らしさ、上質さ、癒し」がテーマで、専用ボディカラーの「カフェラテ」が可愛いお得な1台。ビュートカフェラテは台数限定販売で、ビュートが35台、ビュートなでしこが15台設定。
2023年9月21日発表・22日発売の4代目ビュートストーリーにモデルチェンジ、日産マーチからトヨタのヤリスにベースモデルを変更。ボディカラー12色、インテリアはレザーシートと専用パネルガーニッシュが各8色ずつ設定していて自分だけのビュートストーリーを選ぶことが可能に。
ビュートなでしこ 2015年~
ビュートの5ドアハッチバックモデル。ベース車の日産マーチのリアを流用することで、セダンフォルムに仕上げているビュートよりも価格が60万円ほど安い。2018年にパステルカラーの特別仕様車「フレンチマカロン」も販売。
ヒミコ(卑弥呼)2008年~
初代はマツダ・ロードスターNC型をベースにしつつ、ホイールベースを700mm延長するなど大改造を施していた。2代目(2018年~)はND型ベースに変更。オプションで全30色からカラーが選択可能に。6速MT仕様あり。
また、ヒミコの2024年モデルを2023年7月20日発表。ワングレードの7色展開で販売価格は6,787,000円で、10台のみ販売する限定モデルになりました。
ライクT3 2012年~
家庭用コンセントで充電可能な電気自動車。後2輪、前1輪のトライク型小型車で、定員2名、後部の積載量は100kg。1回の充電6時間で約60km走行可能。企業名のステッカーやロゴを貼り付けられるように前面や側面はシンプル。
光岡自動車が生産終了した歴代車種一覧
ミニカー(マイクロカー)やキットカーを含めて生産終了した光岡自動車の歴代車種を紹介。
国産自動車メーカーとしての認証を受けるに至ったゼロワンやファッションスーパーカーのオロチ、光岡50周年限定モデルのロックスターなども印象深い1台です。
BUBU50シリーズ 1982~1985年
50ccエンジンを搭載した1人乗り専用マイクロカー。自動車整備と中古車販売の2本柱だった光岡自動車がオリジナルカー製造へと踏み出すきっかけに。現在はミニカー事業からは撤退しているが、大切に乗り続けているファンが多い。
BUBUクラシックSSK 1987年
メルセデス・ベンツが1928年に発売したスポーツカー「SSK」をモチーフしたレプリカ車。SSKはルパン三世の愛車としても有名。ベース車両はVWビートルで1.6Lの空冷エンジン搭載。200台限定、価格295万円だが、大ヒット。現在も中古市場で価格高騰中。
BUBU356スピードスター 1989~1990年
ポルシェ356スピードスターのレプリカ車。356はフェルディナンド・ポルシェが設計したVWビートルをベースに息子フェリーが開発した小型スポーツカー。光岡もこれに倣い、ビートルをベースにレプリカを製作。
ラ・セード 1990~1993年/2000~2001年
ベース車両は日産シルビアだが、シルビアのモノコックボディを切断し、光岡オリジナルの梯子状フレームと組み合わせた大改造モデル。シルビアベースのため、部品が手に入りやすく、メンテナンスが容易。2代目はニューラセードの車名で販売。
ドゥーラ 1991~1993年
500台限定のオリジナルフルオープンカー。ベース車は1979年式フォード・マスタングで、エンジンもフォード製V8エンジンを搭載。全長・全幅・ホイールベースが延長されており、日本の道路ではカーブを曲がるのが大変なことも。
ゼロワン 1994~2000年
光岡が自社設計したオリジナル・スポーツカー。デザインは多くのキットカーメーカーがモチーフにするロータス・スーパーセブンの影響が大きい。当初は組立車扱いだったが1996年に新型自動車として認証を受け、光岡も正式に国産自動車メーカーに!
K-1 1998年
ユーザーが自分で組み立てて製作するキットカー。自治体に申請すれば公道走行可能で、車名も自分で決められる。プロだとエンジンに2時間、全工程で10時間程度の製作時間。当時の販売価格は32.5万円。
リョーガ(凌駕)1998~2004年
初代はP11型プリメーラ&プリメーラワゴンがベース。よくいえば控えめ、悪く言えばワゴンはリアがプリメーラのままとやや中途半端な印象。2代目はB15型サニーがベースで、前後ともに光岡らしいクラシカルデザインに。価格も先代より抑えている。
レイ(麗)1999~2004年
初代・2代目のベース車両はマツダ・キャロル、3代目はダイハツ・ミラジーノがベース。全長が軽自動車規格を超えた登録車(白ナンバー)も存在。初代と3代目は内装に木目調パネルが与えられているが、2代目はほとんどベース車と同じ。
ユーガ(優雅)2000~2001年
ベース車両は日産キューブZ10型。キューブの特徴である箱型エクステリアをロンドンタクシー風に仕上げた5ドアトールワゴン。キューブのモデルチェンジに伴い1年で生産終了となった、光岡の中でもかなりのレア車。
ヌエラ 2004~2012年
初代はホンダ・アコード7代目がベース。丸形4灯ヘッドライトが存在感抜群。アコードのモデルチェンジに合わせて2008年生産終了。2代目はトヨタ・カローラシリーズをべースに車名をヌエラ6-02(ロクゼロニイ)に改称し、ステーションワゴンを追加。
ガリュー2-04 2008~2012年
「ニイゼロヨン」の読みでOK。ガリューⅢ(3代目ガリュー・日産フーガがベース)の弟分として誕生した、サイズを一回り小さくしたコンパクトセダン。ベース車両は初代カローラアクシオ。現在は認定中古車として販売中。
ガリューコンバーチブル 2007~2012年
ガリューの4人乗りオープンモデルだが、ベース車両はフォード・マスタングコンバーチブル。デザインは共通だが、通常のガリューは日産車がベース。V6とV8エンジンモデルが存在。5速ATのみ。
オロチ(大蛇)2007~2014年
日本神話「ヤマタノオロチ」をイメージした唯一無二のファッションスーパーカー。総生産台数は200台未満、著名人オーナーとしては高須クリニックの高須克弥氏など。限定各1台の「エヴァンゲリオン オロチ」「デビルマンオロチ」も存在。
キュート 2009~2013年
日産マーチK12型の認定中古車をベースにしていたビュートの姉妹車。漢字では「喜遊人」と表現。ハッチバックスタイルのため、荷物の積み下ろしなど実用面で優れており、後方視界もビュートより良い。価格108万円~と新車ではないためお買い得。
ライク(雷駆)2010~2011年
三菱の軽自動車i-MiEV(i-MiEVは登録車)をベースにした電気自動車。ライクはバンパーを巨大化したことで、当初から登録車としてのデビューしている。価格428万円だが、補助金により実質価格は314万円。
ライク3は、経済産業省の「クリーンエネルギー自動車導入促進対策費補助金」の補助金対象車ですので、実際にはもっと安く購入可能です。
ロックスター 2018年~
光岡創業50周年を記念した限定車。60~70年代のアメ車からインスピレーションを得ており、「現代版コルベットスティングレイ」の声も。ベース車両はマツダ・ロードスター(ND型)。470万円~とロードスターと2倍以上価格差があるなか200台が約2ヶ月で完売。
光岡自動車はオンリーワンの自動車メーカーであり続ける!
光岡の車は、1台1台熟練の技を持つ職人たちがハンドメイドで組み立てていきます。オートメーションのラインが存在しないため、生産できるのは1日1台程度です。
創業から50年の時間が経過しましたが、光岡は大きな自動車メーカーになることを目指してはいません。
「小さな自動車メーカーだからこそ作れる車がある」。ナンバーワンよりオンリーワンを目指すのが光岡自動車なのです。これからも独創的な車を製造し、多くの人を楽しませてくれることでしょう。