リアスポイラーの種類と効果:GR86・ハリアーなど車種別アイテムの特徴
リアスポイラーは、車をカスタマイズする際に選択肢に入る代表的なエアロパーツのひとつです。レーシングカーに装着されるような大型のリアウイングとは異なり、街中で見かける多くの車にも、デザインの一部としてリアスポイラーが装着されています。
この記事では、リアスポイラーの種類と空力効果、GR86・ハリアー・ロードスター・レヴォーグといった車種に設定可能な純正品や関連パーツの特徴をご紹介します。
リアスポイラーの種類と空力的な役割

リアスポイラーは、車体後部のルーフ後端またはトランク上部に取り付けるエアロパーツです。
セダンやクーペといった車種ではトランク上部に設置され「リアトランクスポイラー」などと呼ばれます。一方、SUVやミニバンなどのハッチバック車ではルーフ後端に設置され「テールゲートスポイラー」「ルーフスポイラー」などと呼ばれます。
リアスポイラーの主な役割は、高速走行時に車体後部で発生する空気の乱れ(負圧や渦)を抑制し、気流を整えることです。これにより、空気抵抗(抗力)の低減や車体後部への揚力(車体を持ち上げる力)を抑える効果が期待され、高速走行時の安定性向上につながります。空気抵抗が低減されることで、燃費効率の改善につながる可能性もあります。
リアスポイラーが効果を発揮しやすいのは、FRスポーツカーなど車体が軽く高速走行時の安定性を重視する車種です。ミニバンなどに設定されるリアスポイラーは、空力効果よりも装飾(ドレスアップ)効果を意識したデザインが中心となる傾向があります。
また、アウディ・ポルシェ・メルセデスベンツなどの高級メーカーが採用する、高速走行時に自動で展開する「アクティブスポイラー」や、走行速度に合わせて形状を変える「可変式リアスポイラー」も普及が進んでいます。
GR86のリアスポイラーはGAZOO Racingが開発した本格派

GR86(GRハチロク)は、トヨタとスバルが共同開発したFR駆動のスポーツカーです。2021年10月に初代86から代を改め「GR86」として発売され、2.4L水平対向エンジンを搭載して走行性能が大幅に向上しました。
GR86向けのエアロパーツは、トヨタのモータースポーツ・スポーツカーブランド「GAZOO Racing(GR)」が手がけるGRパーツとして展開されています。GRパーツのリアスポイラーは、モータースポーツで培った空力技術を応用した設計で、スポーツカーらしいリアビューの演出と空力性能の両立を目指して開発されています。純正パーツとして車両との適合性が高く、取り付け後の安心感も高いのが特徴です。詳細はトヨタ販売店またはGRパーツ公式サイトで確認できます。
ハリアー(80系)の純正リアスポイラーはデザイン性が抜群

ハリアーは、トヨタが販売する高級クロスオーバーSUVです。2020年6月に第4世代(80系)へフルモデルチェンジし、内外装デザインや先進安全装備が大幅に刷新されました。
ハリアー(80系)の純正テールゲートスポイラーは、ラグジュアリーなエクステリアと調和するデザインと素材選びにこだわって設計されています。装着することでリアビューにさらなる高級感が加わり、ドレスアップ効果は非常に高く評価されています。SUVにおけるリアスポイラーは空力効果よりもデザイン性が重視される傾向が強く、ハリアーの純正品はその点で特に完成度が高い製品です。
ロードスターはカラーを選べる個性的な純正リアスポイラー

※ブリリアントブラック塗装
ロードスターは、マツダが販売する日本を代表するオープンタイプのスポーツカーです。マツダは走りを追求するユーザーを意識し、リアスポイラーをはじめとするアクセサリーを充実させています。
ロードスターの純正リアトランクスポイラーは、フロント・サイド・リアに設定されるエアロパーツと色調を合わせたボディ同色に加え、カラーインパクトの大きいブリリアントブラック塗装も選択可能です。ロードスターはコンパクトな車体のため、リアスポイラーがリアビューのアクセントとして存在感を発揮しやすいのが特徴です。
レヴォーグ(現行VN5型)は大きく迫力があるルーフスポイラーが特徴

レヴォーグは、スバルが販売するステーションワゴンです。2020年10月にフルモデルチェンジし現行のVN5型となり、アイサイトXを含む高度な運転支援システムと1.8L水平対向ターボエンジンを搭載して大幅に進化しました。スポーツ性能を追求するためにエアロパーツを追加するドライバーも多いです。
レヴォーグの純正ルーフスポイラーは、シューティングブレーク的なボディラインにマッチする大型デザインを採用しています。ルーフスポイラーをワイド化することで、レヴォーグのリアビューに力強い迫力が加わります。デザイン的な迫力だけでなく、後端を流れる気流をコントロールすることで、雨や雪がリアガラスに付着するのを軽減し後方視界を確保しやすくする効果も期待できます。
ホンダ S660のアクティブスポイラー(生産終了モデル)

S660は、ホンダが2015年4月から販売した2人乗りのミッドシップ軽オープンスポーツカーです。各種安全規制への対応困難を理由に2022年3月に惜しまれながら生産終了となりましたが、その先進的な純正アクセサリーは今も語り継がれています。
S660は、日本車では数少ない純正アクセサリーとして「アクティブスポイラー」を設定可能だった車種のひとつです。このアクティブスポイラーは、約70km/hに達すると自動で上昇し、約35km/h以下になると元の位置に格納される仕組みで、高速走行時のリフトバランスを整え走行安定性を高める効果がありました。スポイラーは運転席側のスイッチでも手動操作が可能でした。現在は中古車市場での流通のみとなっています。
リアスポイラーは走行安定性とドレスアップ効果を両立するエアロパーツ
リアスポイラーには、高速走行時に発生する空気の乱れを整えて走行安定性を高める効果が期待されます。空気抵抗が走行安定性に影響し始めるのは一般的に70km/h以上の速度域からであるため、リアスポイラーの空力効果を体感できるのは主に高速道路での走行時です。日本の一般道では、その効果を実感する機会はほとんどありません。
日本の道路事情においては、リアスポイラーは走行性能への貢献よりもドレスアップ(装飾)効果の方が大きいと言えます。フロントマスクと比べて主張が少ないリアビューに個性的なアクセントを加えられるのが魅力で、空気抵抗の低減による加速性能の向上や燃費改善につながる可能性も期待できます。
純正品はデザインの一体感と車両との適合性が高い一方、社外品はよりデザインの自由度が広く個性を出しやすいという特徴があります。車種や利用目的に合わせて、純正品と社外品を比較検討してみましょう。















