プリウスPHVの特別仕様車

プリウスPHVは販売終了 現在は5代目プリウスPHEVへ EV87km・223PSと2026年7月改良の最新情報

プリウスPHVはどうなったのか。4代目は2019年に5人乗り化、2021年の改良を経て2023年に販売終了。後継のPHEVはG追加やナイトシェード廃止など変化しており、現在の選び方まで整理しました。

プリウスPHVは販売終了 現在は5代目プリウスPHEVへ EV87km・223PSと2026年7月改良の最新情報

プリウスPHVは販売終了 現在は5代目「プリウスPHEV」に世代交代済み

2017年12月25日に特別仕様車3タイプが追加された4代目プリウスPHV(ZVW52型)は、2023年1月をもって販売を終えました。5代目プリウスの登場にあわせてプラグインハイブリッドも刷新され、車名は世界共通の呼称である「プリウスPHEV」へと改められています。

現行のプリウスPHEVは2023年3月15日に発売され、システム最高出力223PS、EV走行距離87km(WLTCモード)という数値を手にしました。当初は「Z」の1グレードのみでしたが、2024年10月に「G」が追加され、直近では2026年7月1日に一部改良を受けています。

まずは現在のプリウスPHEVがどうなっているのかを整理し、そのうえで記事の主題である2017年12月25日の特別仕様車について振り返っていきます。

プリウスPHEVが2026年7月1日に一部改良 ナイトシェードは廃止に

トヨタは2026年7月1日、プリウス(PHEVを含む)の一部改良モデルを発表・発売しました。60系としては2回目の一部改良にあたり、内外装のデザイン変更はありません。

主な変更点は、車速感応オートパワードアロック(衝撃感知ドアロック解除システム付)の全車標準装備、ハイブリッド車「Z」へのアダプティブハイビームシステム追加、E-Four車への「スノーエクストラ」モード設定、そしてボディカラーの「アティチュードブラックマイカ」を「ニュートラルブラック」へ置き換えたことです。オートブレーキホールドは、システム再始動時に前回の設定を記憶して自動復帰するメモリー機能が備わりました。

PHEVの価格は「PHEV G」が3,884,100円、「PHEV Z」が4,645,300円(いずれもFF)。改良前からの上げ幅は3万6千円台にとどまり、ハイブリッド車のZ E-Four(+18万800円)と比べれば穏当な範囲です。
一方、2025年7月に設定された特別仕様車「G “Night Shade”」は、この改良にあわせて廃止となりました。

2025年7月1日の一部改良で特別仕様車「G ナイトシェード」を設定

2025年7月1日にも一部改良が行われ、装備の標準化と価格改定が実施されました。あわせて、PHEV Gをベースとした特別仕様車「G “Night Shade”」(3,947,300円)が設定されています。

ブラックを基調とした加飾で精悍さを強めた仕様でしたが、前述のとおり2026年7月の改良で廃止されました。設定期間は約1年と短く、狙っていた方は中古車を探すことになります。特別仕様車で装備を上乗せするという手法自体は、2017年の「Safety Plus」シリーズから変わらないトヨタの常套手段と言えます。

2024年10月1日にPHEVへ新グレード「G」を追加

5代目プリウスPHEVは発売当初、最上級の「Z」1グレードのみという構成でした。460万円という価格設定もあり、PHEVの敷居はやや高いものになっていました。

そこでトヨタは2024年10月1日、装備を整理した中級グレード「PHEV G」を追加します。価格は約390万円で、Zとの差は約70万円。19インチアルミホイールやアダプティブハイビームシステムなどはZに譲るものの、パワートレインやEV走行距離は共通です。
CEV補助金の対象であることを踏まえると、実質的な負担額ではハイブリッドの「HEV Z」と拮抗するケースもあり、充電環境がある人にとっては現実的な選択肢が広がりました。かつて「S Safety Plus」がプリウスPHVの入口を広げたのと同じ役割を、このGグレードが担っていると言えます。

2023年3月15日に5代目「プリウスPHEV」が発売 名称もPHVからPHEVへ

2023年1月に5代目プリウス(60系)のハイブリッド車が発売され、続く2023年3月15日にプラグインハイブリッドモデルが登場しました。ここで車名は「プリウスPHV」から「プリウスPHEV」へと変更され、プリウスシリーズのグレードのひとつという位置づけに改められています。

パワートレインは2.0リッターエンジンを軸とする第5世代ハイブリッドシステムのプラグイン仕様で、システム最高出力は223PS。0-100km/h加速は6秒台に入り、歴代プリウスとは別物の加速力を手にしました。EV走行距離はWLTCモードで87kmと、4代目PHVの68.2km(JC08モード)から大きく伸び、EV走行の最高速度は135km/hを維持しています。

発売時のグレードは「Z」のみで、価格は4,600,000円。19インチホイール、アダプティブハイビームシステム、ヒートポンプ式オートエアコン、ディスプレイオーディオPlusなどを標準装備し、外部給電機能も継続採用されました。
かつて4代目PHVの魅力だった「安さと燃費」から、5代目は「速さと上質さ」へと軸足を移した格好です。特別仕様車で買いやすさを演出していた時代とは、狙う客層がはっきり変わりました。

4代目プリウスPHVは2019年に5人乗り化 2023年1月に販売終了

2017年12月に特別仕様車が追加されたあと、4代目プリウスPHVは着実に手を入れられてきました。

2019年5月9日の一部改良では、最大の弱点とされていた乗車定員が4人から5人へ拡大。後席中央のコンソールを廃し、ファミリーユースに対応しました。同時に急速充電インレットに外部給電機能をオプション設定し、V2H(Vehicle to Home)に対応。停電時に住宅へ電力を供給できるようになりました。11.6インチの大型ディスプレイナビと急速充電システムはメーカーオプション化され、価格は3,178,440円~4,266,000円と、実質的な値下げとなっています。

2020年7月には第2世代のトヨタセーフティセンスを採用して安全性能を刷新。2021年6月3日の一部改良では「ナビパッケージ」系グレードを廃止し、8インチディスプレイオーディオを全車標準装備としました。このときの価格は3,383,000円~4,010,000円です。

そして2023年1月、5代目プリウスの登場にともない販売を終了。「PHV」という呼称も、この世代をもって役目を終えました。EV走行距離68.2km、ソーラー充電システム、独特の異形リヤウインドウなど、プリウス本体とは違う個性を持った一台として記憶に残るモデルです。

プリウスPHVの特別仕様車が2017年12月25日に3タイプ発売された

プリウスのプラグインハイブリッド車である「プリウスPHV」に、2017年12月25日、特別仕様車が3タイプ追加されました。「S」「S ナビパッケージ」「A」の3グレードをベースとした特別仕様車で、クリアランスソナーやパーキングアシストなどが標準装備されています。

ここからは、2017年12月25日に発表されたプリウスPHVの特別仕様車の内容を振り返ります(価格はいずれも当時の消費税8%時点のものです)。

Sグレードの特別仕様車「S Safety Plus」

プリウスPHVの特別仕様車

Sグレードに設定された特別仕様車は「S Safety Plus」で、「インテリジェントクリアランスソナー」「シンプルインテリジェントパーキングアシスト」「急速充電インレット」「ナビレディセット」の4つが標準装備となりました。

S Safety Plusに追加された標準装備

  • インテリジェントクリアランスソナー
  • シンプルインテリジェントパーキングアシスト
  • 急速充電インレット
  • ナビレディセット

プリウスPHVのソナー

インテリジェントクリアランスソナーは、フロント・フロントコーナー・サイド・リヤサイド・リヤに備わる12個のソナーで障害物を検知し、障害物があるのにアクセルを踏み込んでしまった場合や、駐車場からの発進時に左右の車両を巻き込みそうな場合に、警告とブレーキ制御で事故・接触を防ぐ機能です。

プリウスPHVのパーキングアシスト

シンプルインテリジェントパーキングアシストは、超音波センサーで駐車スペースを判断し、スイッチを押すだけでステアリング操作や前進・後退の位置取りをアシストしてくれる機能です。自動で駐車するわけではなく、操作自体はアシストに従ってドライバーが行います。

プリウスPHVの充電インレット

急速充電インレットは、コンビニや道の駅に設置されている急速充電器を使うための装備です。Sグレードの標準は普通充電のみで、満充電まで約2時間20分かかりましたが、急速充電なら80%まで約20分で完了します。
なお、この急速充電インレットは2019年5月の一部改良でメーカーオプション扱いとなり、5代目プリウスPHEVでは設定そのものがなくなりました(現行は普通充電のみに対応)。特別仕様車で標準装備された当時は、かなり価値のある内容だったと言えます。

ナビレディセットは、オプションのナビを装着した際に使えるバックカメラなどをセットにしたもので、Sグレードではメーカーオプションでしたが、特別仕様車では標準装備となりました。

S ナビパッケージの特別仕様車「S ナビパッケージ・Safety Plus」

プリウスPHVのリヤビュー

S ナビパッケージの特別仕様車は「S ナビパッケージ・Safety Plus」で、「インテリジェントクリアランスソナー」「シンプルインテリジェントパーキングアシスト」「ETC2.0」「アクセサリーコンセント」の4つが標準装備となりました。

S ナビパッケージ・Safety Plusに追加された標準装備

  • インテリジェントクリアランスソナー
  • シンプルインテリジェントパーキングアシスト
  • ETC2.0
  • アクセサリーコンセント

前2つはS Safety Plusと同じ内容ですが、こちらは高速道路で使うETC2.0ユニットと、最大1500Wまで使えるAC100Vのアクセサリーコンセントが加わります。

プリウスPHVのアクセサリーコンセント

アクセサリーコンセントは、最上級グレードのAプレミアムに標準装備されていた車内コンセント2か所に加え、普通充電インレットに差し込んで使うヴィークルパワーコネクターを装備するもの。車内でドライヤーを使ったり、キャンプ場で炊飯器などの家電を動かしたりできました。
この「クルマから電気を取り出す」という発想はその後さらに強化され、2019年の改良ではV2Hによる住宅への給電に対応。現行のプリウスPHEVでも外部給電機能は継続採用されています。

Aグレードの特別仕様車「A Utility Plus」

プリウスPHVのフロントビュー

Aグレードの特別仕様車は「A Utility Plus」で、「ETC2.0ユニット」と「アクセサリーコンセント」が標準装備となりました。装備の追加内容だけを見ればS ナビパッケージ・Safety Plusと同じですが、ベース車の時点でファブリックと合成皮革のコンビシートや上質な内装を備えており、質感の面で差別化が図られていました。

A Utility Plusに追加された標準装備

  • ETC2.0
  • アクセサリーコンセント

特別仕様車の発売日は2017年12月25日 価格は3,325,320円から

トランクを開けたプリウスPHV

プリウスPHV特別仕様車の発売日は2017年12月25日で、価格帯は3,325,320円からと、装備内容を考えればお得感のある設定でした。

プリウスPHV特別仕様車の価格一覧(2017年12月/消費税8%時点)
S Safety Plus 3,325,320円~
S ナビパッケージ・Safety Plus 3,730,320円~
A Utility Plus 3,829,680円~
  • スピリテッドアクアメタリックのプリウスPHVスピリテッドアクアメタリック
  • サーモテクトライムグリーンのプリウスPHVサーモテクトライムグリーン(43,200円高)
  • スティールブロンドメタリックのプリウスPHVスティールブロンドメタリック
  • エモーショナルレッドのプリウスPHVエモーショナルレッド(54,000円高)
  • アティチュードブラックマイカのプリウスPHVアティチュードブラックマイカ
  • グレーメタリックのプリウスPHVグレーメタリック
  • シルバーメタリックのプリウスPHVシルバーメタリック
  • ホワイトパールクリスタルシャインのプリウスPHVホワイトパールクリスタルシャイン(32,400円高)
  • スーパーホワイト2のプリウスPHVスーパーホワイト2

ボディカラーは全9色で、プリウスPHVのために開発された「スピリテッドアクアメタリック」も用意されていました。
ちなみに、長らくトヨタ車の定番だった「アティチュードブラックマイカ」は、2026年7月の改良で現行プリウスから姿を消し、「ニュートラルブラック」へ置き換わっています。

特別仕様車が揃った当時のプリウスPHVの画像

  • プリウスPHVのフロントビュープリウスPHV
  • プリウスPHVのサイドビュープリウスPHV
  • 左斜め前から見たプリウスPHVプリウスPHV
  • 左斜め前から見たプリウスPHVプリウスPHV
  • プリウスPHVのリヤビュープリウスPHV

特別仕様車で裾野を広げたプリウスPHVは、プリウスPHEVへとバトンを渡した

プリウスPHV

プリウスPHVの標準グレード「S」には、インテリジェントクリアランスソナーやシンプルインテリジェントパーキングアシストがメーカーオプションでも用意されていませんでしたが、2017年12月25日に発売された特別仕様車で手に入るようになりました。全車にトヨタセーフティセンスPが標準装備されていたこととあわせ、安全面で一段引き上げた内容だったと言えます。価格はベースグレードより10万~15万円ほど高い設定でした。

EV走行距離は68.2km(JC08モード)で、初代プリウスPHVの26.4kmから約2.6倍に拡大。週末の買い物や平日の通勤なら、ほとんどガソリンを使わずに走れる実力を備えていました。

その4代目PHVは2023年1月に販売を終え、いまは5代目の「プリウスPHEV」がその役割を引き継いでいます。EV走行距離は87km(WLTCモード)へ伸び、システム出力223PSという走りまで手にした一方、価格は388万円台からと、当時の特別仕様車のような手頃さは薄れました。
安さで裾野を広げるのか、性能で頂点を狙うのか。プリウスPHVとプリウスPHEVは、同じ系譜にありながら異なる答えを出したモデルだと言えます。充電環境があるならCEV補助金も含めた実質負担で比較してみると、現行PHEVの見え方も変わってくるはずです。