ゼブラゾーンとは?右折・左折レーンの手前にある縞々エリアの意味と通行ルール
交差点直前などに設置されている斜線が引かれた場所は、正式には「導流帯」と呼びますが、白と黒の縞々模様からシマウマを連想し「ゼブラゾーン」とも呼ばれています。この「ゼブラゾーン」の意味と通行ルールを知ることは、安全運転のために重要です。
このゼブラゾーンは、行く先に右折レーンや左折レーンなどがあり、曲がる車をスムーズに進行させるために設けられています。そのため、右左折するためにゼブラゾーンへ侵入しても違反にはなりません。しかし、ゼブラゾーンを通行する際には、直進レーンから右左折レーンへ車線変更してくる車との事故に十分に気を付けなければいけません。
- 「ゼブラゾーンは入っては行けないところなので、右折レーンまで来たら侵入しよう」
- 「ゼブラゾーンは直進レーンが混んでいて右折レーンに入れない時のみ侵入していい場所だ」
上記のようにゼブラゾーンを解釈しているドライバーもいるため、導流帯の途中から侵入、途切れた地点で右折レーンへ侵入してくるパターンもあり、事故になりやすい箇所でもあるため、通行する際は十分に気を付けなければいけません。そこで、ゼブラゾーンの意味や通行ルールについてまとめましたので、安全運転のためにチェックしておいてください。
ゼブラゾーンは車両をスムーズに通行させるためにある
ゼブラゾーンは「導流帯」とも呼ばれ、直後に右左折レーンがある交差点などでよく設置されています。曲がる車をゼブラゾーンに誘導し、右折レーンの延長線上である導流帯で待機してもらうことで、直進レーンの渋滞の解消や交通の流れをスムーズにする効果があります。
一部のドライバーは「ゼブラゾーンは、直進レーンが渋滞していて右折レーンへ入れない時に使っていい場所」と考えていて、直進レーンからスムーズに右折レーンへ入れる時はゼブラゾーンを使わないで通行する人もいます。そのため、ゼブラゾーンを利用する車と、ゼブラゾーンを避けて車線変更する車の間で接触事故にならないよう、お互いに十分注意して通行しなければいけません。
つまり、ゼブラゾーン(導流帯)は、「このまま直進すると右左折レーンになりますよ」という進行方向を指示する表示ですので、侵入しても違反にはなりません。むしろ、交差点で右左折するためなら積極的に利用したほうが車の流れも滞りませんし、自分も周りの車もスムーズに進行できます。ゼブラゾーンの通行ルールは、運転者が理解しておくべき重要な知識です。
ただし黄色枠の白い斜線は「立ち入り禁止」なので注意
黄色枠の斜線になっている部分は導流帯、俗に言うゼブラゾーンではなく、「立ち入り禁止部分」ですので、入ったら交通違反になりますので注意が必要です。この立ち入り禁止部分は「ペイントアイランド」とも呼ばれ、基本的に車両の通行はできません。
他にも、斜線がなく黄色の枠で囲まれた箇所は「安全地帯」と呼ばれ、路面電車の停留所などに設置されていることが多いです。ここも車両の立ち入りはできませんので違反となります。安全地帯や立ち入り禁止部分への進入は、歩行者や交通の安全を脅かす行為です。
斜線が引かれていても、追い越し禁止の黄色中央線と一緒で、黄色枠の表示は車両が立ち入れない部分になっているという意味を持っていますので、斜線だけで判断するのではなく、ゼブラゾーンか立ち入り禁止部分かを枠の色(白枠か黄色枠か)で判断するようにしてください。この枠の色の違いが通行ルールのポイントです。
ゼブラゾーン走行中は事故に遭うことが多いので慎重に進入すること
ゼブラゾーンを走行中によく起こりやすい事故といえば、「直進レーンからゼブラゾーンを避けて右折レーンへ侵入する車」と、「右折レーンへ行くためにゼブラゾーンを直進している車」との接触事故です。右左折を目的とした車線変更の際に、ゼブラゾーンの通行ルールに対する誤解が事故を引き起こす原因となることがあります。
ゼブラゾーンは、単なる指示表示なので通行しても違反にはなりませんが、車線変更を伴う事故という考え方で処理されます。一般的に、直進レーンから右折レーンへ車線変更しようとした車のほうが、車線変更の際の注意義務から過失割合が大きくなる可能性が高くなります。ゼブラゾーンを通行している車は、車線の優先を主張しすぎず、周囲の安全に注意を払うことが大切です。
ゼブラゾーンを走っている車は、「直進レーンから右折レーンへゼブラゾーンを通らず車線変更してくる車もいるのでスピードを落としながら注意して進む」、ゼブラゾーンを避けて右折レーンへ入る人は、「ゼブラゾーンを走っても違反ではないので詰まっていなくても走ってくる車がいると思って注意しながら右折レーンへ入る」など、お互いに「だろう運転」はせず、譲り合うことで事故に遭う確率を減らすことができます。特に交差点付近のゼブラゾーンでの慎重な運転は必須です。
ゼブラゾーンに入る時は枠の色に注意して進むこと
斜線を引いている枠は全て導流帯と呼ばれるゼブラゾーンではなく、黄色枠で囲まれた斜線は立ち入り禁止場所ですので、侵入すると違反になります。ゼブラゾーンの意味と通行ルールは、枠の色で明確に区別されています。
また、白い枠のゼブラゾーンを走行しても違反にはならないのが正確なルールですが、人によっては走行してはダメな場所と思っていて、ゼブラゾーンが途切れた場所で車線変更をする人もいます。そのため、ゼブラゾーンを走っている人も「自分が優先だ」と思い込まず、徐行したり、譲る気持ちを持つことが大切です。ゼブラゾーンでの安全な通行には、ルールの理解と、他のドライバーへの配慮が必要です。