トヨタFJクルーザーにファイナルエディションが追加
2016年8月に日本以外の地域で販売終了されたトヨタのフルサイズクロスオーバーSUVのFJクルーザーに2017年9月12日特別仕様車としてファイナルエディションが追加され2017年10月16日に販売されました。
日本でも生産終了の噂が広がり、多くの駆け込み需要を生んだFJクルーザーですが、今回販売されるファイナルエディション発表後の2017年末にはオーダーストップとなり完全に生産終了しました。
2006年から2017年までの11年間ファンを魅了し続けたFJクルーザーの最後を飾る、特別仕様車について解説します。
FJクルーザー全世界で生産終了へ ランドクルーザー70系が後継モデルに
FJクルーザーは日本で2018年に、北米で2014年には北米でも生産終了していましたが、中東地域を始め、南アフリカ、一部東南アジアなどで継続生産されていましたが、2023年に全ての地域や国で生産終了しました。
ランドクルーザープラドをベースにしたユニークなモデルで、日本でも熱狂的なファンを獲得したことから、生産終了後には中古車市場でプレミア価格で取引されるなど多くの話題を集めました。
2023年にはランドクルーザー70系が日本で再再販するため、FJクルーザーの実質的後継モデルとして活躍してくれるでしょう。
コンパクトクルーザーはFJクルーザー後継モデルか
トヨタが2021年12月に発表した新型BEV(電気自動車)のコンパクトクルーザーが、2018年に生産終了したFJクルーザーの後継車種だと話題に。
コンパクトクルーザーのエクステリアは、FJクルーザーに似たスクエア形状で、ボディサイズはランクルプラドベースのFJクルーザーよりも少し小型化しています。
コンパクトクルーザーの発売時期は明確にされていませんが、2022年以降に続々と市販化予定のbZシリーズの1車種に該当するため、2030年までには市販化すると予想します。
ファイナルエディションのエクステリアはモダンスタイルに
FJクルーザー ファイナルエディションのエクステリアは特別設定色のベーシュを採用したモダンスタイルとなっています。またサイドミラーやドアハンドルなど各所にブラックカラーがアクセントとして採用されます。
足回りは標準モデルの17インチホイールから、3インチアップし20インチのホイールを標準装備します。特別装備としてサイドステップも搭載され個性的な1台となっています。
見た目も走りも現在ラインナップされているFJクルーザーよりモダンなアメリカンスタイルに進化しました。
FJファイナルエディションのボディカラーはベージュの1色だけラインナップ
FJクルーザー最後の特別仕様車ファイナルエディションにはベージュの1色のみ設定されています。
通常のFJクルーザーも引き続き販売が継続されるので、ファイナルエディション以外で選択できる現在のボディカラー全6色を紹介します。
- ホワイト
- ツートーン イエロー
- ツートーン スモーキーブルー
- ツートーン セメントグレーメタリック
- ツートーン ブラック
- ツートーン ベージュ
FJクルーザーFEのシートカラーはベージュとブラックのツートーンカラー
FJクルーザーの標準モデルのシートはブラック1色のみの展開となっていますが、今回の特別仕様車ファイナルエディションでは、ベージュとブラックのツートーンカラーのシートを採用しています。
無骨でワイルドなイメージのFJクルーザーですが、ベージュを取り入れることで、ポップでアクティブなイメージに変わり、女性からの支持も高くなるのではないでしょうか。
FJクルーザーの特徴やパワートレインはファイナルエディションでも変わらない
FJクルーザーの特徴と言えば観音開きのサイドドアです。ファイナルエディションになっても観音開きのドアは採用されます。ガラスハッチも開閉可能なので、素早くラゲージルームへアクセスできます。
またボディサイズはパワートレインにも変更はなく4.0Lの「V6 1GR-FEエンジン」で力強くパワフルな走りを楽しむことができます。
FJクルーザーのクロールコントロールシステム
FJクルーザーのアクティブトラクションコントロール
FJクルーザーのリヤデフロックシステム
悪路に強いラダーフレームを搭載し、タイヤがスタックしても脱出できるクロールコントロールシステムや、アクティブトラクションコントロール、リヤデフロックシステムも引き続き搭載しています。
FJクルーザーの特別仕様車ファイナルエディションの諸元を紹介します。
全長 | 4,635mm |
---|---|
全幅 | 1,905mm |
全高 | 1,840mm |
室内長 | 1,785mm |
室内幅 | 1,560mm |
室内高 | 1,225mm |
車両重量 | 1,940kg |
最小回転半径 | 6.2m |
最低地上高 | 230mm |
ホイールベース | 2,690mm |
エンジン | V型6気筒DOHC |
排気量 | 3.955L |
使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
最高出力 | 276PS |
最大トルク | 38.8kgm |
乗車定員 | 5名 |
JC08モード燃費 | 8.0km/L |
価格 | 3,466,286円~ |
FJクルーザーの後継車種はFT-4Xとみられていたがサイズなどが違うためFJクルーザーではない別のコンパクトSUVの可能性が高い
2017年4月にニューヨークオートショーで発表されたトヨタの新型クロスオーバーSUVが販売終了後のFJクルーザーの後継車種となると見られていました。
発表当初はFJクルーザーとサイズが違い、コンパクトなFT-4Xは後継車種ではなく完全な新型車として販売されるのではないかと言われていましたが、2017年5月25日に米国特許商標庁へトヨタが申請した「TJクルーザー」の名前をFT-4Xに与え市販化する可能性が高まりましたが、TJクルーザーはトヨタの別のコンセプトカーの名前になっていため後継車種ではなくなりました。
FT-4Xはコンセプトモデルなので市販段階でどこまで変化があるのかわかりませんが、このまま市販化が進んだ場合、国内はもとより世界中で話題となることは間違いありません。
レトロな中型SUVとして開発されたFJクルーザーのモデルチェンジ遍歴
FJクルーザーはトヨタが販売していたミッドサイズのSUVで、北米市場専用車種として開発されました。日本では逆輸入された北米仕様車が人気を集め、急遽日本仕様車の開発がすすめられ、日本国内でも発売されました。
FJクルーザー GSJ15W型/2006年~2023年
2006年3月、北米でFJクルーザーがデビューしました。
2008年にはメキシコや中国でも販売を開始。
2010年12月、日本での販売を開始。グレードは「FJクルーザー」「FJクルーザー オフロードパッケージ」「FJクルーザー カラーパッケージ」の3種類です。
2011年、オーストラリアとニュージーランドで販売を開始。日本仕様に「FJクルーザー レッドカラーパッケージ」を追加しました。
2012年7月、日本仕様を一部改良してボディーカラーの入れ替えや、クロールコントロールが標準装備されました。
2013年7月、日本仕様の一部改良。11月には北米仕様の生産終了を発表。
2017年9月、日本仕様の特別仕様車「Final Edition」を発表。
2018年1月、日本での販売を終了しました。
FJクルーザーのモデル | 販売年表 |
---|---|
GSJ15W型 | 2006年~2023年 |
FJクルーザー ファイナルエディションは記念すべき車に
近年のSUVブームでコンパクトSUVやSUV風の車が登場し人気となっている中、ラダーフレームを持つ本格的な走りが特徴のFJクルーザーは異端の存在となっています。
北米を中心に世界中で販売されているFJクルーザーが、日本のみ販売を継続していることからも分かる通り、日本でのファンが多く愛されている車種というのが伺えます。
FJクルーザーは確かな走りと唯一無二のルックスを持つ、トヨタイズムを存分に感じられる名車と言えます。2017年9月12日に登場し2017年10月16日からした特別仕様車ファイナルエディションでFJクルーザーは更なる価値を生み出すでしょう。