キャンプを楽しむために特化した軽自動車が「軽キャンピングカー」
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コンパクトで必要な設備が揃う軽キャンピングカーが人気 -
インテリアはソファもあり快適 -
ジャパンモビリティショーでも軽キャンピングカーを展示
キャンピングカーとは、車内に就寝・調理・水回りなどの設備を備え、道路運送車両法上の「特種用途自動車(8ナンバー)」に分類される車です。軽キャンピングカーは、軽自動車や軽バンをベースに、宿泊に必要な装備を架装・改造したモデルを指します。
必ずしも水回りを備えている必要はなく、シートアレンジでフラットなベッドスペースを作れるモデルや、アクセサリーを追加することで車中泊の快適性を高められるモデルも含まれます。最近では「キャンプを楽しむために特化した軽自動車」を広く軽キャンピングカーと呼ぶ傾向が定着しています。
軽キャンピングカーが注目を集める理由は、普通のキャンピングカーと比較したときのコスト面と取り回しの良さにあります。普通車ベースのキャンピングカーは車両価格が300〜500万円以上になることも珍しくありませんが、軽キャンピングカーならベース車込みで100〜200万円台から検討できるケースが多くあります。また軽自動車規格のため、駐車場の選択肢が広く、街乗りや日常使いを兼用しやすい点も見逃せません。
一方で、購入前に把握しておきたい注意点もあります。軽自動車は最大積載量や乗員定員の制約が厳しく、大人4人が乗車して荷物も積む使い方では、実質的な余裕が少なくなります。また8ナンバー登録のキャンピングカーは任意保険の等級引継ぎ条件が通常と異なる場合があるため、乗り換え時には保険会社への確認が必要です。
おすすめの軽キャンピングカー10選
車中泊やキャンプに使いやすい軽キャンピングカーを、装備・居住性・ベース車の特性などの観点から10台紹介します。各車種の写真は掲載当時のモデルとなっている場合があります。
ロードセレクト コンパクト|カスタムセレクト
カスタムセレクトが手がけるロードセレクトコンパクトは、日産クリッパーをベースとした4名乗車・4名就寝対応の軽キャンピングカーです。ロフトボードを採用することで軽自動車としては広大な室内空間を確保しており、サブバッテリー・引き出しテーブル・6つのアクセサリーソケットと、電装面の充実度が際立ちます。
衣類収納ケースやキャンプ用品用のスペースも設けられており、週末キャンプから連泊まで対応できる設計です。電子レンジ・回転式テレビモニター・冷蔵庫・遮光カーテン・ちゃぶ台などオプションの種類も豊富で、用途に合わせて装備を絞れるため、初めて軽キャンピングカーを購入する方でも予算オーバーになりにくいのが特徴です。
4名就寝に対応している点は、家族連れにとって大きなメリットです。ただし、軽自動車の車内幅は1.2〜1.4m程度が一般的なため、大人4名が快適に寝るには工夫が必要な場合があります。実際のオーナーからは「子ども2人+大人2人の組み合わせがちょうどよかった」という声が多く聞かれます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 車種名 | ロードセレクト コンパクト |
| 乗車・就寝人数 | 4名乗車・4名就寝 |
| ベース車 | 日産クリッパー |
| 室内特徴 | ロフトボード採用で広大な室内空間を確保 |
| 電装・設備 | サブバッテリー、引き出しテーブル、6つのアクセサリーソケット |
| 収納 | 衣類やキャンプ用具用の収納スペースを完備 |
| オプション装備 | 電子レンジ、回転式テレビモニター、冷蔵庫、遮光カーテン、ちゃぶ台など |
HIJET CARGOクルーズ 旅楽|ダイハツクラフト
D-Craft(ダイハツクラフト)が開発・販売する「HIJET CARGOクルーズ 旅楽」は、ダイハツグループと葵機械工業が設立した特装車ブランドによる軽キャンピングカーです。夫婦2人での行楽ドライブと車中泊をメインユースとして設計されており、フロントシートを前方へスライドさせ、リヤシートを折り畳むだけでベッドスペースが完成します。
操作が簡単な点は、「疲れた夜でも手間なくベッドに切り替えられる」という実用的なメリットがあります。コンパクトなハイゼットカーゴをベースにしているため、キャンプ場や道の駅への駐車でも取り回しに苦労しにくいのが、ロングドライブ派のオーナーから好評な理由のひとつです。2人での使用を前提にするなら、荷物の量も含めてちょうど収まりが良いサイズ感といえます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 車種名 | HIJET CARGOクルーズ 旅楽 |
| 開発・販売 | D-Craft(ダイハツクラフト) |
| ブランド概要 | ダイハツグループと葵機械工業が特装車開発のため設立したブランド |
| 主なユーザー | 休暇に行楽地を巡る夫婦・2人向け |
| ベッド展開 | フロントシートをスライド、リヤシートを折り畳み車内にベッドを準備可能 |
EC(エブリイキャンプ)|レグビィ
レグビィが手がけるエブリイキャンプは、スズキのエブリイをベース車両とした軽キャンピングカーです。水回り・ベッドなどキャンプカーとして必要な機能を厳選して搭載し、リヤシートのアレンジだけでベッドが完成する手軽さが評判です。操作が直感的でわかりやすいため、「キャンピングカーは初めて」というユーザーも比較的安心して扱えます。
リヤスペースの木目調パネルは収納スペースを兼ねており、スライド式の部分を連結させることで車内に簡易食卓テーブルを展開できます。必要最低限に絞った装備構成は車両価格を抑えやすく、「まず軽キャンピングカーを試してみたい」という入門者にも選びやすい1台です。
ただし就寝定員は2名のため、ファミリー利用には向きません。また軽バンベース(バン登録)のため、普通乗用車と比べると乗り心地や静粛性に差が出やすい点は把握しておく必要があります。
| ベース車両 | スズキ エブリイバン/ワゴン |
|---|---|
| 使用燃料 | ガソリン |
| 総排気量 | 658cc |
| 駆動方式 | 2WD/4WD |
| ボディサイズ(全長×全幅×全高) | バン:3,395mm×1,475mm×1,895mm ワゴン:3,395mm×1,475mm×1,910mm/1,815mm |
| 乗車定員 | 4 |
| 就寝定員 | 2 |
| 登録ナンバー | バン:軽貨物登録 ワゴン:軽乗用車登録 |
N-BOX+108|ホンダ
N-BOX+108は、ホンダN-BOX+をベース車とした軽キャンピングカーです。なお、N-BOX+は2017年に生産終了しており、現在は中古車市場での流通のみとなっています。
N-BOXのスタイリッシュなエクステリアをほぼそのまま活かしているため、一見してキャンピングカーとわかりにくく、普段使いでも違和感がないのが特徴です。街乗りと週末キャンプを兼用したいユーザーに選ばれていた理由がよくわかります。
カーゴルームは収納スペースが階層的に設計されていて、ポリタンクやベッドマットなどのキャンプ用品を整理して積み込めるのが実用面での強みです。シートをアレンジしてベッドマットを展開すれば、車内で就寝できるスペースが完成します。
| ベース車両 | ホンダ N-BOX+(2017年生産終了) |
|---|---|
| 使用燃料 | ガソリン |
| 総排気量 | 660cc |
| 駆動方式 | 2WD/4WD |
| ボディサイズ | 3,395mm×1,475mm×1,780mm |
| 乗車定員 | 4 |
| 就寝定員 | 2 |
WAKE(ウェイク)|ダイハツ
ダイハツのウェイクは、2023年8月に生産終了しています。中古車市場では流通が続いており、独特のアウトドア適性から今もキャンプ用途で根強い人気を持つ1台です。
ウェイクの最大の特徴は、軽自動車クラス最大級の室内高(1,455mm)と広大なカーゴスペースです。シュラフ・クーラーボックス・チェアなど複数人分のキャンプ道具をまとめて積み込めるため、「軽キャンピングカーにするまでもないが、キャンプには頻繁に行く」というユーザーが普通のウェイクに架装を加えて使うケースも多く見られます。
撥水加工のシートは、アウトドア後の汚れを拭き取りやすく、メンテナンスの手間が減る実用的なメリットがあります。シートを倒したロングソファーモードでの車中泊も可能ですが、フラットにはならないため長時間の就寝には向き不向きがあります。毎回のキャンプで車中泊する予定なら、専用設計の架装車と比較検討することを勧めます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 車種名 | WAKE(ウェイク) |
| 販売状況 | 2023年8月生産終了。中古車市場で流通中 |
| 室内高 | 1,455mm(軽自動車クラス最大級) |
| シート機能 | 撥水加工シートで汚れに強く、倒してロングソファーモードでの車中泊も可能 |
| 収納 | 大量のキャンプグッズを収納できる広大なカーゴスペース |
Balocco(バロッコ)
バロッコは、ダイハツのハイゼットをベース車両とした軽キャンピングカーです。落ち着いたツートンカラーの外観は、いわゆるキャンピングカーらしい派手さを抑えており、街中での日常使いにも溶け込みやすいデザインです。
インテリアの完成度が高く、冷蔵庫・シンク・LED間接照明・シューズボックスが標準装備されています。ソファはアレンジでベッドモードに切り替えられる設計で、乗車・就寝ともに4名対応しています。間接照明の効果もあり、夜間の車内は実際に近くで見ると落ち着いた雰囲気に仕上がっています。
シンク・冷蔵庫が標準で付いている点は、連泊での使用や調理頻度が高いキャンパーにとってコストパフォーマンスが高い選択肢です。一方で装備が充実している分、車両重量が増えるため、山道や坂道での動力性能は事前に確認しておくことを勧めます。
| ベース車両 | ダイハツ ハイゼット キャンパー特装車 |
|---|---|
| エンジン | 水冷直列3気筒DOHC 658cc |
| 全長×全幅×全高 | 3,395mm×1,480mm×1,980mm |
| 乗車定員/就寝定員 | 4/4 |
| 最大出力 | 34kw/5,700rpm |
| 最大トルク | 60Nm/4,000rpm |
| 標準装備 | 冷蔵庫、シンク、LED間接照明、シューズボックス |
Lunentta(ルネッタ)|バンテックセールス
ルネッタは、スズキのエブリイバンワゴンをベース車両とした軽キャンピングカーです。フロントグリルの網目構造と直線的なボディラインが組み合わさった外観は清潔感があり、キャンピングカー然としていないスタイリッシュな車体が評価されています。
車内各所に配置された間接照明は、軽自動車の空間ながら上質な雰囲気を演出します。夜間の車内を間近で見ると、ホテルのラウンジに近い印象を受けるほど照明の使い方が凝っています。
オプションで追加できる19インチテレビは、車内のどの位置からも見やすい角度に設置されています。さらにシンク周りにはノズルを延長してシャワーとして使える水回りが備わっており、連泊や夏場のキャンプでの使い勝手が高いのが特徴です。
ただし就寝定員は2名のため、カップルや夫婦2人での利用が主な想定です。シンク付きの水回りは使い勝手が高い分、タンクの管理・補給といった手間も伴うことを把握しておきましょう。
| ベース車両 | スズキ エブリイバン ワゴン ハイルーフ 5ドア |
|---|---|
| エンジン | 水冷4サイクル直列3気筒 インタークーラーターボ |
| トランスミッション | 2WD・4速AT/フルタイム4WD・4速AT |
| 燃料タンク容量 | 37L |
| 最小回転半径 | 4.5m |
| 最高出力 | 47kw/6,000rpm |
| 最大トルク | 95Nm/3,000rpm |
| 全長×全幅×全高 | 3,395mm×1,475mm×1,910mm |
| 乗車定員 | 4 |
| 就寝定員 | 2 |
KONG(コング)
コングは、スズキのエブリイバンをベース車両とした軽キャンピングカーです。軽タイプでありながら本格的なキャンプ装備を求めるユーザーから評価が高い1台で、装備の充実度と拡張性が選ばれる理由のひとつになっています。
最大の特徴は、「シート」「ソファー」「ベッド」の3WAYに切り替えられるマルチシートです。走行中・休憩中・就寝時それぞれのシーンに合わせて手軽に形を変えられるため、日帰りから連泊まで柔軟に対応できます。
標準装備はデラックスキッチン・サイドラックと手洗い用途にも使えるシンク付き。オプションでソーラーパネルやシャワーの蛇口を追加すれば、電源サイト以外のキャンプ場でもサブバッテリーを活用できます。ソーラーパネルを追加する場合、発電量と消費電力のバランスを事前に確認しておくと安心です。
| ベース車両 | スズキ エブリイバン |
|---|---|
| エンジン | 水冷直列3気筒DOHC |
| 総排気量 | 658cc |
| 最大出力 | NA:36kw/5,700rpm/ターボ:47kw/6,000rpm |
| 最大トルク | NA:62Nm/3,500rpm/ターボ:95Nm/3,000rpm |
| 全長×全幅×全高 | 3,395mm×1,475mm×1,950mm |
| 乗車定員 | 4 |
| 就寝定員 | 2 |
| シート機能 | シート・ソファー・ベッドの3WAYマルチシート |
| 標準装備 | デラックスキッチン、サイドラック |
| オプション | ソーラーパネル、シャワー蛇口など |
INDY108
INDY108は、ダイハツ ハイゼットトラック・日産クリッパートラック・マツダ スクラムトラックをベース車として使用できる軽キャンピングカーです。トラックベースならではの高い架装自由度が特徴で、アクリル2重窓は結露対策と断熱性能を兼ね備えており、夏の暑い日や梅雨時期の車中泊でも快適性を保ちやすい設計です。
ボディパネルのカラーを5色から選べるカスタマイズ性も人気の理由です。就寝定員が4名と軽キャンピングカーの中では余裕のある設計で、ファミリーや友人グループでの使用にも対応しています。
トラックキャビンをベースとしているため、乗用車系ベースのモデルと比べると乗り心地や走行音に差が出やすい傾向があります。快適性よりも装備の充実度・就寝人数を優先したい方向けの選択肢といえます。
| ベース車両 | ダイハツ ハイゼットトラック/日産クリッパートラック/マツダ スクラムトラック |
|---|---|
| 総排気量 | 660cc |
| 車両サイズ | 3,390mm×1,470mm×1,990mm |
| 乗車定員 | 4 |
| 就寝定員 | 4 |
| 窓・断熱 | アクリル2重窓で結露対策と断熱効果を兼ね備える |
| カラーバリエーション | 5色のボディパネルから選択可能 |
Transform Camper かるキャン
「かるキャン」は、スズキのキャリイをベース車両とした軽キャンピングカーです。走行・駐車時は箱バンスタイルで道路交通上の制約を受けにくく、停車後に車中泊モードへと変形すると、天井が持ち上がり室内高が大幅に拡大されるのが最大の特徴です。
ドライブモード時の室内サイズは長さ1,780mm×高さ1,280mm×幅1,275mmですが、ステイモードに変形すると高さが2,100mm・幅が1,975mmまで拡張されます。この変形幅は軽キャンピングカーの中でも異質で、実際に展示車を見ると変形前後のギャップに驚きを感じます。
オートキャンプ場の外部電源に対応するソケットも装備されており、泊まりがけのキャンプで電気製品を使いたいユーザーへの配慮が行き届いた設計です。ただし乗車定員・就寝定員ともに2名であるため、夫婦やカップルでの利用が主な想定となります。2名利用での個性的な車中泊体験を求めるなら、他に類を見ない選択肢です。
| ベース車両 | スズキ キャリイ |
|---|---|
| 総排気量 | 660cc |
| 燃料の種類 | レギュラーガソリン |
| 変速装置 | 5速オートギアシフト |
| 駆動方式 | 2WD |
| 室内サイズ:ドライブモード時 | 長さ1,780mm×高さ1,280mm×幅1,275mm |
| 室内サイズ:ステイモード時 | 長さ1,850mm×高さ2,100mm×幅1,975mm |
| 乗車定員 | 2 |
| 就寝定員 | 2 |
軽キャンピングカーを選ぶ前に確認しておきたいポイント
軽キャンピングカーの購入を検討するとき、カタログや外観だけで決めてしまうと「思っていた使い方と違った」という後悔につながりやすいです。購入前に以下のポイントを整理しておくと、選択の失敗を減らせます。
就寝人数と実際の使い勝手:就寝定員4名と表記されていても、軽自動車の車幅では大人4名が快適に眠れるスペースはかなり限られます。子ども2人+大人2人の組み合わせや、大人2名での利用が現実的なケースが多いです。実際の就寝場面を想定して、展示車や試乗車で必ずサイズ感を確かめましょう。
8ナンバー登録と維持費:キャンピングカーとして8ナンバー登録をする場合、車検は毎年必要になります(初回を除く)。ただし自動車税は普通車より安くなるケースもあり、一概にコストが上がるわけではありません。架装の内容によって8ナンバー取得の可否が変わるため、ビルダーや販売店に事前確認が必要です。
走行性能と積載量:軽自動車は最大積載量が限られており、架装による車両重量の増加とともに積める荷物の量は減ります。複数人で乗車しながら多くのキャンプ道具を積む使い方では、実質的な余裕が少ないことがあります。
中古車での購入リスク:N-BOX+やウェイクなど生産終了モデルをベースとした中古の軽キャンピングカーは、架装部分の状態確認が特に重要です。水回りの劣化・電装系のトラブル・ベッドの経年劣化など、中古キャンピングカーに特有の点検項目を把握した上で、専門店で検討しましょう。
軽キャンピングカーはライトなアウトドアから本格的な車中泊まで、使い方の幅が広い乗り物です。「どんなシーンで・何人で・どのくらいの頻度で使うか」を明確にしてから選ぶことが、満足度の高い1台に出会う近道になります。