プリウスの維持費

プリウスの年間維持費はいくら?税金や燃料代の内訳を徹底解説

プリウスの維持費は年間いくら?自動車税36,000円、燃料代や車検費用などを項目別に試算し、実燃費とカタログ燃費の差、維持費を抑えるコツ、中古を選ぶときの確認点までまとめました。

プリウスの年間維持費の合計とその内訳

プリウスは1997年に世界初の量産ハイブリッドカー(HV)として登場し、低燃費と扱いやすさで長く支持されてきたモデルです。現行型は2023年に発売された5代目(60系)ですが、この記事では先代となる4代目(50系)の「S ツーリングセレクション」をモデルケースに、年間でいくらかかるのかを内訳ごとに具体的に計算していきます。4代目はすでに新車販売を終了しており、現在は中古車市場で選ぶ車になりますが、ハイブリッドの維持費の考え方そのものは現行モデルにも共通します。

燃料代・自動車税・車検費用・保険料といったランニングコストは、車両価格以上に家計を左右します。「プリウスの年間維持費はどれくらいか」を知っておくことは、新車・中古どちらを選ぶ場合でも後悔しないための第一歩です。間近で見ると4代目のロールーフな低重心ボディは数字以上に塊感があり、空気抵抗を抑えた形そのものが燃費の良さを物語っているという印象を受けます。

S ツーリングセレクションをモデルケースとして維持費を求めます

年間維持費を算出するために、今回は「S ツーリングセレクション」を想定して計算を進めます。Sツーリングセレクションは低燃費を保ちながら専用の足回りや内外装でスポーティーさを加えたグレードで、走りと経済性のバランスを重視するユーザーに選ばれてきた仕様です。維持費の目安を知りたい多くの方にとって、標準的なモデルケースとして参考になります。まずは、このモデルの基本的なスペックを確認しましょう。

全長 4,540mm
全幅 1,760mm
全高 1,470mm
ホイールベース 2,700mm
最小回転半径 5.4m
燃費 37.2km/L (JC08)
燃料 無鉛レギュラーガソリン
乗車定員 5名
車両重量 1,370kg
エンジン 水冷直列4気筒DOHC
総排気量 1.797L

プリウスS ツーリングセレクションを所有した場合の年間維持費は約518,000円

S ツーリングセレクションをモデルケースに、年間走行距離10,000km・都市部で駐車場を借りる想定で概算すると、年間維持費の合計は約518,000円となりました。プリウスの他のグレードでも、排気量や車両重量が同クラスのため、近い金額になります。

自動車税 36,000円
燃料代 77,000円
駐車場代 180,000円
車検代 50,000円
任意保険料 135,000円
諸経費 40,000円
合計金額 518,000円

この合計のうち、金額を大きく左右するのは駐車場代と任意保険料の2つです。逆にいえば、この2項目はご自身の条件次第で数万円から十数万円単位で変わります。地方在住で持ち家に駐車スペースがある方や、保険の等級が高い方であれば、合計は30万円台まで下がります。下の各項目で前提を確認し、ご自身の環境に置き換えてシミュレーションしてください。

自動車税 約36,000円 ハイブリッド車はグリーン化特例の対象外

毎年4月1日時点の所有者に課税される自動車税は、総排気量で税額が決まります。プリウスは全グレード1.797Lで「1.5L超~2.0L以下」に分類され、2019年10月以降に初回新規登録された車は年間36,000円、それ以前に登録された車は39,500円です。4代目は2015年12月から販売されたため、初期に登録された個体は39,500円に該当します。

かつてプリウスのような低燃費車には自動車税を翌年度分だけ約75%軽減する「グリーン化特例」が適用されていました。しかし2021年4月以降、軽課の対象は電気自動車(EV)・プラグインハイブリッド車(PHEV)・燃料電池車(FCEV)などに絞られ、通常のハイブリッド車は対象外になっています。そのため、現在の4代目プリウスは新車でも中古でもこの軽減を受けられず、表どおりの税額がそのままかかります。一方で、ハイブリッド車は新車登録から13年を超えても自動車税の重課(割増)の対象外という利点があり、長く乗るほどガソリン車との差が出ます。

※100円未満の金額は、切り捨てて計算されます。

2019年10月以前に初回新規登録を受けた場合の自動車税
車の分類 総排気量 税額 税額(13年超)
自家用車 1.0L以下 29,500円 33,900円
1.0L超~1.5L以下 34,500円 39,600円
1.5L超~2.0L以下 39,500円 45,400円
2.0L超~2.5L以下 45,000円 51,700円
2.5L超~3.0L以下 51,000円 58,600円
3.0L超~3.5L以下 58,000円 66,700円
3.5L超~4.0L以下 66,500円 76,400円
4.0L超~4.5L以下 76,500円 87,900円
4.5L超~6.0L以下 88,000円 101,200円
6.0L超~ 111,000円 127,600円
2019年10月以降に初回新規登録を受けた場合の自動車税
車の分類 総排気量 税額
自家用車 1.0L以下 25,000円
1.0L超~1.5L以下 30,500円
1.5L超~2.0L以下 36,000円
2.0L超~2.5L以下 43,500円
2.5L超~3.0L以下 50,000円
3.0L超~3.5L以下 57,000円
3.5L超~4.0L以下 65,500円
4.0L超~4.5L以下 75,500円
4.5L超~6.0L以下 87,000円
6.0L超~ 110,000円

燃料代 約77,000円 カタログ燃費と実燃費のギャップに注意

プリウスの強みである燃費の良さは、燃料代に最もはっきり表れます。ただし、カタログ値の37.2km/L(JC08)は試験条件での数値で、実際の使い方では届きません。4代目Sの実燃費はおおむね20~25km/L程度に収まります。

そこで実燃費を22km/Lと仮定し、年間走行距離10,000km、レギュラーガソリンを170円/Lとして計算すると、必要な燃料は約454Lで、年間の燃料代は約77,000円です。実燃費20km/Lなら約85,000円、25km/Lなら約68,000円が目安になります。同クラスのガソリン車(実燃費15km/L前後)なら同じ条件で年間11万円を超えるため、走行距離が多い人ほどプリウスの経済性が効いてきます。短距離の発進・停止を繰り返すより、ある程度まとまった距離を一定速度で走るほうが燃費は伸びる、というのがオーナーから多く聞かれる実感です。

駐車場代 180,000円 都市部の月極を借りる想定で算出

駐車場代は、都市部で月極駐車場を借りる方を想定しました。月15,000円とすると、1年間では180,000円です。ただし、この費用は地域差が非常に大きく、年間維持費全体を最も大きく動かす項目です。地方では月5,000円前後のところも多く、持ち家に駐車スペースがあれば0円になります。自分の住環境では月いくらかを、ここに当てはめて計算し直してみましょう。

車検代 約50,000円 中古の継続車検は重量税も発生する

車検代は、以下の計算式で求めることができます。

車検代=法定費用+車検基本料+整備費・部品交換代+サービス料

法定費用は重量税・自賠責保険料・印紙代で構成され、金額が法律で決まっています。注意したいのは重量税です。エコカー減税による重量税の免除は、原則として新車登録時の初回車検までの優遇で、中古車として購入した場合や2回目以降の継続車検では重量税が発生します。プリウスの車両重量は1,310~1,390kgで「~1,500kg以下」に該当し、2年分の重量税は環境性能に応じて15,000円(本則税率)から24,600円(減税なし)です。

これに自賠責保険料(継続車検24ヶ月で17,650円)と印紙代(1,200~1,800円程度)が加わり、さらに車検基本料と整備費がのります。ディーラーか民間整備工場かで差は出ますが、2年あたりの総額はおおむね10万~13万円が相場です。今回は1年換算で約50,000円として計算に含めました。なお、車検とは別に法定12ヶ月点検もあり、こちらは1万~2万円程度が目安です。回生ブレーキを多用するプリウスはブレーキパッドの摩耗が比較的少ない傾向があり、その分の整備費を抑えやすい点はハイブリッドならではです。

●重量税
自動車重量税 車検の有効期間(3年)
エコカー外 エコカー
車両重量/税率 減税無し 本則税率 25%減税 50%減税
~500kg以下 12,300円 7,500円 5,600円 3,700円
~1,000kg以下 24,600円 15,000円 11,200円 7,500円
~1,500kg以下 36,900円 22,500円 16,800円 11,200円
~2,000kg以下 49,200円 30,000円 22,500円 15,000円
~2,500kg以下 61,500円 37,500円 28,100円 18,700円
~3,000kg以下 73,800円 45,000円 33,700円 22,500円
自動車重量税 車検の有効期間(2年)
エコカー外 エコカー
車両重量/税率 減税無し 本則税率 25%減税 50%減税
~500kg以下 8,200円 5,000円 3,700円 2,500円
~1,000kg以下 16,400円 10,000円 7,500円 5,000円
~1,500kg以下 24,600円 15,000円 11,200円 7,500円
~2,000kg以下 32,800円 20,000円 15,000円 10,000円
~2,500kg以下 41,000円 25,000円 18,700円 12,500円
~3,000kg以下 49,200円 30,000円 22,500円 15,000円

※車を登録してから、13年、18年が経過すると、重量税が加算されます。
※エコカー減免制度が適用される車であれば、税額が免除、及び一定割合減免されます。

●自賠責保険料(離島・沖縄を除く)
2023年4月1日以降の自賠責保険料
車種普通自動車 保険期間
37ヵ月 36ヵ月 25ヵ月 24ヵ月 13ヵ月 12ヵ月 1ヵ月
24,190円 23,690円 18,160円 17,650円 12,010円 11,500円 5,740円

※新車を購入した場合は、自賠責保険は37ヶ月加入となります。中古車の継続車検では24ヶ月加入が一般的です。

任意保険料 135,000円 車両保険付き・8等級を想定

万が一の事故に備えるには、自賠責保険だけでは補償が足りません。任意保険に入ると対人・対物の補償が広がり、ロードサービスなどの付帯サービスも使えます。この任意保険料も年間維持費を構成する大きな要素です。

26歳以上・ゴールド免許・8等級・車両保険あり・対人対物無制限という条件で見積もると、年間の任意保険料は約135,000円になりました。ただし、保険料は等級と年齢で大きく動きます。長く無事故で15~20等級まで進んでいる方なら、同じ車両保険付きでも年間5万~7万円程度に収まることが多く、ここが維持費を下げる最大の余地です。走行距離が短い場合は走行距離区分の見直しでも保険料を抑えられます。

諸経費 約40,000円 タイヤや消耗品、バッテリーへの備え

諸経費には、タイヤ・オイル・補機バッテリーなどの消耗品交換を年換算で見込みます。地面と接するタイヤは3~4年が交換の目安で、4本交換すると工賃込みで5万円前後、1年あたり約13,000~16,000円です。エンジンオイルやフィルター、ワイパーなどを合わせると、年間でおおむね40,000円ほどになります。

プリウスで見落とされがちなのが、バッテリーが2種類ある点です。電装品を動かす「補機バッテリー(12V)」は4~5年ごと、2万~3万円程度で交換が必要です。一方、ハイブリッド走行を担う「駆動用バッテリー」は別物で、交換の目安は走行15万~20万km、年数では新車から10~15年が一つの境目になります。4代目(50系)の駆動用バッテリーをディーラーで新品交換すると25万~36万円、リビルト品なら10万円程度からと幅があります。毎年かかる固定費ではありませんが、長く乗るなら頭の片隅に置いておきたい出費です。新車時にはハイブリッドシステムへの特別保証(5年または10万km)が付くため、保証が残る個体なら当面の不安は小さくなります。

プリウスの維持費を抑えるコツと高くしてしまう原因

同じプリウスでも、乗り方とメンテナンスの仕方で年間の出費は変わります。維持費を下げる工夫と、逆に高くしてしまいがちな落とし穴を整理します。

抑えるコツとして効果が大きいのは、まず燃費を意識した運転です。急加速や急ブレーキを避け、減速時にエネルギーを回収する回生ブレーキを活かすエコドライブで、燃料代は無理なく下がります。次に任意保険の定期的な見直しです。等級が上がっているのに補償内容を変えていない場合、走行距離区分や特約を整理するだけで数万円変わることがあります。車検やメンテナンスも、ディーラーだけでなくハイブリッド車に対応した整備工場を比べると、品質を保ちながら費用を抑えやすくなります。

反対に維持費を押し上げるのが、短距離走行の繰り返しとタイヤ空気圧の管理不足です。エンジンが温まりきらない短い移動ばかりだと、ハイブリッドの効率が落ちて燃費が悪化します。空気圧が不足したまま走るのも転がり抵抗が増えて燃費が下がる原因になり、タイヤの片減りも招きます。月1回程度の空気圧チェックと、用事をまとめて走る習慣が、結果的にガソリン代と消耗品代の両方を抑えます。

中古の4代目プリウスを維持費目線で選ぶときの確認ポイント

4代目は中古車として狙いやすい価格帯に入っており、維持費の安さを期待して選ぶ人が多いモデルです。ただし中古ならではの確認点があります。購入後に大きな出費で後悔しやすいのが駆動用バッテリーで、走行距離と年式から残りの寿命をある程度読み、保証の有無を必ず確認しておくと安心です。整備記録簿が残っていて、オイル交換などが定期的に行われてきた個体は、その後の維持費も読みやすくなります。

向き不向きでいえば、通勤や買い物で年間1万km以上走る人ほど燃費の恩恵が大きく、維持費の安さを実感しやすい車です。逆に、年間数千km程度しか走らず、税金・保険・駐車場といった固定費の比率が高くなる使い方では、燃費の良さだけでは固定費を取り戻しにくく、ハイブリッドのメリットは薄まります。自分の走行距離と固定費のバランスを先に見ておくことが、買って後悔しないための判断材料になります。

プリウスは自動車業界を変えた環境にやさしいハイブリッドカー

プリウスは、世界初の量産型ハイブリッド車として1997年に初代が発売されました。この記事のモデルケースである4代目は、トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー(TNGA)で開発された最初の車として2015年に登場し、すでに新車販売は終了しています。現行モデルは2023年に発売された5代目で、第5世代ハイブリッドシステムを搭載し、燃費性能と走りの質感を大きく高めています。優れた燃費による低い燃料代と、ハイブリッド車ならではの税優遇が、維持費の安さという評価を支えてきました。

現行の5代目で選べるのは、上級志向の「Z」、装備と価格のバランスが良い「G」、サブスクリプション専用の「U」、そしてプラグインハイブリッドの「Z(PHEV)」です。先代の4代目で人気だった「S」「A」といったグレード体系は5代目では再編されており、中古で4代目を探す際はこの違いも押さえておくと選びやすくなります。

プリウスの維持費を自分でも計算してみよう!

プリウスは新車だけでなく中古車市場でも人気の高い車です。中古を検討している方は、今回の内訳をご自身のケースに置き換えて年間維持費を計算してみることをおすすめします。特に中古の場合は、新車とは違う要素として、駆動用バッテリーの残り寿命や保証期間、登録年による自動車税の差を考慮する必要があります。

車両価格やローンだけでなく、年間維持費まで含めて見ることで、「新車と中古のどちらがお得か」「自分の走行距離なら何年で元が取れるか」をより正確に判断できます。維持費の目安を先に把握しておくことが、無理のないカーライフを送るための第一歩です。