プラド150系の一部改良

ランクルプラド150系は一部改良でディーゼルを水冷化して出力向上

ランドクルーザープラド150系が2018年6月一部改良しました。一部改良の内容はディーゼルモデルのインタークーラーの水冷化、ラゲッジレールの廃止です。一部改良の変更点やディーゼルモデルを現在の空冷式から水冷式に変更する理由などを考察します。現行プラドのスペックや価格も併せて紹介します。

ランドクルーザープラド150系が2018年6月に一部改良

2017年9月12日に2度目のマイナーチェンジを行ったプラドは過去最高傑作と評価されています。
そんなプラドが2018年6月末に一部改良でディーゼルエンジンのインタークーラー(冷却装置)を変更しました。インタークーラーを、現在採用されている空冷式から水冷式に変更することで将来的なディーゼルモデルの排ガス規制に対応することが考えられます。

空冷と水冷の違い、それぞれのメリット、一部改良のその他の変更点など2018年6月に行われたランクルプラド150系の一部改良について解説します。

2018年6月の一部改良でインタークーラーを変更

2018年6月末の一部改良で注目されるのがインタークーラーの水冷化

一部改良の大きな変化はインタークーラーの変更です。
インタークーラーは過給機の熱を冷ましエンジンへ送る空気を冷やす役目をします。2018年6月の一部改良でインタークーラーを空冷式から水冷式に変更されています。

水冷式に変更することにより冷やされる空気の温度が安定して、排ガス値が低減されます。
なぜ空冷式から水冷式に変更するのか、理由やメリット・デメリットを挙げます。

ディーゼル車を対象に行われる排ガス規制に対応

ディーゼル車の排ガス規制に不正がないか確認する試験を導入すると2018年3月30日に国土交通省が発表しました。
新型車は2022年10月1日から、継続生産車は2024年10月1からこの試験を受ける事になります。

プラド150系の場合は継続生産車に該当するため、2024年までにこの試験をパスすれば良いのですが、プラドはいち早く今後のディーゼル規制に合わせてきたことになります。

2017年に行った2度目のマイナーチェンジから7年後になるので、フルモデルチェンジに合わせてディーゼルエンジンを改良しても十分間に合う期間ですが、試験的な意味で先行導入すると考えられます。

WLTCモード表記に対応

海外で既に導入されているWLTCモード表記が2018年10月に日本でも導入されます。
これは2018年10月以降に販売される新型車に義務化される燃費表記で、プラドは新型車ではないため義務とは言えませんが、ディーゼルの排ガス規制の測定にはWLTCモードのNOx排出量が使われます。

また現在日本で主流のJC08モード燃費は実燃費の差異が大きいですが、WLTCモード表記では「市街地モード」「郊外モード」「高速道路モード」の3つの燃費を表記できるため、実燃費と近い数字を示すことができます。

プラドをWLTCモード表記へ移行するため、今よりも排ガス値低減が見込める水冷式インタークーラーを採用したとも考えられます。

水冷式は燃費や出力が向上するが今回の一部改良は排ガス規制をクリアするため

風で空気を冷やす空冷式よりも、安定的に冷やせるのが水冷式のインタークーラーです。
安定的に冷やすことで出力や燃費性能も向上しますが、今回行われたプラドの一部改良では、出力や燃費性能の変化はありませんでした。

一般的には低速で走行する街乗りが多い方は水冷、高速走行が多い方は空冷が性能を最大限発揮できる環境と言われていますが、今回の一部改良はあくまで将来的に厳しくなる排ガス規制をクリアするため、空冷式から水冷式に変更したと考えられます。

一部改良後の新型プラドの車両価格は据え置き

空冷式から水冷式に変更するとパーツ数が増え、車両価格が上がるとみられていましたが販売価格は据え置きになりました

一部改良前の現行ランクル プラド150系のスペックと、据え置きになる改良後の販売価格を紹介します。

ランドクルーザープラド150系の価格一覧
グレード 価格
TX (ガソリン)5人乗り 3,603,600円
TX (ガソリン)7人乗り 3,760,900円
TX (クリーンディーゼル)5人乗り 4,229,500円
TX (クリーンディーゼル)7人乗り 4,386,800円
TX Lパッケージ (ガソリン)5人乗り 4,122,800円
TX Lパッケージ (ガソリン)7人乗り 4,280,100円
TX Lパッケージ (クリーンディーゼル)5人乗り 4,754,200円
TX Lパッケージ (クリーンディーゼル)7人乗り 4,911,500円
TZ-G (クリーンディーゼル)7人乗り 5,462,600円
ランドクルーザープラド150系のスペック
駆動方式 フルタイム4WD
全長 4,825mm
全幅 1,885mm
全高 1,850mm/TZ-G:1,835mm
室内長 5人乗り:1,825mm/7人乗り:2,520mm
室内幅 1,565mm
室内高 1,240mm
ホイールベース 2,790mm
最低地上高 220mm
最小回転半径 5.8m
車両重量 2,170kg~2,320kg
最高出力(ガソリン) 120kW(163ps)/5,200rpm
最大トルク(ガソリン) 246Nm(25.1kgm)/3,900rpm
最高出力(クリーンディーゼル) 130kW(177ps)/3,400rpm
最大トルク(クリーンディーゼル) 450Nm(45.9kgm)/1,600rpm~2,400rpm
乗車定員 5名/7名
JC08モード燃費 9.0km/L~11.8km/L

その他の一部改良で行う変更点

注目の変更点はディーゼルモデルのインタークーラーの変更ですが、その他にも変更点があります。

  • ラゲッジレールの廃止

インタークーラーの水冷化に伴い増えた車重を、ラゲッジレールの廃止で調整するのではないかと考えられます。

新型プラドの一部改良は2018年6月に行われた

インタークーラーの水冷化を伴うランドクルーザープラド150系の一部改良は2018年6月に行われ生産も開始されました。

水冷化は将来的な排ガス規制に対応するために行われ、出力や燃費性能は改良前と変わりません。
前回のマイナーチェンジから約半年の一部改良で戸惑う方もいるかもしれませんが、空冷化や水冷化は好みの範疇で収まる範囲になるでしょう。