MAZDA6 のモデルチェンジ

MAZDA6(マツダ6)は2024年に生産終了 モデルチェンジせず廃止、後継はBEV「6e」も日本導入は未発表

MAZDA6は本当に廃止されたのか、後継や復活はあるのか。国内販売は2024年に終了し、実質的な後継は中国発のBEV「MAZDA6e」ですが日本導入は未発表です。かつて噂されたFR化・直6構想の顛末までまとめました。

MAZDA6(マツダ6)のフラッグシップセダン・ワゴンはモデルチェンジせず2024年に廃止

2002年5月20日に誕生したマツダ・アテンザ。2008年1月に2代目(GH系)、2012年に3代目(GJ系)へと進化しました。
2019年8月1日発売の改良モデルから、車名をアテンザから「MAZDA6(マツダ6)」へ変更しましたが、マツダの歴史とともにフラッグシップの役割を担った重要な1台であることに変わりはありません。

デザインテーマ「魂動」をまとい進化を続けましたが、フルモデルチェンジの噂があるなか、2024年にモデルチェンジを受けないまま生産を終えて廃止となりました。
ここでは、その後の後継の動きから、かつて噂されたモデルチェンジ情報までを順に振り返ります。

MAZDA6の実質的な後継はBEVの「EZ-6/MAZDA6e」 欧州で展開も日本導入は未発表

MAZDA6の生産終了と前後して、その名を実質的に受け継ぐ新型が登場しました。中国では、マツダと重慶長安汽車の合弁会社である長安マツダが手がける電動セダン「MAZDA EZ-6」が北京モーターショー2024で発表され、2024年10月に発売。BEVとPHEVを設定する電動FRセダンで、MAZDA6の後継的存在と受け止められています。

このEZ-6をベースに各市場向けへ仕立てたグローバル版が「MAZDA6e」です。BEV専用として2025年9月から欧州で販売が始まり、累計販売は好調に推移。2026年には豪州やASEANなどへ導入を広げています。さらに、SUVタイプのBEV「MAZDA CX-6e」もブリュッセルモーターショー2026で世界初公開されました。EZ-6/MAZDA6eは2026年のワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤーにも輝いています。

もっとも、これらはいずれも中国・欧州などが主戦場で、日本への導入は本稿の時点で発表されていません。国内では「MAZDA6e」の商標登録がなされたことから導入を期待する声もありますが、確定的な情報は出ていない状況です。日本のフラッグシップセダン不在は当面続くとみられます。

自社ラージ商品群での後継(直6・FR)も取り沙汰されたが具体化せず

かつては、2022年のCX-60から始まるラージ商品群の一員として、次期MAZDA6を自社開発するとの噂もありました。パワートレインはガソリンやディーゼルではなく、モーター駆動のピュアEV(BEV)専用となり、2028年ごろに登場するのではないか、との観測です。

ラージプラットフォームの性格上、最低地上高を高めにせざるを得ないことから、トヨタのクラウン クロスオーバーのような、セダンとSUVの中間的なスタイルになるのでは、との見方もありました。しかし、こうした自社開発ラージプラットフォームによる直6・FRセダンとしての後継は、本稿の時点で具体化していません。実際に「MAZDA6」の名を継いだのは、前述の中国発BEV(EZ-6/MAZDA6e)でした。

MAZDA6が2024年に生産終了 マツダのセダンはコンパクトのMAZDA3のみに

MAZDA6は次期型へフルモデルチェンジすることなく、2024年に生産を終えることをマツダが公式発表しました。日本向けの販売終了は2024年4月中旬と案内されています。
MAZDA6にはセダンとステーションワゴンの2タイプがありましたが、いずれも廃止となり、国内のマツダ製セダンはコンパクトのMAZDA3のみとなりました。
2025年に次期型が登場するとの噂もありましたが、実際にはCX-60やCX-80といったSUVを中心とするラージ商品群へ注力する流れとなっています。

MAZDA6(マツダ6)の廃止発表前に噂されたモデルチェンジなどの情報まとめ

MAZDA6セダン・ステーションワゴンの生産終了は、2024年1月19日にマツダが公式発表しました。
ここからは、生産終了が発表される前に噂されていた、MAZDA6のモデルチェンジ時期や変更点などの情報を振り返ります。いずれも当時の予想であり、結果的には実現しないまま生産終了に至った点を念頭に読み進めてください。

次期型MAZDA6(マツダ6)の登場は2025年以降になるとの噂もあった

2019年8月に登場したMAZDA6について、2025年以降に次期型へフルモデルチェンジするのではないか、との噂がありました。直列6気筒の縦置きエンジンにフロントエンジン・リヤ駆動のFRを採用し、FRのほか4WDも設定、現行同様にステーションワゴンとセダンをそろえる、と予想されていました。

パワートレインは3.3Lディーゼルターボ、3.3Lディーゼルターボ+マイルドハイブリッド、2.5L自然吸気ガソリン、2.5Lガソリン+プラグインハイブリッドの4種類が想定され、2022年発売のCX-60と共通の駆動方式・パワートレインで、ラージ商品群の第2弾として登場するのでは、との見立てもありました。
しかし実際には、この構成での次期MAZDA6は登場せず、GJ系のまま2024年に生産を終えています。なお、北米では2021年をもってMAZDA6の販売を終了していました。

MAZDA6(マツダ6)が2022年12月9日に一部改良 20周年特別仕様車やグレード体系見直し

MAZDA6アニバーサリーエディションは専用色アーティザンレッドプレミアムメタリックをマツダで初めて採用

MAZDA6のセダンとワゴンに、発売20周年を記念する特別仕様車などを追加する一部改良が、2022年12月9日に実施されました。
グレード体系も見直され、2.5Lターボ搭載モデルやマニュアルミッション(MT)採用モデル、特別仕様車ブラックトーンエディション(Black Tone Edition)が廃止されています。

新設のスポーツアピアランス(Sports Appearance)は、CX-5やCX-60などでも導入されている、ブラックトーンエディションを進化させたグレードです。前後のシグネチャーウイングやフロントバンパーロアガーニッシュ、ルーフレールなどをブラックで統一し、スポーツテイストを高めています。

今回の目玉は、MAZDA6の20周年を記念する特別仕様車20th Anniversary Edition。
豪華装備のLパッケージをベースに、専用色アーティザンレッドプレミアムメタリックを設定し、フロントグリルや19インチアルミホイール、シート表皮やインパネガーニッシュなどを専用としています。

MAZDA6 20th Anniversary Editionの装備

  • 専用色アーティザンレッドプレミアムメタリック
  • 専用フロントフェンダーバッジ
  • シルバー塗装フロントグリル
  • 専用高輝度塗装19インチアルミホイール
  • 専用フロントシートヘッドレスト
  • レガーヌタンインパネとドアトリム
  • レガーヌタンとナッパレザーシート
  • マットブラウンヘアラインインパネとドアトリム
  • チルトアップ機構付電動スライドガラスサンルーフ

全グレードも改良を受け、ボディカラーにロジウムホワイトプレミアムメタリックとプラチナクォーツメタリックを追加。安全装備では追従走行とステアリングアシストを行うクルージング&トラフィック・サポートを加え、パワーステアリングのアシスト特性の変更で操舵感を高めています。
SKYACTIV-D 2.2搭載グレードは出力とトルクが向上し、アクセルペダルの踏力変更でコントロール性も高められました。

2022年MAZDA6の一部改良内容

  • ロジウムホワイトプレミアムメタリック追加
  • プラチナクォーツメタリック追加
  • SKYACTIV-D 2.2の出力とトルク向上
  • SKYACTIV-D 2.2のアクセルペダル踏力変更
  • パワーステアリングのアシスト特性変更
  • クルージング&トラフィックサポート追加
  • ワイヤレス充電とワイヤレス接続機能追加
  • Lパッケージのシート表皮にブラックナッパレザー追加

2022年改良後のMAZDA6の販売価格は、セダンとワゴン同一で2,962,300円から4,518,800円。
20周年記念の特別仕様車20th Anniversary Editionは、2WD(FF)が4,422,000円、4WDが4,662,900円でした。

アテンザはフルモデルチェンジを待たずに2019年8月「MAZDA6」へ改名

2019年8月1日発売の改良型から、アテンザはMAZDA6へ車名変更されました。
以前より「次期フルモデルチェンジで海外と同じ『MAZDA6』へ車名が統一される」との噂がありましたが、フルモデルチェンジを待たず、マイナーチェンジ(一部仕様変更)での車名変更はやや予想外の出来事でした。

2019年8月の改良は、車名変更とガソリンターボ「SKYACTIV-G 2.5T」の導入が主なトピックでした。以降、MAZDA6として初のフルモデルチェンジがいつ、どのような形で行われるのかに注目が集まりましたが、結局それは実現しませんでした。以下は当時囁かれていた次期型の予想であり、いずれも実現しないまま生産終了に至っています。

次期型MAZDA6はFRに変更されるとの見方もあった

次期アテンザは、当時のFFに対してFR(後輪駆動)へ変わる可能性があると噂されていました。次世代プラットフォーム「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE」の採用で、より上質な空間を生み出す、との期待です。

パワートレインには「SKYACTIV-X」や、3.0L直列6気筒ディーゼルツインターボ+電動スーパーチャージャーといった構成も取り沙汰され、燃費と走りの両立が期待されていました。ワールドプレミアは2021年秋ごろ、との予想もありましたが、いずれも実現していません。

ビジョンクーペを踏襲した流麗スタイルの次期MAZDA6も期待されていた

MAZDA3のようなシャープな顔つきが特徴のマツダ ビジョンクーペ

次期MAZDA6については、2025年以降のモデルチェンジが噂され、魂動デザインを深化させた新世代車として、2019年に登場したMAZDA3とCX-30に続く象徴的なモデルになると期待されていました。

そのモデルとされたのが、2017年の東京モーターショーで初公開されたコンセプトカー「VISION COUPE(ビジョンクーペ)」です。
ビジョンクーペはFR駆動のスポーツクーペで、パワートレインにはSKYACTIV-Xを搭載。2019年にはジュネーブモーターショー2019でも改良版が披露されました。

ビジョンクーペは次期RX-7やRX-9という噂もあったが次期アテンザ説が有力視された

ビジョンクーペには、2002年に生産を終えたRX-7の後継になる、スポーツカーのフラッグシップRX-9になる、など諸説ありましたが、次期アテンザ(MAZDA6)になるとの見方が有力視されていました。

ビジョンクーペが次期アテンザと考えられた理由

  • 次期アテンザはFR駆動クーペを追加するという噂があった
  • エンジンはSKYACTIV-X搭載で、ロータリーのRX-7とは異なる
  • ビジョンクーペは4ドアで、2ドアのRX-7とは異なる
  • RX-9はロータリー搭載予定とされた

2017年公開のビジョンクーペが2019年のジュネーブに再出展されたことも、期待を後押ししていました。

3代目アテンザは、コンセプトカー「TAKERI」(2011年東京モーターショー)の翌2012年に発売された経緯があります。同様に、ビジョンクーペの再出展から次期MAZDA6が登場するのでは、との予想もありました。

次期アテンザも滑らかなキャラクターラインで都会的なスタイルになると予想されていた

ビジョンクーペをコンセプトにした次期MAZDA6が近い将来登場し、セダン・ワゴン・クーペをそろえて劇的に進化するのでは、との夢も広がっていました。しかし、こうしたビジョンクーペ由来の次期MAZDA6が市販化されることはなく、MAZDA6は2024年に生産を終えています。

モデルチェンジに合わせたカラーラインナップ見直しも予想されていた

次期アテンザではカラーラインナップの見直しも期待されていました。
ブルー系やレッド系の新色が加わる可能性も取り沙汰されていました。ここで、当時のアテンザ8色のラインナップを振り返っておきましょう。

  • ソウルレッドクリスタルメタリック(特別塗装により税込み54,000円高)
  • マシーングレープレミアムメタリック(特別塗装により税込み54,000円高)
  • ブルーリフレックスマイカ
  • チタニウムフラッシュマイカ
  • ジェットブラックマイカ
  • スノーフレイクホワイトパールマイカ(特別塗装により税込み32,400円高)
  • ディープクリスタルブルーマイカ
  • ソニックシルバーメタリック

特別塗装のソウルレッドクリスタルメタリックは「匠塗」と呼ばれ、ボディ1層・カラー層2層・クリア1層の全4層でプレミアムなレッドを表現します。鮮やかで艶やかな深いレッドは、フラッグシップにふさわしい仕上がりでした。

次期アテンザにスポーツクーペを設定するのでは、との噂もあった

マツダ ロードスター

マツダのラインナップに乏しかったのが本格スポーツクーペです。当時もオープンスポーツのロードスターはありましたが、より強烈な運動性能を持つモデルは存在しませんでした。

そこで、フラッグシップのアテンザにスポーツクーペを追加するのでは、と噂されていました。メルセデス・ベンツのように、1つの車種でクーペ・セダン・ワゴンをそろえる展開を、プレミアム志向のマツダも「アテンザブランド」として狙うのでは、との見立てです。

追加が予想されたアテンザのスポーツクーペはFR駆動との見方だった

メルセデス・ベンツ S-Class クーペ

追加が予想されたスポーツクーペには、FR駆動が採用されると見られていました。
当時のアテンザはFFと4WDのみでしたが、本格スポーツを狙うなら動力性能に有利なFRになるのでは、との予想です。

メルセデス・ベンツやBMW、アウディなどがフラッグシップにFRを採用しているように、プレミアムモデルにFRを選ぶ例は少なくありません。
マツダもクーペをプレミアム仕様とするためFRを採用するのでは、と見られていました。もっとも、こうしたスポーツクーペが追加されることはなく、アテンザ/MAZDA6はセダンとワゴンのまま世代を終えています。

フルモデルチェンジの最注目はSKYACTIV-Xの採用と期待されていた

次期MAZDA6のフルモデルチェンジで最も注目されたのがパワートレインでした。
マツダが掲げた長期ビジョン「サステイナブルZoom-Zoom宣言2030」で公表された次世代エンジン「SKYACTIV-X」が、次期MAZDA6に搭載されるのでは、と期待されていました。

SKYACTIV-Xは、マツダ独自の着火方式「SPCCI」により、従来のガソリンエンジンに比べ20〜30%程度の燃費改善を狙った次世代ガソリンエンジンです。
ディーゼルの「SKYACTIV-D」に迫る燃費性能を目指した革新的な技術でした。

SKYACTIV-Xは2019年から順次導入されましたが、搭載先はMAZDA3やCX-30が中心で、MAZDA6には採用されないまま生産終了を迎えています。

アテンザから改称したMAZDA6のモデルチェンジ遍歴

MAZDA6はマツダの乗用車で、2019年までは「アテンザ」の名で販売されていました。グローバルで呼称を統一したもので、フルモデルチェンジを伴わない車名変更でした。ここでは初代アテンザからの歩みを整理します。

初代アテンザ GG/GY系(2002年~2008年)

2002年5月、初代アテンザが登場。セダン、5ドアの「スポーツ」、そして「スポーツワゴン」を設定し、走りとデザインでマツダの新生を象徴するグローバルDセグメントとして高く評価されました。

2代目アテンザ GH系(2008年~2012年)

2008年1月、フルモデルチェンジで2代目に。キープコンセプトとしつつ走行性能や質感を高め、引き続きセダン・スポーツ・スポーツワゴンを展開しました。

3代目アテンザ/MAZDA6 GJ系(2012年~2024年)

2012年11月、3代目アテンザにフルモデルチェンジ。デザインテーマ「魂動」とSKYACTIV技術を全面採用し、セダンとワゴンをそろえました。
2019年7月に発表・8月1日発売の改良で、車名をアテンザから「MAZDA6」へ変更。ガソリンターボ「SKYACTIV-G 2.5T」も導入されました。
2020年4月、マツダ創立100周年を記念した「100周年特別記念車」を期間限定で発売。12月には一部改良で新色を追加し、「25T 100周年特別記念車」や特別仕様車「Black Tone Edition」も設定。
2022年12月、商品改良とあわせて初代アテンザ発売20周年記念の特別仕様車「20th Anniversary Edition」を発売。
2024年1月、日本向けの販売を同年4月中旬で終了すると発表し、モデルチェンジを受けないまま生産を終えました。

アテンザ/MAZDA6のモデルチェンジ遍歴
モデル 販売年表
初代アテンザ GG/GY系 2002年~2008年
2代目アテンザ GH系 2008年~2012年
3代目アテンザ/MAZDA6 GJ系 2012年~2024年(2019年にMAZDA6へ改称)

MAZDA6はモデルチェンジせず2024年に生産終了し廃止に

MAZDA6はマツダのフラッグシップだけに、革新的な技術を得てモデルチェンジするとの噂もありましたが、実現しないまま2024年に生産を終えて廃止となりました。
国内では、セダン需要はコンパクトのMAZDA3へ、ワゴン需要はCX-5などのSUVへと受け継がれる形です。

一方で「MAZDA6」の名は、中国発のBEV「EZ-6」と、そのグローバル版「MAZDA6e」が受け継ぎ、欧州などで新たな一歩を踏み出しています。日本での展開は未発表ですが、フラッグシップの物語は電動化の時代へと舞台を移しつつあります。