インフィニティQ30/QX30は2019年に生産終了
インフィニティQ30は、日産の高級車ブランド「infiniti(インフィニティ)」が2015年から販売しているハッチバックの車です。セダンタイプのQ50(スカイライン)やQ60(スカイラインクーペ)の弟分にあたる車両で、ハッチバック版のスカイラインのイメージがあります。
コンセプトモデルは、2013年のフランクフルトモーターショーで発表され、市販モデルが2015年のフランクフルトモーターショーで発表されました。
また、Q30をクロスオーバーSUVに仕上げた姉妹車の「QX30」は、2015年のロサンゼルスモーターショーで発表され、2016年から販売されています。
2019年には製造国イギリスにあるサンダーランド工場の生産終了に伴い終売、海外で販売されていたインフィニティQ30/QX30のエクステリアやインテリア、搭載エンジンや価格帯を紹介します。
インフィニティQ30はベンツAクラスと共用プラットフォームを採用
インフィニティQ30は、メルセデスベンツAクラスのプラットフォームを共有し作られていて、流れるようなデザインに高級感があります。全長は4,425mm、全幅は1,805mm、全高が1,495mmと、日産スカイラインよりひと回り小さい印象です。
インフィニティQ30 | 日産スカイライン | |
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全長 | 4,425mm | 4,790mm |
全幅 | 1,805mm | 1,820mm |
全高 | 1,495mm | 1,440mm |
ホイールベース | 2,700mm | 2,850mm |
ヘッドライトは日産スカイラインと同様のデザインですが、白いLEDで縁取りがされていて、デイライトの役割を持っています。
他にも大胆にスリットが入ったサイドデザインが、インフィニティらしい力強さを際立たせています。
リアビューもどっしりとした安定感があり、日産スカイラインのリアテールより少し小振りのテールデザインです。ブラックアウトされたリアダクトからは、2本のマフラーが見えます。
オプションパーツで、フォグランプ周りのクロームメッキ加飾やカーボンルックのサイドミラー、サイドシル、イルミネーション付のキッキングプレートがあります。
カーボンルックミラー
カーボンルックサイドシル
キッキングプレート
メルセデスAクラスのプラットフォームを採用していることからわかる通り、インフィニティブランドの車種ではもっとも小柄な車種です。しかし車のボディサイズにより車格が決まっているわけではないので、豪華な装備をもっていて取り回しやすいサイズ感を持つ日本の道路事情に適しているイメージを与えるのが「インフィニティQ30」です。
インフィニティQX30のエクステリアは質感が高いコンパクトプレミアム
インフィニティQX30は、Q30の全幅を10mm、全高を25mmほど拡大したクロスオーバーSUVです。世界的にも流行しているSUVのコンパクトプレミアムな1台に仕上がっています。
プラットフォームは、Q30のAクラスではなく、GLAと共通のものを使っています。
ルーフレール
樹脂バンパー
Q30との違いは、ルーフレールが装着されている点と、樹脂バンパーやサイドガードが装着されている点です。Q30と同じハッチバックですが、樹脂パーツやルーフレールが装着されているだけでもSUVらしさがグッと引き立ちます。
インフィニティQ30/QX30のインテリアはメッキや革など使い高級感がある
インフィニティQ30/QX30のインテリアは、外装と同じく流れるようなインパネ周りが特徴的で、メッキ加飾と革の使用により高級感があります。
シフトノブ周りもピアノブラックのパネルが使われ、ストロークの短いシフトが採用されています。レンジには従来のものとは違い、Pレンジが独立しています。Dレンジの下にあるスイッチは「エコモード(E)」「スポーツモード(S)」「マニュアルモード(M)」の切り替えスイッチで、マニュアルモードにするとハンドル手元のパドルシフトで切り替えが出来るようになります。
オプションになりますが、10個のBOSEスピーカーを搭載できて、2個あるUSBポートでスマートフォンの充電だけではなく、ミュージックライブラリーに入っている音楽の再生ができます。スマートフォンだけではなく、USBメモリーからも呼び出すことが出来るので、とても便利です。
搭載されるパワートレインはガソリンエンジンとディーゼルエンジンを各2種類用意
インフィニティQ30に搭載されているエンジンは「1.6リットル」と「2.0リットル」のガソリンエンジン、「1.5リットル」と「2.2リットル」のディーゼルエンジンがあります。また、QX30には「2.0リットルガソリンエンジン」が搭載されています。
ガソリンエンジン | ディーゼルエンジン | |||
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排気量 | 1,595cc | 1,991cc | 1,461cc | 2,143cc |
最高出力 | 122ps/5,000rpm | 211ps/5,500rpm | 109PS/4,000rpm | 170PS/3,400~ 4,000rpm |
最大トルク | 200Nm/1,250~ 4,000rpm |
350Nm/1,200~ 4,000rpm |
260Nm/1,750~ 2,500rpm |
350Nm/1,400~ 3,400rpm |
燃費 | 20.0km/L | 17.9km/L | 27.9km/L | 27.3km/L |
360°見渡せるアラウンドビューモニターなど最新の安全装備を採用
モニターには、駐車支援システムのアラウンドビューモニターが搭載されていて、見にくい後ろ方向を詰める時や、周りの状況をモニターでも確認しながら駐車することが出来ます。
また、LDW(車線逸脱警報)がついていて、サイドミラー下についているカメラで車線を判断し、ふらつきやウィンカーが動作していない時に車線を超えると警告してくれる装備が搭載されています。
インフィニティQ30/QX30の価格帯は20,850(日本円で約300万)から
インフィニティQ30は欧州で、QX30は北米などで販売されていて、エンジン別・グレード別の値段設定もあります。
Q30欧州価格 | |
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1.6t SE | 20,850ポンド(約300万) |
1.6t PREMIUM Tech | 25,780ポンド(約380万) |
2.0t SPORT | 32,465ポンド(約477万) |
1.5d SE | 21,870ポンド(約320万) |
1.5d PREMIUM Tech | 26,800ポンド(約393万) |
1.5d SPORT | 26,550ポンド(約390万) |
2.2d PREMIUM Tech | 31,585ポンド(約464万) |
2.2d SPORT | 31,335ポンド(約460万) |
※1ポンド=147円での計算
※t=ガソリンエンジン、d=ディーゼルエンジン
QX30北米価格 | |
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QX30 | 29,950ドル(約340万) |
QX30 Luxury | 32,600ドル(約370万) |
QX30 Luxury (AWD) | 34,400ドル(約392万) |
QX30 Premium | 35,300ドル(約402万) |
QX30 Premium (AWD) | 37,700ドル(約430万) |
QX30 SPORT | 38,500ドル(約438万) |
※1ドル=114円での計算
インフィニティQ30は欧州市場を中心に約300万~約460万、インフィニティQX30は北米を中心に約340万~約438万で販売されています。日産の高級車ブランドらしいプレミアムな価格帯になっています。
同じボディをもつインフィニティQ30とQX30のモデルチェンジ遍歴
Q3とQX30は、日産のインフィニティブランドから販売されていた乗用車で、Q3はメルセデス・ベンツAクラス、QX30はメルセデス・ベンツGLAクラスをベースにしています。
インフィニティ・Q30 H15型/2015年~2019年
2015年のフランクフルトモーターショーで市販型が発表され、2016年1月から欧州から販売を開始しました。その後、中国、タイ産、韓国、オセアニアでも販売されています。1.6Lと2.0Lの直列4気筒ターボガソリンと、1.5L直列4気筒ディーゼル、2.2L直列4気筒ディーゼルが用意されました。
2019年、欧州市場からの撤退を発表しました。
インフィニティ・QX30 初代/2016年~2019年
2016年夏、QX30の欧州モデルが発表されました。ガソリンエンジンの「2.0t」「2.0t AWD」、ディーゼルエンジンの「2.2d AWD」が用意されました。
インフィニティ・Q30とQX30のモデル | 販売年表 |
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H15型 | 2015年~2019年 |
QX 初代 | 2016年~2019年 |
インフィニティ日本展開のアナウンスは今のところなし
インフィニティは、北米や欧州、ロシアや中国などを中心に販売していて、トヨタのレクサスのように日本での展開をする予定は、いまのところありません。世界的にもSUVブームとなっていますし、QX30は日本でも販売するとトヨタ「C-HR」やレクサス「UX」の対抗車種になること間違いありません。
もし日本に導入するならば、Q70がフーガ、QX50がスカイラインクロスオーバーなどのように、日産で姉妹車として350万スタートで販売する可能性が考えられます。力強くてダイナミックかつ、流線形の美しいフォルムのQ30/QX30が日本で発売される日が来るのを楽しみにしましょう。