ウィンドウォッシャー液の補充・交換はどうやるの?ボンネットを開けて注ぐだけで完了する簡単メンテナンス
ウィンドウォッシャー液は、フロントガラスの汚れを取り除く役割を果たしてくれる重要なもので、泥汚れやホコリなどで前方が見えにくい時に使うとワイパーと一緒に汚れを落としてくれる優れものです。ですが、ウォッシャー液は使っていけば無くなるものですので、定期的に補充あるいは交換する必要があります。
さっそく、ウィンドウォッシャー液はどうやって補充・交換するのか、節約のために水道水だけ入れていいのか、ウォッシャー液にはどのような種類があるのかチェックしていきましょう。
特に長距離運転をしている時にウィンドウォッシャー液が切れた時は、前方が見えにくく辛いものがあります。前が見えにくいまま運転を続けると人や車・障害物に気付くのが遅れ、危険な状況が発生します。安全・快適な運転でドライブを楽しむためにも、長距離運転の前やウォッシャーの噴出が悪くなった時などに行っておきたいウィンドウォッシャー液の補充や交換をやってみましょう。
ウィンドウォッシャー液の一般的な補充方法
ウィンドウォッシャー補充口を開けるとガイドがついている場合、引き上げることで残量が分かる。
ウィンドウォッシャータンクやウィンドウォッシャー液補充口は、ほとんどの車種は車のエンジンルームがあるボンネットを開けると見つけることができます。ウィンドウォッシャー液を溜めているタンクはボンネットからは見えない場所に設置されていることが多いですが、ウォッシャー液補充口の下側に設置されていてタイヤハウス裏側にあることが多いです。
タンクに残っている残量が分からない時は、補充口のキャップにガイドがついているとわかりやすいです。長いヒモがタンクまで伸びているため、引き上げて濡れている箇所がウォッシャー液の残量です。先端に行くほど残量が少なくなります。
寒冷地用のスタンダードなウォッシャー液
残量がなかったため大容量のウォッシャー液から容器に移し替えた
さっそくウィンドウォッシャー液を補充していきます。以前使い終わったウィンドウォッシャー液の容器をとっておいたため、それを使いお徳用ウィンドウォッシャー液を容器に注ぎました。普通にウィンドウォッシャー液を購入した時は、容器にウォッシャー液が入っている状態になっています。
間違えて満タンまで容器に入れたため原液のまま補充した
ウォッシャー液には原液のまま使えるタイプと水で希釈して使うタイプがあります。参考写真のウォッシャー液は希釈して使用するタイプでしたが、間違えて原液を入れてしまったためタンク内で希釈していきます。再び同じ量の水道水を入れていけば、タンクの中で原液のウォッシャー液が薄まり1:1のちょうどいい濃度になるはずです。
容器に先ほど入れた原液と同じくらい水道水を入れて希釈する
ゆっくり入れたり、コポコポという音を聞くことで液面がどこまで来ているか判断しやすい
勢いよく入れていくといきなりウォッシャーの液面が補充口まで迫ってきてあふれやすいため、ゆっくり入れるかコポコポという音を聞きながら入れていくとウォッシャー液がどこまで上ってきているか分かりやすいでしょう。
フタをパチンとしっかり閉めて補充完了
エンジンをかけてウォッシャーを作動させて、しっかりと出るか確認する
ウォッシャー液を補充し終わったらキャップをしっかりと閉めて走行中でも外れないよう確認し、ボンネットを閉めます。そしてエンジンをかけてウォッシャー液が出るかどうか確認をして補充完了です。補給前に空になっていた時はすぐに出ないため、何回かに分けてレバーを引いてみてください。
もし、何回引いても出てこない時は、詰まり・タンクの破損・液漏れ・モーターの故障などのトラブルが予想されるため、ディーラーなどに相談してみてください。
ウィンドウォッシャー液の交換方法:給油ポンプで古いウォッシャー液と入れ替え
ウォッシャー液には、油膜除去成分を配合してフロントガラスに付着する油膜を効率的に取り除くもの、氷点下30度以下でも凍結しない寒冷地仕様のもの、フロントガラスの氷を除去する解氷剤配合のものなど、様々なタイプがあります。
しかし、異なる種類のウォッシャー液をブレンドしてしまうと、本来の洗浄効果が得られなくなる上、化学変化によってウォッシャー液がゲル状となり、ノズルを詰まらせてしまう等のトラブルを招きかねません。
異なる種類のウォッシャー液を使う際は、補充ではなく交換が必要です。
なので、メーカー純正ウォッシャー液から、社外メーカーのウォッシャー液へと切り替えるケースにおいても、補充ではなくて交換が必要となります。
このセクションでは、ウォッシャー液の抜き取り方法も交え、交換作業の手順を紹介します。
今回のウォッシャー液の交換は、エーモン工業の「オイルジョウゴ」と「給油ポンプ」を用いて行いました。
「給油ポンプ」はタンクに入っているウォッシャー液を抜き取る際に、「オイルジョウゴ」は新たなウォッシャー液を入れる際に使用します。
交換に用いたウォッシャー液は、オールシーズンに対応するシュアラスターの「ゼロウォッシャー[超純水クリアータイプ] 2L SurLuster S-103」です。
同商品は、超純水や特殊気化性清浄成分を配合し、ガラスに付いた汚れを素早く除去して液あとも残しません。また、撥水効果には影響を与えないため、ウィンドウ撥水コーティングをしているアイサイト搭載車に対しても、予防安全性能に不具合を起こさずに使用できると評判です。
シュアラスターのゼロウォッシャー[超純水クリアータイプ] は、ワイパーを動かしたあとのスジが出来にくいなどの高評価も得ています。
同商品の裏面で使用方法や含有成分を確認します。
名称 | 自動車用ウォッシャー液 |
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用途 | 自動車窓洗浄噴射装置に用いる洗浄液 |
成分 | 超純水、メタノール(32~34wt%)、特殊気化性清浄剤 |
凍結温度 | 原液:-30℃ |
液性 | 弱アルカリ性 |
液色 | 無色 |
種類 | 一般洗浄型 |
内容量 | 2000ml |
シュアラスターのゼロウォッシャー[超純水クリアータイプ]は、水で希釈せずとも使用できるストレートタイプの商品です。同商品の液性は弱アルカリ性で、弱アルカリ性のウォッシャー液は中性タイプよりも洗浄力には優れてはいるものの、希釈せずに使った場合、塗装面などと付着した際にはダメージを与えやすいという性質を備えます。
ウォッシャー液の交換も補充と同様に、まずはボンネットを開けステーで固定して、ウォッシャー液の補充口のキャップを外す作業から始めます。
補充口のキャップを外して内側を覗いてみると、細長い管が奥の方まで伸びている事を確認できます。
タンク内に入っているウォッシャー液の抜き取り作業は、エーモン工業の「給油ポンプ」を用いて行います。同商品は本来、携行缶から車やバイクに燃料を緊急補給する際に使いますが、ウォッシャー液の抜き取り作業などにも使える優れものです。
メーカー | エーモン工業 |
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メーカー品番 | Y99 |
ホース径 | 約13φ |
サイズ | 吸引(IN)側 約1,080mm、吐出(OUT)吐出(OUT)側 約1,110mm |
エーモン工業の「給油ポンプ」には、吸入(IN)側と吐出(OUT)側があって、利用する際にはホースの向きを間違わないように注意する必要があります。
タンクからウォッシャー液を吸引するので、給油ポンプのIN側を補充口から差し込んで奥の方へと入れていきました。
最初はちょっとずつしかウォッシャー液を取り出せませんが、何度も何度も水色のプッシュ部を押し続け、ホース内がウォッシャー液で充満すると、サイフォンの原理でタンクから勢いよくウォッシャー液が出てきます。
タンク内へと差し込んだホースを取り出す作業は、思っていた以上に慎重に行わなければなりませんでした。手元が狂うとウォッシャー液が簡単に周囲に飛び散ってしまいます。
新たなウィンドウォッシャー液を入れる前に、取扱説明書でタンク容量を確認します。ランドクルーザープラドの容量は4.75L(参考値)なので、「ゼロウォッシャー[超純水クリアータイプ] 2L SurLuster S-103」であれば、2商品(2パック)入れる事が可能です。
今回は、エーモン工業のオイルジョウゴを用いて、ゼロウォッシャー[超純水クリアータイプ]をタンクへと入れます。じょうごを使うとウォッシャー液をタンクに入れる際に、外側へと飛び散りにくくなります。
ウォッシャー液の補充・交換作業に不慣れなうちは、じょうごを使って作業した方が安心できます。
メーカー | エーモン工業 |
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製品名 | オイルジョウゴ |
製品コード | 8805 |
セット内容 | ジョウゴ/ノズル |
ノズル伸縮 | 140mm~270mm |
シュアラスターの「ゼロウォッシャー[超純水クリアータイプ] S-103」のキャップを開けたたら、いよいよタンクへの注入です。
まずは同商品の注ぎ口を上向きにした状態でジョウゴまで近づけていきます。
ジョウゴに接近したら、注ぎ口を下側に向けてゆっくりと注入していきます。残量が少なくなってきたら、角度を急にする、パッケージを手で押してやるとうまく注入できました。
シュアラスターの「ゼロウォッシャー[超純水クリアータイプ] 2L SurLuster S-103」を2商品、計4Lをウォッシャータンク内に入れました。
その後に、オイルジョウゴを取って、補充口のキャップをしっかりと閉め、ステーを外して、ボンネットを閉じました。
エンジンを始動させて、フロントウォッシャーやリヤウォッシャーをONにして、ウォッシャー液交換が正常に行われていることを確認します。
フロント・リヤ部からは問題なくウォッシャー液が噴射されました。
ヘッドライトウォッシャーシステムも正常に機能していることを確認しました。
ウォッシャー液の交換作業終了後には、給油ポンプに水を注入して清浄を行いました。そうすることで、次の作業の際、異なる液剤同士が混じり合って発生し得るトラブルを未然に回避できます。
ウィンドウォッシャーは水道水だけでもいいの?夏場でもウォッシャーを全く使わない人は要注意
ウィンドウォッシャー液の代わりに水道水だけを入れている人は要注意。トラブルになる可能性もある。
ウィンドウォッシャー液は水道水だけ入れておけばいいのでしょうか?頻繁にウォッシャーを使いすぐにタンク残量が無くなる使い方ならウォッシャー配管にトラブルが起きにくいですが、水だけでは洗浄成分が低いためガラス面の汚れが取れにくい、フロントガラスにウロコ汚れができやすいなどのトラブルが起きます。
ウィンドウォッシャー液の代わりに水道水だけを入れるとどうなる?
- 冬場は凍結する可能性があり故障しやすい
- 洗浄能力はウィンドウォッシャー液に比べると弱い
- 長時間使わないと水道水だけなら配管に藻が生える可能性がある
- 水道水ウォッシャーを使うとフロントガラスにウロコ汚れがつきやすくなる
また、水道水だけなら冬場にしばらく車を動かさないでいるとタンクや配管内に通っている水が凍結して故障する可能性があります。ウォッシャー液を運んでいるモーターが壊れると修理費も高いため、水道水をウォッシャー液の代用にするのはおすすめしません。
ウィンドウォッシャー液の種類は洗浄だけじゃない!撥水・油膜取りタイプや水の跡が残りにくいタイプもある
ウィンドウォッシャー液は、単に洗浄するだけのもののほかにも、撥水効果があるタイプ・油膜取りができるタイプ・水の跡が残りにくい純水タイプと、いろいろな種類があります。基本的には洗浄成分が入っているスタンダードタイプがコスパもよくいいですが、撥水や油膜取り・虫が取れやすいなど自分に合ったウィンドウォッシャーを選ぶといいでしょう。
主なウィンドウォッシャー液の種類
- スタンダードタイプ(洗浄成分のみ)
- 純水タイプ(ゼロウォッシャーなど)
- 撥水タイプ(ガラコウォッシャーなど)
- 油膜取りタイプ(ブルビンウォッシャーなど)
- 虫取りタイプ(虫取りスーパーウォッシャーなど)
ウォッシャー液がタンクに残っている状態で補充するときは、同じ種類のものを入れるようにしてください。撥水タイプや油膜タイプなど別のものを混ぜないように注意で、ウォッシャー液として使えないこともないですが撥水と油膜の成分が混ざり合いどんな影響を及ぼすか分からないため止めたほうが無難です。
ウィンドウォッシャー液は補充口に注ぐだけでカンタンに補給できる!ウォッシャーマークのあるキャップの注ぎ口なので間違えないように
ウィンドウォッシャー液は前方視界を回復するため必要なもので、無くても一旦降りてフロントガラスを拭けばいいですが、その手間を走行中に行うことができる優れものです。ウォッシャー液の補充は、ボンネットを開けて補充口に新たなウォッシャー液を注ぐだけで完了します。
水道水だけの補充は出先でウィンドウォッシャーが切れて、ウォッシャー液が手に入らない場合の緊急手段として使い帰ったらちゃんとウィンドウォッシャー液を補充するなら大丈夫ですが、日常的に水道水だけを使っていると、夏場は配管に藻が生えたり冬場は凍結して故障の原因となりやすいので注意が必要です。
ウォッシャー液の種類は、スタンダードタイプのほかにフロントガラスに撥水効果を与えるものや、油膜を取るもの・なかなか落ちにくい虫汚れが取れやすいものなど、数種類あります。同じ種類のものは継ぎ足して補充してもいいですが、撥水タイプと油膜取りタイプなど違うものをブレンドするのはNGです。
必ず液が出なくなってタンクが空になったら、配管に残っているウォッシャー液を出すため水道水を1Lくらい入れてからウォッシャーを出して配管もキレイにし、前とは違う種類のウォッシャー液を補充するようにしましょう。