FJクルーザーのモデルチェンジ

FJクルーザー生産終了、後継は?ランドクルーザーFJが2026年5月発売

FJクルーザーの後継はどうなった?結論、後継と噂されたコンパクトクルーザーEVは2026年5月発売の「ランドクルーザーFJ」として結実。BEVではなく2.7Lガソリン+ラダーフレーム、価格450万100円の本格オフローダーとして登場しました。

FJクルーザー生産終了、後継は?ランドクルーザーFJが2026年5月発売

トヨタFJクルーザーにファイナルエディションが追加

2016年8月に日本以外の地域で販売を終えていたトヨタのミッドサイズSUV「FJクルーザー」に、2017年9月12日、特別仕様車としてファイナルエディションが追加され、2017年10月16日に発売されました。

日本でも生産終了の噂が広がり、多くの駆け込み需要を生んだFJクルーザーですが、このファイナルエディションの発表後、2017年末にはオーダーストップとなり、翌2018年1月末に日本での販売を終えました。
2006年から日本では2018年まで、長きにわたってファンを魅了し続けたFJクルーザーの最後を飾る特別仕様車について解説します。

FJクルーザーの実質的後継は「ランドクルーザーFJ」として結実、2026年5月に発売

長らくFJクルーザーの後継と目されてきたコンセプトが、ついに市販モデルとして結実しました。トヨタは2026年5月14日、ランドクルーザーシリーズの新たな柱として「ランドクルーザーFJ」を発売しました。既存の「300」「70」「250」に続く4つ目のシリーズという位置付けです。

ランドクルーザーFJは、全長4,575mm・全幅1,855mm・全高1,960mmと、FJクルーザーよりも全長は短く、扱いやすいコンパクトなボディにまとめられています。プラットフォームは、噂されていたBEV(電気自動車)ではなく、IMVシリーズで鍛えたラダーフレームを採用。パワートレインは最高出力163PSの2.7L直列4気筒ガソリンエンジンに6速ATを組み合わせ、副変速機付きのパートタイム4WDを備える本格オフローダーに仕上がっています。グレードは「VX」の1本立てで、価格は450万100円。ランクルファミリー最安値かつ最小のモデルとして、FJクルーザーの後継を待ち望んでいたファンの受け皿となりそうです。丸目風のヘッドランプや直方体のスクエアなボディなど、往年のFJ40系やFJクルーザーを想起させる意匠も、往時のファンには嬉しいポイントでしょう。

FJクルーザーは全世界で生産終了、ランドクルーザー70系も後継の受け皿に

FJクルーザーは、北米で2014年モデルを最後に販売を終了し、日本でも2018年1月末に販売を終えました。その後も中東地域や一部の海外市場では継続生産されていましたが、最後まで残っていたサウジアラビア向けも2022年12月をもって生産を終了し、全世界でその歴史に幕を下ろしています。

ランドクルーザープラドと多くを共有するユニークなモデルで、日本でも熱狂的なファンを獲得したことから、生産終了後には中古車市場でプレミア価格が付くなど、数多くの話題を集めました。
本格オフローダーを求める層の受け皿としては、2023年に日本で再再販された「ランドクルーザー70」も選択肢となり、さらに前述の「ランドクルーザーFJ」が加わったことで、FJクルーザーが担っていたポジションはランクルファミリーの中に受け継がれる形となりました。

後継候補と噂された「コンパクトクルーザーEV」はランドクルーザーFJへと発展

トヨタが2021年12月のBEV戦略説明会で公開したコンセプトカー「コンパクトクルーザーEV」は、2018年に日本での販売を終えたFJクルーザーの後継ではないかと、当時大きな話題になりました。
そのスクエアなエクステリアは、確かにFJクルーザーやFJ40系を思わせるもので、ボディサイズもランドクルーザープラドをベースにしたFJクルーザーより小型化した提案でした。

公開当初は、bZシリーズの一員としてBEVで市販化されるとの見方が有力でしたが、実際に結実したのは前述のとおり2026年5月発売の「ランドクルーザーFJ」です。市販モデルではBEVではなく2.7Lガソリンエンジンとラダーフレームが採用され、コンセプトの持つ力強い世界観を受け継ぎながら、より現実的で幅広いユーザーに手が届く一台へと落とし込まれました。

ファイナルエディションのエクステリアはモダンスタイルに

FJクルーザー ファイナルエディションのエクステリア

FJクルーザー ファイナルエディションのリアビュー

FJクルーザー ファイナルエディションのフロントバンパー

FJクルーザー ファイナルエディションのフォグランプ

FJクルーザー ファイナルエディションのドアハンドル

FJクルーザー ファイナルエディションのエクステリアは、特別設定色のベージュを採用したモダンなスタイルが特徴です。サイドミラーやドアハンドルなど各所にはブラックカラーがアクセントとして配色されています。

FJクルーザー ファイナルエディションのホイール

足回りは、標準モデルの17インチから3インチアップとなる20インチホイールを標準装備。特別装備としてサイドステップも備え、個性的な1台に仕立てられています。

見た目も装いも、それまでのカタログモデルのFJクルーザーより、モダンなアメリカンスタイルへと引き締められています

FJファイナルエディションのボディカラーはベージュの1色のみ

FJクルーザー最後の特別仕様車ファイナルエディションには、ベージュの1色のみが設定されました。
発表時点では通常のFJクルーザーも引き続き販売されていたため、ファイナルエディション以外で選べた当時のボディカラー全6色もあわせて紹介します。

  • ホワイトのFJクルーザーホワイト
  • ツートーン イエローのFJクルーザーツートーン イエロー
  • ツートーン スモーキーブルーのFJクルーザーツートーン スモーキーブルー
  • ツートーン セメントグレーメタリックのFJクルーザーツートーン セメントグレーメタリック
  • ツートーン ブラックのFJクルーザーツートーン ブラック
  • ツートーン ベージュのFJクルーザーツートーン ベージュ

FJクルーザーFEのシートカラーはベージュとブラックのツートーン

FJクルーザー ファイナルエディションのコクピット

FJクルーザー ファイナルエディションのシート

標準モデルのシートがブラック1色のみだったのに対し、ファイナルエディションではベージュとブラックのツートーンカラーのシートが採用されました。

無骨でワイルドなイメージのFJクルーザーですが、ベージュを取り入れることで、ポップでアクティブな雰囲気へと表情が変わっています

FJクルーザーの特徴やパワートレインはファイナルエディションでも変わらない

観音開きのサイドドアを持つFJクルーザー

FJクルーザーの象徴と言えば観音開きのサイドドアです。ファイナルエディションでも、この観音開きドアは受け継がれています。ガラスハッチも開閉できるので、素早くラゲージルームへアクセスできます。
ボディサイズやパワートレインにも変更はなく、4.0Lの「V6 1GR-FEエンジン」による力強くパワフルな走りを楽しめます。

FJクルーザーのクロールコントロールシステムFJクルーザーのクロールコントロールシステム

FJクルーザーのアクティブトラクションコントロールFJクルーザーのアクティブトラクションコントロール

FJクルーザーのリヤデフロックシステムFJクルーザーのリヤデフロックシステム

悪路に強いラダーフレームを採用し、タイヤがスタックしても脱出をサポートするクロールコントロールシステムや、アクティブトラクションコントロール、リヤデフロックシステムも引き続き搭載されています。
続いて、FJクルーザー ファイナルエディションの諸元を紹介します。

ファイナルエディション諸元
全長 4,635mm
全幅 1,905mm
全高 1,840mm
室内長 1,785mm
室内幅 1,560mm
室内高 1,225mm
車両重量 1,940kg
最小回転半径 6.2m
最低地上高 230mm
ホイールベース 2,690mm
エンジン V型6気筒DOHC
排気量 3.955L
使用燃料 無鉛レギュラーガソリン
最高出力 276PS
最大トルク 38.8kgm
乗車定員 5名
JC08モード燃費 8.0km/L
価格 3,492,720円

後継と噂されたFT-4X/TJクルーザーは別モデルへ 当時の後継論をふり返る

FT-4Xのフロントビュー

2017年4月のニューヨークオートショーで発表されたトヨタの新型クロスオーバーSUV「FT-4X」は、当時、販売終了が近いFJクルーザーの後継になるのではないかと見られていました。

FT-4Xのコクピット

もっとも、FT-4XはFJクルーザーよりも小柄で、後継というより完全な新型車ではないかという見方もありました。2017年5月にトヨタが米国で商標出願した「TJクルーザー」の名がFT-4Xに与えられ市販化されるのでは、との憶測も一時ささやかれましたが、TJクルーザーはその後、別のコンセプトカーの名称として登場したため、FT-4Xを起点とする直接の後継話は立ち消えとなりました。

FT-4Xのリアビュー

結果として、FJクルーザーが担っていた「本格オフローダー×レトロデザイン」というポジションは、前述の「ランドクルーザーFJ」へと引き継がれることになりました。当時の後継論をふり返ると、着地点までの道のりの長さがうかがえます。

レトロな中型SUVとして開発されたFJクルーザーのモデルチェンジ遍歴

FJクルーザーはトヨタが販売していたミッドサイズのSUVで、北米市場専用車種として開発されました。日本では逆輸入された北米仕様車が人気を集めたことから、急遽日本仕様車の開発が進められ、国内でも発売された経緯があります。

FJクルーザー GSJ15W型/2006年〜2022年

2006年3月、北米でFJクルーザーがデビューしました。
2008年にはメキシコや中国でも販売を開始。
2010年12月、日本での販売を開始。グレードは「FJクルーザー」「FJクルーザー オフロードパッケージ」「FJクルーザー カラーパッケージ」の3種類でした。
2011年、オーストラリアとニュージーランドで販売を開始。日本仕様に「FJクルーザー レッドカラーパッケージ」を追加しました。
2012年7月、日本仕様を一部改良し、ボディカラーの入れ替えやクロールコントロールの標準装備化を実施。
2013年7月、日本仕様を一部改良。同年11月には北米仕様の生産終了を発表しました。
2017年9月、日本仕様の特別仕様車「Final Edition」を発表(10月16日発売)。
2018年1月末、日本国内での販売を終了しました(国内累計販売台数は約2万7982台)。
2022年9月には、最後まで生産が続いていたサウジアラビア向けにも特別仕様車「ファイナルエディション」(1000台限定)が設定され、同年12月に全世界での生産を終了しました。

FJクルーザーのモデルチェンジ遍歴
FJクルーザーのモデル 販売年表
GSJ15W型 2006年~2022年(全世界生産終了)

FJクルーザー ファイナルエディションは記念すべき1台に

FJクルーザー

近年のSUVブームでコンパクトSUVやSUV風の車が数多く登場するなか、ラダーフレームを持つ本格的な走りが持ち味のFJクルーザーは、独特の存在感を放っていました。
北米生まれのFJクルーザーが、海外での販売終了後も日本で販売を継続していたことからも分かるように、日本での人気が非常に高い車種でした

FJクルーザーは、確かな走りと唯一無二のルックスを持つ、トヨタらしさを存分に感じさせる1台でした。2017年10月16日に発売された特別仕様車ファイナルエディションは、その締めくくりにふさわしいモデルとして、いまも記憶に残る存在となっています。そして、その系譜は「ランドクルーザーFJ」という新たな形で受け継がれていくことになりました。