プジョー508は2025年春に生産終了 日本でも2025年9月に販売を終え後継は未発表
プジョーのフラッグシップだったファストバックサルーン「508」は、2025年春に生産を終了しました。3代目の計画は示されておらず、2010年から2世代続いたDセグメントのフラッグシップは、いったん系譜が途切れたことになります。
日本でも2024年4月にステーションワゴンの508 SWが、2025年9月にはファストバックサルーンが販売を終了。最後まで残ったのは、2024年2月29日に発売された1グレードのみのプラグインハイブリッド「508 GT HYBRID」(750万8,000円)でした。2019年のジュネーブモーターショーで公開されたPHEVコンセプト「508 Sport Engineered Concept」は、翌2020年に508 PSEとして市販化されています。ここでは、508が歩んだ道筋と、後継をめぐる現在の動きまでを整理します。
508後継のビジョンは2026年4月公開の「コンセプト6」 東風汽車との協業で量産化か
2026年4月の北京モーターショーで、プジョーは「コンセプト6」と「コンセプト8」の2台を初公開しました。アラン・ファヴェCEOはこの2台を、ブランドの大胆な未来に対するビジョンを示すものと位置づけています。
このうち508の後継を示唆するのがコンセプト6です。新世代の大型セダンのビジョンとされ、セダンの優雅さとシューティングブレークの躍動感を融合させた、新たなグランドツアラーの先駆けになると説明されています。ワゴン的な資質を織り込んでいる点は、508がファストバックとSWの二本立てで展開されてきた成り立ちとも重なります。
この2台は単なるデザインスタディにとどまらず、EVの新世代を形づくるモデルになる見込みです。量産化は中国の東風汽車との提携を通じて進められ、東風のプラットフォームをベースに中国国内で生産される可能性があります。東風はこれまでもロングホイールベース版の「508L」など中国市場向けプジョー車を手掛けてきました。ただしファヴェCEOはグローバル市場向けのモデルだとも述べており、中国以外への輸出も視野に入っているとみられます。
もう1台のコンセプト8は、5008の上位に位置するプジョー最大級のSUVを予告するものです。5008より上のフラッグシップSUVについては、ファヴェCEOが2026年1月の時点で検討中だと説明していました。
なお、コンセプト6が市販化される時期や車名、日本への導入可否については、2026年7月時点でプジョーから正式な発表はありません。
508は2025年春に生産終了 3代目の計画は示されず日本でも同年9月に販売終了
508の生産は2025年春に終了しました。フォルクスワーゲン・パサート、スコダ・スーパーブ、ボルボS60/V60に対抗するモデルとして2010年に登場した508は、2世代で幕を下ろしています。3代目の計画は現時点で示されていません。
日本市場でも、508セダンは2025年9月に販売を終了しました。2024年4月に508 SWが姿を消していたため、これをもって日本のプジョーからDセグメントのセダンとステーションワゴンがそろって消えたことになります。国内で新車として買えるプジョーは、ハッチバックとSUV/クロスオーバーが中心という構成に移りました。
終了の理由についてファヴェCEOは、508の生産中止は残念だったとしたうえで、市場に残すだけの需要がなかったと率直に語っています。伝統的なステーションワゴンの市場規模は初代508の投入当時よりはるかに縮小しており、その背景にSUVの台頭があるという認識です。
一方で、2025年12月には508 SWに近いモデルの投入を検討していることも明らかにしています。プジョーは1950年からステーションワゴンを手掛けてきた歴史があり、正しい方程式を見つけられれば復帰するとの姿勢です。ただし「508ではないことは確か」とも述べており、508という車名がそのまま戻る可能性は低いとみられます。BYDシール6、トヨタbZ4Xツーリング、スバルE-アウトバックといった新規参入モデルが、後継車のライバルになるという見立てです。
2024年に英国販売と508 SWの日本販売が終了 PSEブランドの拡大も見送りに
生産終了に先立ち、市場からの撤退は2024年から段階的に進んでいました。英国では販売不振により2024年末に販売を終了しています。2代目508の英国での累計販売台数は7,000台にとどまりました。Dセグメントのセダン/ワゴンという商品性が、SUV全盛の欧州市場でどれだけ苦戦していたかを示す数字です。
日本でも同じ流れで、2019年6月27日に発売された508 SWが2024年4月に販売を終了。以降、国内で選べるのはファストバックサルーンの508 GT HYBRID 1グレードのみとなりました。
また、508の頂点に立っていた高性能版「508 PSE」に続く展開もありません。プジョーは2024年6月の時点で、PSEモデルのラインアップ拡大は計画していないと明らかにしています。当面は電動化に注力するという方針で、508 PSEはブランド史上最も強力な市販車という記録を保ったまま、後継を持たずに終わりました。
プジョー508(2代目)はどんなクルマだったのか 日本導入から最終型までの歩み
ここからは、2018年に登場した2代目508が、日本と欧州でどのように展開されてきたのかを追います。
プジョー508が薄型LEDマトリクスヘッドライトを装備して2024年にモデルチェンジ
プジョーのファストバックサルーン508が、日本で2024年2月29日にモデルチェンジしました。欧州では2023年にセダン・SWともにフェイスリフトを受けており、そのセダンモデルが日本に導入された形です。
フラッグシップらしくトレードマークのライオンのかぎ爪をモチーフにした3本のLEDをフロントマスクに配置し、ヘッドライトには極薄型のLEDマトリクスヘッドライトを採用。フロントグリルはライオンのエンブレムを中心に据え、バンパーと一体化するデザインになりました。
リヤコンビネーションランプはフロントと同じく3本爪デザインのシーケンシャルウインカーを採用し、純正アルミホイールは5本スポークの新デザイン「EPHERRA(エフェラ)」の18インチを装備します。
シートにはナッパレザーを採用し、コネクテッドナビゲーションシステム「PEUGEOT i-Connect Advanced(プジョー アイコネクト アドバンスド)」の搭載により、リアルタイムの交通情報やリモートコントロールに対応しました。
このモデルチェンジで日本仕様はプラグインハイブリッドの「PEUGEOT 508 GT HYBRID」1グレードのみとなり、販売価格は7,508,000円。これが日本で買える最後の508となりました。2021年6月に508 GT HYBRIDが登場した時点の607万8,000円と比べると、約143万円の上昇です。
| エンジン | 1.6L 直列4気筒ガソリンターボ「PureTech」180ps |
|---|---|
| モーター最高出力 | 110ps |
| システム最高出力 | 225ps |
| システム最大トルク | 360Nm |
| トランスミッション | PHEV専用8速AT「e-EAT8」 |
| 駆動用バッテリー | リチウムイオン 11.8kWh |
| EV走行換算距離 | WLTCモード 56km |
| 販売価格 | 7,508,000円(消費税込) |
コンセプトカー「CONCEPT 508 PEUGEOT SPORT ENGINEERED」は508 PSEとして市販化
2019年のジュネーブモーターショーで初公開された「コンセプト508プジョースポーツ・エンジニアード」は、その後プロトタイプの画像が公開され、2020年9月24日にプジョー210周年を記念したオンラインプレゼンテーションで「508 PSE」として市販モデルが発表されました。欧州では2020年10月中旬から受注が始まっています。
プロトタイプの画像からは、シャープなフロントバンパーや精悍なグリル、フラップ付きロッカーパネルなどが確認できます。フロントの車体色にはライトグレー、リアには色調の変化が楽しめるパール粒子を含むセレニウムグレーを採用。足元には20インチのアルミホイールを装着していました。
コンセプトは直噴1.6L直列4気筒ガソリンターボ「PureTech」エンジン搭載で、PHEVシステム全体の最大出力400ps、トルク51kgm、0~100km/h加速4.3秒、最高速250km/hというスペックを掲げていました。市販版の508 PSEはこれを現実的な数値へ落とし込み、エンジン200ps、フロントモーター110ps、リアモーター113psを組み合わせたシステム最高出力360ps/53kgmの四輪駆動として登場。0~100km/h加速は5.2秒、最高速は250km/h(リミッター作動)です。バッテリー容量は2023年の改良で11.5kWhから12.4kWhへ拡大されました。ボディはファストバックとSWの両方が用意されています。
車内には新開発のコンフォートフィットシートを用意。レザーとアルカンターラのコンビシートで、ステアリングホイールやシフトレバー、天井にもアルカンターラが採用されています。カーボンファイバー仕上げのセンターコンソールがスポーティな魅力を引き立てました。
プジョー独自のコンセプト「i-Cockpit」の導入に加え、10インチタッチスクリーンと12.3インチのヘッドアップディスプレイが搭載されています。
なお、508 PSEはフランスのミュルーズ工場で生産され、日本ではイベントで初公開されたものの、正規導入は行われないまま生産を終えました。
プジョー508ハイブリッド/508SWハイブリッドが欧州で受注スタート
次世代PHVシステムを搭載するプジョー508ハイブリッドと508SWハイブリッドは、2019年10月8日よりヨーロッパ市場での受注を開始しました。納車は2020年1月以降で、508としては実に8年ぶりのモデルチェンジとなった世代に、電動パワートレインが加わった格好です。
508のプラットフォームはEMP2(Efficient Modular Platform2)をベースとしており、およそ70kgもの軽量化に成功。1.6L直列4気筒ガソリンターボ+電気モーターのPHVシステムに8速ATを組み合わせ、力強さと高い環境性能を両立させました。日本ではこのPHEVが2021年6月に「508 GT HYBRID/508 SW GT HYBRID」として導入され、同時にグレード体系が「GT」に統一されています。
プジョー508/508SWのPHVモデルは燃費76.9km/Lを実現
プジョー508/508SWのプラグインハイブリッド車「プジョー508ハイブリッド」「プジョー508SWハイブリッド」は、新燃費基準「WLTP」認証で76.9km/Lという数値を達成しました。プラグインハイブリッド特有の計測方式による値である点は押さえておく必要がありますが、Dセグメントのフラッグシップとしては際立った数字です。
フルモデルチェンジした508/508SWはプラットフォームを刷新し、従来型と比べ平均70kgの軽量化を実現しています。
パワートレインは最大出力180hpを発揮する直噴1.6L直列4気筒ガソリンターボ「PureTech」エンジンに、最大出力110hpの電気モーターを組み合わせたもの。トランスミッションは「e-EAT8」を採用します。ゼロエミッション走行距離は、508が最大54km、508 SWが最大52km(いずれもWLTP計測)。日本仕様のEV走行換算距離は、国土交通省審査値でWLTCモード56kmとされています。
先進運転支援システム(ADAS)も充実しており、セグメント初となるナイトビジョンを搭載。視認性の低い状況で車両前方の物体を赤外線によって感知し、警告を発する機能です。
また、コックピットにはプジョー独自の新世代コックピット「i-Cockpit」を採用。大型ヘッドアップディスプレイを搭載するほか、4つの走行モードを選択し、車内イルミネーションやオーディオをコントロールできる「i-Cockpitアンプリファイ」を用意していました。
プジョーのフラッグシップモデル508にステーションワゴン「508 SW」が登場
プジョーのフラッグシップである508から、ステーションワゴンの「508 SW」が日本で2019年6月27日に発売されました。508のデザインを生かしつつボディサイズを拡大し、後席の居住性を高めています。なお、この508 SWは2024年4月に日本での販売を終了しました。
プラットフォームは「EMP2」に、アクティブサスペンションとリアマルチリンクサスペンションを組み合わせたもので、508で高く評価された乗り心地やハンドリング、静粛性を受け継いでいます。
「508 SW」のボディカラーは専用色となる「アマゾナイト・グレー」のほか、「パール・ホワイト」「ダーク・ブルー」「アルティメット・レッド」「ハリケーン・グレー」「セレベス・ブルー」「ペルラ・ネラ・ブラック」の7色が用意されていました。
パワートレインは508と共通で、モデルごとに1.6L直列4気筒DOHCターボエンジンと、2.0L直列4気筒DOHCディーゼルターボエンジンの2種類がラインナップされます。のちに2021年6月のグレード統一でPHEVの「508 SW GT HYBRID」が加わりました。
インテリアでは次世代型の「i-Cockpit」を採用。アクティブクルーズコントロールやレーンポジショニングアシスト、ナイトビジョン、第2世代アクティブセーフティブレーキなどの先進機能の操作も管理するシステムです。
ラゲッジスペースは先代の508SWに比べて182L増え、後席を格納することで1,780Lまで広げることが可能です。また、リヤシートをワンタッチでフラットにできる「マジックフラット」機能や、「GT Line」と「GT BlueHDi」には、足をバンパーの下で動かすだけでテールゲートを開ける「ハンズフリー電動テールゲート」が装備されていました。
このほか「508 SW」専用装備として、ラゲッジフックレール、ステンレスシルプロテクター、トノカバー、ルーフレール、「GT Line」と「GT BlueHDi」にはセパレーションネットが標準装備されています。
| モデル | 508 SW Allure | 508 SW GT Line | 508 SW GT BlueHDi |
|---|---|---|---|
| 全長 | 4,790mm | ||
| 全幅 | 1,860mm | ||
| 全高 | 1,420mm | ||
| ホイールベース | 2,800mm | ||
| エンジン | 1.6L直列4気筒DOHCターボエンジン | 2.0L直列4気筒DOHCディーゼルターボエンジン | |
| トランスミッション | 8速AT | ||
| 最高出力 | 180ps | 177ps | |
| 最大トルク | 250Nm | 400Nm | |
| 販売価格 | 4,420,000円 | 4,840,000円 | 5,170,000円 |
プジョー508が8年ぶりにモデルチェンジ 「508 SW(Peugeot 508SW)」が欧州で発売
プジョーから「508SW」が欧州で発売されました。約8年ぶりのモデルチェンジで話題となったモデルで、「508SW」は「508」のステーションワゴン版にあたります。
「508SW」には最新型の「i-Cockpit」を搭載しています。プジョーの新世代コックピットでコネクティビティを重視しており、操作パネルは直感的でありながら自然なドライビングエクスペリエンスを目指してデザインされました。ヘッドアップディスプレイは人間工学に基づき、大型12.3インチの高解像度ディスプレイがドライバーの視線の延長線上に必要な情報を表示します。インストルメントパネルの中央には大型10インチのタッチスクリーンをタブレットのように設置しています。
「i-Cockpitアンプリフィ」として、エコ・ノーマル・スポーツ・コンフォートの4種類から走行モードが選べます。また、室内照明や音響システムをブースト・リラックスの2種類のモードで変化させることも可能です。
「508SW」には新しい先進運転支援システム(ADAS)が採用され、セグメント初となる「ナイトビジョン」が設定されています。夜間や目で確認しにくい状況でも赤外線カメラによってクルマの前方約200m先にある物体を検知し、ヘッドアップディスプレイを通してドライバーに警告を出す仕組みです。
8速AT車には「ストップ&ゴー機能付きアダプティブクルーズコントロール」の設定もあり、高速道路や自動車専用道路などで前方の車と車間距離を一定に保ちながら追従。前車が渋滞などで停車した際は自動で停車し、その後の再発進も自動で行います。
プジョー「508SW」の先進運転支援システム(ADAS)
- ナイトビジョン
- ストップ&ゴー機能付きアダプティブクルーズコントロール
- レーン・キーピング・アシスト
- フルパーク・アシスト
- アクティブ・セーフティ・ブレーキ
- アクティブレーン・キーピング・アシスト
- ドライバー・アテンション・アラート
- 自動ハイビーム・アシスト
- 交通標識認識
- アクティブ・ブラインドスポット・モニタリング
8速ATのシフトレバーは電気式で、ワンタッチで操作できます。ステアリングホイールをコンパクトにすることでドライバーの視界や足下スペースが開放的になり、パドルシフトも装着されました。
欧州仕様の「508SW」のエンジンはガソリン、ディーゼル、PHVの3種類が設定されていました。ガソリン仕様では1.6L直列4気筒ターボエンジンを搭載し、最大出力が180hpと225hpの2種類。トランスミッションは8速ATの「EAT8」、PHVでは「e-EAT8」となり、EVモードでの走行距離は欧州発表時点で最大40km台とされていました。のちのWLTP計測では508が最大54km、508 SWが最大52kmです。
発売当時のフランス本国における「508SW」のベース価格は35,650ユーロでした。
プジョーのフラッグシップ508にPHV仕様のスポーツ・エンジニアード・コンセプトがジュネーブモーターショー2019で登場
508スポーツ・エンジニアード・コンセプトは、508セダンをベースとしたプラグインハイブリッド車で、2019年3月のジュネーブモーターショーで発表されました。508の迫力あるフロントマスクにライム色のアクセントが加えられ、さらにアグレッシブな見た目になっています。
ホイールを見るととても薄いタイヤを装着していて、ベースの508より大きいホイールを履いているのが分かります。ホイールサイズは20インチで、タイヤはミシュランのパイロットスポーツ4S、サイズは245/35R20です。
ベースとなる508のボディサイズは全長4,750mm・全幅1,847mm・全高1,404mm。コンセプトはこれをベースにワイド・ローなプロポーションを与えられ、市販版の508 PSEでは車高を508より低く設定したうえで、専用のサスペンションとブレーキが与えられました。
4ドアセダンながらルーフとトランクが繋がったようなクーペスタイルで、リアバンパーにはディフューザーのようなデザインが施されています。リアテールランプはライオンの爪をイメージしたデザインを引き継ぎ、スモークテールのように見えますが、ライトの明るさを環境によって変えられるアダプティブリアライトを装備しています。
プジョー508スポーツ・エンジニアード・コンセプトのシステム最高出力は400PS 1.6Lエンジンとモーターを搭載
ジュネーブモーターショー2019で発表された508スポーツ・エンジニアード・コンセプトは、1.6Lエンジンと2つのモーターで走るプラグインハイブリッド車で、システム全体の最高出力は400PSに達していました。
| 種類 | 直列4気筒ターボ |
|---|---|
| 排気量 | 1,598cc |
| 最高出力 | 180PS/5,500rpm |
| 最大トルク | 250Nm/1,650rpm |
ベースとなる508のガソリンエンジンは1.6Lターボですが、コンセプトではこれにフロント110PS・リア200PSのモーターを組み合わせ、システム全体で400PSを発揮しました。最大トルクは500Nmです。
11.8kWhのバッテリーを搭載し、電気モーターのみで最大50kmの走行が可能。0-100km/h加速は4.3秒で、最高速度は250km/hを記録しています。市販版の508 PSEではシステム出力が360psに落ち着き、0-100km/h加速は5.2秒となりました。
プジョー508は2018年11月に日本仕様が発売されファストバックのみのラインナップだった
プジョー508は2018年11月に2代目モデルの日本仕様を発売しました。本格導入に先立ち、11月1日からファストバックの「ファーストエディション」60台のオンライン予約が始まり、11月19日から一般販売がスタートしています。プジョーのフラッグシップを担う508は、全長4,750mm・全幅1,847mm・全高1,404mmと比較的大きなボディサイズで、鋭さのあるフロントマスクを持っていました。
| 全長 | 4,750mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,847mm |
| 全高 | 1,404mm |
| ホイールベース | 2,793mm |
| 最小回転半径 | 5.5m |
ボディサイズはDセグメントクラスで、クラウンよりも気持ち小さいサイズ感です。ボディタイプは4ドアファストバックで、ルーフからトランクにかけて徐々に下がっていくクーペにも見えるスタイリングは、フラッグシップにふさわしい美しさでした。
プジョーのテールライトとしてのアイデンティティを持つ4本ラインの爪をデザインし、等間隔に3つ並んでいます。計6つのランプが設置され、夜には見にくいスモークレンズですが、周りの環境に合わせて調光するアダプティブリアライトが搭載されています。
トランクはプジョーエンブレム付近にスイッチがあり、電動で開きます。リアガラスごと上がるファストバックスタイルのため開口部が広く、荷物を積みやすい構造です。荷室下にはスペアタイヤが1本入るスペースがあります。閉じるときはゲート側のスイッチを押すと自動的に閉じます。
プジョー508のコックピットはデジタルメーターを採用したi-Cockpitが装備され、シームレスなエアコン吹き出し口やシフトノブ周りが美しい仕上がりです。センターコンソールに設置されたナビはタッチディスプレイのほか、7つの鍵盤のようなスイッチでも操作できます。
Apple CarPlayやAndroid Autoにも対応し、スマートフォンを接続するとミラースクリーン機能が使えます。エクステリアやインテリアすべてにおいて高次元な508は、フラッグシップとして相応しい一台でした。
日本でのデリバリーは2019年春から始まり、ステーションワゴンの508 SWは同年6月27日に発売
2018年11月に発売された日本仕様の508は、2019年春から順次デリバリーが始まりました。ステーションワゴンの508 SWは同年6月27日に追加され、「Allure」「GT Line」「GT BlueHDi」の3グレード構成でラインナップされています。
トランクスペースは広大で、レールが装着されているのが見えます。ファストバックの508と同様に電動で開閉するタイプのため、荷物の出し入れも楽に行えます。
ステーションワゴンの508 SWは、ファストバックの508に対して全長が40mm長く、全高が16mm高い設定でした。
| 全長 | 4,790mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,860mm |
| 全高 | 1,420mm |
| ホイールベース | 2,800mm |
流麗なスタイリングのプジョー・508のモデルチェンジ遍歴
508はフランスのプジョーが販売していたDセグメントのセダン、ファストバックセダン、ステーションワゴン型のモデルです。なだらかで流麗なスタイリングで、高級感とスポーティさを兼ね備えた印象を与えました。
プジョー508初代 W23/22型:2011年~2018年
2011年7月に日本市場での初代プジョー508の販売が開始されました。日本には1.6L+6ATのセダンとステーションワゴンのみで、ベースグレードの「アリュール」、上級グレードの「グリフ」が各モデルに設定されています。2015年1月には後期型が導入されました。
2016年7月、日本にてクリーンディーゼルエンジンの「BlueHDi」搭載車を発売。「508GT BlueHDi」セダンとステーションワゴンが導入されました。
プジョー508 2代目 R83/82型:2018年~2025年
2代目508の日本導入は60台限定でファストバックの「ファーストエディション」を先行投入し、2018年11月19日に一般販売を開始。2019年3月から本格導入され、6月27日にステーションワゴンの508 SWが加わりました。「Allure」「GT Line」「GT BlueHDi」のラインナップが用意されています。
2020年9月24日、プジョー210周年の記念プレゼンテーションで高性能版「508 PSE(プジョースポール・エンジニアード)」を発表。システム最高出力360psの四輪駆動PHEVで、ファストバックとSWの両方が設定されました。日本への正規導入は行われていません。
2021年6月、508と508 SWのグレードを「GT」に統一。新たにPHEVの「GT HYBRID」が追加設定されました。システム最高出力は225ps/360Nm、価格は607万8,000円からです。
2023年、欧州でセダン・SWともにフェイスリフトを実施。508 PSEも同時に改良され、バッテリー容量が11.5kWhから12.4kWhへ拡大されました。
2024年2月29日、日本で改良新型を発売。PHEVの「508 GT HYBRID」1グレードのみとなり、価格は750万8,000円。3本のデイタイムランニングランプはライオンのかぎ爪を模しており、フロントグリルはバンパーに溶け込むようなデザインになっています。最新の「PEUGEOT i-Connect Advanced」を搭載しました。
2024年4月、日本で508 SWが販売終了。同年末には英国でも販売を終了しています。2代目の英国累計販売台数は7,000台でした。
2025年春、生産を終了。3代目の計画は示されていません。日本でもファストバックサルーンが同年9月に販売を終了しました。
| プジョー508のモデル | 販売年表 |
|---|---|
| 初代 W23/22型 | 2011年~2018年 |
| 2代目 R83/82型 | 2018年~2025年 |
プジョー508は2世代で幕 フラッグシップの席はコンセプト6が示す新世代セダンへ
プジョーのフラッグシップだった508は、2018年に登場した2代目を最後に2025年春で生産を終えました。日本でも2024年4月に508 SW、2025年9月にファストバックサルーンが販売を終了し、国内のプジョーからDセグメントのセダンとワゴンが姿を消しています。最後に残ったのは、システム最高出力225psのPHEV「508 GT HYBRID」でした。
2019年のジュネーブモーターショーで公開された508 Sport Engineered Conceptは、翌2020年に508 PSEとして市販化され、システム最高出力360psというプジョー史上最強の市販車になりました。ただし高性能版「PSE」ブランドの拡大は行われず、508 PSEも後継を持たないまま生産を終えています。
フラッグシップの席が空いたままかというと、そうとも限りません。2026年4月の北京モーターショーで公開されたコンセプト6は、新世代の大型セダンのビジョンとして508の後継を示唆する存在です。プジョーはステーションワゴン市場への復帰にも前向きな姿勢を示しており、その形が508という車名で戻ることはないにせよ、Dセグメントのプジョーが再び登場する余地は残されています。