グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードとは?ヒルクライムを疾走した世界が注目した新旧のスポーツカーも紹介します!
英国で毎年開催される自動車の祭典である「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」は、期間中に海外からの来場者も多数訪れる世界が注目するイベントです。
ここでは、同プロジェクトが意識する「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」とは、どんなイベントであるのかを話題の中心としながら、皆さんが知りたいと思っている関連情報もお届けしていきます。
2023年グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードは7月13日から7月16日まで開催
グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2023が7月13日から7月16日の日程で開催。
2023年のホストはポルシェに決定し、メイン会場を華やかに彩ります。
ルノー、アルピーヌ、BMWなど欧州のプレミアブランドが中心に展示されますが、EV(電気自動車)モデルを取り扱うスウェーデンのポールスターなど次世代モデルの出展も決定しています。
日本の自動車メーカーではTOYOTA GAZOO Racingがカーボンニュートラルの可能性を示すべく、水素を燃料にするMIRAIなどを展示。GR YARIS Rally1 HYBRIDのデモランなど様々なイベントを企画しています。
グッドウッドフェスティバル2021を7月8日から11日間開催
英国で行われる自動車の祭典、グッドウッドフェスティバルを2021年7月8日から19日まで開催することをアストンマーティンが発表しました。当日はアストンマーティンのヴァルキリーでヒルクライムを行うなどイベントが盛りだくさんの内容です。
アストンマーティン創立100周年を記念して製作したCC100スピードスターコンセプトや、新型SUVのDBX、2021年に復帰するF1カーのAMR21なども特別展示する予定です。
グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードとは英国の第11代リッチモンド公爵チャールズ・ゴードン氏が私有地で開催している自動車の祭典
「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(Goodwood Festival of Speed )」とは、自動車愛好家であり、多数のクラシックカーを所有する第11代リッチモンド公爵チャールズ・ゴードン=レノックス氏が、私有地の一部を開放して行っている自動車の祭典です。
1993年から毎年開催されている「グッドウッド・フェスティバル」は、モータースポーツの愛好家以外からも評価され、海外からの来場者も多数訪れる、国際的な認知度も高いイベントです。
イベントの創設者であるチャールズ・ゴードン氏の祖父である第9代リッチモンド公爵フレデリック・ゴードン=レノックスは、1948年に私有地の一部にモータースポーツ用のサーキットコースを完成させました。
リッチモンド公爵家の邸宅であるグッドウッドハウスに隣接していた事から、グッドウッド・サーキットと呼ばれていて同コースでは、様々なモータースポーツが開催され、自動車メーカーがニューモデルを開発する際にも使用されていました。
祖父の影響を強く受けて自動車愛好家となったチャールズ・ゴードン氏が、グッドウッド・サーキットを復活させて、世界中のコレクター達が交流できるイベントを開催したいと考えて、スタートさせたのが「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」です。
メインイベントは展示されているほとんどのマシンが競技に参加する「ヒルクライム」
「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」のメインイベントは、レトロなクラシックカーや最新のスポーツカーなど、展示されているほとんどのマシンが競技に参加する「ヒルクライム」です。
グッドウッド・サーキットの一部を利用して行う「ヒルクライム」では、全長1.16マイル(1.867km)のコースを参加車両が1台ずつ走行してタイムを計測します。ハンドルを握るのは、各マシンのオーナーだけではありません。現役のF1ドライバーや往年の名選手も自身と関わり合いの深い車を運転して会場を盛り上げます。
ショーレース的な側面が強い「ヒルクライム」は、コースと観客席の間をクラッシュバリアでは仕切らずに、ストローバリアと呼ばれる藁(わら)の束を設置する事で距離感を縮めて、間近で走行するマシンのスピードやエンジンサウンドによって、観客に感動を与えます。
オークションに出展されれば数十億円の値が付けられるクラシックカーや、世界が注目する新型モデルも走行する「ヒルクライム」は、メディアの関心度も高く、Live配信もされています。
グッドウッドのヒルクライムコースは、PS3用のゲームソフト「グランツーリスモ6」などにも登場するため、どんなコースなのかをゲーム上で疑似体験しながら、タイムアタックにもチャレンジする事も出来ます。
「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」が自動車愛好家達以外からも高い評価を受けている理由
1993年にスタートした「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」。初年度は1日のみ開催で、来場者は1万人ほどでした。その後、規模を拡大していき、2018年に実施した第25回目のイベントでは、4日間開催で、計20万人以上の来場者を集めました。
このカテゴリでは、回数を重なるごとに盛り上がりを見せている「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」が、自動車愛好家達以外からも高い評価を受けている理由を紹介します。
1 博物館やコレクターズガレージに展示されている伝説のレーシングカーが目の前で走行するシーンを観られるから
「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」のメインイベントであるヒルクライムには、普段は博物館やコレクターズガレージに展示されているような稀少価値の高い車もエントリーします。
クルマ史で語り継がれている数々の名車が、エンジン音を鳴り響かせて目の前を疾走する姿は感動的です。幼い頃に、自分を車好きへと導いてくれたスーパーカーを近い位置で撮影できるのは魅力的です。
2 最新モデルのスポーツカーのデモランを観る事ができるから
「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」には、一時代を築いたF1マシンや貴重なクラシックカーだけではなくて、最新モデルのスポーツカーや各メーカーのプロトタイプも出展されています。
2018年に行われた同イベントには、ポルシェ「911スピードスターコンセプト」や新型スープラのプロトタイプモデルなど、世界中のメディアが注目する車のデモランも行われました。
3 チケットを持っていれば憧れの車のピットに入れるなど来場者を大切にしているから
「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」は、チケットを持っていればピットへの入場が許されるなど、来場者を大切にしている自動車の祭典です。
同イベントではチケットを携帯していれば、走行に向けての整備が行われている憧れのレーシングマシンに近づけて、自由に撮影する事も出来ます。
4 マシンのオーナーや世界的に有名なドライバーとも交流ができるから
「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」では、会場内でマシンのオーナーや世界的に有名なドライバーらと交流する事ができます。
同イベントでは、オーナー同士だけではなくて、来場者もオーナーらと気軽に交流が出来て、思い入れのある車について語り合う事ができます。
過去に行われたイベントでは、F1で活躍したジェンソン・バトンや、世界ラリー選手権で好成績を収めたビョルン・ワルデガルドなどの世界的に有名ドライバーらも参加して、来場者との交流を楽しんでいました。
5 国内外の自動車メーカーなども積極的にブースを構えて年々華やかさを増しているから
「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」は、レーシングカーを展示・走行させるだけではなくて、ビンテージカーのコンクールやオークションも行うなど、イベントを充実させています。
その集客力や影響力はビジネスに繋がるため、国内外の自動車メーカーも積極的にブースを構えています。他にも、オリジナルグッズが販売され、パーツショップや飲食ブースも出展するなど年々華やかさを増しています。
モータースポーツで一時代を築いた世界第一級の名車もグッドウッド・サーキットで行われる「ヒルクライム」に参戦
1993年より毎年開催されている「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」のメインイベントであるヒルクライムには、国際オークションに出品されれば、数十億円以上の値がつく世界第一級の名車たちも参戦します。
このセクションでは、過去にヒルクライムに参戦して会場を大いに盛り上げた「フェラーリ250GTO」などのモータースポーツで一時代を築いた車にスポットライトをあてて、その魅力を紹介していきます。
以前に日本に1台だけあった「メルセデス・ベンツW125」は1930年代に300km/hを超える最高速を実現していたスーパーカー
「メルセデス・ベンツW125」は、1937年に開催されるグランプリ・シーズンに参加するために専用設計されたレーシングカーです。スーパーチャージャー付きの直列8気筒エンジンを搭載し、最高速は300km/hを超えるスペックを誇っていた、同車はAIACRヨーロッパ選手権を制すなど、圧倒的な走りを披露していました。
「マセラティ250F」はレギュレーション2.5リッター時代のF1で大活躍したレーシングカー
1954年から1958年までの 約5年間生産されていた「マセラティ250F」は、レギュレーション2.5リッター時代のF1 で輝かしい功績を収めたレーシングカーです。1957年モデルは、650kgもの軽量ボディに最高出力は270psをクリアする直列6気筒エンジンを搭載して、マセラティの技術力の高さを世界に知らしめました。
「ロータス25」はモノコック構造をフォーミュラーカーで初めて採用して新時代を切り開いた
1960年代前半にF1グランプリで圧倒的な強さを誇っていた「ロータス25」は、現代では当たり前となっているモノコック構造をフォーミュラーカーで初めて採用した歴史的な車です。
同車は、コヴェントリー・クライマックス製の1.5リッターV8エンジンを搭載し、無駄のないスリムなボディを、アルミ製パーツを用いる事などでよって実現させて、レーシングマシンの新たな可能性を提示しました。
F1ターボ時代のパイオニアである「ルノーRS01」はコレクターズ心理を刺激するレーシングカー
1977年シーズンに実戦投入された「ルノーRS01」は、F1マシンとして初めてターボチャージャーを装着した記念すべき車です。デビュー当時は、搭載したターボチャージャーのトラブルにより、オーバーヒートを起こすなどして、リタイアする事が多かったです。
翌1978年には、インタークーラーを水冷式へと変更するなどの改良を行って、パワーロスを解消して、本来の性能を発揮できるようなって、第15戦のアメリカ東グランプリで初入賞を果たすなど好成績を収めていきます。
後継モデル「RS10」がルノーにF1での初勝利をもたらすなど、その後のF1ターボ時代を切り開いていったマシンとして語り継がれている「RS01」は、コレクターズ心理を刺激するレーシングカーです。
「フェラーリ250GTO」は自動車オークション史上最高額で落札されたレジェンドカー
1962年から1964年にかけて、FIAスポーツカー選手権GTクラスで3連覇を果たすなど、他車を寄せ付けない圧倒的な強さを誇っていた「フェラーリ250GTO」は、250テスタロッサ用3リッターV12エンジンを搭載し、エクステリアの美しさも評価される希少価値の高い伝説的なレーシングマシンです。
2018年8月にペブルビーチで行われてオークションに出品された、1962年製のフェラーリ250GTOは、自動車オークション史上最高額となる53億円を超える額で落札されました。
「シャパラル2E」は現代では当たり前となっているリアウイングを初めて採用したレーシングカー
テキサスの石油王で自動車レーサーでもあった、ジム・ホールが設立したシャパラルが中心となって開発したレーシングカーは、USロードレース選手権やカナディアン‐アメリカ・チャレンジカップ(Can-Am)だけではなくて、1960年代に欧州のワークスチームが上位を独占していた世界スポーツカー選手権でも活躍しました。
現代のレースシーンではあたり前となっているリアウイングを初めて採用したボディに、シボレー製V8エンジンを搭載する「2E」は、アメリカ以外でも高い人気を維持し続けている一台です。
ル・マン24時間レースで4連覇を飾るなど一時代を築いた「フォードGT40」はアメリカ製エンジンの技術力の高さを世界にアピールした
「フォードGT40」は、自社のブランド力を向上させるために、フォードが英国の自動車メーカーであるローラー・カーズ社と共同開発したレーシングカーです。1964年に参戦したレースは苦戦したものの、シャシーを強化して、エンジンの改良を行うなどして進化し続けた結果、同車は1966年から1969年においてのル・マン24時間レースで4連覇を飾るなどして一時代を築きました。
20世紀最高のレーシングカーとも称されるマクラーレンF1をベース車とする「マクラーレンF1‐GTR」はGTマシンの近代化に大きく貢献した
マクラーレンF1は「20世紀最後の工業製品として、10年後、20年後にも見劣りすることのない究極の自動車」をテーマとして掲げて開発されたレーシングカーです。
同車をベースとして、再設計された「マクラーレンF1‐GTR」は、1995年に開催されたル・マン24時間レースで総合優勝を果たすなど数々の功績を残して、GTマシンの近代化に大きく貢献した車として語り継がれています。
「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2018」で注目度が高かった自動車メーカーのブースと出展車両をプレイバック
2018年に開催された「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」は、25周年という記念すべきタイミングであったため、スウェーデンのEinrideが開発する木材運搬用自動運転トラック「T‐log」など、あらゆるジャンルの自動車が会場に集められ、過去最大の規模で行われました。
ここでは、その中でも注目度が高かった自動車メーカーのブースや出展車両を紹介します。
2018年開催時はポルシェブランドが生誕70周年であったのでイベントのホスト役を務めて多数の車を出展させた
2018年は、ポルシェ「356ロードスター」の第1号車が登録されてから70周年にあたる記念すべき年でした。そのため、ポルシェは同年に実施された第25回「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」のホスト役を務めました。
1998年と2013年にもホスト役を務めた、ポルシェにとって「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」は、販売戦略上においても重要視しているイベントです。
そのため、ポルシェは創業70周年記念モデルである「911スピードスターコンセプト」だけではなくて、1973年型カレラRSなどのヒストリックカーも多数ラインナップさせました。
日産とイタルデザインが共同開発した「Nissan GT-R50 by Italdesign」は市販化が期待されるプロトタイプモデル
2018年に開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで世界初披露された「Nissan GT-R50 by Italdesign」は、日産とイタルデザインが共同開発したプロトタイプモデルです。
「何の制約もなくGT-Rをつくったらどうなるだろう?」との発想のもとで、開発が進められた同車は、GT-R NISMOをベースとして、新開発のビルシュタイン製サスペンションやブレンボ製ブレーキを搭載して、走行性能を更に引き上げます。
イタルデザインがテイラーメイド等を行って内外装に磨きをかける「Nissan GT-R50 by Italdesign」は、スポーツカーの走行性に、アートが融合する特別な車です。
17年ぶりに復活するスープラの試作車はグッドウッド・サーキットで初めて公式走行を行った
17年ぶりに復活するトヨタのフラッグシップスポーツカー「スープラ」の試作車は、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2018で、初めての公式走行を行いました。
新型「スープラ」のプロトタイプのハンドルを握ったのは、同車の開発責任者である多田 哲哉氏と、ニュルブルクリンク24時間耐久レースへの出場経験のあるヘルヴィッヒ・ダーネンス氏でした。
スープラ自慢の直列6気筒エンジンが奏でるサウンドと、軽快なコーナリングは会場に集まった人達に大きなインパクトを与えました。
「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2018」のパートナー企業であるマセラティは同社の2019年モデルを全てヒルクライムにエントリーさせた
第25回「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」のパートナー企業となった、イタリアの老舗・自動車メーカーであるマセラティは、自社で展開する車両の最新モデルを全てヒルクライムにエントリーさせました。
ワールドプレミアムされた「ニューレヴァンテGTS」や、欧州初披露となった「レヴァンテトロフェオ」などの最新モデルの展示は、来場者を喜ばせました。
スタイリッシュなフォルムが印象的な「Roborace」はヒルクライムコースを完走した初めての完全自動運転車
優れた情報処理能力を誇るAIを搭載する「Roborace」は、大胆かつスタイリッシュなフォルムが印象的な車です。「Roborace」は、単独走行ではありますが、高低差や狭い道のりもあって、レーシングドライバーも苦労するグッドウッド・サーキットを、コースアウトすることなく完走した初めての完全自動車です。
2019年以降には、「Roborace」のような完全自動車が積極的にヒルクライムに挑戦していくはずです。
世界の車好きから支持される「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」のような自動車の祭典が日本でも開催される事を期待
初年度は1日のみの開催で、来場は1万人ほどであった「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」は、2018年に開催された第25回目では20万人を超える集客規模を誇るビッグイベントへと成長しました。
海外からやってきた自動車愛好家ら達と交流が出来て、世界第一級のクラシックカーが走行するシーンを間近で見られる同イベントは、リピート率が高い事でも知られています。
世界から集まった新旧のスピード自慢の車が、今年もグッドウッド・サーキットを疾走します。