インフィニティの電動化

インフィニティが電動化を行いブランド力を強化 新開発電動パワートレインを発表

インフィニティの新型車が2021年以降より電動化。日産のラグジュアリーブランドであるインフィニティにも搭載される「e-POWER」のモーター性能や静粛性能などの特徴、新中期経営計画「アライアンス2022」から予想できる100%EVの航続距離などが進化する電気自動車の性能や魅力も。

インフィニティが2021年以降に発売する新型車を電動化

日産自動車は2018年1月17日のプレスリリースで、世界展開する自社のラグジュアリーブランド・インフィニティから発売する2021年以降の新型車を電動化する事を発表しました。

インフィニティの新型車は、デトロイトで開催された北米自動車ショーで世界初公開されたコンセプトカー「Qインスピレーション」のようなデザインビジョンをテーマに据えて開発が進められます。

2021年以降に発売されるインフィニティの新型車には、美しく洗練された新たなデザインの魅力に、新時代のEV技術がプラスされます。
インフィニティが電動化される事の意味合いや、インフィニティでも搭載される可能性がある「e-POWER」の特徴についても取り上げます。

インフィニティが2021年以降の新型EVに搭載する新開発電動パワートレインを発表!

2019年11月4日、インフィニティは2021年以降に発売するEV市販車に搭載予定の電動パワートレインを発表しました。
新開発のパワートレインはピュアEVとe-POWERの2タイプがラインナップ。インフィニティのe-POWERのエンジンは「MR15DDT」と呼ばれるもので、振動や騒音を防ぐ世界初の技術を投入しています。

電動車向けプラットフォームの設計も工夫されており、フロント・リアのアスクルにそれぞれ高出力のモーターを搭載可能としています。最大出力はモデルによっては429hpまで引き上げられ、高出力バージョンの場合0~100km/h加速4.5秒に到達。EVでは車両フロア下に大容量バッテリーパックを配置します。

インフィニティの「プロジェクト・ブラックSプロトタイプ」が市販化の最終決定を2019年内に行うと発表

インフィニティは、2ドアスポーツクーペである「Q60」をベース車両とした「プロジェクト・ブラックSプロトタイプ(Infiniti Project Black S Prototype)」を市販化するかどうか、最終決定を2019年内に下すことを公表しました。ブラックSの開発はインフィニティが掲げる計画「全車種への電動パワートレインモデル追加」の第一歩となります。

プロジェクト・ブラックSプロトタイプはパワートレインにF1のデュアルハイブリッド電動パワートレイン技術を投入したモデルで、直噴3.0リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンに「ERS」と呼ばれるエネルギー回収システム、さらにモーター発電機ユニット3つを搭載。加速とブレーキによって生成された電気エネルギーは、車の後部に配置される蓄電容量4.4kWhリチウムイオンバッテリーへと蓄電されるシステムとなっています。
0~100km/h加速は4秒以下、最大出力は571psを発揮します。

ルノースポールF1に並ぶ空力性能を備えるブラックS。ウィングの形状はデジタルモデリング技術によって細かく設計されており、高い走行安定性と優れたコーナリング性能を実現。ブレーキにはカーボンセラミックを採用しています。

インフィニティが2025年までに電動車専門ブランドになる!QXインスピレーションも発表!

デトロイトモーターショー2019で発表されたミドルサイズSUVコンセプトカー「QXインスピレーション」

これまで日産の高級ブランド枠だったインフィニティシリーズですが、2025年までに電動車専門ブランドにスイッチし、今後の成長目標を電動化とすることが発表されました。

2019年1月に開催されたデトロイトモーターショーでは、インフィニティの完全EV化を示唆した「QXインスピレーション」をミドルサイズのUVコンセプトカーとして披露しました。EVプラットフォームは新開発されたものを採用しています。

見た目も新しいQXインスピレーションですが、今後インフィニティブランドのEV車がどのように展開されていくのか注目が集まるところです。

インフィニティが電動化する事でクリーンなイメージが加わります

日産は2021年以降に、インフィニティの新型車で100%電気自動車と電動パワートレインに「e-POWER」を搭載させた車両を発売します。電動化することで、インフィニティにはラグジュアリーな車であるというブランド力に、クリーンなイメージも加わるでしょう。

インフィニティにも搭載される「e-POWER」の魅力

日産の先進技術である「e-POWER」は、小型ガソリンエンジンを発電専用とし、高出力バッテリーに電気を供給する仕組みを採用します。

e-POWERは、外部電源に頼ることなく、EVでガソリン車のよう爽快感と、100%モーター駆動ならではの走りの魅力を体感できます。

インフィニティの現行モデルでは、スムーズな加速性をもたらす無段変速機などが実現する走りの魅力も好評です。そんなインフィニティに「e-POWER」の技術力を組み合わせる事で、ドライバーは全く新しいレベルの電動走行を堪能する事ができます。

e-POWERは静粛性と低燃費も実現する技術

ノートなどの車種に搭載される日産の先進テクノロジーである「e-POWER」は、外部電源から電気を補充せずに、エンジンが発電した電気でモーターを動かします。

e-POWERが優れているのは、それだけではなく、2.0Lターボエンジンに引けを取らない加速力と最大トルクを実現するモーター性能、モーターの特性を活かした心地よい静粛走行、エンジンを発電専用とする燃費性能も魅力です。

インフィニティの100%EVは航続距離600kmをクリア

ルノー・日産・三菱は、2017年9月15日に共同で新中期経営計画「アライアンス2022」を発売しました。

内容は、2020年までに複数の車種で展開可能なEV専用の共通プラットフォームを実用化させる、2022年までに100%EVを12車種発売する事などです。

「アライアンス2022」では、2022年までに15分という短時間充電での走行可能距離を、2016年の90kmから230kmへと延長させる(NEDCモード)、航続距離600kmを達成し、同グループがEVの分野でのパイオニアであり、グーロバルリーダーとしての地位を強化する事を目標に掲げます。

インフィニティの新型車の電動化が行われるのは2021年以降であり、「アライアンス2022」がEVの強化を目標とする2022年とタイミングに近いことから、インフィニティの100%EVでは航続距離600kmをクリアすると予想します。

インフィニティは電動化でブランド力を強化

日産は、低排出ガス技術の導入を積極化するマーケティング戦略により、2025年までにインフィニティの世界での販売台数の半数以上が電動化車両になると見込んでいます。

トヨタのラグジュアリーブランドであるレクサスに比べれば、日産のインフィニティの知名度やブランド力は低いのが現状です。

日産は2021年以降に発売するインフィニティの新型車に、北米自動車ショーにて世界初公開された「Qインスピレーションコンセプト」のデザインビジョンを採用し、電動化モデルをラインナップさせてブランド力を強化します。

日産がインフィニティにおいて電動化の流れを加速させた事で、他の自動車メーカーが今後どう展開していくのかにも注目が集まります。