車を買い替える前にチェックしておきたい各ドライバーは何年目?どんなタイミングで買い替えを決断したのかや任意保険を切り替える等の必要手続き
「家族が増えた」「フルモデルチェンジが実施された」「ローンを完済した」など車を買い替えるタイミングは様々です。
今回は皆さんが車を買い替えようと思った際に役立つ情報である、各ドライバーは新車を購入してから何年目、どんなきっかけで車を買い替えているのかを確認できる具体的なシチュエーションや、新たなクルマが納車される前に任意保険を切り換える等の必要事項も紹介。
他のドライバーは新車を購入してから何年目に車を買い替えている?「下取り価格」や「年間費用」から解る決断事例
多くのドライバーは新車を購入してから3年目・5年目・7年目・9年目などのタイミングでやってくる車検時に、車検を通さずに車を買い替えようかと意識します。
今回は、フィット・ガソリン車の標準モデルの価格帯である150万円クラスの車両を購入した場合を想定して、3年落ち・5年落ち・7年落ち・9年落ちなどのタイミングにおいての平均的な残価率を用いて、下取り価格や年間費用などの車を買い替える際に意識すべき金額の概算値を計算しました。
それら値を参考としながら各タイミングで車を買い替えている方は、どのような事を意識して買い替えの決断を下したのかの推測も行います。
単位:円
※車検代は3年目と5年目は6万円、以降はパーツ交換費用がかさむと想定して8~12万円とした。
※オイル代は年間走行距離1万kmのクルマを想定して年に1回行うものとして5,000円とした。
※バッテリー代は3年サイクルで一般的な価格帯の15,000円の商品を購入するとして考えた。
※タイヤ代は4年サイクルで新品タイヤ(サマータイヤのみ)を4本セットで購入する場合を考えた。
※その他は、エアコンフィルター交換代・クーラント交換代・タイミングベルトの交換費用など。
※残価率は3年目が55%・5年目は40%・7年目は15%・9年目は10%・10年目以降は0%。
※下取り価格は車両価格に残価率を掛けて求めた値。
※実質費用は合計額から下取り価格を引いた値。
※年間費用は実質費用を経過年数で割った値。
新車を購入してから3年目は下取り価格が最も高いが年間費用も一番かかっているカーライフにおいて多くの車に乗りという方が買い替えを検討する時期である
どのクルマも新車を購入してから3年前後のタイミングで車を下取りに出した方が、型落ちがしていない、走行距離も少ない等のプラス査定が加わるため、より高値が付けられます。しかし、年間費用を他のタイミングと比較すれば、実は最もかかっている事を先の表より確認できます。
この時期に車を買い替える方は、年間費用においては損しても、カーライフにおいては出来るだけ多くの車に乗りたいと考えているものと推測できます。
下取り価格が高い車ほど次の車の買い替え資金を用意しやすい
「下取り」とは、次の車の購入を予定している販売店に今乗っている車の価値を査定してもらって、その額を次の車の購入資金の一部に充てるという事を意味しています。つまり、残価率が高く設定されていて下取り価格が高い車ほど、次の車を買い替える資金を用意しやすくなります。
新車を購入してから5年目のタイミングは残価率が高くて年間費用も抑えられていてお得感があるトレンドの車に乗りたいユーザーは買い替える事も多い
人気車の多くは、5~6年の周期でフルモデルチェンジかビッグマイナーチェンジを行います。モデルチェンジが実施されて走行性能・安全性能・快適性などが高水準化された新型モデルが登場すると、旧型モデルとなった車両の中古車市場での価値は落ちてしまうため、残価率は低下してしまいます。
新車を購入してから5年後のタイミングは、メーカー保証がきれる時期とも重なるため、トレンドの新型車へと乗り換えを考えている方は、残価率も高くて年間費用もある程度は抑えられていて、話題の車にも乗れるので買い替えを意識します。
新車を購入してから7年目のタイミングは残価率がガクッと下がる時期で、パーツの交換費用も計上されやすいので車検を通さない方が多くなる
新車を購入してから7年目のタイミングは残価率がガクッと下がってしまう時期であり、エンジンオイルやエアコンフィルターなどの定期的に交換が必要となるメンテンナンス費用に加えて、修理・交換に多額の費用が計上されてしまうようなパーツ代も加算されてしまえば、平均費用の面ではお得感がなくなってしまうので、車検は通さずに車を買い替えるという決断を下される方もおります。
新車を購入してから9年目のタイミングは年間費用の面では抑えられているので大きな故障が発生するまで乗り続けようと考えているユーザーも多い
新車を購入してから9年目のタイミングは、ジムニーやランドクルーザーといったライフサイクルの長いオフローダーや、アルファード・ヴェルファイアなどの中古車市場でも人気となっている車両以外は、下取りに出しても価値がほとんどなくなっています。
新車を購入してから9年目を超えても乗り続けているオーナーは、年間費用の面ではお得なので、修理・交換に10万円以上の費用が掛かってしまうような変速機等のパーツが故障するまでの間は継続して乗り続けようと考えている場合が多いです。
新車を購入してから11年目のタイミングは残価率が0%となっている車両が多い、平均費用の面ではお得だがボディや燃費の悪さを気にして買い替えを意識される方もいる
耐久性や故障のしにくさでも評価される国産車の多くは、10年以上も乗り続ける事は可能ですが、ほとんどの車両の残価率は0%に設定されてしまいます。
新車を購入してから11年目のタイミングは、年間費用の面ではお得となっていますが、ボディに錆びや変色が目立ち始めてきて、燃費や走りの質は新車時と比較すれば悪くなっています。そうした見栄えや乗り心地の悪さを気にして買い替えを意識される方もおります。
また、ブレーキ系統や足回りに故障が起きていれば、付随して関連するパーツが故障するリスクも高まるため、修理・交換はあえて行わずに買い替えを決断される方もおります。
新車を購入してから13年目は年間費用の面では一番お得だが維持費が高額となり始めるので買い替える方が増える
大きな故障がなければ車は長い年数乗り続けた方が年間費用は抑えることができるため、新車で購入した車は13年目まで乗り続けた方が年間費用の面では一番お得です。
新車登録をしてから13年目の車両は、各パーツが連動して故障しやすい時期でもあるため修理・交換費用が膨らみやすくて、自動車税なども加算されて維持費が高額となり始める
タイミングなので、車の買い替えを検討される方が増え始めます。
「カッコイイ新型車が誕生した」「メーカー保証がきれる」「税金が上がる」など車を買い替えるタイミングの具体的なシチュエーション
このセクションでは統計学的な全体像から把握できる傾向ではなくて、各ドライバーが「ライフサイクルに変化が起きたな」など、具体的にどのようなシチュエーションで車を買い替えているのかについて紹介していきます。
映画・漫画などに登場する劇中車に購買意欲を刺激されてしまった
「ワイルドスピード」や「007」などのエンタメ作品には数多くの劇中車が登場します。憧れの登場人物達が、作品内でドライビングテクニックを披露した魅力的な車両に購買意欲を刺激されてしまったという経験をお持ちの方は多いです。
そういったタイプの映画・アニメなどに登場する劇中車が衝動的に欲しくなってしまったという理由で、車を買い替える決断をされる方もおります。
アウトドアな趣味に目覚めてしまったので積載量の多いクルマへの魅力度が増した
TV番組キッカケで、友人に連れて行ってもらったキッカケで、釣り・サーフィン・キャンプ・スノーボードなどのアウトドアな趣味に突然目覚めてしまうという人も多いです。
アウトドアな趣味にハマったという理由で、より沢山のアイテムを載せられて本格的にアウトドアを楽しめる車へと買い替える方もおります。
メーカー保証が切れているタイミングでエンジンや駆動用バッテリーが故障してしまった
トヨタなどの自動車メーカーは、新車を購入してから5年間または走行距離は10万km以下の場合には、エンジン・トランスミッション・ブレーキ系統が故障してしまった際でも、設定条件をクリアする場合には無料での修理を行うメーカー保証制度を設けています。
メーカー保証制度は延長させる事も可能ですが、延長制度を利用されない方の中には、車種によっても費用は変わってきますが、エンジン系統ならば100万円前後、ミッション系統なら30~40万円程、ハイブリッドに搭載される駆動用バッテリーならば20~30万円程度の費用がかかると見積もられるパーツが故障した際には、高額な修理・交換費用を嫌って車を買い替えるという方が多くいらっしゃいます。
フルモデルチェンジが実施された車・誕生した新型車・復活した車に購買意欲を刺激された
20年ぶりにフルモデルチェンジが実施されて誕生した4代目ジムニー、斬新なエクステリアと高い走行性能が評価されるC-HRなどの新型車の登場、日本市場で復活したハイラックスなどの車両に購買意欲を大いに刺激されて、クルマの買い替えを衝動的に決断されている方も多くいらっしゃいます。
結婚・昇給・転勤などライフサイクルの変化に合わせて車を買い替えるとい方も多い
結婚を機にスポーティな車から子どもや両親も一緒に乗せられる実用的なミニバンなどのファミリーカーへと乗り換えるというパパさん、昇進や昇給を良き機会としてワンランク上の高級車を購入するという方もいらっしゃいます。
転勤や転職によって自宅から勤務先までの距離が延びてしまったので、より低燃費を実現していて燃料代が安くて維持費がリーズナブルとなるエコな車へとチェンジするなど、ライフスタイルの変化に合わせて車の買い替えを決断される方も多いです。
走行距離は「5万km」または「10万km」以下の車の買い取り価格が大きく下がらないタイミング
クルマの走行距離は車の買い取り価格に強い影響を与えるファクターです。新車登録時から5年未満の車であっても走行距離が10万kmを超えている場合には、乗り潰していると車であると客観的に判断されてしまうため査定額が大きく下がってしまいます。
最近の車ではタイミングベルトよりも耐久性の優れた金属製のタイミングチェーン等のパーツを導入しているので、10万kmを超えていても足回りやエンジン系統にトラブルは生じにくくはなっていますが、一般的なイメージとしては10kmを超えていれば高額な修理・交換費用がかかるパーツが故障してしまうリスクが高いと判断されてしまうので、その値を超えていれば買い取り額がガクッと下がってしまいます。
走行距離5万km超えもクルマの買い取り価格が大きく変動してしまうボーダーラインです。そうした事を意識して、乗車中のクルマの走行距離が5万kmあるいは10万kmを超える前のタイミングで新たな車に乗り換えるという選択をされる方もおります。
自己判断でスムーズに車を売却できるローンを完済したタイミング
36回払いの3年ローン・60回払いの5年ローンが完了したタイミングに車を買い替えるという方も多いです。未完済時のクルマの名義人は、ディーラーあるいはローン会社に設定されている為、今乗っている車を売って、新たに買い替えたいと思っていても、自己判断だけでは売却手続きを行う事は出来ません。
ローンが完済していて自己判断だけで車をスムーズに売却できるようになっていれば、車を売った時の代金は全て自分の収入となり、新たな車の購入費などに充てる事が出来ます。より早いタイミングで車を売却した方がリセールバリューは高くなるため、ローンが完了してから間もない時期に車を買い替えるという選択をされる方もおります。
消費税がUPする前・自動車税や重量税が加算される前
2014年4月1日に消費税が5%から8%へと引き上げられた時ほどではないにしろ、8%から10%へと引き上げられる2019年10月となる前に、増税を意識して車を買い替えたという方は一定数おりました。今度も、段階的に消費税が引き上げられる前のタイミングで車を買い替えるという選択をされる方もいるものと予測されます。
車を所有していれば、毎年5月末までに支払い義務が生じる自動車税は新車登録を行ってから11年(ディーゼル車)、13年(ガソリン車、軽自動車)を超えるタイミングで税額をアップさせる逆インセンティブ制度を導入しています。
その他、車検代の内訳に含まれる重量税は新車登録をしてから13年以上、及び18年以上も経過した時期に一定額を加算させる税体系を構築させています。主に中古車を乗り継いでいくドライバーさんは、そういったタイプの税金がアップする前に車を買い替えるという選択を行います。
「納車日を決める」「自動車保険の車両切り替え手続き」を行う等の車の買い替え時に確認しておきたいチェック項目
車を買い替える際に事前に把握していた方が、トラブルを避けられる自動車保険の車両切り替え手続き行うなどのチェック項目を紹介します。
複数の業者に見積りを依頼して車を売却する時に必要となる書類を用意
前の車を売却して得たお金を、新たな車の購入資金にあてようと考えている方には、車の買い取り査定は、一社だけではなくて複数の業者に依頼して、その中から好条件を提示している会社に車を売るというプランをお勧めします。
車を売却する時に必要となる納税証明書などの書類は、業者に依頼する事でも可能ですが、ご自身で用意した方が手数料は掛からないので、売却時の金額額はアップします。
普通車を売却する時の必要となる書類
- 車検証
- 印鑑証明証(発行から1ヶ月以内)
- 自賠責保険証
- リサイクル権
- 譲渡証明書
- 納税証明書
- 委任状
クルマを利用できない日が発生しないような段取りで納車日を設定
前の車の売却日と新しい車の納車日との間のタイムラグが大きくなってしまうと、車を使えなくなってしまう日が発生してしまうので、売却日と納車日は出来れば同じ日に設定するというプランをお勧めします。
任意保険の車両切り替え手続きをFAXやメールでデータを担当者に送信して実行
前の車で加入していた任意保険を、買い替えた車へと移行する手続き行わなければ、新たに購入した車は任意保険の未加入状態であるため、事故が起きてしまった際には十分な補償金が支払われません。
新たな車が納車される前に行うべき、任意保険の車両切り替え手続きは用意した車検証のデータを保険会社の担当者にFAXやメール、ラインなどで送信するだけで簡単に完了できます。
「平均車齢」が年々増えているという事は次の車を買い替えるまでの平均期間も延びているものと推測
※小型車にはノート・アクア・フィットなどの車両が属する
車は何年目で買い替えているのかについての客観的な傾向を把握するために、一般財団法人である自動車検査登録情報協会が公開している「平均車齢」という値を用います。
「平均車齢」とは、ナンバープレートを付けられて新車登録をされてからどのくらいの年数が経過しているかを示している母集団の平均値です。2019年の平均車齢は普通車が8.16年で、小型車は9.12年。30年ほど前の1989年のデータでは普通車が5.21年で、小型車は4.73年となっています。平均車齢は、自動車の耐久性が上がって乗車されている期間が長くなればアップして、廃車となる海外市場に輸出されるとダウンしていきます。
母集団には国内の中古車市場で流通されている車なども標本としてカウントされているため、定性的な主張となってしまいますが、景気の影響や車の製造技術が向上して各パーツが壊れにくくなっている等の事象も加わって平均車齢が年々増えているという事は、各ドライバーが次の車を買い替えるまでの平均期間も以前よりは延びているものと推測できます。
乗用車計 | 普通車 | 小型車 | |
---|---|---|---|
1979年 | 4.18 | 3.80 | 4.18 |
1989年 | 4.75 | 5.21 | 4.73 |
1999年 | 5.60 | 4.37 | 6.11 |
2009年 | 7.48 | 7.49 | 7.47 |
2010年 | 7.56 | 7.48 | 7.62 |
2011年 | 7.74 | 7.59 | 7.85 |
2012年 | 7.95 | 7.72 | 8.12 |
2013年 | 8.07 | 7.79 | 8.28 |
2014年 | 8.13 | 7.78 | 8.4 |
2015年 | 8.29 | 7.9 | 8.61 |
2016年 | 8.44 | 8.01 | 8.8 |
2017年 | 8.53 | 8.07 | 8.94 |
2018年 | 8.6 | 8.12 | 9.03 |
2019年 | 8.65 | 8.16 | 9.12 |
※自動車検査登録情報協会が公表している数値よりデータ参照
自分にとってベストなタイミングで車を買い替えてカーライフを充実させていこう
クルマの買い替えパターンは様々で、新車で購入しリセールバリューが高い3~5年のタイミングで売却される方、中古で購入して廃車になるまで乗るという方など多種多様で、何年目に買い替えるのが理想的であるとは断定できません。
「自分の購買意欲を大いに刺激する新型車が発売された」「新しい家族が増えたのでファミリーカー」「収入がアップしたのでワンランク上の車を買える」など、ご自身のライフスタイルの変化にも合わせた自分にとってのベストなタイミングで車を買い替えてカーライフを充実させていきましょう。