ダイハツのコンパクトリッターカー「ブーン」のモデルチェンジ情報 スポーツグレードや安全装備・運転支援技術など
ダイハツのブーンがモデルチェンジします。ブーンのモデルチェンジ周期から考えるとフルモデルチェンジのスケジュールは2023年秋頃と予想、歴代モデルで初めてになるスポーツグレード「GT」をラインナップする可能性も。
コンパクトカーで覇権を握るアクア・ヴィッツ・フィットなどとは差別化を図り、先進の安全技術や自動運転支援技術を搭載、初めて車を購入する方や運転が苦手な方も乗りやすく進化するダイハツ ブーンの最新情報を紹介します。
ブーンOEMモデルのパッソが2023年9月頃終売 ブーンはフルモデルチェンジで存続
ブーンのOEMモデルとして販売するトヨタのパッソが2023年9月に販売終了することをトヨタが公式発表。
2004年から販売するパッソですが、トヨタにはガソリン仕様のエントリーモデルのヤリスがあり、パッソの価格帯とほぼ横並びなことからほとんどのユーザーはヤリスを選択するという情報も。
パッソが生産終了する一方でOEM元になるブーンは、ダイハツが開発したDNGAプラットフォームに刷新しフルモデルチェンジすることが予想されています。
次期は2023年秋頃が有力で、スポーツグレードのGTを追加するなど魅力的に進化するようです。
次期ブーンはモデル期間5年目にあたる2023年秋にフルモデルチェンジか
ブーンは2023年秋頃パッソと同時にモデルチェンジすると予想
初代ブーンと2代目パッソは設計をダイハツが、マーケティングをトヨタが行い開発した共同開発モデルです。スバルとトヨタが開発したライトスポーツの86とBRZのような関係で、トヨタではパッソ、ダイハツではブーンという名前で販売しました。
3代目ブーンになってから、パッソは完全なOEMモデル(開発・製造はダイハツが行いトヨタに提供)になりました。エクステリアやインテリアなども同じで、ベース車両の販売価格も同じですが、販売パッケージ(グレードや特別仕様車など)により価格差が生じています。
ブーンのモデルチェンジ期間を予想すると、初代ブーンが2004年6月7日に発売され2年後の2006年12月25日にマイナーチェンジを行い、2010年2月15日に2代目へフルモデルチェンジしています。
2代目ブーンは2014年4月14日にマイナーチェンジを行い、2016年4月12日にフルモデルチェンジを行い2018年10月10日にマイナーチェンジを行いました。
年度 | 内容 | モデル期間 |
---|---|---|
2004年6月7日 | 初代ブーン発売 | – |
2006年12月25日 | マイナーチェンジ | 2年6か月 |
2010年2月15日 | 2代目ブーン発売 | 3年2か月 |
2014年4月14日 | マイナーチェンジ | 4年2か月 |
2016年4月12日 | 3代目ブーン発売 | 2年 |
2018年10月10日 | マイナーチェンジ | 2年6か月 |
ブーンのモデルチェンジ年表を見ると2年から4年でモデルチェンジを繰り返している間に一部改良や特別仕様車の追加を行っています。3代目ブーンを見ると2018年に行われた最初のマイナーチェンジまでに2年6か月空いています。
歴代ブーンを見ると初代はマイナーチェンジ後2年6か月で2代目へ、2代目は4年2か月で3代目へ移行していることから、4代目になる次期ブーンは2023年秋頃がフルモデルチェンジ時期になる可能性があります。次期ブーンもDNGAプラットフォームを採用し、トヨタとダイハツが共同開発すると予想できるため、モデルチェンジのタイミングも同じ時期に行うでしょう。
新型ブーンはモデルチェンジで欧州車にも負けない押し出しの強いエクステリアに
新型ブーンのエクステリアを予想する上で欠かせないのがOEMとして提供するパッソの存在です。次期パッソは世界戦略車として欧州で販売すると考えられるため、押し出しの強い印象的なフロントフェイスが必要になるため、ブーンをOEM提供するダイハツはトヨタの意向もあり、今までのブーンよりもインパクトのあるエクステリアにすると考えます。
参考はトヨタが欧州を中心に販売するAセグメントのスモールカー「アイゴ」です。ブーン(パッソ)と同じセグメント(車格)で、フォルクスワーゲンのUPなどとライバル関係にある車で、ブラックアウトした鋭いキーンルックが特徴です。
次期ブーンもアイゴのように一度見たら忘れられない、強烈な印象を与えるフロントフェイスにする可能性もあります。
新型ブーンはトヨタのGA-Bプラットフォーム(TNGAプラットフォーム)を採用するという噂もあるため、もしかすると初代ブーン、2代目ブーンのようにダイハツと共同開発して、車両デザインをトヨタが担当するというケースもあるかもしれません。
全長 | 3,650mm |
---|---|
全幅 | 1,665mm |
全高 | 1,525mm |
ホイールベース | 2,490mm |
室内長 | 1,975mm |
室内幅 | 1,420mm |
室内高 | 1,270mm |
最小回転半径 | 4.6m |
最低地上高 | 150mm |
車両重量 | 910kg |
総排気量 | 996L |
最高出力 | 51kW(69PS)/6,000rpm |
最大トルク | 92Nm(9.4kgm)/4,400rpm |
JC08モード燃費 | 28.0km/L |
WLTCモード燃費 | 21.0km/L |
乗車定員 | 5名 |
販売価格 | 1,177,200円~ |
新型ブーンは歴代モデル初の6MTミッションのスポーツグレード「GT」を設定して走行性能を強化
欧州市場でフォルクスワーゲンUP!に対抗するためGTグレードを設定
現行にあたる3代目ブーンは1.0Lの自然吸気エンジンのみラインナップするリッターカーです。次期モデルでは歴代ブーンで初めて6MTのスポーツグレードGTを設定する可能性があります。
過去ブーンには「X4」、兄弟車のパッソには「TRDスポーツM」という最高出力133PSを発揮する1.0Lの4気筒ターボエンジンを搭載するスポーツモデルがありました。AT設定はなく5速マニュアルミッションのみで強烈な加速を楽しめましたが、今回のGTグレードは初めて「6速マニュアル(MT)」を設定して滑らかで運転しやすいスポーツモデルになるでしょう。
GTグレードは現在搭載するエンジンとは違う新開発されたものになり、排気量は既存のブーンと同じ1.0Lながら、最高出力110ps・最大トルク20kgmを発揮するターボエンジンになり、タンクやルーミーを超えたリッターカートップクラスのハイパワーエンジンになると考えます。
GTグレードを新たに設定する背景には、やはり欧州でライバルになるフォルクスワーゲンUP!の存在があり、最高出力116ps・最大トルク20.4kgmを発揮するUP!と競えるようなスペックにしたいという意図があります。
日本で使うにもGTグレードのスペックは適切で、高速道路の合流地点でもストレスなく加速できる仕様になっています。
加速が弱く高速巡行に不安を感じた方も、新型ブーンにGTグレードが追加されれば十分な購入候補になるでしょう。
新型ブーンの安全装備は進化したスマートアシスト3を採用 自動運転支援技術も搭載か
現行モデルの3代目ブーンはダイハツ単独で開発しているため、OEM提供を受けるトヨタのパッソの安全装備もダイハツのスマートアシスト3を搭載しています。
4代目にモデルチェンジする新型ブーンもダイハツの安全装備スマートアシスト3を搭載すると考えます。
2023年秋頃になると安全装備の内容も進化していることが予想され、夜間の歩行者や昼間の自転車を検知できる2019年時点でトップクラスの安全装備「トヨタセーフティセンス」や「ホンダセンシング」を超える性能になっていることもあるでしょう。
自動運転支援技術についても、2020年に法整備が行われてから本格化することが予想されます。2020年以降、各自動車メーカーのフラッグシップモデルから最新技術を採用して、2023年秋頃には売れ筋の車まで広く搭載する可能性があります。
ブーンも一定の需要が見込めるリッターカーのため自動運転支援技術は早い段階で搭載すると予想できることから、2023年秋頃のモデルチェンジで採用する可能性もあるでしょう。
次期ブーンは使いやすく安全な次世代のコンパクトスタンダードに生まれ変わる
2023年秋頃にフルモデルチェンジする可能性が高いブーンは、動力性能にこだわる方へスポーツグレードのGTを提供、運転が不安な方へ先進安全装備を提供、自動車の最先端技術を体験したい方へ技術の粋を集約した自動運転支援技術を提供します。
新型ブーンは「コンパクトカー=ブーン」というコンパクトクラスのスタンダードになるかもしれません。フルモデルチェンジはまだまだ先ですが、自動車の技術は日々進化しているため、今回紹介した以外にも新しい技術が開発され搭載するかもしれません。