自動車の年間維持費

車の年間維持費はいくら?軽自動車と普通車の費用を比較してわかりやすく解説

軽自動車と普通車の年間維持費の差は約19万円が目安。自動車税・保険料・重量税すべてで軽自動車が有利ですが、近年の車両価格上昇や13年超の重課税率も考慮した上でトータルコストを比較できます。

車の年間維持費はいくら?軽自動車と普通車の費用を比較してわかりやすく解説

車を持つと毎年どのくらいの費用がかかるのか、購入前にざっくりでも把握しておきたい方は多いでしょう。税金・保険・ガソリン代・駐車場代・車検代と、費用の種類は多岐にわたります。

  • 新生活の拠点で車が必要になった
  • 軽自動車と普通車で維持費はどのくらい違うの?
  • 子どもの進学を機に車の出費を見直したい
  • マイカーにかかるトータルコストを把握したい

そんな方のために、この記事では軽自動車と普通車(5ナンバー)のモデルケースを設定して年間維持費を比較します。各項目の計算方法もあわせて解説しますので、ご自身のケースに当てはめて試算してみてください。

軽自動車と普通車(5ナンバー)の年間維持費モデルケース

モデルケースとして、20代後半の方が新車を購入した場合を想定します。軽自動車(車両価格150万円)と普通車・5ナンバー(車両価格200万円)を比較した年間維持費の概算は以下の通りです。

費用の種類 軽自動車 普通車(5ナンバー)
車両費(ローン年換算) 300,000円 400,000円
自動車税(種別割) 10,800円 30,500円
任意保険 50,000円 70,000円
車検代(年換算) 約25,000円 約33,000円
駐車場代 120,000円 120,000円
ガソリン代 約60,000円 約100,000円
合計(目安) 約566,000円 約754,000円

※車両費はローン5年・頭金なし・金利なしの単純計算による年換算額。各費用は条件・地域・車種によって異なります。自動車税は2019年10月以降に初回新規登録を受けた車の税率(軽:10,800円、普通車1.5L以下:30,500円)で算出。ガソリン代は現在の実勢価格(約150円/L前後)で算出した参考値です。

車の税金の種類と内訳 保有時・購入時にかかる税金を整理

車にかかる税金には、毎年支払う「自動車税(種別割)」と、車検のたびに支払う「自動車重量税」、購入時にかかる「環境性能割」の大きく3種類があります。

自動車税(種別割)は毎年5月末までに支払う保有税

自動車税(種別割)は、毎年4月1日時点で車を所有している人に課される税金で、5月末が納付期限です。普通車は排気量、軽自動車は一律の税額が適用されます。車検時には納税証明書が必要になるため、必ず期限内に納付しましょう。

軽自動車税(種別割)の税額(自家用乗用・4輪)
登録時期 税額
2015年4月1日以降に新規検査を受けた車(標準税率) 10,800円
新規検査から13年を経過した車(重課税率) 12,900円
2015年3月31日以前に新規検査を受けた車(旧税率) 7,200円(重課前)
自動車税(種別割)・自家用車(2019年10月以前に初回新規登録を受けた車)
総排気量 税額 税額(13年超)
1.0L以下 29,500円 33,900円
1.0L超〜1.5L以下 34,500円 39,600円
1.5L超〜2.0L以下 39,500円 45,400円
2.0L超〜2.5L以下 45,000円 51,700円
2.5L超〜3.0L以下 51,000円 58,600円
3.0L超〜3.5L以下 58,000円 66,700円
3.5L超〜4.0L以下 66,500円 76,400円
4.0L超〜4.5L以下 76,500円 87,900円
4.5L超〜6.0L以下 88,000円 101,200円
6.0L超〜 111,000円 127,600円
自動車税(種別割)・自家用車(2019年10月以降に初回新規登録を受けた車)
総排気量 税額
1.0L以下 25,000円
1.0L超〜1.5L以下 30,500円
1.5L超〜2.0L以下 36,000円
2.0L超〜2.5L以下 43,500円
2.5L超〜3.0L以下 50,000円
3.0L超〜3.5L以下 57,000円
3.5L超〜4.0L以下 65,500円
4.0L超〜4.5L以下 75,500円
4.5L超〜6.0L以下 87,000円
6.0L超〜 110,000円
3ナンバーと5ナンバーの違い

「3ナンバー=高い税金」と思われがちですが、自動車税は排気量で決まるためナンバー区分と税額は直接連動しません。3ナンバーは「排気量2,000cc超・全長4,700mm超・全幅1,700mm超のいずれか一つでも該当する場合」に分類されます。排気量が2,000cc以下でも全幅が1,700mmを超えていれば3ナンバーになります。

車の種類と規格
車の種類 排気量 全長 全幅 全高
軽自動車 660cc以下 3,400mm以下 1,480mm以下 2,000mm以下
5ナンバー 2,000cc以下 4,700mm以下 1,700mm以下 2,000mm以下
3ナンバー 上記のいずれかひとつでも超えれば3ナンバー
代表的な車種の分類例(トヨタ)
分類 車種例
軽自動車 ピクシスシリーズ
5ナンバー車 ヤリス、アクア、シエンタ(現行)など
3ナンバー車 プリウス(現行)、ランドクルーザー、ハリアーなど

購入時にかかる「環境性能割」は2026年3月末で廃止

かつて車の購入時には「自動車取得税」という税金がかかっていましたが、2019年10月に廃止され「環境性能割」に替わりました。環境性能割は燃費性能に応じて0〜3%が課税される仕組みでしたが、2026年3月31日をもって廃止されました(2026年4月以降の登録車から適用なし)。

そのため、2026年4月以降に新車・中古車を購入する場合は購入時の環境性能割はかかりません。ただし、自動車重量税のエコカー減税については基準を厳格化したうえで2年延長(2028年4月末まで)されており、燃費基準未達の車は重量税の減税対象外となる可能性があります。税制は変動することがあるため、購入前に必ず最新情報を確認してください。

車検代の仕組みと費用の内訳

新車購入後は3年目に初回車検、その後は2年ごとに車検が必要です。車検代は以下の計算式で概算できます。

  • 車検代=自賠責保険料+自動車重量税+印紙代+車検基本料(点検整備・代行手数料など)

自賠責保険料・重量税・印紙代の3つは「法定費用」と呼ばれ、金額が法律で定められています。車検基本料は依頼先(ディーラー・整備工場・ガソリンスタンドなど)によって異なります。軽自動車の初回車検(3年)は概算5〜8万円、普通車は7〜10万円が一般的な目安です。

自賠責保険料(2023年4月1日以降・現行)

自賠責保険は、すべての車の所有者が必ず加入しなければならない強制保険です。事故の相手方(対人)を補償するための保険で、自損事故・物損事故・自分の怪我は補償されません。そのため任意保険との併用が必要です。

2023年4月1日以降の自賠責保険料(軽自動車・離島・沖縄を除く)
軽自動車 保険期間
37ヵ月 36ヵ月 25ヵ月 24ヵ月 13ヵ月 12ヵ月 1ヵ月
24,010円 23,520円 18,040円 17,540円 11,950円 11,440円 5,740円
2023年4月1日以降の自賠責保険料(普通自動車・離島・沖縄を除く)
普通自動車 保険期間
37ヵ月 36ヵ月 25ヵ月 24ヵ月 13ヵ月 12ヵ月 1ヵ月
24,190円 23,690円 18,160円 17,650円 12,010円 11,500円 5,740円

※新車購入時は37ヶ月加入となります。2025年度も同額で据え置きです。

自動車重量税

自動車重量税は車の重量に応じて負担額が変わる税金です。エコカー減税の適用を受けると免除・減税されます。また、新車登録から13年・18年が経過すると税額が上がります。

自動車重量税 車検の有効期間(3年・新車購入時)
エコカー外 エコカー
車両重量/税率 減税無し 本則税率 25%減税 50%減税
〜500kg以下 12,300円 7,500円 5,600円 3,700円
〜1,000kg以下 24,600円 15,000円 11,200円 7,500円
〜1,500kg以下 36,900円 22,500円 16,800円 11,200円
〜2,000kg以下 49,200円 30,000円 22,500円 15,000円
〜2,500kg以下 61,500円 37,500円 28,100円 18,700円
〜3,000kg以下 73,800円 45,000円 33,700円 22,500円
自動車重量税 車検の有効期間(2年・継続車検)
エコカー外 エコカー
車両重量/税率 減税無し 本則税率 25%減税 50%減税
〜500kg以下 8,200円 5,000円 3,700円 2,500円
〜1,000kg以下 16,400円 10,000円 7,500円 5,000円
〜1,500kg以下 24,600円 15,000円 11,200円 7,500円
〜2,000kg以下 32,800円 20,000円 15,000円 10,000円
〜2,500kg以下 41,000円 25,000円 18,700円 12,500円
〜3,000kg以下 49,200円 30,000円 22,500円 15,000円

※登録から13年・18年経過すると重量税が加算されます。エコカー減税の認定基準は2026年5月以降、段階的に厳格化されます。

任意保険は自賠責保険の不足分を補う保険 等級と補償内容で保険料が変わる

任意保険は自賠責保険でカバーされない自損事故・物損事故・法定限度額を超える対人事故にも対応できる保険です。加入は強制ではありませんが、万一の事故に備えてほとんどのドライバーが加入しています。

保険料は1〜20の等級制度で決まり、無事故が続くほど等級が上がって保険料が下がります。年齢・免許の種類・年間走行距離・車種なども保険料に影響します。

補償の種類 対人賠償・対物賠償・自損事故・車両保険など
等級制度 1〜20等級(無事故で毎年1等級上がる)
保険料の目安(20代後半・新規加入) 軽自動車:約5万円、普通車:約7万円(車両保険あり)
注意点 複数社を比較見積もりすることで保険料を抑えられる場合がある

ガソリン代は走行距離・燃費・ガソリン価格で変わる

年間のガソリン代は「年間走行距離 ÷ 燃費 × ガソリン単価」で計算できます。年間走行距離を1万kmとして試算すると以下のようになります。

条件 軽自動車(燃費25km/L) 普通車(燃費15km/L)
年間燃料消費量 400L 667L
年間ガソリン代(@150円/L) 約60,000円 約100,000円

※ガソリン単価150円/Lで試算(実際の単価は時期・地域によって変動します)。燃費はWLTCモード値に近い数値で設定。

なお、実際に販売されている車の燃費性能はモデルによって大きく異なります。近年の軽自動車はWLTCモードで20〜25km/L程度、コンパクトカーのガソリン車は15〜18km/L程度が一般的な目安です。ハイブリッド車はさらに低燃費のため、年間走行距離が多い方ほど燃料代の節約につながります。

車両費用 ローンを組む場合は金利も忘れずに計算を

車の購入はローンを組むケースが多く、完済までの年数にわたって毎年一定額の支払いが発生します。

車種 価格 ローン期間 年あたりの支払額(金利なし)
軽自動車 150万円 5年 30万円
普通車 200万円 5年 40万円

※実際のローンは金利が発生します。ディーラーローンは年利3〜8%程度が多く、100万円を5年ローンで組むと総支払額は金利分だけで数万〜十数万円増える場合があります。金融機関のマイカーローンは比較的金利が低い傾向があるため、比較検討することをおすすめします。

駐車場代は地域差が大きい 月1万円が全国平均の目安

自宅に駐車スペースがある場合は0円ですが、月極駐車場を借りる場合は地域によって費用が大きく変わります。都市部では月3万円超になるケースも珍しくありません。

主要都市の月極駐車場の参考相場

  • 東京(23区):約30,000円
  • 大阪市:約25,000円
  • 横浜市:約17,000円
  • 名古屋市:約11,000円
  • 福岡市:約11,000円
  • 札幌市:約10,000円
  • 全国平均目安:約10,000円

その他の維持費 タイヤ・オイル・修理費など消耗品の費用も計上を

タイヤ交換費用

タイヤは摩耗するため定期的な交換が必要な消耗品です。寒冷地ではスタッドレスタイヤも必要で、交換・購入費用が維持費に加わります。

項目 費用目安 備考
タイヤ交換(作業費のみ) 約3,000〜5,000円/回 業者に依頼した場合
夏タイヤ購入(4本) 約40,000〜60,000円 タイヤサイズ・銘柄によって変動
スタッドレスタイヤ購入(4本) 約50,000〜90,000円 同上。交換目安は3〜4年

ノーマルタイヤの交換目安は走行5,000〜10,000km毎または5年程度。残溝1.6mm以下は車検不合格になるため早めの交換を検討しましょう。

車両の修理・メンテナンス費用

新車の場合は保証期間内(一般的に3〜5年)の故障は無償修理対象となることが多いですが、中古車の場合は購入直後に修理が必要になるケースもあります。エンジン系統の不具合は数十万円規模になることもあるため、中古車を購入する際は信頼できるディーラーや整備工場で状態を確認したうえで購入することをおすすめします。また、定期的なオイル交換(5,000〜10,000kmごと)はエンジンを守るための基本メンテナンスです。

メンテナンス項目 交換目安 費用目安
エンジンオイル交換 5,000〜10,000kmごと 3,000〜8,000円
オイルフィルター交換 オイル交換2回に1回程度 1,000〜2,000円
バッテリー交換 3〜5年に1回が目安 10,000〜30,000円
ブレーキパッド交換 走行状況による(2〜5年) 10,000〜30,000円

車の年間維持費は自分の条件で計算しよう 軽自動車の優位性と注意点

今回のモデルケースでは、軽自動車と普通車(5ナンバー)の年間維持費の差は約19万円程度となりました。軽自動車は自動車税・重量税・保険料いずれも普通車より低く設定されており、維持費の観点では大きなメリットがあります。

ただし、新車の軽自動車の価格は近年上昇しており、200万円超の車種も珍しくなくなっています。また、登録から13年を超えると自動車税の重課が適用されるため、長く乗り続ける場合のコスト増も考慮しておきましょう。

維持費の各項目は条件によって大きく変わります。ご自身が契約している保険証書・駐車場の賃貸借契約書・実際の走行距離・ガソリン単価で数字を入れ替えて試算してみることで、より実態に近い維持費を把握できます。購入前・見直しの機会にぜひ活用してください。