プリウスαのモデルチェンジ

プリウスαはなぜ生産終了 2021年に廃止 フルモデルチェンジせず後継はどうなった

プリウスαの2代目は出たのか、後継はどうなったのか。答えは、2代目は登場せず1代限りで廃止、販売店は検討客にカローラツーリングのハイブリッドを案内していました。販売店統合による車種整理と、ハイブリッド車の増加で差別化が薄れた販売低迷が終了の背景です。

プリウスαはフルモデルチェンジせずに2021年3月末で生産終了

プリウスの派生モデルとして販売されていた、ステーションワゴン/ミニバン「プリウスα」の生産終了やフルモデルチェンジの経緯などをまとめました。

プリウスαのベースになっていたハイブリッドセダンのプリウスが新型へモデルチェンジしたのは2015年(4代目・国内は2015年12月)で、派生モデルのプリウスαも登場から時間が経ち、いずれ新型へ移行するのではと考えられていました。

しかし2021年3月末でプリウスαは廃止となり、1代限りで生産を終えました。ここでは、当時噂されていたフルモデルチェンジの情報やスペックとあわせて、その結末を整理します。

プリウスαは2021年3月末で生産終了 実質的な受け皿はカローラツーリング

トヨタはプリウスαの廃止を発表しました。プリウスαは2021年3月末で生産終了となり、フルモデルチェンジは行われないまま、1代限りで幕を下ろしました。

廃止が発表された2020年12月1日には、セダンのアリオンやプレミオ、ミニバンのスペイドやポルテの終了も同時に告知され、2020年の販売店統合を背景に噂されていたトヨタの車種整理が実行に移されました。

直接の後継車は設定されませんでしたが、販売店では、プリウスαを検討していた人にサイズや価格帯が近い「カローラツーリング」のハイブリッドを案内するなどの対応がとられました。ステーションワゴン系のハイブリッドとしては、実質的にカローラツーリングが受け皿になった格好です。

プリウスαの廃止が決まるまでに噂されたフルモデルチェンジ情報やスペックのまとめ

ここからは、生産終了に至るまでに噂されていたフルモデルチェンジの情報や、当時の基本スペックを振り返ります。いずれも実現しなかった2代目に関する内容である点にご留意ください。

次期プリウスαは開発されず 販売店統合による廃止が現実になった

プリウスαは2011年5月に発売され、2014年にマイナーチェンジを受けたのち、大きな刷新のないまま約10年販売された長寿モデルでした。

販売台数が徐々に伸び悩んだこともあり、売れ筋を優先するトヨタの開発方針のなかで、当時から次期型の開発は行われていないのではないか、と見られていました。実際、プリウスαの登録台数は、ピークだった2013年の年間約10万台から、2019年には月平均およそ1,000台まで落ち込んでいます。

プリウスαの販売台数
年度 2018年 2017年 2016年 2015年 2014年 2013年 2012年 2011年
1月 1,290台 1,450台 2,240台 5,190台 9,360台 7,830台 12,930台
2月 1,400台 1,810台 2,540台 5,950台 10,710台 9,640台 14,495台
3月 1,680台 2,570台 3,860台 8,500台 12,310台 13,030台 18,901台
4月 1,080台 1,230台 2,030台 3,880台 3,590台 7,610台 10,042台
5月 1,380台 1,250台 1,670台 3,770台 4,190台 7,500台 9,750台 201台
6月 1,290台 2,060台 2,370台 4,680台 5,190台 8,610台 10,530台 2,929台
7月 1,210台 1,600台 2,600台 4,070台 6,130台 8,920台 11,690台 5,426台
8月 1,080台 1,170台 1,900台 2,880台 4,110台 6,840台 8,160台 5,729台
9月 1,380台 1,470台 2,520台 3,950台 5,590台 10,250台 7,780台 10,733台
10月 1,650台 1,080台 1,870台 3,210台 5,250台 8,490台 7,810台 9,842台
11月 1,100台 840台 1,790台 3,250台 5,190台 8,250台 10,040台 11,544台
12月 670台 1,080台 1,850台 2,790台 4,910台 7,040台 7,720台 8,717台
合計 15,210台 17,610台 27,240台 52,120台 76,530台 104,010台 129,848台 55,121台

背景には、トヨタが2020年5月から進めた販売店の全車種併売化と車種整理があります。全店で全車種を扱えるようになったことで姉妹車を用意する意味が薄れ、販売の少ない車種から整理が進みました。同じく販売の落ち込んでいたエスティマも2019年に廃止されており、プリウスαもその流れのなかで姿を消しました。

2代目はTNGA採用でボディ拡大と予想されたが 実現しないまま終了

当時は、次期プリウスαのエクステリアが、フルモデルチェンジした4代目プリウスのフロントデザインを採り入れ、リアは従来どおりステーションワゴン然とした大きなハッチゲートを備えるかたちになると予想していました。

また、3代目から4代目プリウスへの移行時にプラットフォームが「新MC」から「TNGA」へ変わりボディが拡大したのと同じように、2代目プリウスαもTNGAを採用してサイズアップすると見込んでいました。しかし、この2代目は結局登場せず、あくまで予想にとどまりました。

プリウスのボディサイズ比較
3代目 4代目
全長 4,460mm 4,540mm
全幅 1,745mm 1,760mm
全高 1,490mm 1,470mm
ホイールベース 2,700mm 2,700mm

初代プリウスαのベースである3代目プリウスに対し、4代目は全長が80mm、全幅が15mm拡大し、全高は20mm低くなりました。この差を当てはめた、当時の予想ボディサイズが以下です。

2代目プリウスαの予想ボディサイズ(実現せず)
全長 4,725mm
全幅 1,790mm
全高 1,580mm
ホイールベース 2,780mm

5人乗り・7人乗りで多少の違いはあるものの、全体に一回り大きくなり、室内も広がると見込んでいました。あくまで当時の試算です。

2列5人乗りと3列7人乗りの継続が予想されていた

プリウスαのインテリア

次期型のインテリアは、初代同様に2列5人乗りと3列7人乗りをそろえ、4代目プリウスの内装をベースに使いやすく仕立てられると予想していました。

4代目プリウスのシフトレバー

4代目プリウスは、直感的なエアコン操作や小型化したシフトレバーなど、運転中の視線移動を抑えた設計にこだわっていました。

荷室は、3代目プリウスの446Lから4代目は502Lへ拡大していたため、次期プリウスαでは590L前後になると見込んでいました。以下はその試算です。

荷室容量の比較と予想
3代目プリウス 446L
初代プリウスα 535L
4代目プリウス 502L
2代目プリウスα 591L(予想値・実現せず)

3代目プリウスと初代プリウスαの荷室差89Lを、4代目プリウスに加えると591Lという計算でしたが、これも実車では確かめられませんでした。

第2世代トヨタセーフティセンスの採用が予想されていた

初代プリウスαは、レーンディパーチャーアラートやオートマチックハイビーム、プリクラッシュセーフティといった装備を備えていましたが、トヨタセーフティセンスC・Pの世代には該当しないものでした。

当時は、次期型に4代目プリウス同様の「トヨタセーフティセンスP」が載ると予想していました。ステアリング制御付きのレーンディパーチャーアラートや、歩行者にも対応したプリクラッシュセーフティ、追従機能付きレーダークルーズコントロールなどが備わる想定です。

さらに進んで、改良後アルファードに載った第2世代のトヨタセーフティセンスが採用され、夜間の歩行者や昼間の自転車にも対応するのでは、とも見込んでいました。以下はその想定装備です。

2代目に予想されていた第2世代トヨタセーフティセンス

  • レーントレーシングアシスト
  • プリクラッシュセーフティ
  • レーダークルーズコントロール
  • アダプティブハイビームシステム
  • オートマチックハイビーム
  • ロードサインアシスト

改良型2ZR-FXEエンジンと燃費向上が予想されていた

次期型には、4代目プリウスの改良型2ZR-FXEエンジンが載ると予想していました。3代目プリウスのエンジンを磨き、熱効率と燃費を高めたユニットです。

2ZR-FXEエンジンスペック(4代目プリウス)
排気量 1,797cc
最高出力 98PS/5,200rpm
最大トルク 142Nm/3,600rpm
使用燃料 レギュラーガソリン
燃料タンク容量 43L

あわせてハイブリッドシステムも刷新され、より低燃費になると見込んでいました。以下は当時の予想燃費です。

燃費の比較と予想
3代目プリウス 32.6km/L
4代目プリウス 40.8km/L
初代プリウスα 26.2km/L
2代目プリウスα 33.6km/L(予想値・実現せず)

3代目から4代目プリウスで約2割の燃費向上があったことから、2代目プリウスαは33.6km/L前後になると試算していましたが、実車は登場しませんでした。

4WD「E-Four」の追加も予想されていた

TNGAを採用すれば、当時トヨタが順次展開していた電気式4WD「E-Four」や「ダイナミックトルクベクタリングAWD」が設定される可能性もある、と見ていました。

初代プリウスαはFF(2WD)のみだったため、雪国のユーザーには4WDの追加が待ち望まれていました。4代目プリウスのE-Fourが34.0km/Lを記録していたことから、次期型でも30.0km/L以上を狙えると予想していましたが、結局その2代目自体が登場しませんでした。

初代の価格は257万円から 2代目の予想価格は実現せず

当時は、次期プリウスαが新しいプラットフォームやエンジン、上位のトヨタセーフティセンスの採用で、初代より10万〜20万円ほど高くなると予想していました。以下はその予想価格ですが、2代目が登場しなかったため実現していません。

2代目プリウスαの予想価格帯(実現せず)
5人乗り 7人乗り
S Lセレクション 257万~  
S 272万~ 292万~
S ツーリングセレクション 303万~ 323万~
G 317万~ 337万~
G ツーリングセレクション 337万~ 358万~

なお、実車の話として、スポーティグレードの「G’s」に替わり、2017年11月20日以降は「GRスポーツ」が設定されていました。

ハイブリッド専用のステーションワゴン プリウスαのモデルチェンジ遍歴

プリウスαはトヨタが販売していたハイブリッドのステーションワゴンです。新MCプラットフォームを採用し、グレードは大きく「S」と「G」に分かれ、オプションパッケージとして「Touring Selection」「L Selection」「GR SPORT」が用意されました。

プリウスα ZVW4#型(2011年~2021年)

2011年5月、プリウスαの販売が開始されました。
2012年10月、2列シートのみだった「S」「S Touring Selection」「G Touring Selection」に3列シート仕様を追加し、「G Touring Selection スカイライトパッケージ」を整理しました。
2013年8月、特別仕様車「S”tune BLACK”」「G”tune BLACK”」を発売。
2014年11月、マイナーチェンジを実施。12月に「S ツーリングセレクション・G’s」を設定し、2015年2月に発売しました。
2016年5月、特別仕様車「S”tune BLACK Ⅱ”」を発売。
2017年11月、スポーティグレード「GR SPORT」を設定(従来の「G’s」に替わるモデル)。
2021年3月末、フルモデルチェンジを受けないまま生産終了。直接の後継は設定されず、実質的な受け皿はカローラツーリングなどとされました。

プリウスαのモデルチェンジ遍歴
プリウスαのモデル 販売年表
ZVW4#型 2011年~2021年

プリウスαはTNGA採用で進化する前に 2代目を待たず生産終了となった

次期プリウスαには、4代目プリウスをベースにした新プラットフォームや改良型エンジン、第2世代トヨタセーフティセンスの搭載など、盛りだくさんの進化が予想されていました。しかし2代目は登場せず、2021年3月末で生産を終えたため、これらはいずれも実現していません。

かつてトヨタには、ロールーフミニバンとしてプリウスα・アイシス・ウィッシュ・シエンタが、5人乗りワゴンとしてプリウスα・アベンシス・カローラフィールダーが並んでいました。アイシスやウィッシュ、アベンシスが姿を消していくなかで、一時はプリウスαがこうしたユーザーの受け皿の一つとされていました。しかし最終的にはプリウスα自身も整理の対象となり、ステーションワゴン系のハイブリッドは、その後カローラツーリングがおもな選択肢になっています。ハイブリッドが多くの車種へ広がり、広い室内を持つ選択肢が増えたことが、プリウスαの役目を静かに終わらせた、と言えそうです。