トノカバーの必要性:メリット・デメリットから車種と利用目的で判断
トノカバーは、主にハッチバック車、ステーションワゴン、SUV、ピックアップトラックといった、キャビンと荷室(ラゲッジルーム)が一体化している、または接続している車両に設置されるカバーアクセサリーです。レヴォーグやC-HRのように標準装備されている車種もありますが、後から追加設定が必要な車も多くあります。
ここでは、トノカバーのメリット・デメリットや、ハイラックス、ハリアーなどの車種に設定可能な純正アクセサリーの特徴や販売価格をご紹介します。
トノカバーの役割:荷室の目隠しとプライバシー保護
トノカバーは、ラゲッジルームに積載した荷物を覆い隠すことで、プライバシー保護に貢献するアクセサリーです。
乗用車の場合、トノカバーはステーションワゴン、SUV、ハッチバックなどのラゲッジルーム(荷室)の開口部付近に設置されます。ピックアップトラックにおいては、荷台(トノ)全体を覆うハードタイプやソフトタイプの商品を指すこともあります。
トノカバーの素材には、布やビニールといった柔軟なもの、あるいはプラスチックやアルミといった硬質なものが採用されます。利用しない時には簡単に取り外せるものや、巻き取ってコンパクトに格納できる仕組みのトノカバーもあります。
トノカバーのメリット:防犯性と荷物の保護
トノカバーの役割は、荷室の目隠しだけではありません。車上荒らしの防止や、積載物の状態維持など、複数のメリットがあります。
荷物を隠せるため防犯性が高まる
トノカバーを利用すれば、荷室に収納したアイテムを外部から見えなくすることができるため、防犯性が高まります。室内の状態が確認しやすい車ほど、車上荒らしのターゲットになりやすいため、トノカバーで荷室を確認しにくくすることは防犯対策として有効です。
直射日光のダメージから荷物を守れる
トノカバーを利用すると、リヤガラスやサイドガラスから透過する太陽光(直射日光や紫外線)から、積載物を保護することができます。
特に食品やデリケートなアイテムは、直射日光によるダメージを受けやすいため、トノカバーを設置することで劣化を防ぐ効果が期待できます。また、車内の温度上昇抑制にもわずかながら貢献する場合があります。
トノカバーのデメリット:利便性の低下
トノカバーには便利な点が多い一方で、いくつかのデメリットも存在します。
荷物のサイズや形状が制限される
トノカバーを設定しているとラゲッジスペースに収納できる荷物の形状やサイズが制限される
トノカバーを設置すると、その内部空間に収まらない背の高い荷物や、特定の形状のアイテムを収納できなくなります。
旅行やアウトドアで大きな荷物が増えた際や、ゴルフバッグ、自転車などのロングサイズのアイテムを搭載する際には、トノカバーが邪魔になることがあります。
シートアレンジが面倒になる
トノカバーを設定しているとシートアレンジを未設定時よりもスムーズに行えなくなる
トノカバーを装着したままでは、リヤシートを倒して荷室を拡大するシートアレンジ(フラットモードなど)をスムーズに行えない場合があります。多くの場合、シートを倒す前にトノカバーを取り外すか、巻き取る必要があり、手間が増えてしまいます。
取り外し後の保管場所が必要になる
背の高い荷物を積むためにトノカバーを取り外した場合、そのカバー自体を車内のどこかに収納しなければなりません。特にハードタイプのトノカバーは場所を取り、車内の収納スペースを圧迫してしまうというデメリットもあります。
ハイラックスやハリアーなど車種別トノカバーの特徴
トノカバーは車種によって種類や機能性が異なります。ここではピックアップトラックの「ハイラックス」、ラグジュアリーSUVの「ハリアー」、ステーションワゴンの「シャトル」、スバルのハッチバック「インプレッサスポーツ」の純正アクセサリーをご紹介します。(※記載の価格は情報掲載当時のものです。)
ハイラックス(ピックアップトラック用)
2017年10月に13年ぶりに日本市場での販売を再開したハイラックスは、日本を代表するピックアップトラックです。運搬能力、タフなボディ、オフロード走行性能が国内外で高く評価されています。
トヨタがハイラックスに用意する純正トノカバーは、荷台に載せる積載物を雨風や盗難から守るために、材質や強度にもこだわった設計です。商用車としても利用されることの多いハイラックスにおいて、大切な荷物を保護できるトノカバーの設置効果は非常に大きいと言えます。価格は他の乗用車向け商品と比較して高額になる傾向があります。
紹介するトノカバーは、荷台を覆った状態から、積載物の種類に応じてカバーされていないエリアを広げていくことで、様々なサイズのアイテムを積載可能とする構造になっています。
サイズ | L1,597mm×W1,590mm×H38mm |
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重量 | 10.4kg |
材質 | 帆布、アルミニウム |
価格 | 183,600円(税込) |
ハリアー(SUV用)
ハリアーは、日本を代表するクロスオーバータイプのラグジュアリーSUVです。2017年6月に行われたマイナーチェンジでは、快適性と乗り心地を向上させました。
ハリアーのような高級SUVは車上荒らしに狙われるケースもあり、ラゲッジルームの荷物が被害に遭うことも少なくありません。
トノカバーを利用すれば、外部から積載物の有無を確認できなくなるため、防犯力が強化されます。
ハリアーの純正トノカバーは、高級感のある室内空間と調和するデザイン性も兼ね備えたアクセサリーです。
カラー | ブラック |
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価格 | 24,840円(税込) |
シャトル(ステーションワゴン用)
シャトルは、2015年に発売されたステーションワゴンです。
フィットシャトルの後継車にあたる同車は、高い積載能力、ホンダのハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-DCD」による低燃費性能、そして4WD車の設定も評価され、ロングツーリング志向のユーザーから支持を集めました。
シャトルの純正アクセサリーのトノカバーは、1万円を切るリーズナブルな価格でありながら、ラゲッジルームのプライバシー保護に貢献し、利用しないときにはコンパクトに折り畳める機能性も備えています。
価格 | 8,640円(税込) |
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インプレッサスポーツ(ハッチバック用)
インプレッサスポーツは、スバルがモータースポーツで培ってきた技術を積極的に導入した車です。2016年10月に誕生した5代目では、スバルの新世代プラットフォーム「スバルグローバルプラットフォーム」が初めて採用され、操縦安定性の飛躍的な向上とボディ構造の最適化が実現されました。
インプレッサスポーツに用意されるトノカバーは、カーゴルームにジャストフィットする設計で、設置しても運転に影響を与える後方視界を遮ることはありません。
このアクセサリーは、折り畳みや取り外しの際に使いやすいよう持ち手がつけられており、素材による滑りやすさが解消されています。
価格 | 17,280円(税込) |
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トノカバーの必要性は車種や利用目的によって変わる
トノカバーの必要性は、車種のタイプやお客様の利用目的によって変わってきます。例えば、ピックアップトラックのハイラックスを仕事で利用するユーザーと、ステーションワゴンのシャトルを街乗りメインで利用するユーザーを比較すれば、前者のほうがトノカバー(荷台カバー)の必要性は高まります。
また、同じ車を利用する場合でも、休日に仲間とバーベキューを頻繁に行う方と、休日に演劇の鑑賞を楽しむ方を比較すれば、荷室に置く荷物の種類や目的は変わってくるでしょう。
トノカバーを追加設定するかどうかは、ご自身のライフスタイルや家族構成、車の利用目的を考慮して判断することが大切です。小さなお子様がいる家庭では、運動会などの学校行事に参加する機会が増えることを考えれば、その必要性は高まるかもしれません。
ご自身の状況を考慮し、必要だと判断した場合はトノカバーを設置して、より快適なカーライフを送りましょう。