ジープ・チェロキー(KL)は2023年に生産終了、2026年に初のハイブリッドで新型が復活へ
ジープのミッドサイズSUV「チェロキー」は、2018年10月の一部改良で、2段式だったヘッドライトを一体化し、グランドチェロキー寄りのフロントフェイスへと刷新されました。ジープ初のLEDヘッドライトや新開発の2.0Lターボを得て先進化した5代目(KL型)ですが、その後の展開は大きく動いています。まずは現在の状況を整理し、そのうえで2018年の一部改良の内容を振り返ります。
2025年、ジープが初のハイブリッドを積む新型チェロキー(6代目)を発表
ジープは2025年、チェロキーの名を復活させる全面刷新モデル(6代目)を発表しました。2026年モデルとして送り出されるこの新型は「ゼロから再構築した」とうたわれ、ブランド初となるハイブリッドを搭載します。北米ではステランティスの新しい1.6L直列4気筒ターボを核としたハイブリッドが用意され、満タンで800km超の航続をアピールしています。角張ったタフなスタイルへと回帰し、コンパスとグランドチェロキーの間を埋めるミッドサイズSUVとしての役割も踏襲します。日本への導入も2026年ごろと取り沙汰されていますが、本稿執筆時点で正式な導入時期・日本仕様・価格は公表されていません。
5代目(KL型)チェロキーは2023年に生産を終了
この記事が扱う一部改良版のKL型チェロキーは、その後販売が伸び悩み、2023年に生産を終えました。米ベルビデア工場の稼働休止に伴うもので、日本市場のラインアップからも姿を消しています。前述の新型は、この空白を約3年ぶりに埋める“復活”という位置づけになります。
予想したグランドチェロキーの3列化は実現、そのグランドチェロキーも日本仕様は一区切りに
本記事ではかつて、グランドチェロキーが近く刷新され、3列シートモデルが追加されるのではと予想していました。この見立ては的中し、2021年に登場した新型グランドチェロキー(WL)では、全長5.2mに達する3列シートの「グランドチェロキーL」が設定されました。日本でも2022年2月19日に発売され、Limitedが788万円、最上級のSummit Reserveが999万円という価格で、3.6L V6を積みます。
一方で、そのグランドチェロキーも転機を迎えています。ステランティスは2025年2月に右ハンドルのグランドチェロキーの生産終了を公表し、日本では最終モデルとなる限定100台の「グランドチェロキー ファイナルエディション」(810万円)を2025年3月15日に発売。以降はガソリン車が在庫販売に移行するなど、日本仕様のグランドチェロキーはひとつの区切りを迎えました。チェロキーの新型ともども、日本のジープSUVは大きな世代の変わり目にあります。
2018年に一部改良を受けたチェロキー(KL)の内容
ここからは、2018年10月の一部改良で登場したKL型チェロキーの内容を振り返ります。
仕様変更で標準装備を充実
当時FCAジャパンは、ミッドサイズSUV「チェロキー」の仕様変更を発表しました。グレード構成は「Longitude(ロンジチュード)」「Trailhawk(トレイルホーク)」「Limited(リミテッド)」の3種類です。この仕様変更で、LongitudeとTrailhawkのシート表皮はレザーとなり、フロントシートヒーターを追加。後席スライド機構や盗難防止セキュリティアラームも用意され、Longitudeにはリアディープティンテッドガラスが新装備されました。
| モデル | Longitude | Trailhawk | Limited |
|---|---|---|---|
| 価格 | 4,490,000円 | 4,990,000円 | 4,960,000円 |
| エンジン | 2.4L | 2.0Lターボ | 2.0Lターボ |
| トランスミッション | 9AT | 9AT | 9AT |
| 駆動方式 | 4WD | 4WD | 4WD |
オフロード仕様トレイルホークがジュネーブモーターショー2019で初披露
一部改良後のチェロキー・トレイルホークは、ジュネーブモーターショー2019で初公開されました。ジープの高性能オフロード車に与えられる「トレイルホーク」の冠を、チェロキーもまとうことになった格好です。専用のグレーをグリルやドアミラー、ボンネット、バンパーにあしらい、下部の牽引フックに赤を効かせた目立つアクセントが特徴でした。
アプローチ/デパーチャーアングルを高め、悪路走破性を向上。5モードの「Selec-Terrain」にロックモードを備え、オフロード走行に対応します。
| エンジン | 2.0リットル直列4気筒ガソリンターボ |
|---|---|
| 最大出力 | 270hp |
| 最大トルク | 40.8kgm |
| トランスミッション | 9速AT |
エクステリアはLEDランプを備えた先進的な顔つきへ
一部改良後のチェロキーは、ヘッドライト・デイタイムランニングライト・ウインカーを一体化したユニットを採用し、グランドチェロキーに近いフロントフェイスへ変化。ジープ初のLEDヘッドライトで、前方視界も明るくなりました。
トレイルホークは樹脂バンパーが大型化しオフロード感が増し、メッキを抑えてボンネット中央をブラック塗装とするなど、ロンジチュード/リミテッドのオンロード志向とは異なる表情に仕立てられました。
テールレンズもLED化され、下弦に沿った赤い部分がテールランプ、ボディ側クリアがストップランプ、テールゲート側クリアがウインカー・バックランプという構成です。
ボディカラーは全4色で、トレイルホークには専用2色を設定。限定200台のロンジチュード ローンチエディションはホワイトとブラックの2色のみでした。
-
グラナイトクリスタルメタリックC/C -
ブライトホワイトC/C -
ダイアモンドブラッククリスタルP/C -
ヴェルヴェットレッドP/C -
ファイアークラッカーレッドC/C(トレイルホーク専用色) -
オリーブグリーンP/C(トレイルホーク専用色)
ジープ象徴の7スロットグリルや台形ホイールアーチは継承。ボディサイズは全長4,665mm・全幅1,860mm・全高1,700〜1,725mmの3ナンバーで、トレイルホークはオーバーフェンダー装着で全幅が広がります。
| 全長 | 4,665mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,860mm |
| 全高 | 1,725mm |
| ホイールベース | 2,720mm |
| 最低地上高 | 205mm |
| 車両総重量 | 2,115kg |
快適装備が充実したインテリア
ロンジチュード ローンチエディションとリミテッドにはレザーシートを装備し、ボディカラーに応じてブラックかスキーグレーの内装色となります。
ブラック内装は「ブライトホワイト」「ダイアモンドブラッククリスタル」「ヴェルヴェットレッド」に、白を効かせた「ブラック・スキーグレー」はグラナイトクリスタルメタリックに設定され、コントラストの美しい室内でした。
全グレード標準の「Uconnect」はナビに加えApple CarPlay/Android Autoに対応。8.4インチと大きく見やすい操作系でした。上級のLimitedはシートヒーター/ベンチレーション、8ウェイパワーシート、4ウェイランバーサポート、メモリー機能なども備えます。
新開発の2.0Lターボエンジンを搭載
一部改良後のチェロキーは、2.4Lガソリン(タイガーシャーク)に加え、Limited/Trailhawkに新開発の2.0Lターボを搭載しました。
| 新型2.0Lターボ | 3.2L V6(ペンタスター) | |
|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒ターボ | V型6気筒 |
| 排気量 | 1,995cc | 3,200cc |
| 最高出力 | 200kW(272PS)/5,250rpm | 200kW(272PS)/6,500rpm |
| 最大トルク | 400Nm(40.8kgm)/3,000rpm | 314Nm(32.1kgm)/4,300rpm |
| 燃費 | 10.4km/L | 10.1km/L |
| 燃料 | レギュラー | レギュラー |
2.0LターボはV6と同等の最高出力ながらトルクが増し、燃費もわずかに向上。日本では排気量による自動車税区分が下がる点もメリットでした。
限定200台の「Longitude Launch Edition」も設定
ロンジチュードには先行限定200台の「ロンジチュード ローンチエディション」が設定され、通常のロンジチュード(2019年春発売予定)にはない特別装備を備えました。
ロンジチュード ローンチエディションの特別装備
- リアディープティンテッドガラス
- レザーシート
- フロントシートヒーター
- スライディングリアシート
- セキュリティアラーム
ボディカラーはホワイトとブラックのみで内装色はブラック。搭載エンジンは2.4Lタイガーシャーク(最高出力130kW・最大トルク229Nm)でした。
一部改良モデルの発売日は2018年10月20日
チェロキーの一部改良は2018年10月20日に実施され、プレミアムグレードのLimitedと、限定200台のLongitude Launch Editionが先行発売。標準のLongitudeとオフロード仕様のTrailhawkは2019年春に発売されました。Longitude Launch Editionはホワイト100台・ブラック100台の計200台限定で価格は429万円、Limitedは479万円(台数限定なし)でした。
無骨なイメージだったチェロキーは、先進化を経て世代交代へ
5代目(KL型)のチェロキーはクロスオーバーSUVとして展開され、2018年10月の一部改良でグランドチェロキーやコンパスと通じるフロントフェイスとなり、ジープのSUVファミリーに統一感をもたらしました。ジープ初のLEDヘッドライトやハンズフリーパワーリフトゲート、新開発2.0Lターボなどで先進化を果たした一台です。
そのKL型は2023年に生産を終え、チェロキーの名はいったんカタログから外れました。しかし2025年、ジープはブランド初のハイブリッドを積む新型チェロキー(6代目・2026年モデル)を発表し、名跡を復活させています。日本導入の可否や時期はこれから明らかになる見込みで、往年の人気モデルの再登場に注目が集まります。