三菱パジェロミニ復活はあるか 本体パジェロは2026年秋に復活決定 弟分の行方を追う
かつて特別仕様車「Premium Selection ~Final Anniversary~」を最後に、多くのファンに惜しまれながら姿を消したパジェロミニ。2代目の生産終了から10年以上が過ぎましたが、いまその名が再び注目を集めています。
きっかけは、三菱自動車が2026年5月に本家「パジェロ」の復活を正式に発表し、同時に大・中・小をそろえた「パジェロシリーズ」構想を打ち出したことです。この構想の“小型枠”に、往年の弟分であるパジェロミニ的な軽SUVが含まれるのではないか、との期待がふくらんでいます。
ただし、現時点でパジェロミニそのものの復活は公式には確定していません。本記事では、確定した事実と、あくまで噂・観測にとどまる部分を切り分けながら、最新状況を整理していきます。
三菱がパジェロ復活を正式発表 「パジェロシリーズ」構想で弟分モデル復活の可能性
三菱自動車は2026年5月29日、開発中の新型クロスカントリーSUVの車名を正式に「パジェロ」とし、2026年秋に世界初公開すると発表しました。日本仕様のパジェロは2019年に生産を終えていたため、国内では実に7年ぶりの復活となります。新型はピックアップトラック「トライトン」のラダーフレームをベースに、キャビンやサスペンションを専用開発した本格派とされています。
そして往年のパジェロミニファンにとって見逃せないのが、同日に公表された新たな中長期ビジョンです。ここでは、パジェロを単独モデルではなく、大・中・小の3サイズをそろえた「パジェロシリーズ」として育てていく方針が明記されました。フラッグシップの新型パジェロを頂点に、コンパクト、そしてスモールへと広げていく――この構図から、かつての「パジェロイオ」「パジェロジュニア」、そして軽の「パジェロミニ」にあたるモデルの再来を思い描くファンが増えているのです。
三菱はこのシリーズをグローバルで展開する意向とされ、パジェロ本体を2026年度に投入したのち、2031年度ごろまでにファミリーをそろえていく計画といわれています。あわせて、今後数年で多数の新型車を投入し、そのなかに日産と共同で手がける軽自動車の新型(エンジン車・電気自動車)も含まれると案内されています。軽SUVの復権余地は十分にあり、パジェロミニ復活の土壌が整いつつある、という見方も出ています。とはいえ、軽枠に何を当てるかは公式には示されておらず、あくまで“シリーズ構想からの期待”という段階である点は押さえておきたいところです。
デリカミニが2025年10月に2代目へフルモデルチェンジ 軽SUVで三菱をけん引
パジェロミニ復活を占ううえで見逃せないのが、兄弟的な立ち位置にある「デリカミニ」の快進撃です。2025年10月29日、デリカミニは登場からわずか2年余りという異例の早さで2代目へとフルモデルチェンジしました。価格は約196万~291万円と、初代よりも上級志向に振られています。
2代目ではマイルドハイブリッドを取りやめて660cc直列3気筒(NA/ターボ)に一本化しつつ、燃費とCVT制御を磨き込みました。軽初とうたう5モードのドライブモードセレクター(POWER/NORMAL/ECO/GRAVEL/SNOW)を備え、悪路や雪道への対応力を高めています。さらに12.3インチの大型ディスプレイやGoogle搭載インフォテイメント、3Dマルチアラウンドモニターなどを採用し、軽の枠を超えた装備を実現しました。兄弟車のeKスペース、日産ルークスも同時に刷新されており、いずれも三菱・日産の合弁会社NMKVが手がけています。
アウトドアテイストの軽SUVがこれだけ売れる時代です。デリカミニで実証された「名車ブランドを軽で展開する」手法が、パジェロミニでも通用するのではないか――そんな観測につながっています。
初代デリカミニが2023年に登場 半円形ヘッドライトの軽SUVがヒット
初代デリカミニは、東京オートサロン2023でプロトタイプが披露されたのち、2023年に発売されました。半円形のLEDヘッドライトが印象的で、ディフェンダーを思わせるマッシブなスタイルが人気を集めました。
そのエクステリアは、三菱のデリカD:5をコンパクトに凝縮したような雰囲気で、最低地上高を高くとることで力強い走破性を主張しています。
後席両側スライドドアを備えるスーパーハイトワゴンで、使い勝手の面でも本家デリカD:5に迫る仕上がりでした。初代は2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤーの「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、月販3,000台超と三菱の国内販売をけん引しました。
デリカミニの登場によってパジェロミニの開発は棚上げになった、との見方もありました。しかし、その後の大ヒットと2代目化を見れば、SUVテイストの軽が三菱の稼ぎ頭になり得ることは証明済みです。パジェロミニ再始動の呼び水になる可能性は、むしろ高まったといえるでしょう。
パジェロミニ4ドア化での復活説 長く語られてきたものの実現はしていない
クロスカントリー軽自動車として親しまれた「パジェロミニ」の復活説は、長年にわたって浮かんでは消えてきました。スズキ「ジムニー」の圧倒的な人気を前に、その対抗馬を望む声が根強かったためです。
2代目パジェロミニは2012年6月に生産を終了して以来、これまで新型の開発が進んでいる、あるいは進んでいないなど、さまざまな憶測が飛び交ってきました。
とりわけ語られてきたのが、日産・三菱の合弁会社「NMKV」で後継の開発が進んでいる、という噂です。プラットフォームを日産「デイズ」や三菱「eKワゴン」と共有し、従来の2ドア・クロスカントリー調から、三菱のデザインアイコン「ダイナミックシールド」をまとった4ドアのクロスオーバーSUVへ刷新されるのでは、との観測が繰り返しささやかれてきました。
当時語られた予想エクステリアは、アンダー部のグリルバーや丸型サブライトでパジェロらしさを演出し、大型ドアミラーやワイルドなタイヤハウス、アンダースカートで存在感を出す、といったものでした。パワートレインも、660cc直列3気筒自然吸気にモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドと、モーターのみで走るBEVの2本立てになるのでは、と噂されていました。
安全面では「e-Assist」を標準装備し、衝突被害軽減ブレーキやレーダー、カメラでドライバーを支える一台になる――こうした青写真も描かれていました。ただし、これらはいずれも当時の予想の域を出ておらず、2026年現在に至るまで、4ドア化された新型パジェロミニが正式に姿を見せた事実はありません。仮に実現するとしても、時期は2027年以降ではないか、との観測が一部にとどまっているのが実情です。
「開発が遅れている」「そもそも動いていない」という声も根強かった
パジェロミニがフルモデルチェンジで復活するという噂の一方で、優先すべき車種が他にあるため開発が後回しになっている、という指摘も長く聞かれてきました。さらには、そもそも具体的な開発自体が動いていないのではないか、という冷めた見方も存在します。
実際、三菱は2018年にエクリプスクロスを投入し、デリカD:5の大幅改良を実施。2019年にはeKワゴンを刷新し、その後もデリカミニやトライトンなど話題作を優先してきました。こうした流れを踏まえれば、軽SUVの一台にすぎないパジェロミニの優先度が上がりにくかった事情は理解できます。
もっとも、2018年にジムニーがフルモデルチェンジで大ヒットし、その人気がいまも続いていることを考えれば、同じ性格を持つパジェロミニを求める声が消えないのも自然です。「優先車種があって後回しになっている」という説明は、これまでの経緯とも矛盾せず、一定の説得力を持って語られてきました。パジェロシリーズ構想が動き出したいま、その優先順位がようやく上がってくるのか――注目したいところです。
パジェロミニとはパジェロの弟分として生まれ2012年に生産を終えた軽SUV
パジェロミニは、パリ・ダカールラリー(パリダカ)を制した名車パジェロの弟分として誕生した軽自動車です。世界的なレースで鍛えられた走破性を軽サイズに凝縮し、コンパクトで親しみやすいスタイルにまとめたことで、女性ユーザーの支持も広げました。
1994年12月に登場した初代は、自然吸気エンジンと電子制御4WDを組み合わせるなど、軽でありながら本格SUVの資質を備えていた点が評価されました。1998年にターボも加えた2代目へと進化し、初代・2代目を合わせて長く愛され、累計販売はおよそ50万台規模に達したとされています。
2000年代に入るとクロカンブームが落ち着き、環境志向とエコカーブームが広がるなかで、パジェロミニの販売はピーク時の10分の1近くまで落ち込んでしまいました。独自プラットフォームゆえにコスト低減が難しかったことなどもあり、2代目は2012年6月に生産を終えています。
20年近い歴史のなかでフルモデルチェンジは2回と多くありませんが、日産初の軽SUV「KIX(キックス)」とも深いつながりを持っていました。当時のKIXは、パジェロミニの製造ラインを用いたOEM供給によって生まれた兄弟車です(現在グローバルで売られる日産キックスとは別物です)。SUV需要が再び高まるいま、かつて手を組んだ三菱と日産が、軽SUVの領域で再び連携する展開も十分に考えられます。
後継が実現する場合はeKワゴン系プラットフォームの活用が有力とされた
復活が取り沙汰されてきた新型パジェロミニについては、日産と三菱が出資するNMKVが開発を担うという見立てが有力でした。
NMKVはすでに日産デイズ、三菱eKワゴン、eKスペースなどを世に送り出しています。パジェロミニの後継も、これらと同じ土台を活用して開発されるのではないか、と考えられてきました。現行のeKスペースやデリカミニ、日産ルークスがNMKV発であることを踏まえれば、軽SUVを仕立てる素地は整っているといえます。
復活するなら三菱の顔「ダイナミックシールド」採用が有力視されてきた
新型パジェロミニが実現する場合、パジェロを縮めたようなたたずまいを保ちつつ、フロントにはアウトランダーなどでおなじみのダイナミックシールド・デザインが採用されるのでは、と予想されてきました。
近年の日本車はメーカーごとの造形が際立っており、ダイナミックシールドをまとった車は、エンブレムを見ずとも三菱車と分かるほどです。加えて、人気を確立したハスラーのようなポップさを取り入れる可能性も語られてきました。
最大の変化として噂されてきたのが、従来の2ドアから4ドアへの移行です。4ドア化はボディ剛性の確保という課題を伴うものの、実用性は大きく高まります。ただし、こうした像もあくまで予想であり、現時点で具体的なデザインが公開された事実はありません。
パワートレインはターボ追加も予想されていた(当時の見立て)
| NA(自然吸気)モデル | ターボモデル | |
|---|---|---|
| エンジンの種類 | 直3気筒DOHC | 直3気筒DOHCターボ |
| 総排気量 | 660cc | 660cc |
| 駆動方式 | 4WD(電子制御) | 4WD(電子制御) |
| トランスミッション | CVT・7速パドルシフト | CVT・7速パドルシフト |
| 最高出力 | 35kw/6400rpm | 52kw/6000rpm |
| 最大トルク | 55Nm/4800rpm | 96Nm/2800rpm |
上表は、あくまで復活が語られていた当時に想定されていた数値です。往年のファンの心をつかむために、駆動方式は三菱お得意の電子制御4WDを進化させて載せてくるのでは、と見立てられていました。
パジェロの弟分としての矜持から、総排気量は軽の上限である660ccと読まれ、オフロード志向のユーザーに向けて最高出力はハスラー以上に振るのではないか、とも予想されていました。実際の仕様は公式には示されておらず、現段階では参考値として捉えるのが妥当です。
予想燃費22.8km/L・価格115万円からという見立ても(未確定)
復活が噂された当時は、新型パジェロミニの燃費や価格を、ライバルのハスラーやジムニー、あるいはNMKV製のeKワゴンや日産デイズと照らし合わせて予想する動きもありました。
三菱・日産は過去に燃費不正で厳しい目を向けられた経緯があるため、クリーンなイメージ回復に向けて燃費へ力を入れるのでは、と見られていました。話題づくりの面でも、ハスラーの数値を上回ってくるのではないか、との予測です。
価格については、eKワゴン系と同じ土台での効率化でコストを抑えつつ、激戦の軽SUV市場で優位に立つための装備を積む必要から、eKワゴンなどより高めの設定になる、と読まれていました。当時挙がっていた「22.8km/L」「115万円から」といった数字も、あくまで予想であり、公式に裏づけられたものではない点にご注意ください。なお実際に登場したデリカミニ2代目が約196万円からとなったことを踏まえると、いま軽SUVを新規に仕立てれば、価格帯はこれらの予想より相応に高くなる可能性が高いといえます。
ボディサイズは全高の高いeKワゴンに近い姿が想定されていた
復活が語られた当時、新型パジェロミニのサイズは、同じ土台での開発が見込まれたeKワゴンやeKカスタムを基準に想定されていました。
軽自動車の枠は「全長3400mm以下×全幅1480mm以下×全高2000mm以下」です。全長・全幅・ホイールベースは効率化のため共通に近い数値になり、全高だけはSUVらしさを高めるためにeKワゴン系より高められる、というのが大方の見立てでした。もっとも、これも予想の範囲にとどまります。
ハスラーやジムニーの好調が軽SUV復権を後押ししてきた
パジェロミニが去った後の2014年、スズキ「ハスラー」が登場し、軽SUVのイメージを一新しました。低燃費でポップなデザインが受け、発売年に10万台以上を売り上げ、2015年のRJCカーオブザイヤーも受賞しています。
販売期がかぶることはありませんでしたが、もし新型パジェロミニが投入されれば、有力なライバルはハスラーやジムニーになります。
ハスラーが想定以上に売れた事実は、軽SUV市場の広がりを示す象徴でもありました。親しまれてきたパジェロミニのブランドに、こうした売れ筋の要素を掛け合わせれば、一定の販売台数が見込める――そんな期待が、復活論を支える土台になってきたといえます。ジムニーが四代目でいまも人気を保ち、軽SUVの層が厚みを増しているいま、その説得力はむしろ増しています。
「2018年以降に復活」という過去の予想はことごとく外れた
かつては、新型パジェロミニの登場が2017年ではないか、とも言われていました。しかし三菱・日産は燃費不正の後処理などに追われ、仮に計画があったとしても後ろ倒しになった可能性が指摘されていました。
2017年の東京モーターショーで全貌が公開される、との噂もありましたが、実際に披露されることはありませんでした。「2018年以降に復活」という当時の見立ても、結局は現実になっていません。2026年を迎えたいまも、パジェロミニそのものは市場に戻っていない――というのが正確な現状です。だからこそ、本家パジェロの正式復活とシリーズ構想という今回の動きが、これまでの噂とは一線を画す前進として受け止められているのです。
パジェロの弟分として歩んだパジェロミニのモデルチェンジ遍歴
パジェロミニは、三菱がかつて販売していた軽SUVで、名車パジェロの弟分として登場しました。パジェロ譲りの走破性を軽に落とし込んだこの一台には、いまも多くのファンがいます。
パジェロミニ 初代 H51A/H56A型(1994年~1998年)
1994年12月、初代パジェロミニが誕生しました。自然吸気エンジンの「XR」、ターボエンジンの「VR」が用意されています。
1996年には誕生1周年記念の特別仕様車「1stアニバーサリー」、タウンユース向けの「スキッパー」、冬のレジャー向けの「アイアンクロス」などを設定。安全・快適装備を高める一部改良も行われました。
1997年には誕生2周年記念の「アニバーサリーリミテッド」に加え、マイナーチェンジで安全性能を向上させつつ、ドレスアップ仕様の「デザートクルーザー」やサンルーフ仕様の「ダブルサンルーフ」、「ホワイトスキッパー」などを追加。1998年1月には誕生3周年記念の「アニバーサリーリミテッド」を設定しました。
パジェロミニ 2代目 H53A/H58A型(1998年~2012年)
1998年10月、軽自動車の新規格化に合わせてフルモデルチェンジし、2代目となりました。全長・全幅を拡大し、新衝突安全ボディ「RISE」を採用するなど安全性を大きく高めています。
1999年には一部改良でグレード「R」を追加。2000年前後には特別仕様車「スヌーピー・エディション」やその第2弾「スヌーピー・エディションⅡ」を設定し、ABSの標準化など安全装備の充実も進めました。
2003年9月のマイナーチェンジではフロントグリルをメッキ化し、ボディカラーや装備を刷新。2005年の一部改良や特別仕様車「アクティブフィールドエディション」で快適装備を拡充しました。
2008年9月のマイナーチェンジでは、フロント周りをパジェロ譲りのデザインへ一新し、内装の質感や収納、燃費性能も向上。2009年以降は「ホワイトパールセレクト」「Limited」といった特別仕様車を投入しました。
2010年12月には特別仕様車「Premium Selection」を発表(発売は2011年1月)。そして2012年3月、同年6月での生産終了とともに、最後の特別仕様車「Premium Selection ~Final Anniversary~」を設定し、19年近い歴史に幕を下ろしました。
| パジェロミニのモデル | 販売年表 |
|---|---|
| 初代 H51A/H56A型 | 1994年~1998年 |
| 2代目 H53A/H58A型 | 1998年~2012年 |