プリウスPHV GRスポーツ

プリウスPHV GRスポーツは2017年発売 5代目プリウス統合で廃止 現行はGRスポーツ未設定

5代目プリウスにGRスポーツはあるのか、プリウスPHVはどうなったのかを解説します。プラグインはプリウスPHEVへ一本化されG/Zの2グレード展開となり、2026年時点でもGRスポーツグレードは未設定。GR PARTSでの対応にとどまる現状をまとめました。

プリウスPHV GRスポーツは2017年発売 5代目プリウス統合で廃止 現行はGRスポーツ未設定

プリウスPHV GRスポーツが2017年9月19日に発売

2017年2月にフルモデルチェンジしたばかりのプリウスPHVへ、スポーティーな魅力を加えた「プリウスPHV GRスポーツ」が2017年9月19日に発売されました。この記事では、当時のプリウスPHV GRスポーツがどのようなグレードだったのかを、装備や価格とあわせて振り返ります。

プリウスPHV GRスポーツは、トヨタがスポーツコンバージョンシリーズの名称を「GR」へ統一してから最初にラインナップされたモデルの一つで、登場前から注目を集めていました。
発売当時のプリウスPHV GRスポーツについて、エクステリアやインテリアの特徴を詳しく紹介していきます。なお、現在は後述のとおりカタログから外れており、入手は中古車が中心となります。

プリウスPHV GRスポーツは5代目プリウスへの統合で廃止 現行にGRスポーツグレードは未設定のまま

プリウスPHV GRスポーツは、2代目プリウスPHV(プリウス50系ベース)に設定されていたグレードです。2023年1月10日に5代目プリウス(60系)へフルモデルチェンジした際、プラグインハイブリッドはプリウス本体のラインナップへ一体化され、独立車種としての「プリウスPHV」は姿を消しました。あわせて呼称も、従来の「PHV」からグローバルで一般的な「PHEV」へと改められています。
これにともない、プリウスPHV GRスポーツもカタログ落ちとなりました。

統合後のプリウスPHEVは、当初は上級のZ(プラグインハイブリッド)のみでしたが、2024年10月1日に標準グレードの「G」が追加され、現在はGとZの2本立てとなっています。EV走行距離は87km(WLTC)と、日常の移動を電気中心でまかなえる実力を備えます。

一方で、5代目プリウスにはGRスポーツが設定されていません。登場当初は「いずれプリウスにもGRスポーツが追加されるのでは」との見方もありましたが、フルモデルチェンジから3年以上が経過した現在でも、プリウス/プリウスPHEVにGRスポーツ“グレード”は用意されていません。トヨタが公式に展開しているのは、エアロパーツやパフォーマンスダンパーなどを組み合わせる「GR PARTS」(カスタマイズパーツ)にとどまります。
GRスポーツというグレード自体は、アクアなど他のトヨタ車では設定が続いており、直近でも新規追加の動きがあります。それだけに、初期のGRブランドを象徴する一台だったプリウスPHV GRスポーツの系譜が、現行プリウスに引き継がれていないのは少し惜しく感じられます。

2017年からトヨタのスポーツコンバージョンモデルの名称が「GR」に統一

新型プリウスPHV GRスポーツのリヤビュー

かつてトヨタのスポーツコンバージョン(転換)車には、「GRMN」「G’s」「RS」といった名称が併存していました。この名称を整理し、2017年以降はGRシリーズへ統一する方針が打ち出されます。その第一弾として選ばれたのが、プリウスPHV GRスポーツでした。

従来の名称 2017年以降の名称
GRMN GRMN
G’s GR
RS GRスポーツ
GR PARTS

この方針のもと、プリウス以外でもアクアやノア、ヴォクシーなどへ順次GRシリーズが広がっていきました。2017年10月の東京モーターショーでは、これらGRシリーズがまとめて披露されています。
当時整理された「GRMN」「GR」「GRスポーツ」の位置づけと、それぞれの専用装備の考え方は次のとおりでした。

GRMN

パワートレインなどの内部パーツを含め、車を高いレベルまで作り込む頂点グレード

GR

内部パーツやパワートレインにも手を入れる中核グレード

GRスポーツ

足回りを中心に、スポーティーな内外装へと仕立てるベーシックグレード

GR PARTS

各パーツをスポーティーなものへ換装するカスタマイズパーツ

プリウスPHVのコンバージョンは「GRスポーツ」の範囲にとどまりました。エコを前面に押し出してブランドイメージを築いてきたプリウスの名を冠する以上、いきなり最上位まで踏み込まなかったのは自然な判断だったといえます。
それでも、抜群の低燃費とスポーティーな装いを両立した一台に乗れることは、当時のユーザーにとって十分に魅力的でした。

プリウスPHV・GRスポーツは外部電源としても利用できる優れた車

ベースとなった2代目プリウスPHVは、プリウス50系をもとに開発され、4眼ヘッドライトや専用フロントバンパーなどでプリウスとの差別化が図られていました。

PHV(プラグインハイブリッドカー)とは、コンセントにプラグを差し込んで充電できるタイプのハイブリッドカーです。専用の機器を用いれば、家庭用コンセントからの充電にも対応します。

車両のコンセントに電化製品のプラグを差し込めば、バッテリーに蓄えた電気を取り出して使えます。プリウスPHVはアウトドアでホットプレートなどの電化製品を使えるほか、災害時の非常用電源としても役立つ車でした。そこへ走りの魅力を加えたのが、プリウスPHV GRスポーツです。

使った電力は、ソーラー充電システムによって再び蓄えることもできました。いざという時に外部電源として使える点は、プリウスPHVならではの強みでした

プリウスPHV GRスポーツのエクステリアの特徴はフロントグリルとロゴマーク

プリウスPHV GRスポーツフロントビュープリウスPHV GRスポーツ(ホワイトパールクリスタルシャイン)のイメージ

GRシリーズのエクステリアは、専用色に塗られGRのロゴが入るブレーキキャリパーが目を引きます。車体のフロント・リヤ・サイドには、それぞれ専用エンブレムが配されていました。

プリウスPHV GRスポーツのバンパー

フロントグリルには、走りの機能性を突き詰めた「Functional MATRIX」グリルを採用。存在感のある造形が、ベース車との違いを強く印象づけていました。

プリウスPHV GRスポーツのアイライン

プリウスPHVの魅力である4眼のLEDヘッドランプは、GRスポーツではよりシャープな印象に仕上げられていました。

プリウスPHV GRスポーツでは「アルミ製ペダル」・「タコメーター」を設置

プリウスPHV GRスポーツの内装プリウスPHV GRスポーツ 内装色ブラックのイメージ

インテリアでは、専用のアルミ製ペダルや専用設計のタコメーターを備え、スポーツ仕様車らしい存在感を高めていました。

プリウスPHV GRスポーツのメーター

モニターには「GR」のロゴが表示されるなど、視覚的な演出でもベース車との差を感じさせ、運転する高揚感を演出していました。

プリウスPHV GRスポーツでは走りの安定感がさらに高まる

横から見た新型プリウスPHV

プリウスPHVはもともと、リヤ寄りに搭載したリチウムイオンバッテリーによって重心が下がり、走行中の安定感が高いと評価されていました。

GRスポーツはその素性をさらに引き上げるべく、専用チューニングのサスペンションなどを採用し、走りの安定感を一段と高めていました。

プリウスPHV GRスポーツの主要装備・ボディカラーなどのスペック

トヨタが2017年9月19日に公表したプレスリリースをもとに、当時のプリウスPHV GRスポーツの主要スペックを紹介します。

プリウスPHV GRスポーツ
ベースグレード S ナビパッケージ S
ボディカラー ・ホワイトパールクリスタルシャイン(メーカーオプション)
・シルバーメタリック
・グレーメタリック
・アティチュードブラックマイカ
・エモーショナルレッド(メーカーオプション)
・サーモテクトライムグリーン(メーカーオプション)
・スピリテッドアクアメタリック
全7色
主要装備 ・専用チューニングサスペンション
・ブレース追加
・専用メーター(GRロゴ設置)
・シフトノブ(スモークブラック加飾)
・アルミペダル
・小径ステアリングホイール

プリウスPHV GRスポーツの販売価格は約370万円台から

プリウスPHV GRスポーツは、当時の新型プリウスやC-HRと同じTHS2(TOYOTA Hybrid System2)を採用していました。発売時の価格は、S GRスポーツが370万円台、S ナビパッケージGRスポーツが410万円台でした。

プリウスPHV GRスポーツの販売価格
グレード メーカー希望小売販売価格
S ナビパッケージGRスポーツ 4,181,834円~
S GRスポーツ 3,695,634円~

プリウスPHV GRスポーツのベースであるグレードSのスペック

プリウスPHV GRスポーツのベースとなった、プリウスPHV・グレードSのスペックは以下のとおりです。

全長 4,680mm
全幅 1,760mm
全高 1,470mm
ホイールベース 2,700mm
最小回転半径 5.1m
燃費 37.2km/L
EV走行換算距離 68.2km
電力消費率 10.54km/kwh
燃料 無鉛レギュラーガソリン
乗車定員 4名
車両重量 1,510kg
エンジン 水冷直列4気筒DOHC
総排気量 1.797L
モーター 交流同期電動機
動力用主電池 リチウムイオン電池
総電力量 8.8kwh

プリウスPHVにGRスポーツをラインナップした効果は大きかった

プリウスPHV GRスポーツ

プリウス本体より先に、プリウスPHVへGRスポーツを設定したことには、「PHV」と「GRシリーズ」双方の認知を同時に高める狙いがあったと考えられます。

先にプリウスPHVで展開することで、「プリウス=エコ」という強いイメージに縛られず、外部電源としても使えるPHVの可能性と、GRシリーズの走りの魅力を印象づけられたはずです。
初期のGRブランドを語るうえで欠かせない一台が、この2017年9月19日発売のプリウスPHV GRスポーツでした。現行プリウスにGRスポーツが設定されていないいまだからこそ、その存在は改めて振り返る価値があるといえるでしょう。