ヴェルファイアが3代目へモデルチェンジ 40系は新開発2.4Lタ-ボエンジンで差別化
ヴェルファイアが40系へモデルチェンジ。
一時はアルファードを追い越す勢いのヴェルファイアでしたが、2017年のマイナーチェンジ以降はアルファードに販売台数を大きく越されていたため、次期モデルチェンジでアルファードに統合されるのではないかという噂も出たほど。
2023年6月21日にアルファードと同時にモデルチェンジすることが発表され、次期モデルも継続販売することになりました。
40系ヴェルファイアはアルファードとは明確に差別化されており、ラグジュアリーを追求したショーファードリブンの性格を強めた一方、ヴェルファイアはミニバンで初めて採用する新開発の2.4L直噴ターボエンジンを搭載することにより、ユーザー自らが運転を楽しめるドライバーズカーになりました。
スポーティな外観・運動性能ながら、アルファードと同じ最上級グレードのエグゼクティブラウンジ(EL)を設定するため、従来どおり最上級の質感を持つフラッグシップミニバンとしても活躍するでしょう。
今後PHEV(プラグインハイブリッド)の追加も発表した3代目新型ヴェルファイアのエクステリア・インテリア・スペックなどを解説。
3代目ヴェルファイアは90系ノアに似た横長バーを縦に連ねるスポーティな外観に
運転する喜びをコンセプトに専用サスチューン・ボディ補強で走行性能を強化した40系新型ヴェルファイア
3代目ヴェルファイアのフロントデザインは先代までの押し出しの強さから、クセのないスポーティな外観に変化。
2022年にフルモデルチェンジした90系ノアのような横長のバーを縦に連ねることにより、ファミリーカーとしても活躍できる親しみのある印象に。ロアグリルの外周をメッキガーニッシュで囲うことでパワフルなイメージも持ち合わせています。
ヘッドライトはアルファードと同じ、先代の2代目ヴェルファイアよりシャープになった3眼ヘッドライトを採用。
アルファードでは8連LEDデイタイムランニングライトを採用しましたが、ヴェルファイアはヘッドライト直下に横長のシームレスLEDデイタイムランニングライトを採用、昼間でもアルファードとヴェルファイアの違いが明確にわかる仕様になっています。
サイドシルエットは先代から続くZを逆にしたプレスラインで造形。
フロントはアルファードと同じく垂直に切り落としたシルエットで、すっきりとしながら重厚感のあるスタイルになりました。
全長 | 4,995mm |
---|---|
全幅 | 1,850mm |
全高 | 1,945mm |
室内長 | 3,005mm |
室内幅 | 1,660mm |
室内高 | 1,360mm |
最低地上高 | 155mm-160mm |
乗車定員 | 7名 |
ホイールベース | 3,000mm |
最小回転半径 | 5.9m |
WLTCモード燃費 | 10.3km/L-17.7km/L |
タイヤサイズ | 225/55R19 |
新型ヴェルファイアのウインカーは、40系アルファードと同じ流れるタイプのシーケンシャルターンランプを採用。
タイヤサイズはZプレミア・エグゼクティブラウンジ共通で225/55R19、Zプレミアのアルミホイールはブラックスパッタリング塗装、エグゼクティブラウンジのアルミホイールは切削光輝+ブラック塗装で、新車装着タイヤはヨコハマゴムのADVAN V03(アドバン・ブイゼロスリー)。
40系はP.C.D(ホイールピッチ)のサイズに変更があり120mmに拡大したため、30系までの114.3mmのP.C.Dを採用するホイールが適合しません。そのため30系アルファードのホイール流用を考えている方は注意が必要です。
40系ヴェルファイアはサイドのBピラー下にヴェルファイアのVを模したエンブレムバッジ、リヤのトヨタマーク直下にVELLFIREのレタリングバッジを発布しているのも特徴で、トヨタ車ではクラウンクロスオーバー、クラウンスポーツ、プリウスなどにも採用。
レクサスでも順次車名のレタリングバッジをリヤエンブレムにしています。
40系新型ヴェルファイアのボディカラーはブラックとプラチナホワイトパールマイカの2色のみ
40系ヴェルファイアのボディカラーはモノトーンのブラックとプラチナホワイトパールマイカの2色のみ設定しており、バイトーン(2トーン)などの設定もありません。
新型モデルのカラーラインナップでは最小クラスで、人気カラーのみ揃えた割り切った構成です。
40系アルファードのヴェルファイアボディカラー
- プラチナホワイトパールマイカ(33,000円高)
- ブラック
40系ヴェルファイア プラチナホワイトパールマイカ(33,000円高)
40系ヴェルファイア ブラック
新型発表後しばらくしてからカラーラインナップの充実化を図るパターンもあるため、アルファードに設定されたプレシャスレオブロンドの追加や、グレーやシルバー系カラーの追加、クラウンクロスオーバーのように大胆なバイトーンの追加にも期待しましょう。
ヴェルファイアのパワートレインにミニバン初のターボエンジン搭載 グレードもZプレミアで全部入り高級仕様に
3代目ヴェルファイアの最大の特徴は新開発2.4L直噴ターボエンジンを搭載するZ Premier(Zプレミア)グレードを設定したこと。
コンパクトミニバンのシエンタ、ミドルサイズミニバンのノア・ヴォクシー、兄弟モデルのアルファードも設定しない、ミニバン初採用のターボエンジンということで、アルファードとの違いがハッキリ解るポイントです。
ハイブリッドモデル | ターボガソリンモデル | |
---|---|---|
エンジン型式 | A25A-FXS(直列4気筒) |
T24A-FTS(直列4気筒インタークーラー付ターボ) |
総排気量 | 2.487L | 2.393L |
エンジン最高出力 | 140kW(190ps)/6,000rpm | 205kW(279ps)/6,000rpm |
エンジン最大トルク | 236Nm(24.1kgm)/4,300rpm-4,500rpm | 430Nm(43.8kgm)/1,700rpm-3,600rpm |
フロントモーター型式 | 5NM | – |
フロントモーター最高出力 | 134kW(182ps) | – |
フロントモーター最大トルク | 270Nm(27.5kgm) | – |
リヤモーター型式 | 4NM | – |
リヤモーター最高出力 | 40kW(54ps) | – |
リヤモーター最大トルク | 121Nm(12.3kgm) | – |
使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン | 無鉛プレミアムガソリン |
グレードもアルファードとは違いZではなくZ Premierを設定することで充実した装備内容に。その分車両価格は上昇しますが、専用サスペンションチューニングやボディ補強を強化することでフラッグシップミニバンの走りを存分に楽しめるグレードになっています。
運動性能と豪華装備を兼ね備えるZ Premier以外にもラグジュアリーを追求する最上級グレードのエグゼクティブラウンジ(EL)も設定するため、アルファードと同じショーファードリブンの役割もこなしてくれるでしょう。
今後追加予定のヴェルファイアPHEV(プラグインハイブリッド)モデルには2023年9月6日に発表したセンチュリー(SUVタイプ)に設定する3.5LのV型6気筒ガソリンエンジン(2GR-FXS)+モーターシステムを搭載するとのこと。
またアルファードにはないヴェルファイアの装備として、ターボモデルのZ Premierにパドルシフトを追加。
使用燃料はヴェルファイアのターボモデルのみプレミアムガソリン(ハイオクガソリン)で、アルファード・ヴェルファイアのその他グレードは全てレギュラーガソリンになります。
グレード | エンジン種類 | 駆動方式 | 値段 |
---|---|---|---|
Z Premier | ガソリンターボ | 2WD | 6,550,000円~ |
4WD | 6,748,000円~ | ||
ハイブリッド | 2WD | 6,900,000円~ | |
4WD(E-Four) | 7,120,000円~ | ||
エグゼクティブラウンジ | 2WD | 8,700,000円~ | |
4WD(E-Four) | 8,920,000円~ | ||
PHEV(プラグインハイブリッド) | – | – | -円~ |
G(普及グレード) | – | – | -円~ |
40系の3代目ヴェルファイアの車両価格はZ Premierが6,550,000円から7,120,000円、トップグレードのエグゼクティブラウンジ(EL)は8,700,000円から8,920,000円に。
Zプレミアもエグゼクティブラウンジも2WD(FF)駆動のほか4WD(E-Four)駆動も設定するため降雪地帯のユーザーも安心して乗ることができます。
サンセットブラウンは40系ヴェルファイア限定の内装色に 14インチディスプレイオーディオ、12.3インチセンターメーターなどフラッグシップらしいインテリア
エグゼクティブラウンジ ブラックインテリアのインストルメントパネル
エグゼクティブラウンジ プレミアムナッパ本革レザーシート(ブラック)
エグゼクティブラウンジ ブラックインテリアのドアガーニッシュ
エグゼクティブラウンジ ブラックインテリアのシート表皮
エグゼクティブラウンジ サンセットブラウンインテリアのインストルメントパネル
エグゼクティブラウンジ プレミアムナッパ本革レザーシート(サンセットブラウン)
エグゼクティブラウンジ サンセットブラウンインテリアのドアガーニッシュ
エグゼクティブラウンジ サンセットブラウンインテリアのシート表皮
Zプレミア ブラックインテリアのインストルメントパネル
Zプレミア プレミアムナッパ本革レザーシート(ブラック)
Zプレミア ブラックインテリアのドアガーニッシュ
Zプレミア ブラックインテリアのシート表皮
Zプレミア サンセットブラウンインテリアのインストルメントパネル
Zプレミア プレミアムナッパ本革レザーシート(サンセットブラウン)
Zプレミア サンセットブラウンインテリアのドアガーニッシュ
Zプレミア サンセットブラウンインテリアのシート表皮
40系ヴェルファイアの内装色はブラックと、アルファードには無いヴェルファイア限定のサンセットブラウンの2種類。
アルファードのシート素材はZグレードに合成皮革を採用しますが、ヴェルファイアはエグゼクティブラウンジ、Zプレミアの全てのグレードにプレミアムナッパ本革レザーを採用します。
またヴェルファイアのインテリアの特徴は、アルファードにはオプション設定される装備が、標準装備されていること。
左右独立式ムーンルーフ・カラーヘッドアップディスプレイ・トヨタチームメイトアドバンスドパーク+パーキングサポートブレーキ+アドバンストドライブなど豪華内容になっています。
販売価格はベースグレード比較で1,150,000円ヴェルファイアが高額ですが、その分インテリアも満足できる仕様です。
40系ヴェルファイアはアルファードと比較してベースグレードの標準装備が充実している
センターメーターはアルファードと同じ12.3インチTFT大型フル液晶を採用、トヨタラインナップで最大サイズの14インチディスプレイオーディオもアルファードと同様の装備です。
オプション装備ではトヨタ初採用になる音声認識機能搭載の14インチエンターテインメントディスプレイを2列目に設定できます。
エグゼクティブラウンジには日本板硝子のオリジナル防汚コーティング技術を採用するバニティミラーを採用、油分のふき取りを簡単・綺麗にする機能で快適性も向上。
シフトレバーはZプレミア・エグゼクティブラウンジ共通でエレクトロシフトマチックを採用。アルファードがZグレードでストレートシフトを採用するのとは差別化しました。
シート機能はZプレミアとエグゼクティブラウンジで違いがあり、エグゼクティブラウンジには伸縮機構付のパワーオットマン・回転格納式テーブル、リフレッシュシート、快適温熱機能の範囲を拡大したシートにグレードアップします。
Zプレミアの2列目シートに設定するエグゼグティブシート
エグゼクティブラウンジグレードの2列目シートに設定するエグゼクティブラウンジシート
40系ヴェルファイアのエグゼクティブパワーシート(Zプレミアグレード)の機能
- パワーオットマン
- 大型アームレスト(カップホルダー各席1個+ポケット付)
- 折りたたみ式サイドテーブル
- 快適温熱シート
- ベンチレーションシートなど
40系ヴェルファイアのエグゼクティブラウンジシート(エグゼクティブラウンジグレード)の機能
- 伸縮機構付パワーオットマン
- 大型アームレスト(カップホルダー各席1個+小物入れ2個付)
- 回転格納式テーブル
- リフレッシュシート
- オットマン&アームレストヒーター付快適温熱シート
- ベンチレーションシートなど
エグゼクティブラウンジシートのリクライニングイメージ
赤色部分が低反発フォームパッド箇所
オットマンとアームレストの加温箇所
着脱式のリヤマルチオペレーションパネル
エグゼクティブラウンジシートの操作スイッチ
ヴェルファイアのエグゼクティブラウンのリヤシートは、アルファードと同じ世界初のパワーロングスライドを採用。
スライド量430mm、電動と手動を切り替えられる優れものです。
後席シートにユーザーが乗っているときと乗っていないときで電動スライドの速度も変化するため、ストレスのない素早い乗り降りを実現しています。
セカンドシートのレール2か所に防振ゴムも設置しており、先代ヴェルファイアと比較しても揺れの少ないコンフォートな乗り心地に進化しました。
40系ヴェルファイアは走行性能だけではなくファミリーユースにも最適なシートレイアウトが魅力
40系ヴェルファイアは剛性の高いボディと2.4Lターボ搭載で力強い走りが注目されていますが、ファミリーユースにも活用できる広い車内空間も特徴です。
シートアレンジはアルファードと同じく、2列目後席を下げることで広大な足元空間を実現するスーパーリラックスモードを搭載。
エグゼクティブラウンジではオットマントとアームレストにヒーター機能を搭載するため、冬場の寒い時期の長距離移動も快適です。
シートアレンジ 通常乗車時
シートアレンジ フロント・セカンドフルフラットモード
シートアレンジ リヤシートフルリクライニングモード
シートアレンジ 4人乗車+荷室モード
シートアレンジ 最大積載モード
シートアレンジ リラックス+荷室モード
シートアレンジ スーパーリラックスモード
シートアレンジ トライアングルモード
セカンドシートを互い違いにすることで乗員のライフスタイルに合わせた空間を作り上げるトライアングルモード、荷物が多くなりがちな旅行やレジャーなどで活躍する最大積載モード、キャンプなどのアウトドアや少し休憩したいときに便利なリヤシートフルリクライニングモード、フロントとセカンドシートもフルフラットにできるため車中泊も可能です。
ヴェルファイアの生産比率はアルヴェル全体の30% 希少なミニバンとして存在感を放つ
40系にモデルチェンジしたヴェルファイアは、最大出力279psを発揮する2.4Lターボエンジンを搭載するなど、アルファードと明確に差別化され1モデルとして独立したようにも見えます。
2024年頃に装備や機能を簡素化したコストパフォーマンスに優れる廉価グレードGの追加、環境性能の高いPHEV(プラグインハイブリッド)モデルの追加も予定されているようです。また2列4座仕様の豪華グレード、ヴェルファイア スペーシャスラウンジも追加予定とのこと。
トヨタ ヴェルファイア スペーシャスラウンジ コンセプト
トヨタ ヴェルファイア スペーシャスラウンジ コンセプト
トヨタ ヴェルファイア スペーシャスラウンジ コンセプト
トヨタ ヴェルファイア スペーシャスラウンジ コンセプト
トヨタ ヴェルファイア スペーシャスラウンジ コンセプト
トヨタ ヴェルファイア スペーシャスラウンジ コンセプト
30系までは日本を中心に販売したアルファード・ヴェルファイアですが、40系からは北米や欧州を除く世界各国で販売するグローバルモデルになることを公表。
販売台数はアルファードに押されていたヴェルファイアですが、40系になりアルヴェル全体の生産比率のうち30%がヴェルファイアなることを発表、ヴェルファイアはアルファードと比較して希少価値も高くなるため、グレード名にもあるとおりプレミアムミニバンになっていくのかもしれません。
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