ワイパー拭き残しの対策

ワイパーの拭き残し原因と対策!新品ゴムと油膜取りで解決

ワイパーを使っても拭き残しが出来るのはなぜ?ゴムを新品に交換しても拭き残しや拭きムラが発生する時はフロントガラスに油膜の発生、撥水剤が古くなって効きが悪くないか確認。

ワイパーの拭き残し原因と対策!新品ゴムと油膜取りで解決

ワイパー拭き残しの原因と対策

ワイパーの拭き残しがあるフロントガラス

ワイパーを作動させた際に、水分が筋状に残る「拭き残し」や「拭きムラ」が発生すると、視界が悪化して運転に集中できなくなります。視界不良は安全運転を妨げ、重大な事故につながる危険性がありますので、速やかな対処が必要です。

ここでは、ワイパーの拭き残しが発生する主な原因と、その対策について詳しくご紹介します。ご自身の車に合った適切な対処法を行い、クリアな視界を確保してください。

1. ワイパーゴムの劣化や損傷

ゴムが劣化したワイパー

拭き残しが発生する最も一般的な原因は、ワイパーゴムの劣化です。ゴムが劣化して硬化したり、先端のエッジ部分(水を掻き取る部分)が損傷したり、ちぎれたりしていると、フロントガラスの水分を均一に拭き取れず、筋状の拭きムラが発生します

ワイパーゴムの状態を確認する方法

  • ワイパーアームを立ててゴムの状態を直接目視する

ワイパーを立て、ブレード(骨組み)に装着されているゴムの状態を確認してください。「ヒビ割れている」「ゴムの先端が摩耗している」「端がちぎれている」といった状態が見られたら、交換のサインです。

一般的なワイパーゴムの交換時期

  • ワイパーゴム:1年に1回程度

ワイパーゴムは、常に紫外線や熱、雨水などに晒されており消耗が早いため、一般的に1年に1回の交換が推奨されています。例えば、毎年点検の時期や、夏用・冬用ワイパーを交換するタイミングで替えゴムも新品にするなど、周期を決めておくと交換時期を忘れずに済むでしょう。

冬場にフロントガラスが凍結している場合、凍り付いたワイパーゴムを無理に剥がそうとすると、ゴムを損傷させたり、ちぎってしまったりする原因となります。温風のデフロスター(フロントガラスに向けた送風)を当てて、氷が溶けるのを待ってから、ワイパーをガラスから引き離すようにしてください。

2. ワイパーブレードやアームの劣化

しばらく交換していないワイパー

ワイパーゴムを支える骨組みである「ワイパーブレード」や、ブレードをガラスに押し付ける「ワイパーアーム」が劣化している場合も、拭き残しの原因となります。

ブレードが長年使用により歪んできたり、関節部にガタつきや錆びが発生したりすると、ゴムがガラス面に均一に密着できなくなります。わずかな浮きでも、それが原因で水分を掻き取れない部分ができ、拭き残しが発生することがあります。

一般的なワイパーブレードの交換時期

  • ワイパーブレード:2~3年に1回程度

ワイパーゴムは替えゴムで交換できますが、ブレード自体も金属疲労や錆びによって劣化しますので、2~3年に1回の頻度でブレードごと新品に交換することをおすすめします。車検のタイミングで交換するなど、ご自身で分かりやすいサイクルを決めておくとよいでしょう。

また、ワイパーアームは、ブレードをガラスに押し付ける力(アーム圧または払拭圧)をスプリングで生み出しています。長年の使用によりこのスプリングの力が弱まると、押さえつける力が不足し、拭き残しが発生することがあります。アーム自体に歪みや錆びが見られる場合や、新品のブレード・ゴムに交換しても拭きムラが改善しない場合は、アームの交換も検討してください。アームの交換はご自身でも可能ですが、不安な場合はディーラーや整備工場に依頼できます。

3. フロントガラス表面の状態(油膜や撥水剤のムラ)

フロントガラスに水をかけているところ

ワイパーゴムやブレードに問題がない場合でも、フロントガラス表面に付着した油膜や、劣化した撥水剤の被膜ムラが原因で、ワイパーが水分をきれいに払拭できず拭きムラが発生することがあります。

油膜がついている場合

フロントガラスに油膜がついているかを確認するには、ガラスに水をかけて流れ方を見ます。油膜があると、水が部分的に弾かれたり、ガラスに薄く張り付くように広がる部分ができ、全体に均一に流れ落ちず「まだら状」に水分が残る傾向にあります。対向車のライトでガラスがギラギラして見える場合も油膜が原因です。

油膜を除去するには、専用の油膜取りクリーナーやコンパウンドを使って、ガラス面を根気よく擦ります。水や洗剤で洗い流しても、ガラスが水を弾かずに全体に水が馴染む「親水状態」になるまで、完全に油膜を除去することが重要です。

ガラス撥水剤がとれかけている場合

フロントガラスに撥水剤を塗り直す

ガラス撥水剤は効果が永続するものではなく、時間の経過やワイパーの使用によって徐々に劣化し、被膜にムラが生じます。特にワイパーで頻繁に擦られる部分は劣化が早く、そのムラが拭き残しの原因になることがあります。

撥水剤被膜ムラがある時の対策

  • 古い撥水剤の被膜を油膜取りなどで完全に除去する
  • 油膜がない状態にしてから、新しい撥水剤をかけ直す

古い撥水剤の上に重ね塗りするのではなく、まずは油膜取りなどを利用して古い被膜を完全に除去し、親水状態に戻してから新しい撥水剤を再施工することで、効果が最大限に発揮されます。撥水剤の再施工後は、ワイパーゴムを撥水剤対応のグラファイトワイパーや撥水ワイパーに替えておくと、ワイパーの作動時のビビリ音や拭きムラを軽減できます。

ワイパーの拭き残しを解消しクリアな視界を手に入れましょう

ワイパーを作動させた時の拭き残しや拭きムラの原因は多岐にわたりますが、ほとんどの場合、「ワイパーゴムの劣化」「フロントガラスの油膜」のどちらか、または両方が原因となっています。まずはこの2点を優先的にチェックし、対策を行うことをおすすめします。

ワイパーの替えゴムは、一般的に安価なもので1本500円~1,000円程度、油膜取りクリーナーも同程度の価格で購入可能です。もしワイパーゴムをしばらく交換していない場合は、替えゴムよりもブレードごと交換した方が、ブレードの劣化対策にもなり、確実な拭き取り性能を確保できます。

ご自身で拭き残しの原因を特定し、適切な対策を行うことで、雨の日の視界が改善し、運転への愛着も深まります。安全運転のためにも、日頃からワイパーの状態をチェックするように心がけてください。