カプチーノのモデルチェンジ

カプチーノがモデルチェンジで復活はあるか?軽規格維持・FRオープン復活か?登場は2027年前後

カプチーノのモデルチェンジに関する情報。スズキの軽スポーツオープンカーの新型モデルは、2027年以降に復活する可能性がある。同車はアルトワークスのエンジンを流用して、新プラットフォーム「HEARTECT」を採用する見込み。アクティブトップを設置させるなどの特徴を予想も交えて紹介します。

カプチーノがモデルチェンジで復活はあるか?軽規格維持・FRオープン復活か?登場は2027年前後

カプチーノのモデルチェンジ情報|復活構想の現在の状況

スズキが1998年まで販売していた軽オープンスポーツ「カプチーノ」に、復活を伝える情報が繰り返し浮上しています。2024年以降は開発計画に踏み込んだ内容も出てきており、2026年7月には「軽自動車規格を維持したまま復活する」という新たな見立てが加わりました。

結論から書くと、2026年7月時点でスズキからカプチーノ復活に関する公式発表は一切ありません。ジャパンモビリティショー2025でも東京オートサロン2026でも、スズキブースにカプチーノを示唆する出品はありませんでした。一方で復活構想そのものは複数回にわたって具体的な形で伝わっており、ワールドプレミアは2027年前後になるとみられます。ここでは直近の動きを新しい順に整理したうえで、新型がどのような車になるのかを予想していきます。なお、以下のうち正式発表に基づかない内容は、いずれも見立てとしてお読みください。

軽自動車規格を維持したFRオープンとして復活か

2026年7月に入り、次期カプチーノの構想が大きく揺り戻したとみられます。それまで有力視されていた「普通車化」ではなく、軽自動車規格を維持した仕様が有力候補として検討されているという見立てです。

予想されるボディサイズは全長3,400mm以下、全幅1,480mm以下と軽自動車規格に収まり、ホイールベースは約2,265mmとされます。初代(EA11R)のホイールベースが2,060mmでしたから、約200mm延ばして安定性と居住性を高めるパッケージングになる見込みです。

パワートレインは660cc直列3気筒ターボで、最高出力は軽自動車の自主規制上限である64psとみられます。トランスミッションは6速MTに加えてCVTも用意され、駆動方式は初代と同じFRが採用される方向とみられます。車両重量を800kg台前半に収められれば、数値以上に軽快でダイレクトなハンドリングが期待できます。

価格は6速MT車で220万円前後、上級グレードで250万〜270万円程度になる見込みです。ワールドプレミアは2027年前後が有力です。

この揺り戻しには理由があると考えます。ホンダS660が2022年3月に生産を終了し、ダイハツ コペンも2026年8月末で生産終了が決まったことで、軽オープンスポーツは2026年内に国内から一度姿を消すことになります。空白になった市場に、しかも後輪駆動という唯一無二の商品性で入れるのであれば、軽規格に踏みとどまる価値は大きく高まります。維持費の安さという軽ならではの武器も、200万円台という価格帯では効いてきます。

2025年1月:普通車化して1.3Lターボ120ps級という見方もあった

2025年1月末の時点では、次期カプチーノは軽自動車規格を離れ、普通車(小型車)として復活するという見方が有力でした。

このときに伝わったボディサイズは全長3,895mm×全幅1,695mm×全高1,260mm、ホイールベース2,410mm。搭載されるのは1.3リットル直列3気筒ガソリンターボが有力候補で、最高出力は軽規格の64psからほぼ倍増の120ps程度とされていました。1.6リットル直列4気筒という説も並行して存在し、トランスミッションは6速ATが濃厚、MTの設定も期待されるという内容でした。駆動方式はこの案でもFRです。

外観についても、シャープなLEDデイタイムランニングライトと2連プロジェクターを内蔵したヘッドライトを備える攻撃的な顔つき、スポーティなドアキャラクターライン、大径タイヤと張り出したホイールアーチといった具体像が示されていました。ワールドプレミアは2026年後半という見立てでした。

この時点の登場時期予想は、結果的に実現していません。2026年7月を過ぎても公式発表はなく、時期は後ろへずれ込んだと考えるのが自然です。企画そのものが「普通車」と「軽」の間で揺れていること自体が、開発の意思決定がまだ固まりきっていないことの表れではないでしょうか。

2024年6月:トヨタ+ダイハツ+スズキの共同開発として復活構想が浮上

カプチーノ復活が具体的な話として広く伝わったのは、2024年6月のことです。1.3LターボのFRオープンスポーツとして開発が進んでおり、トヨタ・ダイハツ・スズキの3社共同開発プランの一環であるという内容でした。1998年10月の販売終了から数えて26年ぶりという文脈で語られています。

3社連合という枠組みは、この構想を単なる願望と切り離して考えるうえで重要です。軽自動車規格であれ小型車であれ、2シーターオープンスポーツは販売台数が限られます。スズキ1社で開発費と規制対応コストを負担するのは現実的ではありませんが、プラットフォームやパワートレインを共通化できるのであれば話は変わります。ダイハツが次期コペンでFRレイアウトの開発を進めていることを踏まえると、軽規格のFRプラットフォームを両社で分け合う筋書きは十分に成立し得ます。

スズキ公式は沈黙を続けている(2026年7月時点)

ここまで見てきた内容は、いずれもスズキの正式発表に基づくものではありません。公式の動きとしては、むしろ沈黙が続いています。

2025年10月29日から開催されたジャパンモビリティショー2025で、スズキがワールドプレミアしたのは軽乗用BEVのコンセプト「Vision e-Sky」と二輪BEVコンセプト「e-VanVan」でした。四輪8台を含む計35台を出品しましたが、スポーツモデルのコンセプトカーは1台もありません。Vision e-Skyは2026年度内の量産化を目指すとされ、スズキの軽の主戦場が電動化にあることを示しています。

2026年1月9日から11日の東京オートサロン2026でも、スズキは「Life with Adventure」をテーマにジムニーノマドのコラボ車両などを中心とした全9台を出品し、カプチーノを示唆する参考出品はありませんでした。

また2025年時点で、次期アルトワークスの可能性についてスズキ広報は「現時点でニューモデルを出す予定はない」と回答しています。カプチーノについても同様に、公表できる段階の情報は存在しないとみるべきでしょう。「開発は進んでいるが、商品化の意思決定は公表されていない」というのが、現在地の正確な表現です。

前提が変わった:アルトワークスとスイフトスポーツの生産終了

本記事がもともと立てていた「アルトワークスのエンジンとプラットフォームを流用してカプチーノを復活させる」という予想は、その後の展開で前提が崩れました。

アルトワークス(HA36S)は、2021年11月に発表・12月に発売された9代目アルトへのフルモデルチェンジに伴い、2021年12月をもって生産を終了しています。現行アルトは全車がCVTとなり、MTもターボも設定されていません。2015年12月24日の復活から約6年、ターボRSと合わせて累計4万台以上を売り上げた人気モデルでしたが、後継は用意されませんでした。

さらにスイフトスポーツ(ZC33S)も、2024年12月17日の発表を経て2025年2月に標準車の生産を終了しました。最終モデルとなる特別仕様車「ZC33S Final Edition」は2025年3月19日発売、価格は6MTが232万9,800円、6ATが240万1,300円で、2025年3月から11月までの期間限定生産とされました。次期型については公式なコメントが出ていません。

この結果、2026年7月時点でスズキの国内ラインナップにスポーツモデルは存在しません。ジムニーというアイコンはあるものの、走りを主目的とした乗用車は空白です。カプチーノ復活の話が繰り返し浮上するのは、この空白を埋める必要があるという見方の裏返しでもあります。逆に言えば、スポーツモデルを2車種続けて畳んだ会社が新規に軽オープンを起こすには、相応の合理性が必要です。3社共同開発という枠組みが繰り返し語られるのは、そこに理由があるとみています。

軽オープンスポーツ市場の現在地:S660は終了、コペンも2026年8月末で生産終了

カプチーノが戻るとされる市場は、この数年で大きく姿を変えました。

ホンダS660は、2021年3月12日に2022年3月での生産終了が発表され、予定どおり2022年3月に生産を終えました。最後の特別仕様車「S660 Modulo X Version Z」は6速MTのみの設定で315万400円、2022年3月末までに生産できる台数のみの実質限定生産でした。S660とModulo Xは累計3万台以上を販売しています。生産終了の理由として、衝突被害軽減ブレーキの搭載やタイヤを含む騒音規制、衝突安全基準への対応が少量生産車には重いことが挙げられていました。

ダイハツ コペンも終わりが決まっています。2025年9月29日、ダイハツは現行コペン(LA400K)の生産を2026年8月下旬で終了すると発表しました。2002年6月の初代登場から通算で約24年、2014年6月登場の2代目からでも12年以上続いたモデルです。販売会社の在庫がなくなり次第、販売も終了します。ダイハツは2026年4月以降、全国でファン向けのスペシャルイベントを開催するとしています。

ただしコペンは後継の姿を見せています。2025年10月29日、ダイハツはジャパンモビリティショー2025で軽オープンのコンセプトカー「K-OPEN」を世界初公開しました。現行コペンがFFであるのに対し、次期型は軽自動車のボディサイズでありながらFRを採用するとされ、会場には実走可能な先行スタディ車「K-OPENランニングプロト」も並べられました。ショーモデルではなく市販を前提とした開発であることを示す展示です。

興味深いのは、ダイハツが2023年のジャパンモビリティショーでは登録車サイズのFRオープン「Vision Copen」を披露していたことです。登録車サイズから軽規格へ揺り戻したダイハツの動きは、カプチーノが「1.3L普通車」から「軽規格維持」へ振れた経緯とほぼ重なります。3社共同開発という枠組みを前提に置けば、これは偶然ではなく同じプロジェクトの方針転換が両方に表れたもの、と読むのが自然ではないでしょうか。

復活する新型カプチーノはどんな車になるのか

ここからは、初代の成り立ちを振り返りつつ、新型カプチーノの中身を項目ごとに予想していきます。

「カプチーノ」は1998年まで生産されていたスズキを代表する軽スポーツオープンカー

初代カプチーノの透視図初代カプチーノは前後ともダブルウィッシュボーンサスを奢っていた

1991年11月に発売され、1998年まで生産・販売されたスズキ「カプチーノ」は、後輪駆動を採用する軽自動車のオープンスポーツカーです。カプチーノは軽自動車では初となる4輪ダブルウィッシュボーン式サスペンションを搭載し、車体各部にアルミニウム素材を用いて軽量化を図るなどして走行性能を引き上げました。

初代カプチーノは、同時期のアルトワークスが搭載していた「F6A型直列3気筒DOHC12バルブターボエンジン」を搭載していました。最高出力は当時の自主規制上限である64ps、最大トルクは8.7kgf·m/4,000rpmです。エンジンを縦置きするFRレイアウトで、プラットフォームを含めて両車の関わり合いは深いものでした。

走行性能だけでなく、ロングノーズ・ショートデッキのフォルムの美しさも評価されました。総生産台数は2万6,583台(うちAT車1,184台)で、バブル崩壊や軽自動車規格の変更を受け、1998年1月に生産を終了、同年10月に販売を終えています。

初代カプチーノの主要諸元
前期(EA11R型) 後期(EA21R型)
販売期間 1991年11月〜1995年5月 1995年5月〜1998年10月
全長×全幅×全高 3,295×1,395×1,185mm 3,295×1,395×1,185mm
ホイールベース 2,060mm 2,060mm
車両重量 700kg 690kg
エンジン F6A型 直列3気筒DOHC12バルブICターボ K6A型 直列3気筒DOHC12バルブICターボ(オールアルミ)
最高出力 64ps/6,500rpm 64ps/6,500rpm
最大トルク 8.7kgf·m(85.3N·m)/4,000rpm 10.5kgf·m(103.0N·m)/3,500rpm
トランスミッション 5MT 5MT、3AT
駆動方式 FR FR
ルーフ 3分割式デタッチャブルトップ(4WAYオープントップ)

新型カプチーノのエンジンは軽の660ccターボが有力に

R06A型直列3気筒DOHCインタークーラーターボエンジンアルトワークスが積んでいたR06A型ターボ。低速からの高トルクとレスポンスの良さが持ち味だった

本記事はかつて、新型カプチーノがアルトワークスの搭載する「R06A型直列3気筒DOHCインタークーラーターボエンジン」(最高出力47kW/最大トルク100N·m)をそのまま流用するという見立てを示していました。初代カプチーノが同時期のアルトワークスとエンジンを共有し、1995年のマイナーチェンジでもアルトワークスと同じK6A型に切り替えた前例があったためです。

ただし、この前提は2021年12月のアルトワークス生産終了で崩れました。現行の9代目アルトにターボもMTも設定がない以上、「現行アルトワークスから持ってくる」という筋書きは成立しません。

2026年7月時点の見立てでは、新型カプチーノは660cc直列3気筒ターボを搭載し、最高出力は軽規格上限の64psとなる見込みです。実際の中身は、R06A系を今日の排出ガス・騒音規制に合わせて仕立て直すか、共同開発の枠組みの中で新設計されるかのいずれかになるとみられます。駆動方式は、初代と同じFRを踏襲する見方が有力です。ここが最大の焦点で、現行の軽乗用車はエンジン横置きのFFプラットフォームが基本ですから、FRを実現するにはプラットフォームの新規開発が避けられません。単独では割に合わないこの投資を成立させる装置が、3社共同開発という枠組みだと考えます。

なお、2025年前半までは1.3L直3ターボ(120ps級)または1.6L直4を積む普通車化案が有力とされていました。現時点でどちらに決着するかは公表されておらず、両案が並存している状態です。下表に両案を整理します。

新型カプチーノの予想スペック(2案併記/いずれも公式発表前の見立て)
軽規格維持案(2026年7月時点で有力) 普通車化案(2025年1月時点の見方)
全長 3,400mm以下 3,895mm
全幅 1,480mm以下 1,695mm
全高 非公表 1,260mm
ホイールベース 約2,265mm 2,410mm
車両重量 800kg台前半 非公表
エンジン 660cc 直列3気筒ターボ 1.3L 直列3気筒ターボ(1.6L直4説も)
最高出力 64ps 120ps程度
トランスミッション 6MT、CVT 6AT濃厚(MTも期待)
駆動方式 FR FR
登場時期 ワールドプレミアは2027年前後 2026年後半(実現せず)

新型カプチーノは電動開閉ルーフを採用してレトロな雰囲気のエクステリアを追求

コペンのアクティブトップ開閉の様子新型カプチーノもコペンのような電動開閉ルーフを採用するとみられる

新型カプチーノは、運転席にいながら簡単にルーフを開閉できる電動開閉式ルーフを採用する見込みです。初代カプチーノは、取り外してトランクに格納する3分割式デタッチャブルトップを採用していました。

初代のルーフは、その日の気分に合わせて「フルオープン」「タルガトップ」「Tバールーフ」の3タイプから好きなスタイルを選べるメリットがありましたが、取り外し・取り付けが面倒である、雨風に弱いといったデメリットも抱えていました。

電動ルーフを採用する場合、格納スペースをリアに設ける必要が生じるため、初代が実現していたロングノーズ・ショートデッキのフォルムには多少の影響が及ぶと考えられます。もっとも外観については、初代を思わせるロングノーズ風のシルエットを継承しつつ、シャープなLEDヘッドライトとLEDデイタイムランニングライトを組み合わせた現代的なデザインになるとみられます。

スズキ車のエクステリアには一貫してレトロ感を織り込む流れがあります。新型カプチーノも、ヘッドライトはシャープな形状としつつ前後フェンダーで立体感を加え、レトロ感を追求した仕上がりになるものと期待します。

カプチーノの新型モデルは軽量化を突き詰めたプラットフォームを採用

復活が期待されるカプチーノは、スズキが軽量化のために磨いてきたプラットフォーム技術を土台に、更なる軽量化を実現するでしょう。

8代目アルトシリーズやワゴンRなどのスズキ車に導入された「ハーテクト(HEARTECT)」は、理想的な骨格構造を実現させ、部品の見直しや最適配置を行うことで、剛性強化とボディの軽量化を両立させるプラットフォームです。8代目アルトでは車両重量620kgという数値を実現しました。

初代カプチーノの車両重量は前期700kg・後期690kgと、ライトウェイトスポーツとして魅力的な数値をクリアしていました。ただし新型は、FRレイアウト化に加えて衝突安全基準や予防安全装備への対応が加わるため、初代並みの重量に収めるのは容易ではありません。2026年7月時点の見立てでも車両重量は800kg台前半とされており、ハーテクトの思想をそのまま持ち込むというより、FR専用骨格を新たに起こしたうえで軽量化ノウハウを注ぎ込む形になると考えます。

燃費はライバル車をどこまで意識するか

新型カプチーノは、ボディの軽量化によって燃費面でも訴求できるスポーツカーを目指すでしょう。

ハーテクト(HEARTECT)の概念図大幅な軽量化と高剛性を両立させたハーテクト(HEARTECT)プラットフォーム

かつてパワートレインを共有すると考えられていたアルトワークス(2WD・5AGS)は、JC08モードで23.6km/Lの燃費を実現していました。同じくJC08モードで、S660(CVT)は24.2km/L、コペン(CVT)は25.2km/Lという数値でした。

ただし現在の国内燃費表示はWLTCモードへ移行しており、下表はあくまで当時の指標による比較である点にご注意ください。また、新型カプチーノの燃費についてはまだ何も伝わっておらず、FR化に伴う駆動系の追加や重量増を踏まえると、単純に過去の軽ホットハッチを上回るという想定は置きにくいのが実情です。むしろ2シーターオープンという商品性では、燃費よりも走りの質と価格が評価軸になるとみています。

軽ライトウェイトスポーツの燃費比較表(JC08モード・当時の値)
新型カプチーノ アルトワークス S660 コペン
燃費(JC08) 25.6km/L(2019年当時の予測値) 23.6km/L 24.2km/L 25.2km/L
現況 未発表 2021年12月生産終了 2022年3月生産終了 2026年8月末で生産終了予定

新型カプチーノはスズキの予防安全技術を搭載する可能性が高い

スイフトのデュアルセンサーブレーキサポート作動イメージ図衝突安全と予防安全を備えたスズキ セーフティ サポートの搭載が見込まれる

新型カプチーノは、対象物を検知して衝突の恐れがある場合に運転支援を行う「デュアルセンサーブレーキサポート」をはじめとする、スズキの予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」を搭載する見込みです。もはや競合を意識するという次元の話ではなく、衝突被害軽減ブレーキは新型車への装備が義務化されており、搭載なしでは市販できません。

この点について、本記事はかつて「S660やコペンは次のマイナーチェンジでホンダセンシングやスマートアシスト3を搭載する見込み」と予想していましたが、これは実現しませんでした。S660はホンダセンシングを搭載しないまま2022年3月に生産を終了し、その理由の一つとして衝突被害軽減ブレーキなど安全面の規制対応の難しさが挙げられています。コペンもスマートアシストの設定はなく、2024年12月10日の一部仕様変更ではサイドミラーの拡大とオートライトの新設定・全グレード標準装備にとどまりました。

少量生産の2シータースポーツにとって、安全装備の規制対応は車種の生死を左右するコスト要因です。逆に言えば、新型カプチーノが企画として成立するかどうかは、この対応コストを共同開発でどこまで薄められるかにかかっていると考えます。

新型カプチーノの販売価格は220万円前後からとみられる

新型カプチーノの価格は、6速MT車で220万円前後、上級グレードで250万〜270万円程度になる見込みです。

本記事はかつて、ベースグレードの価格をコペンやS660と同様に200万円以下と予想していました。この予想は結果として下振れしています。理由は明確で、原材料費と物流費の上昇、予防安全装備の標準化、そして少量生産という三つの要因が重なったためです。実際、S660の最終価格は203万1,700円から315万400円、コペンは2024年12月の価格改定でRobeが198万3,300円から、GR SPORTは250万1,400円からとなり、いずれも当時の水準を上回っています。

とはいえ、FRの軽オープンスポーツが220万円前後から手に入るのであれば、価格のインパクトは依然として大きいと考えます。近年はスポーツカー全体の価格上昇が続いており、この価格帯で後輪駆動のオープンスポーツが実現すれば、市場でも大きな話題となりそうです。

「新型カプチーノ」「S660」「コペン」の販売価格比較表
車名 販売価格 備考
新型カプチーノ 220〜270万円(見立て) 未発表。2019年当時は190〜250万円と予想していた
S660 203万1,700円〜315万400円 2022年3月生産終了時点。最上位はModulo X Version Z
コペン 198万3,300円〜255万6,400円 2024年12月10日改定。2026年8月末で生産終了予定

小さなオープンカー カプチーノのモデルチェンジ遍歴

カプチーノはスズキが販売していた軽自動車のオープンカータイプのスポーツカーです。その名の通りエスプレッソコーヒーのカプチーノから命名されており、「小さなカップに入ったちょっとクセのあるおしゃれな飲み物」のイメージを重ね合わせて名付けられました。

カプチーノ EA11R型(1991年11月〜1995年5月)

1991年10月の東京モーターショーに参考出品され、同年11月に前期型のEA11R型が発売されました。ロングノーズ・ショートデッキのスタイルを採用し、3分割式デタッチャブルトップは取り外してトランクに収納できます。クローズド・Tバールーフ・タルガトップ・フルオープンの4通りに変化する「4WAYオープントップ」が特徴でした。
エンジンはF6A型直列3気筒DOHC12バルブICターボで、最高出力64ps/6,500rpm、最大トルク8.7kgf·m/4,000rpm。トランスミッションは5速MTのみ、車両重量は700kgです。サスペンションは軽自動車初の前後ダブルウィッシュボーン、タイヤ・ホイールは14インチを採用しました。
この期間には、専用内装(木目調・カーボン調)や専用ボディカラーを設定した特別仕様車「リミテッド」「リミテッドⅡ」「リミテッドⅢ」が順次投入されています。

カプチーノ EA21R型(1995年5月〜1998年10月)

1995年5月にマイナーチェンジを受け、型式がEA21R型となりました。
最大の変更点は、オールアルミ化されたK6A型エンジンと16ビット化されたECUの採用です。最高出力は64psのまま据え置かれましたが、最大トルクは10.5kgf·m(103.0N·m)/3,500rpmへ向上しました。エンジンのオールアルミ化とホイールの軽量化などにより、車両重量は前期型から10kg軽い690kgとなっています。ホイールのスポーク数は前期型の7本から6本に変更されました。
トランスミッションは5速MTに加えて3速ATが追加され、選択肢が広がっています。一方でベースグレードに標準装備されていたテレスコピック・ステアリングチルト機能、スピードメーター内のブーストランプは廃止されました。イギリスやドイツなどでも販売され、左ハンドル仕様も用意されています。
1998年1月に生産を終了し、総生産台数は2万6,583台(うちAT車1,184台)。同年10月、軽自動車規格の改正に伴い販売を終了しました。

カプチーノのモデルチェンジ遍歴
カプチーノのモデル 販売年表 搭載エンジン
EA11R型(前期) 1991年11月〜1995年5月 F6A型
EA21R型(後期) 1995年5月〜1998年10月 K6A型

スズキ「カプチーノ」が復活すれば軽スポーツオープンカー市場は再び動き出す

カプチーノ

初代カプチーノが販売されていた時代には、軽スポーツオープンカー市場はいま以上に勢いがありました。カプチーノは、同時期に販売されていたマツダ「AZ-1」やホンダ「ビート」とともに、軽自動車のスポーツオープンカー市場を盛り上げていました。

バブルが崩壊し、軽自動車規格が見直されたことで市場は縮小し、その後もアルトワークスが2021年12月に、S660が2022年3月に姿を消しました。コペンも2026年8月末で生産を終える予定で、軽オープンスポーツはいったん国内から消えることになります。

それでも、ダイハツは軽規格のFRオープン「K-OPEN」で次の一手を示し、スズキのカプチーノについても2027年前後の登場を見込む声が続いています。走りに加えて安全性や環境性能も備えた新型カプチーノが誕生すれば、いったん途切れた軽スポーツオープンカー市場は再び動き出すはずです。2026年7月時点でスズキからの正式発表はありませんが、続報を待つ価値のある一台であることは間違いありません。