プリウスαのグレード

プリウスαのグレード比較と選び方 全グレードの装備と特徴を徹底解説

プリウスαのグレードはどれを選ぶべきか。全グレードの価格と装備を早見表で整理し、JC08モード26.2km/Lという燃費の共通点、最小回転半径5.8mの取り回し、荷室535Lと200Lの差など選び方の判断材料をまとめました。

プリウスαのグレード比較と選び方 全グレードの装備と特徴を徹底解説

プリウスαのグレード別特徴と選び方のポイント【全グレード比較】

プリウスαは、3代目プリウス(ZVW30型)をベースにホイールベースを80mm延長し、ラゲッジスペースと後席の居住性を拡大したトヨタのハイブリッド専用モデルです。5人乗りの2列シート(ステーションワゴン)と7人乗りの3列シート(ミニバン)を設定し、ファミリーカーとして幅広い支持を受けました。

2011年5月に発売され、2014年11月のマイナーチェンジでフロントフェイスとBi-Beam LEDヘッドランプを刷新。2017年11月の一部改良で全車に先進安全パッケージ「Toyota Safety Sense P」を標準装備し、同年12月にはスポーツ仕様の「S ツーリングセレクション GR SPORT」が加わりました。フルモデルチェンジは行われないまま2021年3月に生産を終了しています。

プリウスαのグレード一覧:価格と乗車定員、ホイールサイズの早見表

最終型(2017年11月以降)のグレード構成を、乗車定員と価格、足元のサイズで並べると違いがつかみやすくなります。価格は2017年11月時点のメーカー希望小売価格(消費税8%当時)です。

プリウスα最終型のグレード別 価格 定員 ホイール
グレード 乗車定員 新車時価格 ホイール ヘッドランプ
S Lセレクション 5人 2,565,000円 16インチスチール ハロゲン
S 5人 2,708,640円 16インチアルミ ハロゲン
S 7人 2,914,920円 16インチアルミ ハロゲン
S tune BLACK II 5人 2,783,160円 16インチアルミ プロジェクター式ハロゲン
S tune BLACK II 7人 2,989,440円 16インチアルミ プロジェクター式ハロゲン
S ツーリングセレクション 5人 3,017,520円 17インチアルミ Bi-Beam LED
S ツーリングセレクション 7人 3,222,720円 17インチアルミ Bi-Beam LED
G 5人 3,054,240円 16インチアルミ Bi-Beam LED
G 7人 3,259,440円 16インチアルミ Bi-Beam LED
G ツーリングセレクション 5人 3,259,440円 17インチアルミ Bi-Beam LED
G ツーリングセレクション 7人 3,465,720円 17インチアルミ Bi-Beam LED
S ツーリングセレクション GR SPORT 5人 3,351,240円 18インチアルミ Bi-Beam LED
S ツーリングセレクション GR SPORT 7人 3,556,440円 18インチアルミ Bi-Beam LED

表を横に見ると、7人乗りは同一グレードの5人乗りに対して一律20万6,280円高いという関係が成り立っています。乗車定員の差がそのまま価格差として整理されているため、グレードの上下と定員の選択を切り離して考えられる構成です。

注目したいのは、SとGの価格差(5人乗りで約35万円)に対して、Gとツーリングセレクションの差が約20万円にとどまる点です。装備の質を一段上げたうえで外観までスポーティにまとめても、上げ幅は想像ほど大きくありません。中古車価格では新車時の差がさらに圧縮されるため、グレード間の価格差は購入時の制約になりにくくなっています。

5人乗りと7人乗りの違いとは:バッテリーの種類と荷室容量で選ぶ

プリウスαで最初に決めたいのが乗車定員です。見た目はほぼ同じですが、中身は想像以上に違います。

最大の違いは駆動用バッテリーです。5人乗りの2列シート車はニッケル水素電池、7人乗りの3列シート車はリチウムイオン電池を搭載しています。リチウムイオン電池はトヨタのハイブリッド量産車として初採用されたもので、小型化できる特性を活かして2列目シート下へ収めることで3列目の空間を確保しました。5人乗りはニッケル水素電池をラゲッジ床下に置くレイアウトです。

この違いが荷室容量に直結します。5人乗りはデッキボード下を含めて535Lという大容量を確保する一方、7人乗りは7名乗車時で200Lにとどまります。535Lはゴルフバッグを横積みできる水準で、ベビーカーとキャンプ道具を同時に積むような使い方でも余裕があります。対する200Lは買い物袋とバッグ程度の空間で、7名フル乗車での旅行には荷物の工夫が必要です。

室内長も1,910mmと2,690mmで780mmの差があります。ただし3列目は床下格納式で、大人が長時間座り続ける前提の広さではありません。普段は5人で使い、年に数回だけ祖父母を乗せるといった使い方なら7人乗りが活きますが、常時6人以上で移動するなら素直にミニバンを検討したほうが満足度は高くなります。

センターコンソールの形状も5人乗りと7人乗りで異なり、収納の使い勝手に差が出ます。現車を見比べると、7人乗りはシフト位置が高く設定され、運転席まわりの印象が変わる点に気づきます。カタログの定員だけで判断せず、実車で荷室と2列目を確認してから決めたい部分です。

ベースグレード「S Lセレクション」:コストを抑えたい方・社用車向け

プリウスαのグレード S Lセレクション

S Lセレクションは全グレード中で最も価格を抑えたグレードで、プリウスシリーズで唯一スチールホイールを標準装備します。装備を絞り込んだ構成で、乗車定員は5人乗りのみ。ラゲッジ容量535Lを最も安く手に入れられる仕様にあたり、荷物の積載を重視する業務用途でも選ばれてきました。

S Lセレクションの主な装備

  • 16インチスチールホイール(ホイールキャップ付)
  • ハロゲンヘッドランプ
  • 合成皮革インストルメントパネル(助手席側)
  • ウレタンステアリングホイール
  • 運転席4ウェイ&助手席4ウェイマニュアル
ハイブリッドシステム 1.8L+モーター
駆動 2WD
トランスミッション 電気式無段変速機
乗車定員 5人乗り
新車時販売価格(参考) 2,565,000円〜

購入前に見落とされがちなのが、運転席シートの調整機構です。このグレードだけ運転席が4ウェイマニュアルで、座面の高さを変えるハイトアジャスターがありません。身長差のある複数人で乗り回す場合、視界の合わせにくさが日常的なストレスになります。ドライバーが固定されている使い方なら気にならない部分です。

ヘッドランプもハロゲンで、Bi-Beam LEDを備える上位グレードと比べると夜間の照射範囲に差が出ます。街灯の少ない郊外路を日常的に走るなら、この一点だけでSツーリングセレクション以上を検討する価値があります。

標準グレード「S」:個人向けの充実した基本装備が魅力

プリウスαのグレードS

グレードSは快適装備を一通り揃えた標準グレードで、5人乗りと7人乗りの両方が選べます。S Lセレクションとの差額は約14万円で、16インチアルミホイール、LEDフロントフォグランプ、運転席ハイトアジャスター、フロントシートバックポケット、撥水機能付きUVカットフロントドアガラスが加わります。

Sグレードの主な装備

  • 16インチアルミホイール(ホイールキャップ付)
  • ハロゲンヘッドランプ&LEDフロントフォグランプ
  • 合成皮革インストルメントパネル(助手席側)
  • ウレタンステアリングホイール
  • 運転席6ウェイ&助手席4ウェイマニュアル
  • 運転席ハイトアジャスター
  • フロントシートバックポケット
ハイブリッドシステム 1.8L+モーター
駆動 2WD
トランスミッション 電気式無段変速機
乗車定員 5人乗り/7人乗り
新車時販売価格(参考) 5人乗り:2,708,640円〜/7人乗り:2,914,920円〜

中古市場での流通量が最も多いのがこのSグレードです。車両重量も5人乗りで1,450kgと全グレードで最も軽く、16インチの扁平率に余裕があるタイヤと相まって、乗り心地の面では17インチや18インチを履く上位グレードより素直です。段差を越えたときの角の取れ方は、実際に乗り比べると明確に違います。

装備で物足りなさが出るとすればステアリングホイールです。ウレタン製のため、本革巻きのG以上と比べると握った瞬間の質感で差を感じます。走りや積載性に不満が出るグレードではないので、内装の手触りをどこまで重視するかが選択の分かれ目になります。

スポーツ外観を強化した「S ツーリングセレクション」

プリウスαのグレードS ツーリングセレクション

S ツーリングセレクションは、Sをベースにエアロパーツを内外装へ追加したグレードです。フロントバンパースポイラーとリヤバンパースポイラーで走行中の揚力を抑え、高速巡航時の直進安定性を高めています。Bi-Beam LEDヘッドランプ、本革巻きステアリング、スマートエントリー&スタートシステムも標準装備となり、Sに対する差額は約31万円です。

S ツーリングセレクションの主な装備

  • 17インチアルミホイール(センターオーナメント付)
  • Bi-Beam LEDヘッドランプ&LEDフロントフォグランプ
  • フロントバンパースポイラー
  • リヤバンパースポイラー
  • 合成皮革インストルメントパネル(助手席側)
  • 本革巻きステアリングホイール
  • スマートエントリー(運転席・助手席・バックドア)&スタートシステム
  • 運転席6ウェイ&助手席4ウェイマニュアル
ハイブリッドシステム 1.8L+モーター
駆動 2WD
トランスミッション 電気式無段変速機
乗車定員 5人乗り/7人乗り
新車時販売価格(参考) 5人乗り:3,017,520円〜/7人乗り:3,222,720円〜

注意しておきたいのがボディ寸法と取り回しです。ツーリングセレクション系はバンパースポイラーの分だけ全長が15mm伸びて4,645mmとなり、最小回転半径も5.5mから5.8mに広がります。0.3mの差はカタログ上では小さく見えますが、機械式駐車場の入出庫や住宅街の狭い交差点では切り返しの回数が増える場面が出てきます。

フロントスポイラーは最低地上高を下げる方向に働くため、傾斜のきつい駐車場の進入路や縁石の高い場所では下回りを擦りやすくなります。日常の駐車環境に段差が多い場合は、16インチを履くSやGのほうが扱いやすい選択です。

GRスポーツの名を冠した最上位スポーツグレード「S ツーリングセレクション GR SPORT」

プリウスαのグレードS ツーリングセレクション GR SPORT

S ツーリングセレクション GR SPORTは、トヨタのスポーツコンバージョンブランド「GR(GAZOO Racing)」のラインナップとして2017年12月1日に追加されました。2015年2月に設定された「S ツーリングセレクション・G’s」の後継にあたるグレードです。

専用デザインのフロントバンパー、サイドマッドガード、大径バッフルタイプの専用マフラーを装備し、インテリアには専用フロントスポーツシート、タコメーター付センターメーター、アルミペダルを採用します。専用チューニングサスペンションにより車高を約25mm下げ、18インチ専用アルミホイールを組み合わせました。

S ツーリングセレクション GR SPORTの主な装備

  • 215/45R18 91Wタイヤ(ダンロップ SP SPORT01)
  • 18×7.5J専用アルミホイール(ハイグロスブラック塗装+切削光輝)
  • 専用フロントバンパー・ラジエーターグリル(ダークメッキ加飾+黒艶塗装)
  • 専用リヤバンパー(黒艶塗装ガーニッシュ付)
  • 助手席側インストルメントパネル(シルバーダブルステッチ+クロームメッキモール)
  • 専用小径本革巻3本スポークステアリングホイール
  • 専用チューニングサスペンション(車高約25mmダウン)
  • タコメーター付センターメーター
  • アルミペダル
エンジン 1.8L+モーター
駆動 2WD
トランスミッション 電気式無段変速機
乗車定員 5人乗り/7人乗り
新車時販売価格(参考) 5人乗り:3,351,240円〜/7人乗り:3,556,440円〜

専用アルミホイールを間近で見ると、ハイグロスブラック塗装の面とダイヤモンドカットの切削光輝部が光の角度で切り替わり、標準の17インチとはまったく違う密度感があります。小径本革巻ステアリングも握り込んだときの太さが明確に異なり、運転姿勢の印象を変える装備です。

一方で、車高25mmダウンと215/45R18という組み合わせは、乗り心地の面では割り切りが必要です。車両重量も5人乗りで1,480kg、7人乗りで1,490kgと全グレード中で最も重く、同乗者を乗せる機会が多い使い方では突き上げが気になる場面が出てきます。タイヤ交換費用も16インチ装着車より一段上がるため、維持費まで含めた判断が必要なグレードです。希少性が高く、中古車相場も160万円台から高値圏で推移しています。

上質な内装と充実装備の上位グレード「G」

プリウスαのグレードG

グレードGはSの上位にあたり、内装の質感と快適装備が大きく向上します。Bi-Beam LEDヘッドランプ、プリウスα専用の上級ファブリックシート、本革巻きステアリングを採用し、運転席は電動6ウェイパワーシートになります。LEDフットライトとクルーズコントロールも標準装備です。

Gグレードの主な装備

  • 16インチアルミホイール(ホイールキャップ付)
  • Bi-Beam LEDヘッドランプ&LEDフロントフォグランプ
  • 合成皮革インストルメントパネル(運転席・助手席側)
  • 本革巻ステアリングホイール
  • スマートエントリー&スタートシステム
  • 運転席6ウェイパワー&助手席4ウェイマニュアル
  • LEDフットライト(運転席・助手席)
  • クルーズコントロール
ハイブリッドシステム 1.8L+モーター
駆動 2WD
トランスミッション 電気式無段変速機
乗車定員 5人乗り/7人乗り
新車時販売価格(参考) 5人乗り:3,054,240円〜/7人乗り:3,259,440円〜

GがSツーリングセレクションと近い価格帯にありながら16インチを履く点は、選び方を考えるうえで重要です。LEDヘッドランプと本革巻ステアリングという質感に関わる装備は共通で、Gはそこへパワーシートと運転席側まで回り込む合成皮革インストルメントパネルを加え、足元は乗り心地優先の16インチにとどめています。装備の充実と快適性を両立させたいなら、エアロを持たないGのほうが筋が通ります。

電動パワーシートは、乗る人が複数いる家庭ほど効いてくる装備です。運転を交代するたびにレバーを操作する必要がなく、微調整もしやすくなります。長距離運転が多い使い方では、座面角度を細かく追い込めることが疲労の差として表れます。

エアロパーツで走りを高めた「G ツーリングセレクション」

プリウスαのグレードG ツーリングセレクション

G ツーリングセレクションは、Gへエアロパーツと17インチアルミホイールを組み合わせた、GR SPORTを除けば最上位にあたるグレードです。運転席シートは6ウェイパワーから8ウェイパワーへ強化され、助手席には電動ランバーサポートが加わります。

G ツーリングセレクションの主な装備

  • 17インチアルミホイール(センターオーナメント付)
  • フロントバンパースポイラー&リヤバンパースポイラー
  • 合成皮革インストルメントパネル(運転席・助手席側)
  • 本革巻ステアリングホイール
  • 運転席8ウェイパワー&助手席4ウェイマニュアル
  • 電動ランバーサポート(助手席側)
ハイブリッドシステム 1.8L+モーター
駆動 2WD
トランスミッション 電気式無段変速機
乗車定員 5人乗り/7人乗り
新車時販売価格(参考) 5人乗り:3,259,440円〜/7人乗り:3,465,720円〜

8ウェイパワーシートで増えるのは座面前側の高さ調整(チルト)で、太ももの支え方を変えられます。身長の低いドライバーほど恩恵が大きく、6ウェイでは膝裏が浮いて疲れやすかった姿勢を解消できます。助手席の電動ランバーサポートも、腰の張り出しを好みに合わせられるため長距離での同乗者の負担を減らします。

装備の到達点としては高いものの、ツーリングセレクション系に共通する最小回転半径5.8mという取り回しの制約は残ります。装備重視ならG、見た目と装備の両取りならGツーリングセレクションという整理で、駐車環境の条件を先に確認しておくと選びやすくなります。

特別仕様車「S tune BLACK II」:ブラック内装とプレミアム装備が特徴

プリウスαの特別仕様車 S tune BLACK2

プリウスαの特別仕様車「S tune BLACK II」は、グレードSをベースに2013年8月発売の「S tune BLACK」の後継として設定され、2017年11月の一部改良に合わせて継続設定されました。ステアリングホイールとシートにホワイトステッチを施し、ブラック基調の室内に明確なアクセントを加えています。

エクステリアにはプロジェクター式ハロゲンヘッドランプとクローム調アルミホイールキャップを採用。特別設定色「ブラッキッシュアゲハガラスフレーク」が選べるほか、運転席と助手席には快適温熱シート、フロントドアにはスーパーUV・IRカットグリーンガラスを備えます。

S tune BLACK IIの主な装備

  • 16インチアルミホイール(スーパーメタリック塗装ホイールキャップ)
  • プロジェクター式ハロゲンヘッドランプ(ブラックエクステンション加飾)
  • 本革巻4本スポークステアリングホイール(ホワイトステッチ)
  • 快適温熱シート(運転席・助手席)
  • スーパーUV・IRカットグリーンガラス(フロントドア)
  • 運転席6ウェイ&助手席4ウェイマニュアル
ハイブリッドシステム 1.8L+モーター
駆動 2WD
トランスミッション 電気式無段変速機
乗車定員 5人乗り/7人乗り
新車時販売価格(参考) 5人乗り:2,783,160円〜/7人乗り:2,989,440円〜

Sに対する差額は約7万5,000円で、その範囲に快適温熱シート、スーパーUV・IRカットグリーンガラス、本革巻ステアリングが入ります。シートヒーターを後付けすると部品代と工賃で同等の出費になりやすく、寒冷地での使用を考えるとお得感の高い構成です。

探す際に気をつけたいのが、ヘッドランプがプロジェクター式ハロゲンである点です。ブラックエクステンション加飾で見た目は引き締まりますが、光源はLEDではありません。夜間の明るさを求めるなら、Bi-Beam LEDを備えるグレードと実際に照射範囲を比べてから判断すると納得しやすくなります。

プリウスαの燃費はどれくらいか:グレードによる差とガソリン代の目安

プリウスαのJC08モード燃費は全グレード共通で26.2km/Lです。16インチのSから18インチのGR SPORTまで、カタログ上の燃料消費率に差がありません。後期の一部モデルではWLTCモードで20.7km/Lという表記も併記されています。グレード選びで燃費を気にする必要がないという点は、同クラスの他車にはない特徴です。

実際の燃料消費はカタログ値の7〜8割に収まることが多く、20km/L前後が実用上の目安になります。レギュラーガソリンを165円/Lで計算すると、年間12,000km走る場合のガソリン代は約10万円です。同じ距離を燃費12km/Lのガソリンミニバンで走ると約16万5,000円かかるため、年間で6万円以上の差が生まれます。

燃料消費率が伸びにくいのは、短距離の繰り返しと冬場です。暖機が終わる前に目的地へ着いてしまう使い方ではエンジンが停止しきらず、片道3km程度の買い物中心だと15km/L前後まで落ちる場面が出てきます。長距離移動が多いほどハイブリッドの利点が出るという、この手のモデルに共通する傾向がプリウスαにも当てはまります。

一方で、17インチや18インチを履くグレードは実燃費でわずかに不利になります。転がり抵抗とタイヤ重量の差が効いてくるためで、カタログ値が同じでも長期的な燃料代では16インチ車のほうが有利に働きます。

前期型と後期型の違い:マイナーチェンジで変わった装備を比較

中古で選ぶ際の分かれ目になるのが、2014年11月と2017年11月の2回の改良です。

2014年11月のマイナーチェンジでは、フロントフェイスのデザインを刷新し、1灯でロービームとハイビームを切り替えるBi-Beam LEDヘッドランプを採用しました。ボディサイズも全長4,615mmから4,630mm(ツーリングセレクション系は4,645mm)へ変更されています。同時に、プリクラッシュセーフティシステム、レーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビーム、レーダークルーズコントロールがオプションとして設定され、乗り心地と静粛性にも手が入りました。

2017年11月の一部改良が、安全面では最も大きな転換点です。歩行者検知機能付き衝突回避支援型プリクラッシュセーフティを含む「Toyota Safety Sense P」が全車標準装備となりました。ボディカラーも2色追加されて全9色となり、特別仕様車S tune BLACK IIが設定されています。

2014年10月以前の個体は先進安全装備を持たず、2014年11月から2017年10月の個体はオプション装着の有無で内容が分かれます。装備表だけでは判断がつかないため、現車の車両情報と装備リストを突き合わせて確認しておく必要があります。予算に余裕があるなら、安全装備が全車共通となった2017年11月以降を軸に探すほうが選びやすくなります。

プリウスαのグレード別ボディサイズ一覧

海の近くに停車するプリウスα

グレードや乗車定員によってボディサイズや車両重量が異なります。特に差が出るのはツーリングセレクション系で、全長が15mm長く、最小回転半径も0.3m大きくなります。

グレード G G ツーリングセレクション S S ツーリングセレクション S Lセレクション
乗車定員(名) 5 7 5 7 5 7 5 7 5
車両重量(kg) 1,470 1,480 1,470 1,480 1,450 1,460 1,460 1,470 1,450
最小回転半径(m) 5.5 5.8 5.5 5.8 5.5
全長(mm) 4,630 4,645 4,630 4,645 4,630
全幅(mm) 1,775
全高(mm) 1,575
室内長(mm) 1,910 2,690 1,910 2,690 1,910 2,690 1,910 2,690 1,910
室内幅(mm) 1,520
室内高(mm) 1,220

実用面で効いてくるのが全高1,575mmという数値です。立体駐車場の多くは全高1,550mmで制限されるため、プリウスαは入庫できない施設が出てきます。都市部のマンションや商業施設で機械式駐車場を使う前提なら、購入前に自宅と勤務先の制限高を確認しておくと後悔しにくくなります。

全幅1,775mmはミニバンとしては控えめで、全長も4,630mmに収まります。3列シートを持ちながらこのサイズに収まる点が、同クラスの背の高いミニバンに対する明確な利点です。

中古車相場と維持費の見方:ハイブリッド車ならではの税制面の利点

プリウスαの中古車相場は、年式と走行距離の幅が広いこともあって60万円前後から370万円近くまで分布しています。流通量が多いのは2012年から2013年式で、この年式帯は120万円から160万円が中心価格帯です。GR SPORTは希少性が高く、160万円台から高値圏で推移しています。

維持費で押さえておきたいのが自動車税(種別割)です。排気量1.8Lは1,500cc超2,000cc以下の区分にあたり、2019年9月30日以前に新規登録された個体は年39,500円、2019年10月1日以降に登録された個体は年36,000円になります。中古車の車検証に記載された初度登録年月で決まるため、購入前に確認しておく価値があります。

そしてプリウスαが長く乗るうえで有利なのが、13年超の重課を受けない点です。ガソリン車は新規登録から13年を超えると自動車税が約15%上乗せされますが、ハイブリッド車はこのグリーン化特例の重課対象から除外されています。2011年から2013年に登録された初期型でも自動車税額は上がりません。同年式のガソリンミニバンと長期保有で比較した場合、ここが年間数千円単位の差として積み上がっていきます。

長く乗るための注意点:駆動用バッテリーとエンジン周りの劣化傾向

走行距離が伸びてきた個体で指摘されやすいのが、駆動用バッテリーの劣化です。充電と放電を繰り返すうちに蓄えられる電力量が減り、メーターの充電残量が短時間で上下するようになります。試乗の際は停車からの発進をモーターだけで行えるか、信号待ちでエンジンが頻繁に再始動しないかを確認しておくと状態を判断しやすくなります。

もうひとつ、3代目プリウス系の1.8Lエンジンに共通して挙がるのがEGR系の詰まりです。排気の一部をエンジンへ戻す通路にカーボンが堆積すると、アイドリングの不安定さやエンジン音の変化として表れます。走行距離10万kmを超えた個体では、整備記録簿にEGR系の清掃履歴があるかどうかが一つの目安になります。

部品の入手しやすさという点では、プリウスαは国内販売台数が多く、消耗品も社外品を含めて選択肢が豊富です。整備性の観点でも特殊な作業を要する箇所が少なく、長く維持することを前提にしても手がかかりにくいモデルです。ただしGR SPORTの専用サスペンションや専用外装パーツは流通量が限られるため、距離の伸びた個体では交換費用を見込んでおく必要があります。

プリウスαのグレード選びは乗車人数・走行スタイル・装備の優先度で決める

プリウスアルファ

プリウスαは2021年3月に生産を終えており、中古車市場での流通量は多く、状態の良い個体を見つけやすいモデルです。グレードを選ぶ際は、以下のポイントを参考にしてください。

  • 乗車人数が多い家族には7人乗り(3列シート)のSまたはG系グレード。リチウムイオン電池を2列目下に収めて3列目を確保していますが、7名乗車時の荷室は200Lにとどまります。
  • 積載性を最優先するなら5人乗り。デッキボード下を含めて535Lを確保し、同じ予算ならS Lセレクションで最も安く手に入ります。
  • 内装と快適装備を充実させたいならGまたはGツーリングセレクション。Bi-Beam LEDヘッドランプ、本革巻きステアリング、パワーシートが標準装備されます。
  • スポーティな外観と走りを重視するならSツーリングセレクションまたはGR SPORT。ただし最小回転半径が5.8mに広がり、タイヤ交換費用も上がります。
  • 安全装備を重視するなら2017年11月以降の個体。Toyota Safety Sense Pが全車標準装備となり、グレードによる差がありません。

燃費はグレードを問わずJC08モードで26.2km/Lと共通のため、グレード選びで経済性を心配する必要はありません。判断の軸になるのは乗車人数と荷室の使い方、そして装備と取り回しのどちらを優先するかです。

リセールバリューは同クラスの大型ミニバンほど高くない傾向にあり、数年で乗り換えるより長く乗り続ける前提のほうが総額では有利に働きます。ハイブリッド車として13年超の自動車税重課を受けない点も、長期保有との相性のよさを後押しします。維持期間を見据えて、予算内でできるだけ装備が充実したグレードを選ぶと、日々の満足度が高くなります。