オーリスのモデルチェンジ

オーリスはフルモデルチェンジせずに販売終了 全世界のオーリスの車名もカローラへ名称変更

トヨタの新型オーリスのフルモデルチェンジ最新情報を紹介します。オーリスは欧州を舞台に販売台数を伸ばすトヨタの世界戦略車です。日本よりも欧州で知名度が高い珍しい車で、日本未導入のワゴンモデルも存在します。新型オーリスの変更点、ツーリングワゴン追加の可能性について解説します。

オーリスはフルモデルチェンジせずに販売終了 全世界のオーリスの車名もカローラへ名称変更

オーリスが販売終了 後継車種はカローラスポーツ

スプリンターからアレックス、そしてカローラ ハッチバックの後継モデルとして2006年に誕生したのがオーリスです。名車の歴史を受け継ぐオーリスですが、日本では知名度も低く販売台数も少な目ですが、海外、特に欧州へ目を向けるとヴィッツ(海外ではヤリス)に次ぎ2番目に売れている車となっています。

2012年にはフルモデルチェンジを行って現行モデルへと進化、2015年にはマイナーチェンジをして1.2L直噴ターボ8NR-FTS型エンジンを初めて採用しました。そして2018年にオーリスは「カローラスポーツ」に名前を替え新型車として登場しました。

2018年6月26日に発表・発売されたオーリスの後継モデル「カローラスポーツ」について以下で詳しく紹介しています。

本記事では「カローラスポーツ」発表前までに予想されていた、オーリスのフルモデルチェンジ情報を紹介します。

オーリスがフルモデルチェンジを機に車名変更してカローラに統一

欧州市場で販売好調のオーリスがフルモデルチェンジを機に、車名の「オーリス」を廃止して「カローラ」に変更することがわかりました。 これは欧州市場だけでなく全世界で行われるため、実質オーリスの名前は消滅することになります。

日本ではすでにオーリスの後継車種としてカローラスポーツがデビューしていますが、欧州市場では2019年前半に行われるオーリスのフルモデルチェンジで社名変更が実施されます。

オーリスはヨーロッパで人気の車種ですが、世界的にはカローラの知名度には敵いません。若返りを図るカローラの起爆剤になるのか今後に注目しましょう。

新型オーリスのエクステリア

ジュネーブモーターショー2018で発表された新型オーリスのエクステリア

2018年3月6日スイスで行われたジュネーブモーターショー2018で新型オーリスの市販モデルがワールドプレミアされました。

全長は40mm長い4,370mm、全高は25mm低い1,455mm、30mm広い1,790mmにボディサイズを変更し、ワイド&ローを強調したスタイリングになりました。

ジュネーブモーターショー2018で発表された新型オーリスのリヤビュー

ジュネーブモーターショー2018で発表された新型オーリスのフロントグリル

ジュネーブモーターショー2018で発表された新型オーリスのサイドビュー

グリルメッシュはインパクトのあるデザインに刷新され、屋根とボディを境目にした2トーンカラーもラインナップされます。LEDヘッドライトは今までのトヨタにはない新たなデザインを採用しています。

欧州戦略で重要な位置にあるオーリスは、トヨタのグローバルデザイン「キーンルック」を初めて採用した車です。今やトヨタと言えばキーンルックというブランド化に成功したのは、欧州で名を馳せるオーリスのおかげだったのかもしれません。

トヨタの欧州戦略を支える先鋭的モデルのオーリスが、フルモデルチェンジでよりアグレッシブなデザインになりました。

フロントタイヤの上部まで大きく切り込んだフロントフェイスに、立体的な流線形デザインを採用したオーリスは、同じ世界戦略車C-HRのようなデザインを採用しています。

新型C-HRのエクステリア

C-HRも欧州での評価が高く、販売台数を伸ばしている車種です。オーリスの個性を強調した特徴的なエクステリアで登場したため、自動車市場へ衝撃を与える挑戦的なスタイルとなっています

新型オーリスのインテリア

現行オーリスの内装1

現行オーリスの内装2

現行オーリスの内装3

欧州で人気のあるオーリスは遊び心のある内装が魅力です。日本車には珍しい2トーンカラーの内装は、お洒落なカフェにいるようなモダンな雰囲気となっています。

欧州で販売台数を伸ばすオーリスの内装は現行モデルを大きく変更せず、追加という形で内装を充実する可能性があります。これは人気車種ほど変化を少なくする自動車業界の戦略からも見えてきます。

例えばランドクルーザーは世界各国で絶大な人気を誇るフルサイズクロスカントリー車です。現在車名が変わらず販売されている日本車では最古の歴史を持っています。
2007年から販売されている現行モデルは、2度のマイナーチェンジのみでフルモデルチェンジはされていません。

オーリスはフルモデルチェンジとなっているので、ランドクルーザーとは違いますが、内装には大きな変化はないと考えられます。

フルモデルチェンジでオーリス ツーリングワゴンを追加

新型オーリス ツーリングワゴンのエクステリア

新型オーリスへフルモデルチェンジするタイミングで「オーリス ツーリングスポーツ」が追加されます。ツーリングスポーツはオーリスのステーションワゴンで現在は欧州のみで販売されているモデルです。日本発売を待ち望む声も多く、2018年秋のフルモデルチェンジで待望のモデル追加となります。

フランクフルトモーターショー2017でも公開された新型オーリス ツーリングスポーツの特別仕様車「フリースタイル」は専用のサイドスカートにフロントアンダーガード、17インチのアルミホイールを装着しステーションワゴンよりもSUVテイスト溢れる車となっています。

新型オーリス ツーリングワゴンのリヤビュー

新型オーリス ツーリングワゴンのサイドビュー

レッドカラーの新型オーリス ツーリングワゴン

SUVテイストのステーションワゴンは、スバルのアウトバックが国内でも海外でも有名ですが、オーリス ツーリングスポーツもライバルが少ない中間ジャンルに参入することになりそうです。

プラットフォームはTNGAを採用

新型オーリスにも採用されるTNGAプラットフォーム

新型オーリスへフルモデルチェンジするにあたり、トヨタの新世代共通プラットフォーム「TNGA」を採用することにより、現行モデルよりも静粛性が増し広く快適な室内空間を手に入れます。低重心化と剛性向上により安定性が高くなり、高速巡航でも意のままに車を操ることができます。

TNGAプラットフォームはプリウス、C-HR、カムリの3車種に採用され高い評価を受けています。トヨタはモデルチェンジや新型車投入のタイミングで複数車種にTNGAを採用すると発表しています。

TNGAの採用により新型オーリスはボディサイズを大型化しました。新型オーリスは現行オーリスよりも全長と全幅が広がったため、室内空間にも十分な余裕が生まれました

新型オーリスはトヨタセーフティセンスPを装備

現行オーリスにはトヨタセーフティセンスCが装備されていましたが、新型オーリスには上位版とも言えるトヨタセーフティセンスPが装備されます。上位版のトヨタセーフティセンスPは、トヨタセーフティセンスCのレーザーレーダーに替わりミリ波レーダーを採用しています。

ミリ波レーダーを採用することで歩行者の検知、雨風などコンディションが悪いとき、急を要する場面でも迅速に予防安全システムを作動できるようになります。加減速可能なレーダークルーズコントロールも備わるので、ドライブの負担が格段に減少します。

パワートレイン2種類のハイブリッドを設定

2018年秋にフルモデルチェンジする新型オーリスは、現行モデルに採用されている1.2Lガソリン直噴ターボエンジンと1.8Lハイブリッドエンジン、そして新たに2.0Lのハイブリッドエンジンを採用、2種類のハイブリッドエンジンと1種類のガソリンエンジンの、合計3つのパワートレインを採用します。

注目は新開発された2.0L次世代ハイブリッドエンジンで最大出力180hpを達成するスポーツモデルとなります。
2種類のハイブリッドエンジンは毎日の通勤で50%以上をモーターで走行できるとしているため燃費性能にも期待できます。

現行オーリスのエンジン
ハイブリッドモデル ガソリンモデル
型式 2ZR-FXE 8NR-FTS
総排気量 1.797L 1.196L
使用燃料 無鉛レギュラーガソリン 無鉛レギュラーガソリン
最高出力 72kw(98PS)
5,200rpm
85kw(116PS)
5,200~5,600rpm
最大トルク 142Nm(14.5kgm)
3,600rpm
185Nm(18.9kgm)
1,500~4,000rpm
モーター最大出力 53kw(72PS)
モーター最大トルク 163Nm(16.6kgm)

現行オーリスのスペックをおさらい

夜道を走る現行オーリス

現在販売している2代目オーリスは欧州で販売台数を伸ばすコンパクトカーで、特徴的なキーンルックと欧州仕込みのしなやかな足回りが特徴です。
良い意味で日本車らしさから脱却したオーリスHYBRID G Packageグレードのスペックを紹介します。

オーリスHYBRID G Packageのスペック
全長 4,330mm
全幅 1,760mm
全高 1,480mm
室内長 1,830mm
室内幅 1,485mm
室内高 1,180mm
車両重量 1,400kg
ホイールベース 2,600mm
最小回転半径 5.4m
最低地上高 140mm
エンジン型式 2ZR-FXE
総排気量 1.797L
最高出力 73kw(99PS)/5200rpm
最大トルク 142Nm(14.5kgm)4000rpm
モーター最大出力 60kw(82PS)
モーター最大トルク 207Nm(21.1kgm)
乗車定員 5名
JC08燃費 30.4kg/L
ボディカラー 全7色
価格 2,832,545円~

カローラスポーツの前身 オーリスのモデルチェンジ遍歴

オーリスはトヨタが販売していたCセグメントクラスのハッチバック・ステーションワゴンの乗用車です。カローラの派生車種で、国内では3ナンバー登録となります。

オーリス 初代 E15#H型(2006年~2012年)

2006年10月、アレックスの後継車種として初代オーリスが誕生しました。標準グレードの「150X」、上級グレードの「180G」のグレード展開です。
2007年2月には欧州市場での販売を開始。日本では高級カバンブランドとの共同開発モデル「TUMI」バージョンを1,000台限定で発売。
2008年1月、日本市場で特別仕様車「150X Mパッケージ・グレージュセレクション」「180G グレージュセレクション」を設定。12月には一部改良を実施。
2009年10月、マイナーチェンジと共に、1.8L車に6速MTの「RS」を追加しました。
2010年10月、一部改良で燃費士恵能を向上。
2011年10月、特別仕様車「150X ”M プラチナセレクション”」を発売。

オーリス 2代目 E18#H/18#W型(2012年~2018年)

2012年8月、キーンルックをたずさえて、2代目オーリスの販売を開始しました。グレードは初代から踏襲する「150X」「180G」「RS」のラインナップ。
2013年10月、コンセプトモデルだった「MS-186H-CA シャア専用オーリスCONCEPT」の市販化要望が多く、販売に至りました。
201年5月、特別仕様車「150X ”Blackish Lounge”」を発売。
2015年4月にマイナーチェンジを実施と共に、「120T」を新グレードとして追加しました。7月、「MS-186H-CA02 シャア専用オーリスII コンセプト」「MS-185H 量産型ザクモデル コンセプト」を発表。
2016年4月、「HYBRID」「HYBRID ”G Package”」を追加しました。同時に「RS」に「120T ” RS Package”」も追加となりました。
2018年3月、日本仕様の販売を終了しました。

オーリス 3代目 E21#LH型(2018年~2020年)

2018年6月、3代目となったオーリスですが、正式名称が「カローラスポーツ」になることを発表。海外ではオーリスの名称で販売もされましたが、2020年7月に「カローラスポーツ」に名称変更され、「オーリス」の名称が消滅しました。

オーリスのモデルチェンジ遍歴
オーリスのモデル 販売年表
初代 E15#H型 2006年~2012年
2代目 E18#H/18#W型 2012年~2018年
3代目 E21#LH型 2018年~2020年

異彩を放つ新型オーリスのフルモデルチェンジに期待

オーリス

本場欧州で鍛え抜かれた走り、日本車らしからぬルックス、センス溢れる内装を持つオーリスは日本の自動車市場で異彩を放っています。

現状では、同じCセグメントのトヨタのプリウスや日産のノートに販売台数を譲る形となっていますが、2018年にフルモデルチェンジする新型オーリス(カローラスポーツ)は日本でも大ヒットすると予想できます。

2018年の日本発売では「カローラスポーツ」と車名が変更になっています。また、欧州でメジャーなオーリスの車名を廃止して、全世界共通のカローラに名称変更されます。