RX-7のモデルチェンジ

RX-7は復活する? ロータリーEV「ICONIC SP」が後継候補、市販化は公式未定で2027年デビュー予想も

RX-7は本当に復活するのか、いつ出るのか。マツダはロータリー開発を続け、ICONIC SPやVISION X-COUPEを公開しましたが、RX-7という車名での市販化は公式には未決定です。後継の方向性やライバル、予想時期・価格までまとめました。

RX-7は復活する? ロータリーEVの「ICONIC SP」が後継候補、市販化は公式未確定

ロータリーエンジンを積むスポーツカーとして初代(SA/FB系)が登場し、2度のフルモデルチェンジを経てFD型(3代目)を最後に販売を終えた「RX-7」。その後継として、ロータリースポーツの復活を望む声が長く続いています。
コンセプトの土台としては、かつて2015年公開の「RX-VISION」が語られてきましたが、現在その役割を担うのは、2023年に公開されたロータリーEVスポーツ「MAZDA ICONIC SP」です。ここでは、最新のロータリー復活の動きから、歴代RX-7の歩みまでを整理します。

あわせて押さえておきたいのは、マツダが「RX-7という車名での市販化」を公式に約束したわけではない、という点です。ロータリー開発の継続やコンセプトカーの公開は事実ですが、発売の確約とは別物として読み進めてください。

現在の最有力コンセプトはロータリーEVの「MAZDA ICONIC SP」 市販化は公式未確定

マツダは2023年10月25日、ジャパンモビリティショー2023でロータリーEVのスポーツコンセプト「MAZDA ICONIC SP(アイコニックSP)」を世界初公開しました。低く流麗なフォルムやリトラクタブル風のヘッドライトはRX-7やRX-8を思わせ、多くのファンから「精神的な後継では」と受け止められています。

心臓部は、MX-30のロータリーEVをベースにした2ローターのロータリーEVシステムです。EV走行を軸に、ロータリーを発電に使うプラグインハイブリッド(水素などの燃料にも対応可能)とされ、システム最高出力は370ps、車両重量は約1,450kg。ボディサイズは全長4,180mm×全幅1,850mm×全高1,150mmで、専用色ヴィオラレッドをまといます。さらに2024年にはロータリーを駆動にも使う「車両用駆動システム」の特許が登録され、2025年のジャパンモビリティショーでは2ローターを積む4ドアクーペ「VISION X-COUPE」も公開されました。

ただし、ICONIC SPの市販化時期や価格は公表されていません。経営陣はロータリースポーツ復活に前向きな発言をしていますが、事業性の観点から量産化には慎重で、当面は小規模生産にとどまるとの見方もあります。名称もRX-7やRX-9、あるいは新名称になる可能性が取り沙汰されており、確定していません。メディアの間では2027年ごろのデビューを予想する声が多いものの、あくまで観測の段階です。

ロータリーはまず「発電用」として復活 MX-30 e-SKYACTIV R-EV

ロータリースポーツの前段として見逃せないのが、2023年9月14日に日本で追加された「MX-30 e-SKYACTIV R-EV(ロータリーEV)」です。ロータリーを発電専用に使うレンジエクステンダーEVで、RX-8の生産終了以来およそ11年ぶりとなる量産ロータリー搭載車として話題を集めました。

基本はEV走行としつつ、航続を伸ばすための発電機としてコンパクトなロータリー(単ローターの8C型)を積む構成です。厳しい環境規制のなかでロータリーを生き残らせる現実的な道筋であり、ICONIC SPが示す「ロータリーEV」も、この延長線上にある技術といえます。次世代のロータリースポーツは、往年の純・駆動用ロータリーNAではなく、発電用ロータリー+駆動モーターを軸にした電動系になる可能性が高いとみられます。

RX-7後継をトヨタとマツダが協業で開発、という噂もあった

RX-7復活は2017年ごろから話題で、当時はレンジエクステンダーを積む新型スポーツをトヨタとマツダで共同開発する、といった噂もありました。
実際にマツダが示したのは、前述の自社ロータリーEVスポーツ(ICONIC SP)路線です。他社の動向でいえば、日産GT-R(R35型)は2025年に生産を終え次期型は未確定、ホンダの新型スポーツも構想段階にとどまるなど、国産スポーツの世代交代は各社それぞれのペースで進んでいます。

マツダが「MAZDA RX-VISION GT3 CONCEPT」の提供を開始

RXヴィジョンGT3コンセプトのティーザースケッチ

2019年11月25日、FIA認定グランツーリスモ選手権2019世界大会で、マツダが「MAZDA RX-VISION GT3 CONCEPT(RXヴィジョンGT3コンセプト)」の公式ティーザーを公開。2020年3月に出場マニュファクチャラーとして正式発表され、同年5月22日のオンラインアップデートでゲーム内に登場しました。

「グランツーリスモSPORT」に追加された「MAZDA RX-VISION GT3 CONCEPT」

ベースは東京モーターショー2015で公開された「RX-VISIONコンセプト」。新世代のSKYACTIV-Rを積むという設定で、最高出力570PSに達します。

ボディサイズは全長4,590mm、全幅2,075mm、全高1,120mm、ホイールベース2,700mm。車両重量1,250kg、前後重量配分は48:52。大径ホイールや低いルーフ、サイドスカートなど、過激なレーシングデザインが与えられています。

ニュルでRX-8がテスト走行 新型ロータリーの開発が本格化?

2019年7月、ドイツ・ニュルブルクリンクでマツダRX-8とみられる車両のテスト走行が目撃されました。RX-8はRX-7の販売終了後、2003〜2012年まで生産された、かつての最後のロータリー搭載車です。

当時は「新型ロータリーのテストでは」と噂され、復活への期待が高まりました。その後の展開を振り返ると、ロータリーはまず2023年に発電用(MX-30 R-EV)として量産復帰し、同年のICONIC SPでロータリーEVスポーツの方向性が示されました。マツダ社内には専任のロータリー開発チームも再編されています。もっとも、これらは開発継続の裏づけではあっても、RX-7としての市販を約束するものではありません。

予想の土台となったRX-VISIONのエクステリア

かつて次期RX-7の姿として語られたのが、RX-VISIONをベースとした予想です。魂動デザインとスポーティさが融合し、低い車高からひと目でスポーツカーと分かるスタイルでした。

サイドは美しい曲面のシンプルなデザイン。コンセプトではドアミラーが見当たらずカメラ式と見られましたが、市販化されるならドアミラーが付くと予想されていました。

リアはデュアルマフラーと2連式テールランプが特徴とされていました。
なお、現在示されているICONIC SPは、全長4,180mm×全幅1,850mm×全高1,150mmと、下表のRX-VISIONより引き締まったサイズ感です。

RX-VISIONのボディサイズ
全長 4,389mm
全幅 1,925mm
全高 1,160mm
ホイールベース 2,700mm

RX-VISIONはFD型RX-7より全幅が大きく、市販化の際は全幅1,800mm前後に調整されるのでは、と予想されていました。実際、ICONIC SPは全幅1,850mmに収まっています。

予想されたインテリアは黒基調で統一感とスポーティさが際立つ

予想されたインテリアは黒を基調とし、メーターリングやハンドル、シフトノブにシルバーを効かせたスポーティな仕立てでした。

メーターは3眼式で、中央の大きなタコメーター、右にスピードメーター、左に燃料・水温計という構成が想定されていました。FD型にはターボのブースト計もあり、新型にもターボが載るのかが注目されていました。

シフトノブはショートストローク、コンソールはカーボン調と予想され、サイドブレーキも短くスポーティな質感で、革のステアリングとシルバーのボタンが与えられるとされていました。

搭載エンジンは当初「SKYACTIV-R」と噂されたが、実際はロータリーEVへ

2016年に新しいロータリーの特許が米国で申請されたことが話題を呼び、当時は次世代ロータリー「SKYACTIV-R」(「16X」ベースとされる駆動用ロータリー)の搭載が噂されました。従来とは向きを変え、下側が吸気・上側が排気でターボを上に置く構成で、排気量1,600cc(レシプロ換算で約3,200cc相当)と語られていました。ロータリー係数1.5倍で自動車税は2,400cc相当、というのが当時の見立てです。

もっとも、その後の展開は電動化が軸となりました。実際に量産復帰したロータリーは発電用の8C型(単ローター830cc)で、ICONIC SPが積むのは2ローターのロータリーEVシステム(システム370ps)です。したがって、駆動用「SKYACTIV-R(16X)1,600cc」を前提とした上記の想定は、現在では置き換わったと考えるのが自然です。課税の考え方も、駆動用ロータリー前提の話であり、EV/レンジエクステンダーでは前提が異なります。

市販化の時期は2027年ごろの予想 公開はモーターショーが軸

かつては、2017年がロータリー初搭載車「コスモスポーツ」発売50周年にあたることから、同年の発表を期待する声もありました。しかし実際には登場せず、現在はジャパンモビリティショーなどでの進化版公開を経て、2027年ごろの市販化を予想する見方が中心です。いずれも公式発表ではない点に注意が必要です。

RX-7もRX-8も生産終了から時間が経ちましたが、中古車市場では今も高い人気を保っています。もし新型が登場すれば予約が集中すると見られ、確実に手に入れたいなら早めの動きが求められそうです。

価格は近年の予想で概ね600万円以上とされる

価格帯は、かつては500万〜600万円と予想されていましたが、電動化による内容の充実を踏まえ、近年は概ね600万円以上、一部では800万円を超えるとの見方も出ています。
ライバルは、日産フェアレディZやトヨタGRスープラといった現行の国産スポーツが想定されます。装備面では、マツダの安全技術「i-ACTIVSENSE」として、進む方向へ配光するAFS、ハイ/ロービームを自動切替するHBC、車間を保つMRCC、死角の車両を知らせるRVM(BSM)、車線逸脱警報のLDWS、衝突の危険を知らせるFCW(FOW)などが搭載されると見られます。

ロータリーエンジンを表す「R」を冠したRX-7のモデルチェンジ遍歴

RX-7はマツダが販売していたロータリースポーツで、サバンナクーペの後継として「サバンナRX-7」の名でデビューしました。

RX-7 初代 SA22C(FB3S)/1978年~1985年

1978年3月、「サバンナRX-7」として発売。
1980年にマイナーチェンジで外観を変更。
1982年、エンジンの見直しで燃費性能が向上。
1983年のマイナーチェンジで、ホイールのPCDを特殊サイズから一般的なサイズへ変更しました。

RX-7 2代目 FC3S・FC3C型/1985年~1992年

1985年10月、フルモデルチェンジでプラットフォームを一新し2代目に。GT系を中心に、アルミボンネットを備えるグレードや豪華装備の上級グレードなどが用意されました。
1987年8月、ロータリー生誕20周年を記念し、電動ソフトトップの「カブリオレ」が登場。
1989年4月、マイナーチェンジを実施。
1990年、2人乗りのスペシャリティモデルを設定。
1991年3月、ル・マン24時間総合優勝を記念した1,000台限定の特別仕様車「ウィニングリミテッド」を発売。同年、生産を終了しました。

RX-7 3代目 FD3S型/1991年~2002年

1991年12月、フルモデルチェンジで3代目に。サバンナの名が外れ「アンフィニRX-7」として発売されました。
1992年10月、2シーターの「タイプRZ」を限定販売。
1993年8月、ダンパーの大型化などでボディ剛性を強化し、内装の質感も向上。
1994年8月、2シーターの「タイプRII バサースト」を限定販売。
1995年3月、グレードを見直し「タイプR-S」を追加。8月には「タイプRバサーストX」を限定販売。
1996年10月、車名を「マツダ・RX-7」に変更。
1999年1月、ボディ剛性を大幅強化し、デュアルエアバッグやABSを全車標準化するなど安全装備を充実。マフラーも変更。
2001年12月に特別仕様車「タイプRバサースト」、2002年4月には限定車「スピリットR」シリーズを設定し、2002年8月に生産を終了しました。

RX-7のモデルチェンジ遍歴
RX-7のモデル 販売年表
初代 SA22C(FB3S) 1978年~1985年
2代目 FC3S・FC3C型 1985年~1992年
3代目 FD3S型 1991年~2002年

ロータリースポーツ復活の行方 RX-7の名が帰ってくるか

マツダは、発電用ロータリー(MX-30 R-EV)で技術を実用化し、ロータリーEVのスポーツコンセプト「ICONIC SP」で往年のRX-7を思わせる姿を示しました。魂動デザインと電動化を融合した次世代ロータリースポーツは、多くのファンにとって大きな希望です。

ただし、RX-7という車名での市販化は、本稿の時点で公式に決まってはいません。2027年ごろの登場を予想する声はあるものの、価格・発売日・スペックを断定できる情報はなく、続報は公式発表を基準に見ていくのが確実です。ロータリースポーツの夜明けが訪れるのか、これからの発表に注目したいところです。