ブーンに適合する純正タイヤサイズとグレード
ブーンは、3,650mm台の全長に燃費性能と実用性をまとめた1Lクラスのコンパクトカーです。3代目にあたるM700S(2WD)とM710S(4WD)は2016年4月に登場し、2023年12月をもって生産を終了しました。現在は中古車市場での流通が中心で、純正タイヤサイズは全グレード共通の「165/65R14 79S」です。
「165/65R14」タイヤを標準装備するブーンのグレード
- STYLE"SA3"
- CIL Q "Gパッケージ SA3"
- CIL Q "SA3"
- X "Lパッケージ SA3"
- X "SA3"
このサイズの利点は、選択肢の広さです。165/65R14はルーミーやソリオといった実用性重視のコンパクトカーでも採用されている量販サイズで、国内メーカーから海外メーカーまで多くの銘柄が設定されています。店頭在庫が薄くて取り寄せ待ちになりにくく、価格帯の幅も広いため、予算に合わせて銘柄を選びやすいのがこのサイズの実務的なメリットです。
ブーンのタイヤ選びで知っておきたいこと
低燃費タイヤを選ぶ際の物差しになるのが、JATMA(一般社団法人日本自動車タイヤ協会)が定めるラベリング制度です。転がり抵抗性能はAAA、AA、A、B、Cの5段階、ウェットグリップ性能はa、b、c、dの4段階で表示され、転がり抵抗性能がA以上かつウェットグリップ性能がd以上のものが低燃費タイヤに認定されます。商品ラベルに「A/b」と書かれていれば、前が転がり抵抗、後がウェットグリップを表します。
この等級差を実感につなげるには、燃料代に換算するのが早い方法です。タイヤ公正取引協議会の実証試験にもとづく推計では、転がり抵抗の等級が1段階上がるごとに燃費が約1%改善します。ブーンのWLTCモード燃費は19.0km/Lから21.0km/L(2WDの最良グレードで21.0km/L)ですので、月1,000kmを走る使い方なら燃料は約48L、ガソリン180円/L換算で月々約8,600円です。転がり抵抗CからAAへ2段階上げても月々の差は200円弱にとどまります。
つまり低燃費タイヤを選ぶ意味は、燃料代を取り戻すことではなく、車両が本来持っている燃費性能を落とさないことにあります。4本の価格差が数千円あれば、燃費だけで回収するには数年かかる計算です。この前提を踏まえたうえで、燃費を優先するなら転がり抵抗AA以上、雨天時の安全を優先するならウェットグリップaまたはbという順で絞り込むと、判断がぶれません。
もう一つ、購入前に見落とされやすいのがロードインデックス(荷重指数)です。純正の「165/65R14 79S」の「79」がこれにあたり、1本あたり437kgまでの荷重に対応します。交換時は同等以上の数値を持つタイヤを選ぶ必要があります。数値が不足すると車検に通らないうえ、規定の荷重を支えられない状態で走ることになります。末尾の「S」は速度記号で、最高速度180km/h対応を示します。この記事で紹介する銘柄にはロードインデックス83や速度記号T、Hのものも含まれますが、いずれも79Sを上回るため装着に問題はありません。
現在装着しているサイズが分からない場合は、タイヤ側面(サイドウォール)の刻印を確認してください。実際に触れてみると、数字と記号が浮き彫りになっているのが分かります。運転席側ドアを開けた開口部内側にも、車両指定のタイヤサイズと指定空気圧が記載されたラベルが貼られています。中古車では前オーナーがサイズを変更している場合がありますので、装着中のタイヤではなくラベルの表記を基準に考えてください。
ブーンにおすすめの低燃費タイヤ9選
ブーンにおすすめの低燃費タイヤを紹介します。国産メーカーから海外メーカーまで、燃費性能とウェット性能のバランス、そして摩耗のしにくさを踏まえてピックアップしています。
低燃費と偏摩耗を抑制してブーンに経済的に使える ヨコハマ ブルーアース-ES ES32
YOKOHAMA BluEarth-Es ES32 165/65R14 79S
| 車種 | ブーン |
|---|---|
| メーカー | ヨコハマ |
| ブランド | BluEarth-Es ES32 |
| タイヤサイズ | 165/65R14 |
| タイヤ外径 | 570mm |
| タイヤの種類 | 低燃費タイヤ |
| ロードインデックス | 79(負荷能力437kg) |
| 速度記号 | S |
| 低燃費グレード | A/c |
| 値段 | 6,110円~(2026年調べ) |
ヨコハマのBluEarth-Es ES32(ブルーアース イーエス イーエスサンニー)は、トレッドゴムの剛性を高めて偏摩耗を抑える設計を軸にした低燃費タイヤです。転がり抵抗性能A、ウェットグリップ性能cという等級で、シリカを均一に分散させる技術によって燃費性能とウェット性能を両立させています。
偏摩耗とは、タイヤの一部だけが早くすり減る現象です。ブーンのようなFF(前輪駆動)のコンパクトカーは、前輪が駆動と操舵と制動のすべてを受け持つため、走行距離が伸びてくるとフロントのショルダー部(肩の部分)から角が落ちていく減り方が起きやすくなります。溝は残っているのに片側だけ削れていて交換を勧められた、という状況に心当たりがあるなら、この耐偏摩耗性は実質的なコスト差になって返ってきます。
一方で、ウェットグリップcは同クラスの中では控えめな設定です。雨天走行が多い方や、坂の多い経路を日常的に使う方は、この記事で紹介するbグレード以上の銘柄と比べてから決めたほうが納得できます。
高レベルの低燃費性能を発揮してウェット性能とバランスよく両立させた ブリヂストン エコピア NH200C
BRIDGESTONE ECOPIA NH200C 165/65R14 79S
| 車種 | ブーン |
|---|---|
| メーカー | ブリヂストン |
| ブランド | ECOPIA NH200C |
| タイヤサイズ | 165/65R14 |
| タイヤ外径 | 570mm |
| タイヤの種類 | 低燃費タイヤ |
| ロードインデックス | 79(負荷能力437kg) |
| 速度記号 | S |
| 低燃費グレード | A/b |
| 値段 | 7,539円~(2026年調べ) |
ブリヂストンのECOPIA NH200C(エコピア エヌエイチニヒャクシー)は、軽自動車とコンパクトカーの専用設計としてNH200シリーズから分けられたモデルです。ブロック剛性を最適化した新パターンにより、耐偏摩耗性とウェット性能に加えてライフ性能の向上も図られています。転がり抵抗性能A、ウェットグリップ性能bという組み合わせです。
専用設計という言葉の中身は、想定する車重と接地圧の違いです。1,200kg前後の車体に165mm幅のタイヤという組み合わせでは、1本が受け持つ面積あたりの負担が中型車より大きくなります。そこを前提に剛性配分を組み直しているため、ブーンの軽快なハンドリングを鈍らせずに、路面をとらえている感覚が残るのがこのモデルの持ち味です。
ウェットグリップbは9銘柄のなかでも上位の等級で、雨天時の制動距離を重視する場合の基準になります。反面、転がり抵抗性能はAAには届きません。燃費の数値そのものを最優先する使い方であれば、後述のAA組と比較する価値があります。
トータルパフォーマンスのバランスがとれている経済的な クムホ エコウィング ES31
KUMHO ecoWING ES31 165/65R14 79T
| 車種 | ブーン |
|---|---|
| メーカー | クムホ |
| ブランド | ecoWING ES31 |
| タイヤサイズ | 165/65R14 |
| タイヤ外径 | 570mm |
| タイヤの種類 | 低燃費タイヤ |
| ロードインデックス | 79(負荷能力437kg) |
| 速度記号 | T |
| 低燃費グレード | A/c |
| 値段 | 4,800円~(2026年調べ) |
クムホのecoWING ES31(エコウィング イーエスサンジューイチ)は、低燃費性能、耐摩耗性能、乗り心地をバランスさせた低燃費タイヤです。転がり抵抗性能A、ウェットグリップ性能cという等級で、速度記号Tは最高速度190km/h対応を意味します。
この銘柄が候補になるのは、4本分の総額を最も低く抑えたい場面です。9銘柄のなかで最も手が届きやすい価格帯にあり、国産の低燃費タイヤ1本分の予算で複数本を揃えられる水準に収まります。韓国のクムホは国内での流通量も確保されており、在庫の面でも困りにくい選択肢です。
考え方として、「高価なタイヤを7年8年と履き続ける」よりも「手頃なタイヤを4年程度で新しくする」という運用のほうが、ゴムの劣化を抱えないという意味では安全側に働きます。年間走行距離が5,000km未満で、溝が減る前に年数で交換時期が来てしまう使い方であれば、この方針は合理的です。反対に、年間1万km以上走って溝から先に減るタイプの乗り方では、耐摩耗性を重視した国産モデルのほうが総額で有利になります。
高レベルで低燃費性能とウェット性能を両立して操縦安定性能もある コンチネンタル コンチエココンタクト5
Continental ContiEco Contact5 165/65R14 79T
| 車種 | ブーン |
|---|---|
| メーカー | コンチネンタル |
| ブランド | ContiEco Contact5 |
| タイヤサイズ | 165/65R14 |
| タイヤ外径 | 578mm |
| タイヤの種類 | 低燃費タイヤ |
| ロードインデックス | 79(負荷能力437kg) |
| 速度記号 | T |
| 低燃費グレード | ラベル対象外 |
| 値段 | 8,600円~(2026年調べ) |
コンチネンタルのContiEco Contact5(コンチエコ コンタクト ファイブ)は、高剛性設計によって高速域でのハンドリングレスポンスを確保した低燃費タイヤです。日本のJATMAラベリング制度の対象外という表示になりますが、これは性能が低いという意味ではなく、欧州基準で開発された製品が国内の届け出手続きを経ていない場合に生じる扱いです。
欧州のタイヤは、アウトバーンのような高速巡航を前提に剛性を高めに取る設計思想があります。ブーンで高速道路の合流や横風を受けたときのふらつきが気になっている場合、この方向性は体感差として出やすい部分です。外径578mmという数値も他の銘柄より大きめで、同じ165/65R14でもメーカーによって寸法に幅があることが分かります。
注意したいのは、ラベル対象外という表示があると等級での比較ができない点です。転がり抵抗性能の数字を並べて判断したい場合には向きません。なお、コンチネンタルのエココンタクトはEcoContact 6へ世代が進んでいますので、銘柄で探す際は世代の違いを確認してください。
高剛性で低燃費と耐摩耗性能にすぐれたブーンにおすすめの トーヨータイヤ ナノエナジー3 プラス
TOYOTIRES NANOENERGY 3 PLUS 165/65R14 79S
| 車種 | ブーン |
|---|---|
| メーカー | トーヨータイヤ |
| ブランド | NANOENERGY 3 PLUS |
| タイヤサイズ | 165/65R14 |
| タイヤ外径 | 570mm |
| タイヤの種類 | 低燃費タイヤ |
| ロードインデックス | 79(負荷能力437kg) |
| 速度記号 | S |
| 低燃費グレード | A/b |
| 値段 | 5,600円~(2026年調べ) |
トーヨータイヤのNANOENERGY 3 PLUS(ナノエナジー スリー プラス)は、材料技術「ナノバランステクノロジー」によってウェット制動距離を従来品比で13%短縮した低燃費タイヤです。転がり抵抗性能A、ウェットグリップ性能bという組み合わせで、耐摩耗性能にも配慮した設計になっています。
この銘柄の位置づけは、国産でウェットグリップbを確保しながら、価格帯を無理のない範囲に収めた落としどころです。ブーンのように車体が軽い車では、タイヤ1本あたりの負担が小さいぶん、スタンダードクラスでも性能不足を感じる場面は限られます。通勤や送り迎えを中心に年間1万km前後を走る使い方であれば、このクラスで十分にまとまります。
逆に向かないのは、静粛性の改善を主な目的にしている場合です。パターンノイズを積極的に抑える設計はプレミアムコンフォートの領域になりますので、車内の音が気になっているのであれば、後述する現行世代の上位カテゴリーを検討したほうが目的に合います。
ハンコック キナジー エコ2 はウェット性能にすぐれた基本性能重視のスタンダードな低燃費タイヤ
HANKOOK KINERGY ECO2 165/65R14 79T
| 車種 | ブーン |
|---|---|
| メーカー | ハンコック |
| ブランド | KINERGY ECO2 |
| タイヤサイズ | 165/65R14 |
| タイヤ外径 | 566mm |
| タイヤの種類 | 低燃費タイヤ |
| ロードインデックス | 79(負荷能力437kg) |
| 速度記号 | T |
| 低燃費グレード | ラベル対象外 |
| 値段 | 5,290円~(2026年調べ) |
ハンコックのKINERGY ECO2(キナジー エコ ツー)は、ワイドショルダーグルーブによって雨天時のハンドリングとウェットブレーキ性能を高めた低燃費タイヤです。ブロックのピッチ配列を最適化することで静粛性にも配慮されています。日本のラベリング制度の対象外という表示になります。
外径566mmという数値は、9銘柄のなかで最も小さい値です。同じ165/65R14でも、規格の許容範囲のなかでメーカーごとに寸法が決まるため、こうした差が生まれます。4本すべてを同じ銘柄に揃えるのが基本なのは、この寸法差が前後左右で回転数の違いを生むためです。2本だけ交換するという選択をする場合は、残る2本と同じ銘柄に合わせるか、少なくとも同一軸で揃えてください。
コストと基本性能のバランスを重視する使い方に向く一方、等級表示で比較したい場合には情報が足りません。ラベルの数字を判断材料の中心に置いている場合は、国産の低燃費タイヤから選んだほうが検討が進みます。
飛びぬけた低燃費性能と耐摩耗性能の両立で経済性にもすぐれた ダンロップ エナセーブ EC204
DUNLOP エナセーブ EC204 165/65R14 79S
| 車種 | ブーン |
|---|---|
| メーカー | ダンロップ |
| ブランド | エナセーブ EC204 |
| タイヤサイズ | 165/65R14 |
| タイヤ外径 | 574mm |
| タイヤの種類 | 低燃費タイヤ |
| ロードインデックス | 79(負荷能力437kg) |
| 速度記号 | S |
| 低燃費グレード | AA/c |
| 値段 | 6,300円~(2026年調べ) |
ダンロップのエナセーブEC204(エナセーブ イーシーニーマルヨン)は、転がり抵抗性能AAという9銘柄のなかで最高クラスの等級を達成した低燃費タイヤです。接地形状を丸みのある形にして接地圧を均一化し、コーナリングで力がかかるアウト側のブロックを大きく取ることで、耐摩耗性能と耐偏摩耗性能の両方を高めています。
転がり抵抗AAはAに対してもう1段階上ですので、推計上はさらに約1%の燃費改善が見込めます。年間1万km以上走る使い方であれば、その差が累積していきます。ブーンの新車装着タイヤとして採用実績のあるエナセーブシリーズの延長線上にあるため、純正の乗り味からの変化が少ないという意味でも選びやすいモデルです。
ただしウェットグリップはcにとどまります。転がり抵抗を削ることとウェットグリップを確保することは技術的に引っ張り合う関係にあり、AAとcという組み合わせはその典型です。雨の日の制動を優先したいのであれば、A/bの銘柄と比べたうえで、どちらを取るかを決めることになります。
低燃費・静粛性・快適性でロングライフな ダンロップ エフィシェントグリップ エコ EG02
DUNLOP EfficientGrip ECO EG02 165/65R14 79S
| 車種 | ブーン |
|---|---|
| メーカー | ダンロップ |
| ブランド | EfficientGrip ECO EG02 |
| タイヤサイズ | 165/65R14 |
| タイヤ外径 | 575mm |
| タイヤの種類 | 低燃費タイヤ |
| ロードインデックス | 79(負荷能力437kg) |
| 速度記号 | S |
| 低燃費グレード | AA/c |
| 値段 | 5,800円~(2026年調べ) |
ダンロップのEfficientGrip ECO EG02(エフィシェントグリップ エコ イージーゼロツー)は、転がり抵抗性能AAとロングライフ設計を組み合わせた低燃費タイヤです。EC204と同じAA/cという等級ですが、こちらは摩耗のしにくさに比重を置いた設計になっています。
オーナーから一般的に聞かれるのは、交換サイクルが延びたという評価です。タイヤ代を1回の出費ではなく数年単位の総額で見ると、この差が効いてきます。1台を長く乗り続ける前提で、走行距離も伸びていくという使い方に最も噛み合うモデルです。
EC204とEG02のどちらを選ぶかは、走り方で分けられます。街中の発進停止が多く、タイヤの角から減っていくタイプの乗り方ならEC204の耐偏摩耗性、幹線道路や高速の巡航が多くトレッド全体が均等に減っていく乗り方ならEG02の耐摩耗性が活きます。どちらもウェットグリップcという点は共通ですので、雨天性能を求める場合の候補にはなりません。
雨の日も安心のウェット性能に静粛性もありブーンで快適走行できる ミシュラン エナジー セイバー 4
MICHELIN ENERGY SAVER 4 165/65R14 83H
| 車種 | ブーン |
|---|---|
| メーカー | ミシュラン |
| ブランド | ENERGY SAVER 4 |
| タイヤサイズ | 165/65R14 |
| タイヤ外径 | 570mm |
| タイヤの種類 | 低燃費タイヤ |
| ロードインデックス | 83(負荷能力487kg) |
| 速度記号 | H |
| 低燃費グレード | A/b |
| 値段 | 7,800円~(2026年調べ) |
ミシュランのENERGY SAVER 4(エナジー セイバー フォー)は、転がり抵抗性能A、ウェットグリップ性能bを取得しつつ、静粛性と乗り心地の質を作り込んだモデルです。9銘柄のなかで唯一ロードインデックス83、速度記号Hというスペックを持ち、純正の79Sに対して1本あたり50kgの余裕が生まれます。
この余裕が意味を持つのは、乗車人数と荷物が増える場面です。5人乗車で荷室にも荷物を積んだ状態では、タイヤ1本が支える荷重は普段より大きくなります。家族で出かける機会が多い方や、帰省で荷物を満載にする使い方では、負荷能力の余裕がタイヤの発熱やたわみの抑制につながります。速度記号Hも210km/h対応で、高速巡航時の余力があります。
ミシュランは接地面の形状設計と独自コンパウンドによって、摩耗が進んだ後半でも性能が落ちにくい方向にまとめる傾向があります。1セットを長く使い切る乗り方では、新品時の等級より、この落ちにくさのほうが体感差として残ります。週末のドライブや長距離移動が多く、静粛性と快適性を優先したい場合の第一候補になります。
165/65R14には現行世代の上位カテゴリーという選択肢もあります
ここまで紹介した9銘柄は低燃費タイヤを軸にした構成ですが、165/65R14 79Sというサイズには、これとは方向性の違う選択肢も存在します。
一つはプレミアムコンフォートです。ブリヂストンのREGNO GR-XIII(レグノ ジーアール クロススリー)は165/65R14 79Sを設定しており、転がり抵抗性能A、ウェットグリップ性能aという組み合わせに加えて、低車外音タイヤにも該当します。前世代のGR-XIIと比べてウェットグリップ性能がbからaへ上がり、制動距離が13%低減しました。ロードノイズを抑えることが履き替えの主な目的である場合、低燃費タイヤの範囲で銘柄を変えるより、カテゴリーそのものを上げたほうが目的に届きます。1Lクラスのコンパクトカーにプレミアムコンフォートという組み合わせは意外に思われますが、車重が軽く静粛性の伸び代が大きいぶん、変化は分かりやすく出ます。
もう一つが、2026年2月1日に発売されたブリヂストンの新ブランド「FINESSA(フィネッサ)」です。第一弾のFINESSA HB01も165/65R14 79Sを設定しており、低燃費性能と摩耗後のウェット性能の両立を開発テーマに据えています。エコピアの流れを引き継ぐスタンダードタイヤという位置づけで、雨の日の安心感を優先したい場合の候補になります。新しいブランドのため取り寄せになる場面がありますので、交換予定日から余裕を持って手配してください。
降雪への備えという観点では、オールシーズンタイヤも165/65R14に設定があります。スノーフレークマークが付いた製品は冬用タイヤ規制に対応します。ただし積雪や凍結が日常的な地域ではスタッドレスタイヤの代わりにはなりません。年に数回の雪に備えたいという条件であれば検討に値する選択肢です。
ブーンのタイヤ選びに必要な純正タイヤサイズとホイールサイズ
| ブーンのグレード | タイヤサイズ | ホイールサイズ | 型式 |
|---|---|---|---|
| STYLE”SA3” | 165/65R14 | 14インチ | 2WD/5BA-M700S 4WD/5BA-M710S |
| CIL Q ”Gパッケージ SA3” | 165/65R14 | 14インチ | 2WD/5BA-M700S 4WD/5BA-M710S |
| CIL Q ”SA3” | 165/65R14 | 14インチ | 2WD/5BA-M700S 4WD/5BA-M710S |
| X ”Lパッケージ SA3” | 165/65R14 | 14インチ | 2WD/5BA-M700S 4WD/5BA-M710S |
| X ”SA3” | 165/65R14 | 14インチ | 2WD/5BA-M700S 4WD/5BA-M710S |
グレードによる違いがなく、全車が14インチの165/65R14で統一されているのがブーンの分かりやすい点です。取り付け穴は4穴、PCD(ボルト穴の中心を結んだ円の直径)は100mmです。社外ホイールやスタッドレスタイヤのホイールセットを探すときは、この4穴とPCD100mmの組み合わせが最初の絞り込み条件になります。手持ちのホイールを裏返せば穴の数はすぐ数えられますので、購入前に自分の車で確認しておくと間違いが防げます。
リム幅とインセットは装着されているホイールの裏側に刻印されています。ハブ径についても純正と異なるホイールではハブリングで調整する場合がありますので、サイズやPCDと合わせて販売店で確認しておけば十分です。中古のホイールセットを譲り受ける話が出たときは、車検証の型式と穴数の両方を照合してください。
ブーンのタイヤ交換時期と長持ちさせるポイント
新品タイヤの溝の深さは約8mmで、一般的な使い方では走行距離5,000kmごとに1mm程度摩耗していきます。道路運送車両法の保安基準により、溝の深さが1.6mmを下回るとスリップサインが露出し、そのタイヤでの走行は認められません。走行距離では約30,000kmが一つの目安になります。
ただし1.6mmは限界値であって交換の推奨値ではありません。溝が浅くなるほど排水量が減り、雨天時に路面とタイヤの間に水膜が残りやすくなります。残溝4mmを切ったあたりからウェット路面での制動距離が伸びていきますので、安全側で考えるなら3mmから4mmを交換の目安に置くほうが現実的です。溝の残りはタイヤのプラットフォーム部分と比べれば目視でも判断できますし、点検時に測ってもらうこともできます。
年数の管理も欠かせません。製造から5年以上経過したタイヤはゴムの硬化が進み、溝が残っていてもひび割れやバーストのリスクが高まります。タイヤ側面には4桁の数字が刻印されており、「1524」であれば2024年の第15週製造を意味します。実際に触れてみると小さな楕円の枠の中に数字が入っているのが分かります。中古車で購入した場合は前オーナーの使用状況が分かりませんので、この製造年週の確認を最初に済ませておくと、溝は残っているのにゴムが固まっているという状態に気づけます。
長持ちさせる実務としては、3つの習慣が効きます。1つ目は空気圧の点検です。月1回程度、走行前の冷えた状態で、運転席ドア開口部のラベルに記載された指定値に合わせてください。空気圧が不足すると転がり抵抗が増えて燃費が落ち、サイドウォールのたわみによる偏摩耗も進みます。2つ目はタイヤローテーションです。ブーンはFF車のため前輪が先に摩耗しますので、走行距離5,000kmから7,000kmを目安に前後を入れ替えると、4本を均等に使い切れます。3つ目は保管環境です。夏タイヤと冬タイヤを履き替えて保管する場合、直射日光と雨が当たる場所に置くとゴムの劣化が早まります。屋内か、少なくとも日の当たらない場所にカバーをかけて保管してください。
ブーンは燃費性能重視のモデルだからタイヤも低燃費タイヤを選ぼう
ブーンは燃費性能を軸に開発されたモデルですので、装着するタイヤを低燃費タイヤにすることで、車両が持っている経済性を保ちやすくなります。中古車市場では引き続き多くの台数が流通しており、これから何年か乗り続けるという前提でタイヤを選ぶ場面は少なくありません。
選び方を目的別に整理すると、次のようになります。燃費性能を最優先するなら転がり抵抗性能AAのダンロップ エナセーブEC204またはEfficientGrip ECO EG02、雨の日の安全性を重視するならウェットグリップ性能bのブリヂストン ECOPIA NH200C、トーヨータイヤ NANOENERGY 3 PLUS、ミシュラン ENERGY SAVER 4、4本分の総額を抑えたいならクムホ ecoWING ES31、車内の静かさを変えたいならプレミアムコンフォートのREGNO GR-XIIIが候補になります。
迷ったときは、等級表を眺める前に「年間何km走るか」「雨や雪の日にどれくらい走るか」「何人乗せることが多いか」の3つを決めてみてください。年間走行距離が長ければ耐摩耗性、雨が多ければウェットグリップ性能a またはb、乗車人数が多ければロードインデックスの余裕という順で候補が絞れます。自分の使い方から逆算するほうが、履き替えた後の満足度は高くなります。