トルクレンチのおすすめ人気商品と正しい使い方を解説
トルクレンチとは、ねじやボルトなどを規定のトルク(ねじる力)で締め付けるための工具であり、そのトルク値を測定・管理できる器具です。特に自動車やバイクのホイールナットの締め付けでは、正確なトルク管理が非常に重要です。
正しい使い方をしないと、強すぎるとオーバートルク(締め付けすぎ)でボルトやねじを破損させたり、弱すぎるとトルク不足で走行中にホイールナットが緩んだり脱落したりする重大な事故につながる恐れがあります。車の安全性に直結するため、正しい知識と技術をもって使用してください。
この記事では、トルクレンチを初めて購入される方のために、デジタル式やプレセット形などの人気おすすめ商品をご紹介します。また、トルクレンチの種類や選ぶ際のポイント、使うときの注意点、正しい使い方、保管方法なども詳しく解説いたしますので、ぜひご覧ください。
デジタル式・プレセット形(単能式・可変式)のおすすめトルクレンチ
トルクレンチは、測定方式によって大きく「プレセット形(あらかじめトルク値を設定するもの)」と「直読式(締め付けながらトルク値を読み取るもの)」に分けられます。プレセット形には可変式と単能式があり、直読式にはデジタル式、ダイヤル式、ビーム式などがあります。
ここからは、特に自動車のタイヤ交換などで多く使われるプレセット形やデジタル式の人気おすすめ商品をご紹介します。それぞれのメリット・デメリットや使い方、保管方法などを考慮しながら、ご自身の用途に最適なトルクレンチを選びましょう。
車の整備工場でも導入されるプロ仕様のプレセット形トルクレンチ
TONE T4HC140
| トルク範囲 | 40~140Nm |
|---|---|
| 差込角 | 12.7mm |
| トルク精度 | ±4% |
| トルク負荷方向 | 右回転のみ |
| 長さ | 530mm |
| 重量 | 1.72kg |
| 価格(値段) | 8,480円~(2025年調べ) |
トネのトルクレンチは、自動車整備工場でも導入実績がある人気の高いプレセット形トルクレンチです。トルク範囲は40~140Nmで、日本の一般的な乗用車のホイールナットの標準締付トルク値(100~120Nm前後)に十分対応しています。
トルクの精度は±4%と実用上ほぼ正確な数値が得られます。グリップ部分にはダイヤルロック機構が付いており、設定トルク値の不意な変更を防いでくれます。また、ダイヤル部分にはゴミやホコリなどが入りにくい構造を採用しています。
設定したトルク値に達すると、軽い振動と「カチッ」というクリック音で適正トルクに達したことを知らせてくれます。なお、プレセット形トルクレンチは、性能維持のために使用後は必ず最低トルク値に戻して保管する必要があります。
トルク範囲が広く軽量で使いやすいプレセット形トルクレンチ
TIPTOP TQ1-210
| トルク範囲 | 28~210Nm |
|---|---|
| 差込角 | 12.7mm |
| トルク精度 | – |
| トルク負荷方向 | 右回転/左回転 |
| 長さ | 407mm |
| 重量 | 1.4kg |
| 価格(値段) | 5,170円~(2025年調べ) |
トルク範囲が28Nmから210Nmまでと広範囲に対応するプレセット形トルクレンチなので、軽自動車から大型SUV、一部のスポーツカーまで幅広く使用できます。トルクの負荷方向も右回しと左回しの両方に対応しており、汎用性が高いのが特徴です。
本体はクロムバナジウム鋼などの素材を使用したカーボンスチール製で、重量は1.4kgと比較的軽量な設計です。ストッパーを回してトルクを設定するなど使い方も簡単で、販売価格もお手頃なため、トルクレンチを初めて購入する方におすすめの商品です。
なお、トルク精度については公開情報が確認できません。ホイールナットなどの重要保安部品に使用する場合は、精度が公表されている製品を選ぶことも検討してください。
自動車だけでなく一部のバイクにも対応するプレセット形トルクレンチ
大橋産業 BAL トルクレンチ
| トルク範囲 | 28~210Nm |
|---|---|
| 差込角 | 12.7mm |
| トルク精度 | ±3% |
| トルク負荷方向 | 右回転のみ |
| 長さ | 470mm |
| 重量 | 1.4kg |
| 価格(値段) | 4,310円~(2025年調べ) |
このトルクレンチは、28~210Nmという幅広いトルク範囲と±3%という高い精度を持つプレセット形トルクレンチです。多くの自動車のホイールナットの締め付けに対応しています。ただし、トルク範囲が28Nmからのため、自転車のデリケートなパーツなど、非常に低いトルク値(数Nm)での作業には適していません。
トルク負荷方向は右回転のみ対応するため注意が必要ですが、コストパフォーマンスが高く、カーメンテナンスの初心者から上級者まで満足できる商品です。タイヤ交換を自分で行う方にとっては、トルクレンチは必須とも言えるメンテナンス道具です。
販売価格もお手頃なため、スタンドやディーラーにタイヤ交換を依頼する料金数回分で元が取れるかもしれません。
設定トルク値を視覚的に確認できるデジタル表示付きトルクレンチ
エマーソン EM-243
| トルク範囲 | 40~200Nm |
|---|---|
| 差込角 | 12.7mm |
| トルク精度 | ±3% |
| トルク負荷方向 | 右回転のみ |
| 長さ | 515mm |
| 重量 | 1.9kg |
| 価格(値段) | 11,580円~(2025年調べ) |
設定トルク値がパッと見てデジタル表示で確認できるエマーソンEM-243は、目盛りの読み間違いを防ぎたい方に適したプレセット形トルクレンチです。使い方は簡単で、グリップ後端のロックを外してから持ち手を回してトルク値を設定します。右回しでトルクアップ、左回しでトルクダウンし、設定が終わったらロックを元に戻して増し締めを行います。
目盛りのついているトルクレンチでは、トルク値が正確に設定できているか不安な方もいらっしゃいますが、本製品は視覚的に直接数字が確認できるため安心感があります。販売価格はやや高額な10,000円台ですが、正確さと安心感を求める方にはおすすめの商品です。
ホイールナットにしっかりフィットする機構を採用したトルクレンチ
大自工業 メルテック F-92
| トルク範囲 | 28~210Nm |
|---|---|
| 差込角 | 12.7mm |
| トルク精度 | – |
| トルク負荷方向 | – |
| 長さ | 470mm |
| 重量 | 1.4kg |
| 価格(値段) | 4,480円~(2025年調べ) |
メルテックのトルクレンチは、標準的な機能を備えたプレセット形トルクレンチです。特に、ホイールナットの6つの面をしっかりとらえて確実にトルクを伝達するフェイスキャッチソケットを採用していることが特徴です。これにより、設定したトルク値で確実に増し締めできます。
トルク範囲は28~210Nmで、多くの乗用車に対応しています。価格も一般的なトルクレンチと同程度です。タイヤ交換だけを目的とするなら、ナットへのフィット感を高めるフェイスキャッチソケットを採用しているメルテックのトルクレンチは安心感があります。
長さは470mmなので、一般的な工具箱にも収納できるサイズになっています。
特定の軽自動車に適した設定固定式(単能形)トルクレンチ
単能形トルクレンチ(85Nm固定)
| トルク範囲 | 85Nm(固定) |
|---|---|
| 差込角 | 12.7mm |
| トルク精度 | – |
| トルク負荷方向 | 右回転のみ |
| 長さ | 510mm |
| 重量 | 1.3kg |
| 価格(値段) | 9,199円~(2025年調べ) |
このトルクレンチは、あらかじめトルク値が85Nmに固定されている単能形(プレセット形)トルクレンチです。軽自動車ユーザーの中でも、特にスズキのスペーシア(85Nm)やワゴンR(85Nm)、一部の日産軽自動車など、メーカーが推奨する締め付けトルク値が85Nmの車種に適しています。
あらかじめトルク値が設定されているため、ご自身で設定する手間がなく、車に詳しくない方も簡単に使えるのが魅力です。ただし、全ての軽自動車が85Nmではない点に注意が必要です。例えば、ホンダのN-BOXは108Nm、ダイハツ車は103Nmなど、85Nmではトルク不足となる車種が多く存在します。
したがって、本製品を使用する際は、必ずご自身の車の取扱説明書を確認し、指定された締め付けトルク値が85Nmであることを確認してください。このトルクレンチの負荷方向は、一般的なホイールナット締め付け用のトルクレンチと同様に、右回転のみに対応しています。
幅広いトルク値を詳細に設定できるプレセット形トルクレンチ
山城謹製 YK-004
| トルク範囲 | 42Nm~210Nm |
|---|---|
| 差込角 | 12.7mm |
| トルク精度 | – |
| トルク負荷方向 | 右回転/左回転 |
| 長さ | 465mm |
| 重量 | – |
| 価格(値段) | 4,476円~(2025年調べ) |
カーメンテナンスを詳細に行いたい方におすすめなのが山城謹製 YK-004です。このプレセット形トルクレンチは、最小目盛りが細かく、より精密なトルク値調整が可能です。設定したトルク値をはっきり目視で確認できる視認性の高さが人気を集めています。
トルク範囲は42Nmから210Nmまでと広く、ほとんどの乗用車のホイールナットの締め付けに対応しています。トルク負荷方向も右回転と左回転の両方に対応しており、幅広い用途に使用できます。
なお、トルク精度については公開情報が確認できません。精度が重要な部品に使用する場合は、販売店やメーカーに直接お問い合わせください。
レーザー刻印の目盛りが特徴的なプレセット形トルクレンチ
BLITZ トルクレンチ 1/2
| トルク範囲 | 48Nm~210Nm |
|---|---|
| 差込角 | 12.7mm |
| トルク精度 | – |
| トルク負荷方向 | 右回転のみ |
| 長さ | 465mm |
| 重量 | – |
| 価格(値段) | 7,480円~(2025年調べ) |
ブリッツのトルクレンチは、ブラックボディとレーザーマーキングされた目盛りが特徴のクールなデザインのプレセット形トルクレンチです。デザイン性が高いだけでなく、標準的なトルクレンチとして使いやすく、レーザー刻印の目盛りは高い視認性を誇ります。
道具のデザインにもこだわりたい方におすすめのトルクレンチで、工具箱にあるだけで所有欲を満たしてくれます。なお、この製品にはエクステンションバーが付属しています。これは、ソケットがホイールの奥まった位置にある場合や、レンチ本体がフェンダーやボディに干渉しやすい場合に、作業を容易にするために役立ちます。
トルク精度は未公表であるため、事前にメーカーまたは販売店にご確認ください。
ソケットやエクステンションバーがセットになったお買い得なトルクレンチ
大自工業 メルテック F-93 DX 6pcsセット
| トルク範囲 | 28~210Nm |
|---|---|
| 差込角 | 12.7mm |
| トルク精度 | – |
| トルク負荷方向 | – |
| 長さ | 470mm |
| 重量 | 1.4kg |
| 価格(値段) | 5,040円~(2025年調べ) |
メルテックのF-93 DX 6pcsセットは、トルクレンチ本体に加えて、エクステンションバー、薄口ディープソケット2本、ソケット3本の合計6本のソケット類がセットになった商品です。トルクレンチ本体は、一つ前の項目で紹介したメルテックのF-92と同一で、機能や大きさも同じです。
初めてトルクレンチを購入する方は、ホイールナットに合うソケットや、作業を容易にするエクステンションバーが最初から揃っているF-93をおすすめします。ソケットが既に揃っている方や、トルクレンチを買い増しする方などは、単品商品のF-92を購入すると良いでしょう。
過酷な環境にも対応する本格的なプロ仕様のトルクレンチ
東日製作所 トルクレンチ QL200N4-MH
| トルク範囲 | 40Nm~200Nm |
|---|---|
| 差込角 | 12.7mm |
| トルク精度 | ±3% |
| トルク負荷方向 | 右回転のみ |
| 長さ | 489mm |
| 重量 | 1.4kg |
| 価格(値段) | 15,980円~(2025年調べ) |
自動車関係だけでなく、油や薬品を扱うような過酷な環境でも使用できるプロ仕様のトルクレンチが東日製作所のQL200N4-MHです。国内メーカーの製品で、高い信頼性、耐久性、そして定期的な校正への対応力に優れているのが特徴です。
トルク範囲は40Nm~200Nm、トルク精度は±3%と、ホイールナットの締め付けに必要な性能は十分に満たしています。一般的な製品と比較して高価ではありますが、工具の信頼性を最優先したい方や、頻繁にトルクレンチを使用するプロの方におすすめの商品です。
トルクレンチで安全・正確なカーメンテナンスを行いましょう
初めて車を購入した方にとって、トルクレンチは特におすすめしたい工具です。スタッドレスタイヤとサマータイヤを毎シーズン交換する際など、ホイールナットの締め付けトルク値がどのくらいなのか迷うことがあります。
トルクレンチがあれば、最後の締め付けをメーカー推奨の適切な数値で行うことができます。車の足回りは、トルク不足によって走行中にナットが緩み脱落する事故や、オーバートルクによってボルトが破断する事故など、重大なトラブルに直結する可能性があります。
トルクレンチで正しいカーメンテナンスを行うことが、ご自身の安全で快適なカーライフに繋がります。