軽自動車の燃料

軽自動車の「軽油」給油は即故障!油種間違いで愛車を壊さないための全知識と対処法

軽自動車に軽油を給油すると故障に繋がる。軽自動車にはガソリンエンジンしかないのでレギュラーを入れるしかない。うっかりミスする場合もあるので、JAFを呼ぶなどの対処法や車に使用する燃料の確認方法を覚えておこう。

軽自動車に軽油は間違い!故障の原因になる誤給油まとめ

軽自動車に給油する燃料の種類は「レギュラーガソリン」ですが、「単純に入れ間違えた」「軽自動車には軽油」だと思い込んで給油し、車が故障するケースが多発しています。この誤給油はエンジン故障の重大な原因になるため、給油時には油種を必ず確認する必要があります。

実際に、JAFが行う「燃料入れ間違い」によるロードサービスの救援は、年間を通じて多く発生しており、ドライバーにとって身近なトラブルの一つです。エンジンの種類ごとに必要な燃料の種類や、油種を間違えた時にできる対処法、そして誤給油の予防方法などを詳しく紹介します。

ガソリンエンジンを搭載する軽自動車に軽油を入れると故障するので要注意

軽自動車に自分で給油する際には赤色ノズルが目印のレギュラーガソリンを入れる

  • 燃料代を節約するため一番安い軽油を入れよう
  • 軽自動車だし名前に「軽」がついているから軽油だ

上記の考えは全て間違いで、ガソリンスタンドで販売している自動車用燃料は「ハイオクガソリン」「レギュラーガソリン」「軽油(ディーゼル)」の3種類がありますが、軽自動車で使用する燃料は基本的に全て「レギュラーガソリン」です。なぜ、軽自動車なのにレギュラーガソリンを入れる必要があるのでしょうか。それは、軽自動車に搭載されているエンジンがガソリンエンジンだからです。

軽油とは、ディーゼルエンジンに使う燃料であり、マツダのCX-3やトヨタのランドクルーザープラド、三菱のデリカD:5などにラインナップされている「クリーンディーゼルエンジン」に使用します。軽自動車は、全てガソリンエンジンを搭載しているため、軽油に比べて価格が高くてもレギュラーガソリンを入れる必要があります。給油する燃料は、車の大きさではなくエンジンの種類によって違うので給油時には特に注意してください。

軽自動車は全ての車種がガソリンエンジンなのでレギュラーガソリンを給油

ガソリンエンジンとは、点火プラグを用いてガソリンを燃焼させ、走行するためのパワーを生み出すエンジンです。揮発性が高く、着火しやすい性質を持つ「レギュラーガソリン」を給油する必要があります。日本のほとんどの普通乗用車、小型乗用車、そして軽自動車に使われているのがガソリンエンジンです。

軽自動車は全てガソリンエンジンですので、誤って軽油を入れないように細心の注意が必要です。もし、軽自動車に軽油を入れて走行した場合、ガソリンと軽油の燃焼特性の違いから不完全燃焼を起こします。その結果、点火プラグにススがつき着火性能が低下し、最終的に燃焼できなくなるのでエンジンが停止し、重大な故障を招きます。最悪の場合、エンジンの交換が必要になることもあります。

軽油はディーゼルエンジンを搭載する車種に入れる燃料なので「軽がつくから」と言って軽自動車には給油しないこと

軽油はディーゼルエンジンを搭載する車に給油する。軽自動車にはNG

ディーゼルエンジンとは、噴射ポンプで燃料を高温の空気に噴射し、その自然発火によって燃焼させ、パワーを得るエンジンです。揮発性が低く、自然着火を促す「軽油」を給油する必要があります。「軽油」という文字が入っているため、同じく「軽」の文字が入っている軽自動車用の燃料だと誤解しやすい点に注意が必要です。

トヨタのハイエースなどの車でも、「ガソリンエンジン」と「ディーゼルエンジン」の2種類がラインナップされています。大きな車はディーゼルエンジンを使っているという思い込みによって、ガソリンエンジンに軽油を給油する間違いも発生しています。レンタカーなどを借りる際は、必ず給油する前に車検証で油種を確認しておく必要があります。

ディーゼルエンジンにガソリンを給油した場合、着火しやすいガソリンを高温の空気に噴射することになるので、必要以上に激しい燃焼・爆発が起こり、噴射ポンプやシリンダーヘッドなどの破損につながり、エンジンが停止・故障します。どちらの誤給油も重大なトラブルを引き起こします。

誤給油をしたときの対処法や予防方法

給油時は、いくら注意していてもボーッとしながら給油をするとミスすることもあります。誤給油をしないための予防方法と、誤って給油してしまった場合の緊急対処法をまとめました。

速やかにエンジンを停止させエンジンに軽油が供給されるのを防ぐ

給油が終わって走り出した時に、「何かいつもの走行感と違う」「エンジンの異音がする」と感じたら、誤給油の可能性を疑ってください。すぐに安全な場所に車を停め、これ以上間違った燃料がエンジンに供給されないように、速やかにエンジンを停止してください。

エンジンを切ったままの状態で、ふたたびエンジンをかけると、軽油がエンジン内部に行き渡り、より深刻な故障に繋がるため絶対に避けてください。JAFなどのロードサービスに救援を要請して整備工場まで運んでもらい、燃料タンクから油を抜き取る燃料抜き取り作業(燃料全量交換)や、必要に応じた修理を行う必要があります。軽油を給油してしまった場合、燃料ポンプなどに軽油が混ざる前に対処することが重要です。

ガソリンを給油するときは必ずエンジンを停止させてから行う

エンジンをかけたまま停車している状態をアイドリングといいますが、その時も少量ながら燃料は消費されていきます。燃料タンクがほぼ空の状態で誤給油を行った場合、間違った燃料がエンジンにすぐに供給され、エンジンが停止する可能性があります。

給油する時は、誤給油によるエンジンの故障を防ぐためにも、給油口の注意書きにもある通り、必ずエンジンを停止して行ってください。これにより、万が一誤給油した場合でも、燃料がエンジン内部に行き渡るのを防ぎ、最小限の被害で済む可能性が高くなります。

レンタカーなどで不安な時は車検証を確認して必要な燃料をチェック

車検証には、「燃料の種類」という項目があり、そこに給油すべき燃料の種類が明記されています。「ガソリン」と記載がある場合は「レギュラーガソリン」または「ハイオクガソリン」、「軽油」と記載されている時は、そのまま「軽油」を入れてください。

特にこのパターンで誤給油を間違えやすいのは、ハイエースなどの大きな車をレンタカーで借りた時です。「商用バンだからディーゼルエンジンだろう」と思い込み、実際はガソリンエンジンなのに軽油を給油するケースが散見されます。車の大きさや見た目で油種を判断せず、車検証や給油口のキャップ裏などにある油種表示を必ず確認することが誤給油の確実な予防方法となります。

ディーゼルエンジンにガソリンを入れた場合は異常燃焼によりエンジンが破損し、ガソリンエンジンに軽油を入れた場合は、プラグ汚れによって燃焼できなくなりエンジンが停止・破損します。どちらの誤給油も燃料タンクから油を全量抜き取る必要があり、燃料ポンプやインジェクターなどの整備を行わなければ再走行できません。給油ノズルの色(レギュラーは赤、軽油は緑)を覚えるのも予防策として有効です。

軽自動車の燃料は軽油ではなく赤いノズルの「レギュラーガソリン」

軽自動車の購入は、人生の中でも大きな買い物の一つです。新車や中古車で購入した愛車を、知識不足や給油時のミスで壊したとなれば、とても悔しい思いをします。少しの注意で誤給油は確実に防げるので、給油時に油種を迷った時は車検証の「燃料の種類」の項目を見ること、そして軽自動車には赤いノズルのレギュラーガソリンを入れると覚えておけば安心です。

もし、誤って軽油を給油してしまった場合は、エンジンをすぐさま切り、間違った燃料がエンジンに供給されないようにすることが最も重要な対処法です。その後、JAFなどのロードサービスを呼んで整備工場まで運んでもらい、燃料抜き取りと関連部品の整備を行うなどの対策をとってください。誤給油は誰にでも起こり得るトラブルですが、適切な対処で被害を最小限に抑えられます。