ループコイル式オービスの特徴

ループコイル式オービスとレーダー式の違いは?速度の計測法などで比較

ループコイル式オービス等の情報。レーダー式やループコイル式はどのように速度を計測しているのか、法定速度を何キロくらい超過していれば撮影されてしまうのか、自宅に通知書が届いたらどのような刑罰が下されるのかなどの疑問点に答える。

「ループコイル式オービス」はどのようにして速度を計測している?その他オービスのタイプ別の特徴

オービスの正式名称は「自動速度違反取締運転装置」です。オービスは、パトカーや白バイによる人海戦術による取り締まりだけでは検挙しきれない、法定速度を大幅に上回るスピードで走行している車両のナンバープレートや、ドライバーを撮影して特定するために設置します。

昼間・夜間を問わず24時間稼働している固定式オービスは、「ループコイル式」と「レーダー式」に大別されます。ここでは「ループコイル式」と「レーダー式」が、どのように走行車両の速度を計測しているのか、法定速度を何キロほど上回っていれば撮影されてしまうのかなどの疑問点についても答えていきます。

また「LHシステムオービス」や「新型小型オービス」などの最新モデルに関する情報も扱います。

ループコイル方式はインダクタンスの変化・レーダー方式はドップラー効果を利用して車速を計測、2016年以降はレーザー方式を採用するオービスも増えている

ループコイル方式を採用するオービスはインダクタンスの変化を利用して、レーダー方式を採用するオービスはドップラー効果を利用して車速を割り出します。

レーダー方式を採用するオービスは、対象とする車両にレーダーを照射させて、反射波としてセンサー部に戻ってきたレーダーの波長の変化度合いなどから車速が推測します。

観測者とする自分に接近する、あるいは離れていく救急車のサイレンの音がドップラー効果によって変化するように、レーダーの波長も対象物となる車両と衝突する事で変化します。その変化度合いは、対象となる車の速度の影響を受けるため、車速の推定が可能となります。

一方のループコイル方式を採用するオービスでは、アスファルトの路面内部に長方形の溝を形成して、そのスペースに特殊コイルを埋設して通過する車両の速度を計測します。特殊コイルに高周波電流を流している状況下において、その上部を車が通過すれば、コイルが金属部に反応して起電力の大きさを表す数値であるインダクタンスが変化します。インダクタンスの変化は、車両の通過を意味します。

ループコイル式オービスの仕組み

同方式では計測エリア(一般的には6.9m)の複数箇所にループコイル(A=スタートループ、B=コントロールループ、C=ストップループ)を埋め込みます。そしてA~B間、B~C間の一定距離を車が通過するのにかかった時間を計測して、車速を割り出します。

2016年以降においては、レーザー光によって走行車両をスキャンし、接近画像を連続描写して、その移動量から速度を導き出す「LiDAR(ライダー:Light Detection and Ranging)」技術を用いたレーザー方式によって、走行車両の速度を計測するオービスの割合が増え始めています。

ループコイル方式はオービスだけではなくて駐車場の発券システム等においても用いられている

インダクタスの変化によって車の有無を確認するループコイル方式は、速度超過する車両を取り締まるオービスだけではなくて、発券サービス・カーゲートの開閉・料金の清算といった駐車場ビジネスなどにおいても有効活用されています。

オービスの1km~3km手前には撮影画像に証拠としての法的根拠を伴わせるために速度警告板が設置

オービスの手前には必ず速度警告板が設置されている

法定速度を超過している車両のドライバーや同乗者を無断で撮影するオービスは、ドライバーのプライバシー権や肖像権を侵害しているのではないのかという議論はあります。

最高裁の見解は、オービスでの撮影自体には違法性は伴わないが、オービスで撮影した写真を速度超過の証拠として採用するに値する法的根拠を与えるためには、「撮影の事前告知」・「犯罪行為時の撮影」という二つの条件を満たすべきとしています。

撮影の事前告知の条件を満たすために、当該区域を管轄する公安委員会・道路管理者は、オービスを設置する1km~3km手前あたり数ヶ所に速度警告板を取り付けています。

オービスには「固定式」と「移動式」タイプがある

オービスには、高速道路や幹線道路に常設する「固定式タイプ」と、パトカーやワゴン車に計測機を搭載して目的とする場所まで移動して、不定期にスピード計測を行う「移動式タイプ」とがあります。

固定式オービスの種類 ※[]:通称

  • レーダー式オービス[R]
  • ループコイル式オービス[L]
  • Hシステム式[H]
  • LHシステム式[LH]
  • センシスSSS[SS]
  • レーザー式L型[Li]
  • レーザー式Hシステム[LiH]

移動式オービスの種類 ※[]:通称

  • 移動式車両オービス[iC]
  • 移動式中型オービス[iM]
  • 移動式小型オービス[iS]

ループコイル式・LHシステム等の固定式オービスのタイプ別特徴

全国の高速道路・幹線道路・生活道路の一部エリアには、速度超過車両を常時取り締まるためにループコイル式やLHシステム等の固定式オービスが設置されています。このセクションでは、それら固定式タイプの特徴を紹介します。

オービスのタイプ別 測定法等の比較表
タイプ レーダー探知機 通知書の送付 測定法
レーダー式 遅い レーダー
ループコイル式 × 遅い ループコイル
Hシステム 早い レーダー
LHシステム × 早い ループコイル
センシスSSS 早い レーダー
レーザー式L型 × 早い レーザー
レーザー式Hシステム × 早い レーザー

レーダー式オービスは最も古いタイプの装置で視覚的にも設置場所を確認しやすい

レーダーを手前に設置する・奥にカメラを配置する「レーダー式オービス」は、最も古いタイプの自動速度違反取締運転装置です。同オービスは走行する車にレーダー照射して、跳ね返ってくる電波の波長の変化率から車速を割り出します。

レーダー式オービスはアーチ状の構造物が視覚的にも分かりやすいというだけではなくて、照射する電波は市販のレーダー探知機で把握されやすい、写真フィルムがなくなれば撮影を行ってもデータは残らないという欠点が指摘されていました。

その他の特徴は、雨天時・先行車との間に十分な車間距離が開いていない場合には測定できない、レーダー1機に対して1車線しか測定できない事です。全国で実際に稼働しているレーダー式オービスは数少なく、ダミーでそのまま設置され続けているものもあります。

ループコイル式オービス(R)は金属に反応する測定器を道路内に埋めて車速を計測

ループコイル式オービスは三つのコイルによって構成される

「ループコイル式オービス」は、全国の高速道路や幹線道路を中心に設置されています。初期モデルは、赤外線カメラやフィルム式カメラで違反車の撮影を行っていましたが、新設されたものや代替えされたモデルはデジタルカメラで撮影を行って、通信機能も備えています。

運用をスタートしてから20年以上が経過しているものの、改良が加えられ進化を続ける「ループコイル式オービス」は、コイルを道路に埋没させて、インダクタンスの変化を利用して車のスピードを計測します。

ループコイル式オービスでは道路に埋没させた測定器によって車速を2回計測して、2回とも法定速度を大きく上回る数値が計測されれば、ループコイルの先にある路肩や中央分離帯に目立たぬように設置されているカメラによっての撮影が行われます。

ループコイル式オービスは、測定器を道路に埋没させる・撮影するカメラは目立たぬように設置しているため、目視のみで設置を確認するのは難しいタイプの自動速度違反取締運転装置です。また、レーダーを照射している訳ではないため、レーダー探知機を用いて検知する事もできません。

レーダー方式とは異なり車両が複数台連なって走行していても、比較的正確に違反車両を特定できる「ループコイル式オービス」は、降雪の影響を受けやすいため北海道などの雪国での定着率は低い傾向にあります。

「移動式オービス」はハイエースやキャラバンなどの車両に測定器を積載して場所を変えながら速度超過車の撮影を行う

「移動式オービス」は特定の場所に常設されているタイプとは異なり、ワンボックスカーに小型オービスを積んで、目的の取り締まり位置まで車を移動させて、速度超過する車両の撮影を行います。

「移動式オービス」では、トヨタ・ハイエース、日産・キャラバンといった車両が用いられる事が多く、主要幹線道路に設置されている固定式オービスを通過した後の再加速をした瞬間を狙う位置に停車させているケースも多いため、注意が必要です。

「速度取締中」という看板は目立たないように設置される場合もあります。レーダーを用いて測定を実施するタイプの移動式オービスであれば、レーダー探知機を用いれば事前にどの辺で取り締まりを実施しているのかを把握できます。

しかし、レーザー光によって走行車両をスキャンし、接近画像を連続描写して、その移動量から速度を導き出す「LiDAR(ライダー:Light Detection and Ranging)」方式を可能とする最新機器を搭載している場合には、レーダー探知機では検知できません。

Hシステムは白い正方形状のレーダーアンテナによって車速を測定

Hシステムオービスの例

「Hシステムオービス」は、一時期は日本に設置されるオービスの半数以上を占めていたと言われる自動速度違反取締運転装置です。通過車両の速度を割り出し方は、レーダー式と基本的には同一ですが、レーダー探知機に探知されないように照射パターンを変化させています。

Hシステムオービスは、特徴とするアーチ上に取り付けた白い正方形状のレーダーアンテナによって速度を計測して、小型タイプの赤外線ストロボとデジタルカメラを併用して違反車両を撮影します。

「Hシステムオービス」は、積雪等の理由により路面変化の影響を受けやすいループコイル式が定着しにくい寒冷地でのニーズがあります。

今後は、大阪府豊中市で実施されたようにHシステムオービスの設置場所に、高精度で速度を割り出すことが可能なLiDARユニットを設置して、レーダーではなくてレーザー光によって計測を行うケースが増えていくのではないかと予想されます。

「LHシステム」はループコイル式とHシステムの技術力を融合させて速度超過した車を取り締まる

1994年に運用を開始した「LHシステム」は、首都高などの交通量の多い場所に重点配備されています。同オービスは今後、段階的な配備が進むと考えられています。

ループコイル式とHシステムの双方のメリットを融合させる「LHシステム」は、走行車両のスピードはループコイル式と同様で、道路内に埋めた計測器具によって計測します。速度超過の車両の撮影は、走行車線の頭上に設置するデジタルカメラや赤外線ストロボで行われ、違反車の画像データは専用回線を通じて、即座に管轄する警察署へと転送されます。

撮影ユニットなどは、道路をアーチ状にまたぐようにして設置している訳ではないため、目立ちにくい構造をしている「LHシステム」は、外観的特徴が盗難車や犯罪に使用された車両のナンバープレートを解析して追跡する「Nシステム」と類似しているため混同されがちですが、両者を見分ける際のポイントは数km手前に速度警告板を設置しているかどうかです。

LHシステムは「Nシステム(自動車ナンバー自動読取装置)」と類似点が多い ~ 速度警告板を設置・撮影時に強く発光するのがオービス

「LHシステム」は、外観的特徴が盗難車や犯罪に使用された車両のナンバープレートを解析して追跡する「Nシステム(自動車ナンバー自動読取装置)」と、類似しているため混同されがちです。

両者を見分ける際のポイントは、数km手前に速度警告板を設置しているかどうか、あるいは撮影時に強く発光するかどうかです。速度違反車を対象とするLHシステムなどのオービスでは、違反行為を撮影したことをドライバーに意識づけるために、あえてフラッシユを強く発光させます。

「SENSYS SSS」はゾーン30と呼ばれる生活道路を中心に配備

「SENSYS SSS(Speed warning Safety System)」は、スウェーデンのSensys Gatso Group社が開発した新型オービスです。従来の固定型オービスと比較すれば、設置・撤去がしやすいコンパクトな外観を特徴としています。

埼玉県北本市の国道17号線と岐阜県大垣市の市立東小学校前に先行導入された「SENSYS SSS」は、生活道路を抜け道として利用して、暴走運転を繰り返す悪質なドライバーを検挙する事を目的として設置します。

レーダー方式によって走行車両のスピードを計測して、デジタルカメラによって違反車両を撮影する「SENSYS SSS」は、1機で複数の車線・複数車両を計測して取り締まることが可能です。

警察庁はゾーン30と呼ばれる法定速度は30km/h以下と設定している道幅の狭い生活道路に、「SENSYS SSS」を順次導入していく計画を立てています。

レーザー式Li型(Li)は大阪府の第2阪和国道に導入された新型オービス

レーザー式L型(Li)は大阪府の第2阪和国道で初めて導入された新型の固定式オービスです。Liでは、従来使用していたL型オービスにレーザー式計測ユニットを内蔵させて、ループコイル方式ではなくて、レーザー方式によって走行車両の速度を割り出します。

レーザー式L型が撮影した画像は、内蔵する磁気ディスクに保存される他、無線システムによって直ちに中央装置へも送られます。

今後、耐用年数を迎える旧型のループコイル式オービスも同様に、レーザー式L型(Li)へ改変されていく可能性は高いです。Li型では、L型では敷かれていた撮影ポイントを示している白線は設けられてはいません。

レーザー式H型システム(LiH)は大阪府の国道423号線に設置された新型オービス

レーザー式H型(LiH)システムは大阪府国道423号線に設置された、レーザー方式によって走行車両の速度を計測する固定式オービスです。

レーザー式H型(LiH)システムでは、従来設置されていたH型ユニットを撤去して、アーチ部にLH型のデジタル撮影機器と通信機器を取り付けます。そして、速度を計測する機器は道路にループコイルを埋設する方法ではコストがかかるため、路肩にレーザスキャンセンサーを設置させる方式を採用します。

レーザー式H型システムも今後、耐用年数を迎えたH型システムの改変型として代替されていく可能性が高いです。

計測機に車輪を付ける・パトカーやワゴン車に計測器を載せて速度違反車を取り締まる「移動式オービス」のタイプ別特徴

固定式オービスは、レーダー探知機によって検知されにくいような測定法を採用するなどして改良され続けていますが、設置場所が固定化されているため、周辺地域の道路事情に詳しいドライバーは、設置エリアだけ速度を落とすというような運転パターンによる対応が可能となります。

警察はそういったドライバーも摘発可能にするために「ネズミ捕り」と言われているような方法を用いて、不定期に移動可能なオービスをパトカーやワゴン車などに載せて、速度超過車両を取り締まります。

「移動式車両オービス(iC)」はパトカーやハイエースなどの車両に測定器を積載して場所を変えながら速度超過車の撮影を行う

「移動式車両オービス(iC)」は特定の場所に常設されている固定式タイプとは異なりパトカーなどの車両に小型計測を積んで、目的の取り締まり位置まで車を移動させて、速度超過する車両の撮影を行います。

「移動式車両オービス」では、パトカーだけではなくて、測定の実施を特定されにくいトヨタ・ハイエース、日産・キャラバンといった車両が用いられる事も多いです。「移動式車両オービス」は、主要幹線道路に設置されている固定式オービスを通過した後の再加速をした瞬間を狙う位置に停車させているケースも多いため、注意が必要です。

iCでは、レーダー式を用いて車速を計測している車両もあれば、レーザー式を用いて車速を計測している場合もあります。

「移動式中型オービス(iM)」はトラックの荷台に計測器を載せて運んで設置場所を頻繁に変える

半可搬式移動オービスとも呼ばれている「移動式中型オービス(iM)」は、重量約50kgの台座の上に計測器を載せて、車速の計測を行います。

「移動式中型オービス(iM)」には、先に紹介したSENSYS SSSにバッテリーやタイヤを付けて自走可能としたタイプや、東京航空計器が製造するトラックの荷台に乗せて運ぶ「LSM‐300‐HK」などが含まれます。

iMは、設置場所を頻繁に変える事もあり、レーダー探知機では検知できないレーザー方式によって車速を計測している場合もあり注意が必要です。

軽量・コンパクト・高性能な「移動式小型オービス(iS)」は全国の警察署での導入が進んでいる

可搬式移動オービスとも呼ばれる「移動式小型オービス(iS)」は、計測・撮影ユニットを縦型とするなどして、約25kgという軽量化と三脚に設置できるという利便性を実現させます。

移動式小型オービス(iS)には、東京航空系計器が開発して「LSM‐300」などが含まれます。iSには、「LSM‐300」のようにレーザー方式によって速度を計測しているタイプと、レーダー方式によって車速を割り出しているタイプもあります。

iSは軽量・コンパクトで持ち運びがしやすく設置もしやすく、性能面も優れているため、全国の警察署での導入が進んでいます。

「Nシステム」とは?走行車線頭上に専用機器を設置して犯罪車両を追跡するシステムと固定式オービスとの違い

固定式オービスの一種である「LHシステム」は、アーチの外観的な特徴、設置される機器の形状が似ている「Nシステム」と混同されがちです。このセクションでは、「LHシステム」と「Nシステム」を見分ける際のポイントなどを紹介します。

オービスと勘違いされやすい盗難車や犯罪に使われた車を追跡する「Nシステム」は全国約2,000ヶ所に設置

走行車両のナンバープレートを専用機器で解析して、その中に含まれる盗難車や犯罪に使用された車両の登録番号を照合させて追跡を行う「Nシステム(自動車ナンバー自動読取装置)」は、正確な数は確認されてはいないものの、全国約2,000ヶ所に設置されていると推定されています。

N(ナンバー)システムは文字通りナンバープレートを読み込むのが目的 LHシステムのオービスと似ているため勘違いするドライバーも多い

一方の速度超過車両を取り締まる「LHシステム」は、高速道路や交通量の多い幹線道路を中心に設置されているため、一般道にも数多く設置されている「Nシステム」と比較すれば台数は限られてしまいます。そのため、高速道路や幹線道路以外においては、運転中に通過する機会が多いのは「Nシステム」となります。

全国約2,000ヶ所に設置されているにもかかわらず、一般のドライバーにとっては認知度の低い「Nシステム」を運転中に発見した際には、オービスだと勘違いしてしまう方が数多くいます。

Nシステムは速度超過車両を取り締まっている訳ではないので約1km~約3km手前には速度警告板は設置されてはいない

アーチ部に撮影機器を設置する「Nシステム」が運転中に突然視界に現れた際には、速度を監視しているオービスだと勘違いをしてしまいがちです。固定式オービスと勘違いされやすい「Nシステム」は、速度超過車両を取り締まるために設置している訳ではありません。

「Nシステム」であるか「オービス」であるかを見極める際のポイントは、約1km~約3km手前に速度警告板を設置していたかどうかです。LHシステムも含まれる固定式オービスの取り付け場所の手前には、速度警告板を設置すべきであるとのルールがあります。

速度警告板を見逃したとしも、法定速度を守って走行していれば、眼の前に突然現れた観測機が、「Nシステム」あるいは「オービス」のどちらであれ、気が動転してしまう事はありませんので、スピードの出し過ぎには注意しましょう。

オービスは一般道で法定速度+30km/h以上・高速道路では+40km/h以上でフラッシュを点滅

オービスは法定速度を何km上回っている車両に対しては、撮影を行うのかについては機密事項のため、ピンポイントではその数値を把握できないものの、過去にオービスを光らせてしかった方々の体験談などを考量すれば、一般道では法定速度+30km/h以上・高速道路では+40km/h以上のスピードを出している車両に対しては、撮影を実施するものと推測されます。

速度警告板を設置して事前に注意喚起はしているものの、オービスでの撮影はドライバーの了解を得ない状態で行われます。了解を得ない撮影行為は、プライバシー権や肖像権を侵害してしまうため慎重に為らざるを得ませんが、保安上の観点・刑事罰の対象となる速度超過である一般道では法定速度+30km/h以上・高速道路では+40km/h以上の場合においては、撮影したとしても批判的な意見は一定レベルまでに抑えられるはずです。

一般道路において赤切符が切られる超過速度と課される刑罰
超過速度 点数 罰金 免停期間
30km~50km/h未満 6点 6~10万円 30日
50km/h以上 12点 6~10万円 90日
高速道路において赤切符が切られる超過速度と課される刑罰
超過速度 点数 罰金 免停期間
40km~50km/h未満 6点 10万円以下 30日
50km/h以上 12点 10万円以下 90日

一般道において法定速度よりも30km/h以上オーバーして走行する・高速道路においては40km/h以上もスピードをオーバーして走行する運転行為を取り締まられてしまった場合には、速度によっても異なりますが点数は6点引かれて一発で免停となる、6ヶ月以下の懲役刑または3ヶ月以下の罰金刑が科されてしまいます。

青切符ならば反則金を支払えば前科は免れますが、6点以上の赤切符の場合には刑事罰の対象となってしまうため、簡易裁判を受ける必要が伴って、前科が付いてしまいます。特別講習を受ければ、期間は短縮されるものの免停期間が課されるといった処罰が下されてしまいます。

オービスを光らせてしまった場合には自宅に通知書が届く

ループコイル式オービス等を光らせてしまった場合には、速度違反をした場所と日時・出頭すべき場所とその際に持っていくべき物等が記載された通知書が自宅に郵送されます。

通知書が自宅に郵送されるまでの日数は早ければ2~3日、遅くとも1~2ヶ月後です。デジタル方式を採用する最新タイプのオービスによって撮影され、スピード違反時の客観的証拠画像が通信回線によって、警察へとすぐに転送されれば通知書は2~3日で郵送されます。

旧式のフィルム方式を採用するオービスによって撮影された場合には、担当警察官がオービスの設置場所に行って、フィルムを回収して現像する作業、通知書を発送するという事務手続きを行う必要があるため、デジタル方式よりも通知書が郵送されるタイミングは遅れます。

また、違反車両がレンタカーや社用車の場合、車の所有者と運転者が同一ではないため、運転していた人物を特定するためには時間が掛かかるため、郵送されるまでには2ヶ月近くかかってしまう事もあります。

ナンバープレートを隠す・覆面で顔を隠すのは悪意のある行為とみなされるため厳罰対象

オービスを光らせても、ドライバーの顔を認識しづらい・ナンバープレートがはっきりとは写ってはいない・複数の車両が写りこんでいて違反車を特定できない等の理由によって、警察側が当該エリアにおいての速度超過を立証するには、十分な証拠ではないと判断すれば、自宅に通知書が送られない場合もあります。

けれども、一時期流行ったナンバープレートを隠すアイテムを用いる場合、顔を特定されないために覆面を被るなどの悪意ある行為が見受けられると判断されれば、警察の威信をかけた捜査の対象ともなりますし、そういった行為は法律に違反するため、速度超過はしていなくともパトカーの取り調べを受けてしまいます。

ループコイル式オービスなど光らせないために日本の交通ルールを遵守して運転

「日本でも海外のアウトバーンのように、もっとスピードの出ている状態での運転を許可すべきだ」という考えを持っている方はいるはずです。加速性能の優れるスポーツカーならアクセルを踏み込めば、すぐに法定速度に達してしまうので、もっと刺激的な走りを体感したいと思ってしまうはずです。

法定速度を40km/hも上回ってしまった走行シーンの瞬間をオービスに撮影されてしまえば、赤切符が切られてしまって一発で免停処分が下されてしまいます。

旅行先でドライブする際には特に把握しておきたい情報、オービスがどこに設置されているかは、レーダー探知機や速度警告板だけではなくて、全国のオービスまとめサイトやオービス対策アプリでも確認できます。

ループコイル式オービスなどのマップを内蔵したGPSレーダー探知機

オービスを光らせてしまっても、以前であればドライバーの顔やナンバープレートがはっきりとは映らない等の理由によって、処罰が下されないケースもありました。けれども、最近はループコイル式オービスの撮影がデジタル化される、LHシステムオービスが運用されるなど自動速度違反取締運転装置は進化を続けています。

ループコイル式オービスなどを光らせずに、運転を安全に楽しみ続けるためには、日本の道路事情などを考慮して制定された交通ルールを遵守する事が大切です。