革シートクリーナーで車の座席をキレイに保とう!素材によってはディーラーに頼むのも安心
革シートは、その手触りやしっかりとした張り、高級感のある内装として非常に人気があります。しかし、車に乗るたびに触れる部分であるため、汗や皮脂、衣服の摩擦による汚れが蓄積しやすく、日々のお手入れが大切です。定期的なケアを行うことで、シートを長持ちさせ、美しい状態を維持できます。
革シートのお手入れの基本的な手順は、まず掃除機でホコリやゴミを吸い取り、その後、固く絞った布などで表面の軽い汚れを落とし、最後に素材に合った革シートクリーナーと保護剤で仕上げることです。ただし、シート素材には「合成皮革」「本革(顔料仕上げ)」「セミアニリン本革(染料仕上げに近い)」などがあり、デリケートな素材の場合は、DIYで強く擦るとシミや色落ち、表面の劣化につながることがあります。
特にセミアニリン本革や高級な本革(染料仕上げ)の場合は、非常にデリケートなため、本格的なクリーニングや保護の工程はディーラーや専門業者に依頼する方が安心です。日常的なホコリ取りやごく軽い汚れの除去はDIYで行い、素材の特性を理解した専用クリーナーや保護剤でケアするのが理想的といえます。
シートの縁など目立たない場所で試してから塗布しましょう
革シートクリーナー・中性洗剤・メラミンスポンジによる汚れ落としの比較と注意点
車の助手席についたジーンズの色移りをDIYクリーニングで落としてみます
車の運転席や助手席に付いたジーンズの色移りを、革シートクリーナー・メラミンスポンジ・中性洗剤(薄め液)・蒸しタオルを比較しながらDIYクリーニングで落としてみました。用意したものは、シュアラスターのレザーケアフォーム、マイクロファイバークロス、中性洗剤、メラミンスポンジなどです。
革シートのジーンズ色移り清掃に用意したもの
- 中性洗剤(食器用など)
- メラミンスポンジ(使用は推奨されません※)
- ハンディ掃除機
- 馬・豚・山羊ブラシ・ハケ(ホコリ取り用)
- マイクロファイバークロス
- レザーケアフォーム(シュアラスターなど)
※注意:メラミンスポンジは研磨作用が強く、特に本革やデリケートな革シートに使用すると表面のコーティングや塗膜を剥がし、色落ちや光沢ムラ、劣化の原因となるため、使用は強く推奨されません。使用する場合は自己責任のもと、目立たない場所で試してから力を入れずに最小限の範囲で行ってください。
左から山羊ブラシ、馬ブラシ、豚ブラシ。山羊は柔らかく、馬は中間、豚は硬めの使い心地です。
シガーソケットに接続して使えるハンディ掃除機でホコリやゴミを吸い取ります
まずはブラシやハケ、ハンディ掃除機で革シート全体のホコリやゴミ、髪の毛を落とします。水拭きやクリーナーで湿らせる前にホコリを取り除くことで、革を傷つけず、仕上がりがよりきれいになります。最初は運転席側の小さなジーンズ汚れから挑戦しました。
シートのキワや糸の部分に青いジーンズの色移りがある
シート背もたれ部分も全体的にくすんでいます
これらの色移りを水拭き、蒸しタオル、中性洗剤などを使い、効果を比較しながら順番に試していきます。
固く絞ったマイクロファイバークロスで水拭き
まずは水拭きで汚れを拭いてみました。軽いホコリや表面の汚れは落ちますが、強く擦ると革表面のコーティングを傷つけ、ヒビ割れの原因になることがあるため注意が必要です。
水拭きだけでは色移りは残ります
蒸しタオルを使って色移りを試すも効果なし
蒸しタオルを数秒押し当ててから乾拭きしましたが、染み込んだ色移り汚れはほとんど取れませんでした。軽度の皮脂汚れには効果がある場合があります。
中性洗剤をウエスに吹き付けて拭いてみる
水で中性洗剤を5~10倍程度に薄めて泡立てます
次に中性洗剤を水で薄めた洗剤液をウエスに含ませ、シートを拭きました。少しずつ表面のくすみが取れ、白さが回復したように見えます。洗剤液が濃すぎたり、水分が多すぎたりするとシート表面がぬるついたり、シミの原因になったりするので注意が必要です。
ウエスでシート全体を拭いてから乾拭き
全体的にくすみが取れ、白さを少し取り戻しました
水を含ませて軽く絞ったメラミンスポンジで拭く
座面前側の汚れはメラミンスポンジでスッキリ落ちた
(※繰り返しとなりますが、メラミンスポンジは研磨作用が強いため使用は推奨されません)
自己責任のもと、デリケートではないと判断した箇所にメラミンスポンジを使ったところ、水拭きや中性洗剤で落ちなかったジーンズ汚れや黒ずみが最も効果的に除去できました。使用時は力を入れすぎず、軽く擦るだけで汚れを除去できます。
最も気になっていた助手席側のジーンズ汚れ
メラミンスポンジで1回擦っただけで色がかなりキレイになったのが分かります
助手席側にも目立つジーンズ汚れがあったため、メラミンスポンジで軽く擦ってみました。ステッチ付近にしっかりついていた色移りも1回の施工でほとんど取れ、乾拭き後にはサイド面が鮮やかに蘇ったことが分かります。
メラミンスポンジで助手席のジーンズ汚れが落ちました
最後にシュアラスターのレザーケアフォームで仕上げを行います
缶スプレータイプなのでよく振ってから乾いたウエスにスプレーを噴射します
汚れを落とした後は、シュアラスターのレザーケアフォームで仕上げと保護を行います。カルナバ蝋が含まれているためツヤ出しができ、シリコン不使用なので滑りも発生しません。乾いたウエスにスプレーを噴射し、シート全体を拭き上げます。
革シートのDIYクリーニングが終わった助手席側
車の革シートのセルフクリーニングが終わった運転席側
レザーケアフォームでシート全体を拭き、最後に乾拭きすれば完了です。ホワイトやベージュなどの薄い色の革シートは、黒ずみやジーンズの色移りが目立ちやすいため、定期的なクリーニングと、最後に必ず保護剤(レザーケアフォームなど)で油分を補給し乾燥を防ぐことで、美しい状態を長く維持できます。
革シートクリーナーを使う前はシートの素材を必ずチェックしよう
革シートは車種やグレードによって使用されている革の種類が異なります。一般的に高級車ほど、使用される革素材も高品質でデリケートなものが多く、普段のメンテナンス方法にも細心の注意が必要です。特にデリケートな高級素材は、日常のお手入れはホコリを取り除く程度に留め、本格的なクリーニングはディーラーや専門業者に任せるのが安全で安心です。
レザーシートの種類とデリケートさの目安
- 合成皮革(フェイクレザー):最も耐久性が高く、水や汚れに強い。DIYクリーニングも比較的安心。
- 本革(顔料仕上げ):表面にコーティングがあり、耐久性は中程度。水や油に弱くシミになりやすいが、DIYクリーニング可能。
- セミアニリン本革(染料仕上げに近い):革本来の風合いが豊かで非常に柔らかいが、極めてデリケート。シミになりやすく、DIYクリーニングは避けるべき。
合成皮革や本革、セミアニリンなど、素材によってお手入れ方法も異なります
標準装備はファブリックシートでも、オプションでレザーシートを選択できる車種も多く、その多くは合成皮革(フェイクレザー)が使われています。座面や背もたれがファブリックで、両端やヘッドレストに合成皮革を使ったコンビシートや、全面を合成皮革で覆ったタイプなどがあります。
合成皮革は人工素材のため耐久性が高く、防水・防汚タイプもあるため比較的扱いやすく、DIYクリーニングも安心して行えます。
一方で、本革やセミアニリン本革は天然素材ならではの手触りや風合いがありますが、乾燥や水、油分に弱く、ひび割れやシミになりやすいという特徴があります。特にセミアニリン本革は、表面の塗膜が薄く非常にデリケートなため、日常の手入れはホコリを取り除くだけに留め、クリーニングや汚れ落としはディーラーサービスや専門業者に依頼するほうが安全で、長く美しい状態を維持できます。
革シートクリーナーで汚れを落とそう!合成皮革・本革・セミアニリンの手入れ方法は素材ごとに違う
革シートクリーナーを使ったレザーシートのお手入れ方法を紹介します。合成皮革・本革(顔料仕上げ)・セミアニリン本革の3種類では、クリーニング方法や推奨されるクリーナーの種類が大きく異なります。必要なものは、マイクロファイバークロス・革シートクリーナー・ハンディクリーナーです。必ず素材に合ったクリーナーを使うことが大切です。
レザーシートの手入れに必要な道具
- ハンディクリーナーまたは柔らかいブラシ
- マイクロファイバークロス(柔らかく毛羽立ちの少ないもの)
- 革シートクリーナーおよび保護剤(素材に合ったタイプ)
充電式のハンディクリーナーでホコリを吸い取ります
マイクロファイバークロスは用途(水拭き、クリーナー塗布など)で色別に使い分けると便利です
革シートクリーナーは購入時に用途や対応素材を確認して使用しましょう
雑巾ではなく、毛羽立ちが少なく柔らかいマイクロファイバークロスを使用することで、革を傷めずに優しく掃除できます。
合成皮革シートの手入れは水拭きや専用クリーナーでOK!まずは目立たない場所から試す
合成皮革のシート
合成皮革のシートは人工素材で作られており、耐久性が高く水や汚れに強いため、普段使いでも比較的安心して手入れできます。軽い汚れであれば水拭きだけでも十分に落とせる場合があります。まずは掃除機をかけてホコリやゴミを取り除きましょう。
合成皮革シートのクリーニング手順
- ハンディクリーナーでホコリやゴミを吸い取る
- 硬く絞ったマイクロファイバークロスで水拭き(または中性洗剤の薄め液で拭く)
- 乾いたマイクロファイバークロスで乾拭きして水分を完全に取る
- 合成皮革用の革シートクリーナーを薄く塗布し、保護膜を作る
- 仕上げに乾拭きして完了
掃除機でホコリを除去し、水拭きで表面の汚れを落とすことで、革シートクリーナーの効果がより高まります。合成皮革であっても水分が残っているとカビやニオイの原因になるため、必ず乾拭きして乾燥させることが重要です。
本革シートの手入れは合成皮革と似ているが、水気に注意し丁寧に行う必要あり
本革シート
本革シート(顔料仕上げ)は天然素材で作られており、独特の手触りや風合いを楽しめます。しかし、ソファなどと同じく、メンテナンスを怠ると乾燥によるひび割れや色あせなどのトラブルが発生します。そのため、定期的なお手入れが必要です。
本革シートのメンテナンス手順
- ハンディクリーナーでホコリやゴミを吸い取る
- 硬く絞ったマイクロファイバークロスで優しく水拭き(シミに注意)
- 乾いたマイクロファイバークロスで素早くしっかり乾拭き
- 本革用クリーナーと、必ず保護剤(レザーコンディショナーなど)を塗布する
- マイクロファイバークロスで仕上げ拭きをして完了
本革シートは水分に弱くシミになりやすいため、濡れた状態を放置せず乾拭きを徹底しましょう。クリーナーを塗布する際も力を入れすぎず、爪や硬い物で擦らないよう細心の注意を払ってください。乾燥による劣化を防ぐため、クリーナーで汚れを落とした後は、必ず保護剤(レザーワックスやコンディショナー)を塗布し、油分を補給することが重要です。
セミアニリン本革シートは非常にデリケート。クリーニングは専門家に任せるのが無難
セミアニリン本革シート
高級ブランド車に採用されるセミアニリン本革は、革の風合いを最大限引き出した非常にデリケートな素材です。その反面、本革(顔料仕上げ)よりもさらにデリケートで、水分やクリーナーの相性が悪いとシミや変色、撥水性・防汚性の劣化の原因になります。そのため、ユーザー自身でのクリーニングは、ホコリ取り程度に留め、掃除機や柔らかいブラシでのお手入れが強く推奨されます。
セミアニリン本革のメンテナンス手順
- ハンディクリーナーや非常に柔らかいブラシでホコリを取り除く
- 水拭きや市販のクリーナーの使用は避け、メーカー純正のメンテナンスキットがあれば手順を確認のうえ使用する
- 本格的な汚れ落としはディーラーまたは専門業者に依頼する
ディーラーでは、セミアニリン本革に対応したレザークリーニングサービスや、適切なメンテナンスキットを提供している場合があります。純正メンテナンスキットがあれば、手順や注意書きを確認のうえで使用すると、革本来の風合いを維持しながら安全に手入れできます。
コンビニなどのウェットティッシュは革シートに使っても大丈夫?アルコール成分に注意
革シートにアルコールや有機溶剤、シンナー、漂白剤などを使用すると、革に必要な油分が奪われて乾燥が進み、ひび割れ、変色、シミの原因になるため厳禁です。コンビニで配られるお手拭きや市販のウェットティッシュにはアルコールが含まれていることが多く、使用する際は十分に注意が必要です。
アルコール入りウェットティッシュで革シートを拭くことによるリスク
- 一時的に汚れは拭き取れる
- 革の油分が失われ、乾燥によるひび割れのリスクが高まる
- 色落ちや変色、シミになる可能性が高くなる
ただし、コンビニお手拭きなどに含まれるアルコール濃度は高くないため、緊急で一時的な軽い汚れを拭き取る程度であれば問題なく使える場合があります。不安な場合は、必ずシートの目立たない端の部分で試してから使用すると安心です。使用後は、革専用の保護剤を塗布して油分を補給することをおすすめします。
セミアニリン本革シートはデリケートだが、合皮や本革はDIYでクリーニング可能
本革シートは高級感があり人気のオプションですが、手入れを怠るとホコリまみれでツヤがなくなり、乾燥によるひび割れた状態になってしまいます。標準のファブリックシートは長く使っても見た目が少しヘタる程度ですが、合皮や本革シートは定期的なメンテナンスが必須です。
本革シートの種類は「合成皮革」「本革(顔料仕上げ)」「セミアニリン本革」に大別されます。合成皮革や一般的な本革は、水拭きや市販の革シートクリーナーで手入れ可能ですが、セミアニリン本革は非常にデリケートで水気を嫌うため、ホコリ取り程度に留め、メーカー純正のメンテナンスキットや専門業者への依頼をおすすめします。
ディーラーサービスでは、セミアニリン本革にも対応した専門的なレザークリーニングを行っているところもあります。革シートはファブリックに比べて手間がかかりますが、定期的に適切な手入れをすることで、新車のようなツヤと風合いを長く保つことができます。






















