GRシリーズに加わった注目モデル GRスープラ・コペン・C-HRとその後のGRの進化
2019年以降のGRシリーズには、新型GRスープラ・コペン GRスポーツ・C-HR GRスポーツ・プリウス GRスポーツ・カローラ GRスポーツが順次加わりました。その後もGRシリーズは進化を続け、GRヤリス・GRカローラといったGR専用コンプリートモデルへと発展しています。
GRスープラ GRシリーズ初の世界戦略車として2019年春に復活
GRスープラはGRシリーズ初のグローバルモデルとして2019年春に発売されました。BMWとの共同開発で生まれ、2002年に生産終了した先代A80スープラを超える運動性能を備え、全世界に熱狂的なファンを持つ名車が17年ぶりに復活しました。ラインオフした第一号車がチャリティオークションに出品され、約2億3,000万円で落札されたことも大きな話題を呼びました。
そのGRスープラ(A90型)も、トヨタの発表により2026年3月で生産を終了し、新車の注文受付もすでに終了しています。オーストリアのマグナ・シュタイヤー社でBMW Z4とともに生産されてきた委託契約が終わることが背景にあり、Z4も同時期に生産を終えました。後継モデルの登場時期は未定ですが、これにより現行型は中古車で探すモデルとなりました。上級グレードRZは3.0L直6ターボで最高出力387ps・最大トルク500Nmを発揮し、絶対的な速さを求める層に今も強く支持されています。間近で対面すると、ロングノーズとショートデッキが生む塊のようなフォルムに、歴代スープラの系譜を感じさせる迫力があります。
コペン GRスポーツ GRシリーズ初の軽自動車オープンモデル
コペン GRスポーツは2019年1月の東京オートサロンで発表され、同年10月にGRシリーズ初の軽自動車として正式にラインナップへ加わりました。軽自動車規格の制約からエンジンには手を入れず、ボディ剛性強化と足回りの最適化で走行性能を高めています。GR専用フロントマスクのデザインも評価が高く、軽自動車の枠を超えた国産ライトウェイトスポーツとしての存在感を示してきました。なお同モデルは2026年8月で生産終了が公表されています。
2名乗りのオープン軽スポーツに引き締まった足を与えた一台で、屋根を開けて走る非日常感と、軽自動車ならではの維持費の軽さを両立したい層に刺さります。一方、荷室や乗車人数の余裕はほぼないため、実用性を求める使い方とは噛み合いません。MTを選べば操る楽しさが増し、CVTを選べば街乗りが楽になるため、用途で割り切って選ぶのが向いています。
| グレード名 | CVTモデル | 5MTモデル |
|---|---|---|
| 駆動方式 | 2WD | |
| 全長 | 3,395mm | |
| 全幅 | 1,475mm | |
| 全高 | 1,280mm | |
| ホイールベース | 2,230mm | |
| 車両重量 | 870kg | 850kg |
| エンジン | KF型(658cc) | |
| 最高出力 | 47kW(64ps)/6,400rpm | |
| 最大トルク | 92Nm(9.4kgm)/3,200rpm | |
| ミッション | CVT | 5速MT |
| WLTCモード燃費 | 19.2km/L | 18.6km/L |
| 乗車定員 | 2名 | |
C-HR GRスポーツ 精悍なデザインとスポーティな足回りが魅力のコンパクトSUV
C-HR GRスポーツは2019年10月のC-HRマイナーチェンジ時に追加されたモデルです。専用チューニングサスペンション・ボディ剛性強化・GR専用フロントデザイン・19インチアルミホイールを採用し、コンパクトSUVのスタイリッシュなデザインにさらなるスポーティさを加えていました。C-HRが2023年8月に日本での新車販売を終えたことで、このモデルも役目を終えています。
ハイブリッド(2ZR-FXE)とガソリンターボ(8NR-FTS)の2タイプがあり、燃費を重視するならハイブリッド、軽快な吹け上がりとMT(iMT)の操作感を楽しむならガソリンターボが向きます。19インチの足は見た目と接地感に効く反面、乗り心地はやや硬めになるため、街乗り中心で快適性を重視するか、デザインと走りを優先するかで評価が分かれます。中古では個性的なクーペSUVルックを手頃に手に入れたい層に支持されています。
| グレード名 | S”GR SPORT”(ハイブリッド2WD) | S-T”GR SPORT”(ガソリン2WD) |
|---|---|---|
| 駆動方式 | 2WD | 2WD |
| 全長 | 4,390mm | 4,390mm |
| 全幅 | 1,795mm | 1,795mm |
| 全高 | 1,550mm | 1,550mm |
| ホイールベース | 2,640mm | 2,640mm |
| 車両重量 | 1,450kg | 1,400kg |
| エンジン | 2ZR-FXE(1.797L) | 8NR-FTS(1.196L) |
| 最高出力 | 72kW(98ps)/5,200rpm | 85kW(116ps)/5,200-5,600rpm |
| 最大トルク | 142Nm(14.5kgm)/3,600rpm | 185Nm(18.9kgm)/1,500-4,000rpm |
| モーター最高出力 | 53kW(72ps) | - |
| モーター最大トルク | 163Nm(16.6kgm) | - |
| ミッション | 電気式無段変速機 | iMT(6速MT) |
| JC08モード燃費 | 29.0km/L | 15.2km/L |
| 乗車定員 | 5名 | 5名 |
プリウス GRスポーツ 量産ハイブリッドにGRの走りを加えたモデル
プリウス GRスポーツは、世界初の量産ハイブリッドカーとして長くトヨタを代表してきたプリウスにGRシリーズを追加したモデルで、多くのファンが待ち望んでいました。2018年のマイナーチェンジで刷新されたエクステリアに、GR専用の足回りチューニングとデザインパーツを組み合わせています。プリウスの新型(5代目)への移行に伴い役目を終えています。
低燃費の象徴であるプリウスに、引き締まった足と専用エアロでスポーティさを与えた点が個性です。燃費の良さは保ちつつ見た目と走りの質感を上げたい層に向き、エンジンチューンはないため絶対的な速さを求める用途とは目的が異なります。中古ではプリウスの流通量の多さから比較的探しやすく、GRスポーツならではの専用装備で他のプリウスと差をつけたい層に支持されています。
カローラ GRスポーツ 欧州カローラがベースのスポーツモデル
カローラ GRスポーツは2019年3月のジュネーブモーターショーで発表され、欧州では2020年1月から販売が始まりました。欧州カローラ(日本名カローラスポーツに相当)をベースに1.8Lと2.0Lのハイブリッドを組み合わせ、GRスポーツ仕様の足回りとエクステリアを装備したモデルです。日本ではカローラスポーツをベースとした同名モデルが後に設定され、こちらも現在は新車販売を終えています。なお、GRカローラ(GRカローラ RZ)は2022年から日本で販売が始まった別のGR専用コンプリートモデルで、カローラ GRスポーツとは成り立ちの異なる存在です。両者は名前が似ているため混同されやすく、エンジン内部まで専用設計したGRカローラに対し、カローラ GRスポーツはベース車の実用性を活かしたライトスポーツという違いがあります。
トヨタGRシリーズは車本来の楽しみを感じられる人気のコンプリートカー
トヨタGRシリーズは2017年のブランド本格展開以降、ミニバン・SUV・コンパクトカー・ハイブリッドカーまで幅広い車種にスポーツテイストを加え、「誰もが走る楽しさを体験できるコンプリートカー」として多くのドライバーに支持されてきました。
本記事で紹介したマークX・ヴィッツ・86・アクア・ヴォクシー・ノア・ハリアー・プリウスα・プリウスPHV・C-HRなどのGRモデルは、いずれも新車販売を終え、現在は中古車市場で探すモデルです。現在のラインナップは、GR専用設計のGRヤリス・GR86・GRカローラが中核を担い、RAV4・カローラクロス・ランドクルーザーなどにGRスポーツが設定されています。世界戦略車として復活したGRスープラは2026年3月で生産を終え、コペン GRスポーツも2026年8月での生産終了が公表されています。特にGRヤリスとGRカローラは、モータースポーツ参戦で得た知見を投入した専用設計のコンプリートモデルとして、世界的にも高い評価を受けています。
中古でGRシリーズを選ぶときに確認したいチェックポイント
歴代GRモデルの多くは中古でしか手に入らないため、選ぶ際は新車とは違う視点が必要になります。失敗を避けるために押さえておきたいのは次の点です。
- 限定車は相場が高止まりしやすい:マークX GRMNやヴィッツ GRMNのような数量限定車は流通量が極端に少なく、価格が下がりにくい傾向があります。割安に見える個体は、過走行や修復歴が隠れていないか慎重に確認することが大切です。
- サーキット走行歴のある個体に注意:86 GRやスープラなど走りに振ったモデルは、サーキットで使い込まれた個体も流通します。ブレーキやタイヤ、足回りの消耗が進んでいることがあるため、整備記録の有無を確認しておくと安心です。
- ハイブリッド・PHVは駆動用バッテリーの状態:アクアやプリウス系のGRスポーツは、走行距離が伸びるとハイブリッドシステムの劣化が気になりやすくなります。年式と走行距離のバランスを見て選ぶと、購入後の維持費を見通しやすくなります。
- 専用部品の入手性:限定車の専用エアロや専用ホイールは、破損時に部品が手に入りにくいことがあります。外装の状態をよく確認しておくと、後々の補修で困りにくくなります。
当時のモデルを探すなら、同じ車種でもグレードや仕様で性格が大きく変わる点を踏まえ、装備の違いと自分の使い方を照らし合わせて選ぶことが、満足度の高い一台にたどり着く近道です。
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