車中泊は場所探しが大切~「安心」「安全」「快適」に一夜を過ごせる定番スポット
車中泊を思いっきり楽しむためには、場所探しが非常に大切です。安心して、そして安全に、快適な一夜を過ごせる場所を見つけることができれば、車中泊は最高の思い出となります。しかし、場所選びで失敗したり、基本的な注意点を守らなかったりすると、車中泊の旅が苦い思い出になりかねません。
近年、軽自動車やミニバンなど、多様な車種での車中泊が人気を集めており、手軽なレジャーとして注目されています。車中泊の旅を存分に満喫できるおすすめスポットと、トラブルを避け、安全に楽しむために守るべき注意点をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
車中泊のおすすめスポットを事前にチェック
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車中泊スポットではキャンピングカーで車中泊しているユーザーも多い -
サイズが大きいキャンピングカーは車内の広さも余裕がある -
キャンピングカーは自宅やホテルと変わらない充実した装備が魅力
気持ち良く車中泊を楽しむためには、決められた場所でマナーを守ることが必要です。車中泊を楽しい思い出にするために知っておきたい、サービスエリアや道の駅などの車中泊のおすすめスポットをご紹介します。
サービスエリア:定番スポットだから安心できる・レジャー施設が充実している所も
多くの方が車中泊の場所としてイメージするのは、やはり高速道路内に設置されているサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)かもしれません。深夜の時間帯ともなると、長距離トラックの運転手が列をなして仮眠をとる光景は全国各地のSA・PAで見られます。
サービスエリアを車中泊のおすすめスポットとしてご紹介する理由は、
- 安全性が高い
- 売店や食堂、自動販売機が充実していて、お腹が空いたときに便利である
- 他にも車中泊をしている人がいるため、心強い
などの多数のメリットがあるからです。特に安全性の高さから、初心者の方も安心して利用できます。東名高速道路などの交通量の多い高速道路では、そこで過ごすだけでも十分に楽しめるテーマパーク並みの娯楽施設まで設けているスポットもあります。そのスポットで遊び疲れた後に、近くの駐車場で車中泊をすればホテル代を節約することもできます。ただし、SAやPAはあくまでも「休憩施設」であり、長期間の滞在は控えるなど、利用マナーを守って使用しましょう。
道の駅:地元の名産品が販売され・地元の人との交流ができる
道の駅のイメージは一般道にあるサービスエリアといったところです。旅行などで目的の場所まで向かう際の移動手段が自家用車である人々のために、近年の道の駅はサービスを充実させています。
道の駅構想は1990年代にスタートしました。町おこしの一環として全国各地に設置され、国土交通省の報告によれば2023年3月時点で日本に1,209箇所があります。年々その数は増え続けており、車中泊の旅の重要な拠点の一つとなっています。
他の場所との差別化を図るため、地元の名産品を販売している道の駅も多く、その商品目当てにドライブしてくる人々も多くいます。集客効果を高めようと、駐車スペースやトイレを充実させている箇所も多く、24時間それらを利用可能なスポットもあります。温泉がある道の駅まであり、長距離ドライブの疲れを癒すのに最適です。また、観光案内や地域情報の発信もしており、その土地の情報を得るのにも役立ちます。
24時間営業をしているスパ施設:車の中で寝られなかったら施設を利用
24時間営業をしているスパ施設、例えばスーパー銭湯の駐車場も、車中泊にはおすすめのスポットの一つです。入浴施設であれば、お風呂場や憩いのスペースで運転の疲れをリフレッシュできます。体を温めてリラックスした気持ちのまま車の中に戻ると、一気にスヤスヤと眠りにつくことができるでしょう。もしも、車の中でなかなか寝付けない、または、より足を伸ばしてゆっくり休みたい場合には、スパ施設に併設されている宿泊施設を利用することも可能です。施設によっては、駐車場での車中泊を推奨していない場合もあるため、利用前に必ず確認してください。
コインランドリー:衣服の汚れをスッキリさせて眠気も
次の道の駅までだいぶ距離があるのに、急な眠気が襲ってきて大変という時におすすめのスポットは、コインランドリーの駐車場です。眠いのに無理をして運転を続ければ、事故のリスクが高まってしまいます。
車中泊の旅が長くなると、衣服の洗濯も気になります。汗ばんだ服はコインランドリーのサービスを利用して洗濯をすれば、清潔になり、気分もスッキリして車の中でグッスリと眠ることができます。最近は24時間営業の大型コインランドリーも増えており、夜間の利用もしやすくなっています。ただし、コインランドリーの駐車場も本来は洗濯利用者のためのスペースです。長時間滞在する場合は、店舗や他のお客様への配慮を忘れないようにしましょう。
オートキャンプ場:テントがなくとも車の中で寝泊まりすれば楽しめる
オートキャンプ場も車中泊におすすめできる場所の一つです。荷物としてかさばるテントを車には積まずに、寝泊まりは車の中でするというスタイルのキャンパーも多くいます。これは「車中泊キャンプ」とも呼ばれ、手軽に自然を楽しめる方法として人気が高まっています。
オートキャンプ場には、管理人がいて不審者の侵入を防ぐことができるメリットもあります。また、水回りや電気設備が完備されているため自炊を楽しむことも可能です。遊び疲れた後にはシャワーを利用できるサービスが利用者に好評で、快適に過ごすための設備が充実しています。区画がしっかり分かれているため、プライベートな空間を確保しやすい点も大きな魅力です。
RVパーク:認知度は低いが車中泊を満喫できる穴場スポット
他のおすすめスポットと比較すれば、まだ認知度の低いRVパークですが、存在を知っている人達の間でリピート率が高い施設です。RVパークは、一般社団法人日本RV協会が「快適に安心して車中泊ができる場所」として定めた有料の車中泊専用スペースです。RVパークには、
- 電源設備が完備されている
- トイレが利用可能
- ゴミ捨てOK
- 施設内に入浴施設があったりする
- 管理人がいるので安心できる
などのメリットがあります。キャンピングカーだけでなく、一般の乗用車でも利用可能で、安心して夜を過ごしたい初心者の方には特におすすめです。ただ、スペースが限られているので事前に予約が必要な場合があります。また、多くの施設で自炊はできませんが、マナーを守って利用することで、より快適な車中泊の旅を実現できます。
車中泊するときの注意点を確認
車中泊をする上で欠かせないのが、他の方への配慮とマナーです。車中泊は基本的に「宿泊」ではなく「仮眠」や「休憩」のための行為と認識し、周囲に迷惑をかけない適切な行動をとることが大切です。自分本位にならず、他者との共存を意識しながら車中泊を楽しみましょう。
ペットの鳴き声が迷惑になる可能性もあるので連れていかない
ペットを家族のように思っていても、車中泊の旅に連れていくことはあまりおすすめできません。普段慣れない場所に連れて行かれると、ペットは人間以上にストレスや恐怖を感じ、「ワンワン」「ニャーニャー」と鳴いてしまうことがあります。特に夜間は、周囲の静けさもあって鳴き声が響きやすく、周りで車中泊をしている人々の迷惑になります。
また、野生動物との接触や、予期せぬトラブルにつながる可能性も考慮すると、ペットを連れて行きたい気持ちをぐっと我慢するほうが無難です。ペットと一緒に旅を楽しみたい場合は、ペット可のオートキャンプ場や、ペットホテルなどの施設を検討すると良いでしょう。
トラックの駐車スペースの近くはできるかぎり避ける
サービスエリアや道の駅で、トラックやバスなどの大型車専用の駐車スペース付近に駐車すると、大きな音で熟睡できなくなってしまうことがあります。特に大型車のアイドリング音やエンジンの始動音は大きく響きます。
過去の経験からどんな場所でも気にならずに眠ることができるタイプの人は恐らく大丈夫ですが、枕の硬さが変わったり、雨足や風の音が強まったりなど、普段とは違う環境設定に置かれると寝つきが悪くなってしまう方は、できるだけ大型車から離れた場所を選んで駐車しましょう。少し離れた普通車用の駐車スペースを利用すると、より静かに眠ることができます。
エンジン音が騒音に感じる方もいるためかけっ放しにしない
シーズンによっては高速道路のサービスエリアや道の駅の駐車場には、車中泊をしている多数の車が居並びます。
夏の時期には、ジメジメして眠れないこともあったりするので、できれば冷房を動かすためにエンジンは付けておきたいものです。しかし、エンジンをかけっ放しにすると、作動音が鳴り続けてしまいます。このアイドリング音は、騒音となって周りで車中泊をしている方々の睡眠を妨げてしまいます。周りの人に迷惑をかけないために、エンジンをかけっ放しにすることは控えましょう!熱中症対策としてやむを得ない場合は、周囲の車との距離を十分に取り、短時間の利用にとどめるなどの配慮が必要です。
熱さ・寒さ対策や防虫対策をしっかり考える
自宅と車中泊が大きく異なる点は、気温の「高い・低い」が寝苦しい原因であっても、エアコンを一晩中付けることができないという点です。エンジンをかけずに快適な一夜を過ごすためには、事前の準備が非常に重要になります。
車中泊で快適な一夜を過ごすためには、熱さ・寒さ対策をしっかり行うことが大切です。夏の季節であれば、窓を開けて外の風を車内に入れ、虫の侵入を防ぐための防虫ネット、電池で動く扇風機や冷感スプレーなどのグッズがおすすめです。冬の季節であれば、防寒性能の高い寝袋(シュラフ)や、電気毛布、断熱シートなどの寒さ対策グッズを用意します。車中泊を行う前には、季節や場所に応じた対策グッズを必ず用意しておきましょう!
スマホアプリや雑誌などで情報収集をしておく
車中泊を安心・快適に、思いっきり楽しむためには、スマホアプリや雑誌などで事前に情報収集を行う必要があります。車中泊スポットに関する情報は日々更新されていますので、最新の情報をチェックするようにしましょう。
例えば、行楽地の有名スポットの景色を堪能したいからという理由だけで車中泊の場所選びをしてしまえば、大切な情報を見落として、実はその場所が夜間に地域の若者たちが集う遊び場であった…という展開もあり得ます。また、車中泊禁止の場所を知らずに利用してしまうといったトラブルも避けることができます。車中泊で素敵な思い出を残すためには、トラブルを避けるためにも、事前にしっかりと情報収集をしておくことが大切です。
車中泊は場所探しで決まる!車の中で寝泊まりする非日常を楽しもう
友人の家での初めてのお泊り会、修学旅行など、いつも寝ている場所とは違う場所で寝るだけで、普段では味わえない非日常性を楽しむことができます。車中泊もまた、その特別な感覚を味わえる素晴らしいレジャーです。
軽自動車やミニバンなど、自分の愛車で楽しむ車中泊は、ホテルや旅館とは違う自由な旅のスタイルを実現します。これまで車中泊の経験をしたことのない人は、今回ご紹介したおすすめスポットの中から、まずは初心者でも安心して利用できる場所を選んで、特別な一夜を体験してみてはいかがでしょうか。事前の準備とマナーを守って、快適な車中泊の旅を楽しみましょう!