シーケンシャルウインカーの意味・搭載車種

流れるウインカーのすべて!シーケンシャルウインカー搭載車種と車検・後付け

レクサス LX・RX、トヨタ C-HR・ライズ、ダイハツ ロッキー、ホンダ N-BOXカスタムなど、シーケンシャルウインカーを純正装備する主要な国産車をグレード別に解説。欧州車ではアウディが元祖です。流れるウインカーが高級車や新型車に採用される理由と、今後採用が予想されるアルファード・ヴェルファイアなどの車種動向がわかります。

流れるウインカーのすべて!シーケンシャルウインカー搭載車種と車検・後付け

シーケンシャルウインカーとは?搭載車種まとめ

今注目を集めるウインカーパターンといえば、「シーケンシャルウインカー」です。これは、光源が内側から外側へ流れるように点灯する流れるウインカーのことで、車の安全装備やドレスアップパーツとしても人気があります。

日本国内では、2014年10月の法改正によって「連鎖点灯式」のウインカーが解禁されました。これを受けて、日本では2015年10月にフルモデルチェンジしたレクサス RXの「version L」と「F SPORT」に、初めて純正装備として採用されました。レクサスブランドだけでなく、2016年12月に販売を開始したトヨタ C-HRにも搭載され、一躍シーケンシャルウインカーの認知度を高めました。

シーケンシャルウインカーの意味や仕組み、純正で搭載している車種、後付けの可否や車検への適合性など、流れるウインカーに関する情報をまとめてご紹介します。

シーケンシャルウインカーとは内側から外側へ流れるウインカーのこと

シーケンシャルウインカーとは、複数のLED光源が内側から外側へと順番に点灯していくことで、光が流れるように見えるLEDウインカーのことです。現在、レクサスやトヨタといった国産車の一部車種に純正採用されています。この流れるウインカーは、他車への視認性を高める安全装備としてだけでなく、車の外観をおしゃれにカスタムするアイテムとしてもユーザーの注目を集めています。

今後、レクサスやトヨタだけでなく、日産やホンダのフラッグシップモデルや新型車にもシーケンシャルウインカーの採用がさらに広がる可能性があります。最新の車に採用されるシーケンシャルウインカーは、他の車に差をつけることができる魅力的な装備といえるでしょう。

シーケンシャルウインカーを搭載している車種

シーケンシャルウインカーを純正で搭載している車種は、国産車では主にレクサスやトヨタの一部車種、外車ではアウディの一部車種に見られます。具体的な搭載車種をモデルごとに確認していきましょう。

N‐BOX Customは全グレードにシーケンシャルターンシグナルランプを標準装備

先進の運転サポートシステムであるHonda SENSINGを装備するなど、総合性能を高めたホンダN-BOXの派生モデルである「N‐BOX Custom」は、ベンチシート仕様やスロープ仕様など全てのグレードでシーケンシャルターンシグナルランプを標準装備しています。フルLEDヘッドライトとの協調性の高いデザインを採用し、機能面でも充実した流れるウインカーとして、軽自動車クラスでは高い評価を得ています。N-BOX Customの先進的なスタイルは、シーケンシャルウインカーによってさらに引き立てられています。

コンパクトSUVのダイハツ「ロッキー」とトヨタ「ライズ」の上級グレードはLEDシーケンシャルターンランプを標準装備

2019年11月にコンパクトSUVとして発売されたダイハツ ロッキーのグレードPremiumとG、およびそのOEM車両であるトヨタ ライズのグレードZは、LEDシーケンシャルターンランプを標準装備しています。オレンジ色の光が車両の内側から外側へとエリアを広げながら流れるように点灯する優れたデザイン性は、コンパクトSUVの付加価値を高め、ユーザーの購買意欲を刺激しています。ロッキーやライズの流れるウインカーは、デザイン性と視認性を両立する装備として人気があります。

レクサスのミドルサイズSUV「RX」はフロントとリヤにシーケンシャルターンランプを装備

レクサス RXの「RX450h」「RX200t」(※現行モデルは「RX500h」「RX450h+」など)のモデルでは、「version L」「F SPORT」のグレードにシーケンシャルターンランプを標準装備しました(登場当時)。ベースグレードにはメーカーオプションとして搭載できました。レクサス RXは、フロントとリアの両方に流れるウインカーが搭載された初期のモデルの一つです。このレクサスの流れるウインカーは、高級感と先進性を象徴する装備として話題となりました。

国産SUVでは最高額のレクサスLXも流れるウインカーを採用

2015年8月より日本で販売されたレクサス LX(LX570)にも、シーケンシャルウインカーが搭載されています。このモデルはグレードが1種類のみの販売で、LEDシーケンシャルウインカーをフロント・リアともに標準装備しました。レクサス LXのようなフラッグシップSUVへの採用は、流れるウインカーが高級車の証としての地位を確立するきっかけの一つとなりました。LXの堂々としたボディとシーケンシャルウインカーの組み合わせは、高い視認性と存在感を両立しています。

トヨタ・C-HRはフロントのみ流れるウインカーを搭載

2016年12月に販売を開始し、瞬く間に人気を集めたコンパクトSUVのトヨタ C-HRにも、シーケンシャルウインカーが搭載されました。上級グレードのGにはメーカーオプションで装着することができ、標準グレードのSには設定がありませんでした。C-HRが搭載している流れるウインカーはフロントのみで、リアのウインカーは従来どおりの点灯パターンです。C-HRの個性的なデザインは、シーケンシャルウインカーの採用によって、さらにおしゃれで先進的な印象を高めました。

また、トヨタ C-HRの流れるフロントウインカーは、当時のトヨタ車の中でも特に注目され、後付けのカスタムパーツとしても人気を博しました。このSUVの販売戦略は、シーケンシャルウインカーという装備の普及に大きく貢献したといえます。

トヨタ・ハリアーは2017年のビッグマイナーチェンジでシーケンシャルターンラインプを採用

2017年6月8日にマイナーチェンジしたトヨタ ハリアーにも、C-HRに続いてシーケンシャルウインカーが採用されました。このハリアーの流れるウインカーは、ハイブリッド車とガソリン車のELEGANCEを除くグレードに標準装備されています。例外として、ターボ車のELEGANCEにはシーケンシャルウインカーが標準装備されていました。しかし、最新モデルのハリアー(80系)では、シーケンシャルウインカーの採用は一部の時期やグレードに留まり、現在は採用車種が減少傾向にあります。これは、シーケンシャルウインカーのコスト増やデザインの制約が背景にあるといわれています。

それでも、この時期のハリアーのシーケンシャルウインカーは、高級SUVとしての魅力を高め、多くのユーザーから好評を得ました。その先進的な光の流れは、ハリアーの洗練されたイメージを強調する要素となりました。

アウディ・A8は流れるウインカーの元祖と呼ばれるドイツのプレミアムカー

国産車よりも早くシーケンシャルウインカーを搭載していたのが、ドイツ車のアウディです。アウディが販売するフラッグシップモデル「A8」は、2010年から発売された3代目モデルで、世界で初めて本格的に流れるウインカーを採用しました。このアウディ A8の最上級グレード「L W12クワトロ」は、W型12気筒エンジンを搭載したモデルで最高出力は500PSを発揮するプレミアムカーです。アウディは、この革新的なウインカーデザインを多くの車種に展開し、シーケンシャルウインカーのパイオニアとしての地位を確立しました。

シーケンシャルウインカーの後付けキットもある

現在、社外パーツを販売しているメーカーから、点滅パターンのウインカーを流れるパターンのシーケンシャルウインカーに変える後付けキットが多数販売されています。レクサス NXのウインカーを流れるように変えたり、トヨタ C-HRのリアテールをシーケンシャルウインカー化するなど、様々なカスタム手法があります。これらの後付けパーツを利用することで、純正でシーケンシャルウインカーが搭載されていない車種でも、流れるウインカーのドレスアップを楽しむことが可能になります。

ただし、後付けキットを装着する際は、製品が日本の保安基準に適合していることを確認することが極めて重要です。特にLEDの明るさや発光色、点灯パターンなどには細かな規定があります。DIYでの取り付けが不安な場合は、専門知識を持つ整備工場などに相談することをおすすめします。

シーケンシャルウインカーの後付けで車検に通らないパターンもある

連鎖点灯式ウインカーの車検には様々な条件が定められています。そのため、純正で搭載されている車種以外のウインカーをシーケンシャル化すると、車検に通らないパターンもあるため、十分な注意が必要です。

連鎖点灯式ウインカーの条件

  • 点滅速度(周期)が一定であること(毎分60回~120回の範囲)
  • 光の流れ方(連鎖点灯パターン)は左右対称であること
  • 点灯の流れは内側から外側へ広がるパターンであること
  • 最初に点灯した光源は、すべての光源が点灯し終わるまで消えないこと
  • すべての光源が点灯した後に、すべての光源が同時に消灯すること

上記のように車検には色々な条件があり、点灯パターンや後付けパーツによっては車検に通らないことがあります。後付けやDIY加工をして連鎖点灯式に変更することが不安な方は、必ず整備士の方と相談することをおすすめします。シーケンシャルウインカーを純正で搭載した車種を購入するほうが、車検への適合性という点で安全で確実です。

シーケンシャルウインカー搭載車種は今後増えていく

シーケンシャルウインカー

国産車ではレクサスやトヨタの一部車種を中心に搭載されてきたシーケンシャルウインカーですが、今後はSUVやミニバン、セダンといったボディタイプ別のフラッグシップモデルや新型車に各社が搭載していくことが予想されます。ただし、近年の自動車業界では、シーケンシャルウインカーから別のウインカーシステムへの移行も見られるため、その動向には注目が必要です。

トヨタでは、高級ミニバンのアルファードやヴェルファイア、日産ではスカイラインやフーガ、ホンダではレジェンドなどの高級車や人気車種に採用される可能性があります。シーケンシャルウインカーは、安全装備としてだけでなく、車のデザインを際立たせるおしゃれな装備としても進化を続けています。今後の新型車に搭載される流れるウインカーに期待が高まります。