光岡ロックスター

ロックスターは2021年に生産終了 200台限定の中古相場は550万〜700万円台

ロックスターは今買える?新車の設定は2021年で終了し、中古相場は550万〜700万円台。かつて言われた800万円級のプレミアは落ち着きました。受注開始から約4か月で完売、納車完了まで約3年を要した限定200台の顛末をまとめています。

光岡ロックスターは2021年に200台を完納して生産終了 現在は中古車のみ

光岡自動車が創業50周年を記念して送り出した「ロックスター」は、2021年に最終生産車がラインオフし、限定200台すべての納車を完了して生産を終えました。2026年7月時点で新車の設定はなく、入手手段は中古車のみです。中古相場はおおむね550万〜700万円台で、新車価格を上回る水準が続いています。

なお光岡自動車は2026年6月4日、オープンタイプの新型車を開発中であることを公表し、同年11月の正式発表を予告しています。ロックスターとの直接的な関係は明らかにされていませんが、2シーターオープンという成り立ちから期待を寄せる声が出ています。

ここでは、ロックスターが生産を終えるまでの経緯と現在の中古相場を新しい順に整理したうえで、記事後半で2018年の登場当時の内容を振り返ります。

ロックスターの中古相場は現在550万〜700万円台 800万円台のプレミアは続かなかった

200台限定という希少性から、ロックスターは新車完売後も高値で取引されてきました。ただし、かつて言われた800万円級のプレミア価格が定着したわけではありません。

2026年7月時点の中古車市場では、おおむね550万円台から700万円台で流通しています。掲載例としては578.2万円(三重県)や、支払総額700.0万円・車両価格690.0万円(愛知県)といった水準です。買取査定の実績も560万〜620万円前後、業者の過去最高買取実績で599.0万円というデータがあり、実勢はこのレンジに収まっています。

本記事ではかつて「今後もロックスターの人気は衰えないと予想されていて、さらなる価格上昇になる可能性もある」と書いていましたが、この見立ては当たりませんでした。当時は納車待ちの期間が長く、市場に出回る個体が極端に少なかったため一時的に価格が跳ね上がっていたものの、2021年に200台すべての納車が完了して以降は流通量が安定し、価格も落ち着いたと考えられます。

とはいえ、新車価格が469万8000円〜518万4000円(発売時・税率8%)だったことを踏まえれば、6〜7年を経てなお当時の新車価格を上回って取引されている事実は変わりません。値落ちしない限定車という評価そのものは維持されているといえます。台数は決して多くなく、全国の掲載台数が一桁にとどまることも珍しくないため、条件を選ぶなら気長に探す姿勢が必要です。

光岡ロックスター 新車価格と中古相場の比較
区分 金額 時点・備考
新車価格(発売時) 4,698,000円~5,184,000円 2018年12月/消費税率8%
新車価格(増税後) 478万円台~ 2019年10月の消費税率引き上げ後
Only1 Special 9,900,000円 2022年1月/1台限定の抽選販売
中古車流通価格 おおむね550万~700万円台 2026年7月時点

2024年にロックスターがスーパー戦隊へ登場 「ブンブンスーパーカー」として活躍

生産を終えた後も、ロックスターは思わぬ形で存在感を発揮しました。2024年3月3日からテレビ朝日系24局で放送が始まったスーパー戦隊シリーズ第48作「爆上戦隊ブンブンジャー」に、光岡自動車が車両協力を実施。ロックスターは劇中でヒーローが駆る「ブンブンスーパーカー」として登場しました。SUV「バディ」も併せて起用されています。

「クルマ×つくる」をテーマに掲げる作品と、手作業でクルマを仕立てる光岡自動車の相性は良く、車両協力に加えて2024年3月2日からは「あいことばキャンペーン」も展開。合言葉を伝えると組み立て式の「ブンブンスーパーカー」がもらえる企画で、全国のミツオカ車取り扱い30拠点が対象となりました。

生産終了から3年を経たモデルが子ども世代にまで認知される機会となり、限定車としての知名度をさらに押し上げたといえます。中古車の引き合いが衰えない一因にもなっていると考えられます。

2022年1月に完納記念の1台限定車「Rock Star 2.0 LHD Only1 Special」が990万円で抽選販売

ロックスターの物語に区切りをつけたのが、2022年1月27日に発表された1台限りの特別仕様車「Rock Star 2.0 LHD Only1 Special(オンリーワンスペシャル)」です。限定200台が完納したことを記念した完売・完納特別記念限定車で、価格は990万円でした。

内容は標準モデルと大きく異なります。基本車体にはカナダ向けのマツダ「MX-5」が用いられ、日本仕様のロックスターには設定のなかった左ハンドルを実現。搭載エンジンも1.5Lではなく、184ps/205N・mを発生する2.0Lで、6速ATと組み合わされます。ボディカラーは専用色「パッションブラッドレッド」を基本とし、内装も特別装備で仕上げられました。

販売方法は抽選で、申込受付は2022年1月28日から2月14日までの予定。応募には申込金50万円の入金が必要で、落選時には返金される仕組みでした。ところが応募が殺到し、約1週間で上限の100名に到達して2月5日をもって受付終了。当選者への連絡は2月下旬に行われています。1台に対して100名という倍率は、生産終了後もロックスターへの需要が旺盛だったことを端的に示しています。

2021年に最終生産車がラインオフ 200台の納車完了まで約3年を要した

ロックスターは2021年、富山県富山市の本社工場で最終生産車がラインオフし、同年11月に最終号車が出荷されて限定200台すべての納車が完了しました。2018年12月1日の受注開始から数えると、生産・納車には約3年を要したことになります。

光岡自動車は完納にあたって、3年に及ぶ待ち時間のあいだ夢を感じながら待ち続けた顧客へ感謝を述べ、この経験が同社にとって貴重な財産になったとコメントしています。年間の生産能力が限られる小規模メーカーが、200台という自社基準では大きなロットを完遂した意味は小さくありません。

納車完了に前後して、光岡自動車には「中古車でもいいから購入したい」という声が数多く寄せられました。これを受けて同社は2021年11月11日、ロックスター専用の中古車情報配信希望の受付フォームを開設。自社で販売した限定車の中古流通にメーカー自らが関与するという、量産メーカーではまず見られない対応です。生産終了後も購入希望者が絶えなかったことの裏返しといえます。

なお2021年は、光岡自動車にとってSUV「バディ」の好調により23年ぶりに受注1000台超えを記録した年でもありました。ロックスターの完納とバディのヒットが重なり、同社の存在感が改めて高まった時期にあたります。

光岡ロックスター 主な出来事の年表
時期 出来事
2018年11月29日 発表。開発名は「タイプカリフォルニア」だった
2018年12月1日 受注開始。限定200台(うち50台は光岡車ユーザー向け先行受注で完売済み)
2019年3月22日 200台完売を発表。受注開始から約4か月
2019年7月23日 本社工場で第1号車のラインオフセレモニーを開催、出荷開始
2019年10月 消費税率引き上げにともなう価格改定
2021年11月 最終号車を出荷し200台が完納。中古車情報配信希望フォームを開設
2022年1月27日 「Rock Star 2.0 LHD Only1 Special」を1台限定・990万円で抽選販売
2024年3月3日 「爆上戦隊ブンブンジャー」に「ブンブンスーパーカー」として登場
2026年6月4日 光岡が新型オープン2シーターの開発を公表(正式発表は2026年11月予定)

光岡ロックスターは2018年12月1日に受注開始 創業50周年を記念した200台限定モデル

日本の自動車メーカーとして独特の地位を築いている光岡自動車が、2018年12月1日に、マツダ・ロードスター(ND)をベースとした創業50周年記念車「ロックスター」の受注を開始しました。

前々日の11月29日にMITSUOKA麻布ショールーム/GALLERY麻布で行われた発表会でも評判は上々。限定200台という希少な設定だったため、生産終了から数年を経た現在も、中古車市場では新車価格を上回る水準で取引されています。

光岡ロックスターのエクステリアは古きよきアメ車風!コルベット好きにもたまらない!

60~70年代のアメ車(アメリカの車)を再現した光岡ロックスターが2018年12月1日に受注開始

光岡ロックスターのコンセプトは『やんちゃ×スタイリッシュ×楽しさ』で、古き良きアメリカンなスタイルを意識して作られたことが明かされています。確かに60~70年代のアメリカの青春映画に出てきそうな雰囲気・佇まいがあります。キャッチコピーは「俺たちの「永遠」。」でした。

エクステリアデザインを担当したのは、あの「オロチ」を手がけた青木孝憲氏です。開発段階では特定の車種からインスピレーションを得るつもりはなかったものの、アイデアスケッチを模索するなかで、青木氏の中学生時代の記憶にあったスケール感や佇まいが形になったといいます。結果として、名車と名高い「シボレー・コルベット・スティングレイ」、とりわけ1960年代の2代目(C2)を彷彿とさせる仕上がりになりました。

ボンネットのダミーダクトはコルベット”Z06″のそれを模したもので、ブルーの七宝焼きエンブレムが取り付けられます。当初は「タイプカリフォルニア」という名称で開発が進められていましたが、青木氏が2018年夏に訪れたオールディーズロックのコンサートで、老若男女の観客が純粋にはしゃぐ姿に感動し、「自由を楽しむ観客の熱い思いを、自身の顧客に届けたい」という思いから「ロックスター」という車名に決まったというエピソードが残っています。

もともとの光岡のファンはもちろん、アメリカ車好きも思わず足を止めてまじまじ見つめるようなカッコいいデザインです。

光岡ロックスターの基本スペック!マツダ・ロードスターNDをどう変化させた?

光岡ロックスターのベース車は、マツダ・ロードスター(ND)です。光岡自動車のラインナップとしては、2018年2月にフルモデルチェンジしてNCからNDベースになった「ヒミコ(卑弥呼)」の弟(妹)と考えることもできます。ヒミコが1930年代のビンテージカーを思わせる女性的で優雅なスタイルだったのに対し、ロックスターは男性的で野性味あふれる方向へ振られており、同じ土台から対照的な2台が生まれた形です。なお、その姉貴分にあたるヒミコも2025年3月発表の最終生産モデル「Final Himiko」(10台限定)をもって17年の歴史に幕を下ろしています。

光岡ロックスター Sグレードの諸元表
車両型式 マツダ・5BA-ND5RC改
全長 4,345mm
全幅 1,770mm
全高 1,235mm
ホイールベース 2,310mm
車両重量 1,080kg
エンジン型式 P5-VPR[RS]型
水冷4気筒DOHC16バルブ
総排気量 1,496cc
最高出力 97kW(132ps)/7,000rpm
最大トルク 152Nm(15.5kgm)/4,500rpm

ベースとなるマツダ・ロードスターの全長は3,915mmなので、ロックスターは430mmも延長されていることになります。ボリュームが大きく増しているのがわかるでしょう。車両重量もベース車比で約90kg増えていますが、それでも1,080kgと軽量です。

注目したいのは、ホイールベースが2,310mmとベース車から変更されていない点です。姉妹車のヒミコやかつてのラ・セードがホイールベースそのものを延長していたのに対し、ロックスターは前後のオーバーハングを伸ばすことでプロポーションを整えました。骨格に手を入れていないぶん、走りの素性はロードスターに近いといえます。

足元にはオプションで、BFグッドリッチ製195/60R15タイヤと、ホイールメーカーのWORKが提供するヴィンテージデザインの15インチホイールが用意されました。

ヒミコなど他の光岡の車全般にもいえることですが、車好きでない人に「同じ車だよ」と説明しても「なにが?どこが?」とビックリされるような変身ぶりです。

光岡ロックスターの価格は4,698,000円から!

光岡ロックスターの値段(税込み)は以下のようになっていました。
ボディカラーは6色ありますが、カラーによっては追加費用がかかります。もちろん内装やインテリアはオプションで自分好みにできました。

光岡ロックスターの価格一覧(2018年12月の受注開始時/消費税率8%)
Sグレード 6MT 4,698,000円
S Special Package 6MT 4,984,200円
6EC-AT 5,184,000円

なお、この価格は消費税率8%当時のものです。2019年10月の消費税率引き上げにともなって価格が改定され、Sグレードは478万円台からという設定になりました。カタログ上の価格レンジも、後の1台限定車「Only1 Special」を含めると478万円から990万円まで広がっています。

光岡ロックスターのオプション装備・価格(消費税率8%当時)
グレード S S Special Package
駆動方式 6MT 6MT 6EC-AT
SRSエアバッグシステム 32,400円 標準装備
セーフティパッケージ 75,600円
CDプレーヤー 10,800円
CD/DVDプレーヤー+地上デジタルTVチューナー+シートヒーター 43,200円
Boseサウンドシステム+9スピーカー 75,600円
i-ELOOP+i-stop 86,400円 標準装備
15インチヴィンテージタイヤ&ホイールセット 270,000円
カラードソフトトップ 399,600円
カラードAピラー 64,800円
カラードドアミラー 43,200円
フロントエンブレム(七宝焼き)カラー 21,600円
本革レザーシート 318,600円
本革インテリアレザーセット 486,000円
カラードドアアッパートリム 81,648円

参考までに、ベース車であるマツダ・ロードスター(ND)は当時、Sグレードが2,554,200円、S Special Packageの6MTが2,759,400円、6EC-ATが2,872,800円でした。おおよそ200万円ほど高くなっている計算です。手作業で外板を作り替え、全長を430mm延ばすという工程を考えれば、この差額はむしろ良心的といえるかもしれません。

光岡ロックスターのボディカラー全6色!すべてアメリカンな雰囲気を意識

プレスリリースのほとんどが青いロサンゼルスブルーの写真ですが、光岡ロックスターのボディーカラーは6色で、いずれもアメリカの地名が入っています。

  • ロサンゼルスブルー
  • シカゴレッド(129,600円高)
  • ニューヨークブラック
  • シスコオレンジ
  • ワシントンホワイト(162,000円高)
  • アリゾナイエロー(129,600円高)

情熱的なシカゴレッド、かっこいいニューヨークブラック、太陽を思い浮かべるシスコオレンジ、知的なワシントンホワイト、エキゾチックなアリゾナイエローの6色です。シカゴレッド、アリゾナイエローは+129,600円、ワシントンホワイトは+162,000円という設定でした(いずれも消費税率8%当時)。

ソフトトップの色はメーカーオプション(税抜37万円/税込399,600円)で、オフホワイト、ダークレッド、レッド、タンが選択でき、ドアミラーやAピラー、七宝焼きのフロントエンブレムも変更可能でした。中古車を探す際は、このあたりのオプション有無が価格差につながっている点に注意したいところです。

光岡ロックスターの内装はオプション追加で自分好みに!

ロックスターのベース車両になるロードスターの内装

光岡ロックスターの内装は自分好みにカスタムすることが可能だった

光岡ロックスターの内装は、当時の公式ホームページの画像を見る限り、マツダ・ロードスターと大きな変更点は見当たりません。内装に関しては、メーカーオプションによって自分好みにすることを考えた方が良いモデルでした。

ボディーカラーに合わせて、インテリアのカラーを全体的に統一できる「インテリアレザーセット(486,000円)」を追加すれば大きく印象が変わりますが、シートのみ、ドアアッパートリムのみなど予算に応じて細かく設定することも可能でした。

光岡ロックスターは受注開始から約4か月で200台が完売 納車完了までには約3年を要した

光岡ロックスターの先行予約分50台は、創業50周年を記念して、あくまで光岡自動車のオーナー向けに用意されたものでした。2018年11月29日の発表時点で、この50台はすでに完売しています。

残る150台のオーダーは2018年12月1日から受付が始まり、2019年3月22日に限定200台の完売が発表されました。受注開始から約4か月というスピードです。

出荷は2019年7月23日、富山県富山市の本社工場で行われた第1号車のラインオフセレモニーを皮切りに始まりました。初号車を購入したオーナーも招かれ、ラインオフの瞬間をともに分かち合っています。生産計画は2019年度に50台、2020年度と2021年度に各75台という配分で、すべての納車が完了したのは2021年11月。最初のオーダーから最長で3年ほど待ったオーナーもいた計算になります。

光岡ロックスターの評価は?個性派ゆえにヘッドライトの好き嫌いが分かれる!

「欲しい」「お金があれば乗りたい」など、販売価格500万円を出せるかはともかく、SNSなどでは概ね好評だった光岡ロックスター。ただ、ボリューミーなルックスとは裏腹なヘッドライトの小ささに関しては、好き嫌いが分かれました。

もちろんヘッドライトが小さいのは、光岡のデザイナーが狙ってのことです。モチーフとなったC2型コルベットは丸目4灯のリトラクタブルライトでしたが、ロックスターではバンパーに埋め込むように配置された小型のライトがその役割を担っています。フェンダーの造形やフロントフードのデザインを強調したいため、ヘッドライトは主張させないという意図でした。
ただ、最近はヘッドライトの主張が強いフロントデザインが多いので、違和感を覚える人も多かったのかもしれません。

とはいえ、この割り切ったデザインは結果的に唯一無二の存在感につながりました。生産終了から数年が経ってなおスーパー戦隊のヒーローカーに起用され、中古車が新車価格を上回って取引され続けている事実が、その評価を裏づけているといえるでしょう。

光岡ロックスターは車好きをワクワクさせる魅力に溢れている!

ロックスターは、オロチ、ヒミコなど個性的なクルマを作ってきた光岡らしさを持ちつつも、これまでにないアメリカンデザインが新鮮でした。独自路線を突き進む、光岡の新たな可能性を感じてワクワクした人も多いはずです。

そしてロックスターが切り開いた”古き良きアメ車”という路線は、その後も同社の柱として受け継がれています。2023年に創業55周年を迎えた光岡自動車が投入した記念車「M55」は、ホンダ・シビックをベースに1970年代のアメリカ車を思わせるデザインをまとったモデルで、2024年11月の「M55 Zero Edition」(100台限定・808万5000円)以降、限定販売のたびに応募が殺到しています。ロックスターで得た手応えが、確かに次へつながったといえるでしょう。

光岡自動車は2024年4月に経営体制を刷新し、創業家以外から初の社長として大野貢氏が就任、当時社長だった光岡章夫氏は会長へ、創業者の光岡進氏は取締役相談役へと退きました。それでも、100年続く企業を目指すという方針は変わらず掲げられています。個性的なクルマが生まれ続ける光岡自動車から、今後も目が離せません。