ドアバイザーの「メリット」と「デメリット」自分で出来る設置方法も紹介
ドアバイザーは、左右のサイドガラスの上部に設置されることからサイドバイザーとも呼ばれています。
一般的に半透明のブラックカラーでアクリル性の樹脂が用いられ、サイドガラスの形状に合わせて膨らんだ流線形が特徴的です。ディーラーのオプションパーツとして勧められても、一度は断る方もいます。
しかし、後から「やはり必要だった」と後付けを検討するドライブシーンに出くわすこともあります。ドアバイザーは必要なのか、それとも不要なのかを検討している方に向けて、メリットやデメリット、ご自身でできる設置方法も含めて紹介します。
意外に役立っているドアバイザーのメリット
ドアバイザーには換気による曇り防止や防犯性強化などのメリットがあります
1.雨の日でも換気ができ、窓の曇りも軽減できます
ドアバイザーは「雨よけ」の役割が最もよく知られています。車に取り付けることで、多少の雨であれば窓を少し開けても車内に雨水が入りにくくなります。
車内は雨の日であっても換気が必要になる場合があります。例えば、車内で飲食をした後の臭い、同乗者の喫煙後の換気、あるいは車内外の温度差による窓の曇り解消などが挙げられます。エアコンの外気導入機能を使っても換気は可能ですが、窓を開けた方が短時間でスムーズに空気を入れ替えられます。
また、運転中に外の音を聞いて安全確認をしたい時にも便利です。例えば、踏切で停車している際など、雨音や風の音で外部の音が聞こえにくい場合に、雨を気にせずに窓を開けて安全確認を行うことができます。これにより、視界の曇り防止だけでなく、安全運転にも貢献します。
2.駐車中の暑さ対策と防犯対策に有効です

車上荒らしは、窓が少しでも開いている車を狙う傾向があります。サイドガラスをわずかでも開けていると、犯行を行いやすくなる隙間が生じて車が狙われる可能性が高まります。
ドアバイザーを設置すると、窓を少し開けた状態でも外部から開口部が見えにくくなるため、防犯効果が高まります。
特に蒸し暑い日に駐車する際、車内の温度上昇(サウナ状態)を防ぐために窓を少し開けておきたいものです。暑い地域にお住まいの方にとって、防犯対策と同時に車内の温度上昇を抑える暑さ対策もできるドアバイザーは、非常に有用な装備となります。
3.降雪時にサイドガラスに雪がつきにくくなります
ドアバイザーを設置すると、サイドガラスに向かって降ってくる雪の一部が外側へ弾かれるため、雪がガラスに付着しにくくなります。
フロントガラスやリアガラスとは異なり、サイドガラスにはワイパーが備わっていません。そのため、一度雪が付着して凍ってしまうと、機械的な操作で視界を確保することが困難になります。サイドガラスに雪が付着して視界が狭まることは、運転に大きな支障をきたします。
年間を通して降雪の多い地域で暮らしている方にとって、サイドガラスの視界確保を助けるドアバイザーは必要性の高いパーツといえます。
ドアバイザーには知っておくべきデメリットもあります
ドアバイザーの設置にはメリットだけでなく、いくつかのデメリットもあります。ご自身の車に取り付けるかどうかは、デメリットについても考慮してから判断しましょう。
1.ドアバイザー周辺の洗車がやりにくくなります
ドアバイザーが設置されている周辺箇所の洗車はしにくいです
洗車は通常、水が流れ落ちる重力を利用してルーフから下へ行いますが、ドアバイザーが水の流れを遮り、外側へ弾いてしまいます。そのため、ドアバイザーの周辺や下側の洗車が非効率になります。
特に、洗車機を利用した場合、ドアバイザーの形状によってブラシが届きにくくなり、サイドガラスの上部やバイザー周辺に汚れや水滴が残りやすくなります。手洗いでサイドガラスを拭き上げる際も、ドアバイザーの位置が作業の邪魔になることがあります。
2.斜め後方の視界が一部遮られる可能性があります
ドアバイザーを取り付けていると視界の一部が遮られるため運転しづらくなることがあります
ドアバイザーは運転席と助手席のサイドガラス上部付近に取り付けられます。運転中は常に前方を注視しますが、車線変更時や交差点での右左折時には、斜め後方の交通状況を目視で確認する必要があります。
ドアバイザーを設置すると、特に視線が窓の上部を通過する斜め後方(巻き込み確認など)の確認時に、視界の一部が遮られる可能性があります。安全運転の観点から、この点はデメリットとして考慮すべきでしょう。
3.車のデザインの統一感が損なわれることがあります
ドアバイザーを取り付けることでデザインの統一感が崩れてしまう車もあります
一部の車種では、ドアバイザーの取り付けを前提としないデザインで開発されているものもあります。ドアバイザーを設置することで、車本来が持つ流線形のデザインや統一感が損なわれてしまうことがあります。
特に車の外観デザインを重視している方にとっては、大きなデメリットとなる可能性があります。
4.スピードを出した際に風切り音が発生しやすくなります
ドアバイザーを設置していると風切り音が発生しやすくなる場合があります
ドアバイザーを設置すると、高速走行時などに風切り音(風騒音)が発生しやすくなる場合があります。ドアバイザーとボディの間に空気が入り込み、それが振動を起こすことが音の発生原因と考えられています。
運転中の異音が気になる方は、ドアバイザーの設置を避ける傾向にあります。ただし、現在では風切り音を防止するためのゴム製モールがカー用品店などで販売されていますので、気になる方はそういった便利グッズの購入を検討してみるのも良いでしょう。
ドアバイザーを後から設置する方法
ドアバイザーは車種に適合する商品を選べば、自分で後付けすることも可能です
「ドアバイザーを後付けしたいけれど、どうしたらいいかわからない」という方のために、プロに依頼する方法と、自分で設置する方法を紹介します。
自動車のプロがいるディーラーや専門店に依頼する
自動車メーカーは、ほとんどの車種でドアバイザーを純正アクセサリーとして用意しています。忙しい方や、自分で取り付けることに自信のない方は、ディーラーやカー用品店などの専門店に依頼することをおすすめします。工賃の相場は、カー用品店で3,000円~10,000円程度、ディーラーで純正品を購入・取り付けまで依頼する場合は10,000円~20,000円程度が目安です。
プロに依頼することで、自分の車に適したドアバイザーを確かな技術力で確実に取り付けてもらうことができます。
ドアバイザーを自分で設置する時の手順
ドアバイザーは、カー用品店やインターネットで購入し、自分で設置することも可能です。両面テープと専用の留め具で固定するものが一般的です。自分で取り付ける際の方法と手順を紹介します。
1.ドアバイザーを設置する部分の脱脂と清掃を行う
ドアバイザーは、両面テープで車に接着されます。設置する部分に汚れや油分(ワックスなど)が付着していると、両面テープの接着力が極端に弱まります。接着力を最大限に引き出すために、設置する部分を中性洗剤などで清掃し、アルコールやシリコンオフ剤でしっかりと脱脂しましょう。
2.ドアバイザーを取り付ける箇所に仮合わせと目印をつける
ドアバイザーを適切な位置に取り付けることで、設置効果が高まり、見た目も美しく仕上がります。両面テープの保護シートを剥がす前に、必ず一度仮合わせを行い、位置のズレがないことを確認してください。マスキングテープなどを利用して、正確な取り付け位置に目印をつけてから作業することをおすすめします。
3.前後左右のバランスを確認し、慎重に取り付ける
車種に適合する商品を用意したら、前後のバランスがズレていないことを確認して取り付けます
目印をつけた位置に両面テープの保護シートを剥がしたドアバイザーを、前後左右のバランスに注意しながらゆっくりと貼り付けます。
両面テープは一度貼り付けると剥がすのが難しいため、慎重に作業を重ねる方が、ズレなくキレイに取り付けることができ、満足感が高まります。
ドアバイザーの取り外しは装着以上に難しい!DIYより専門業者への依頼が安全です
ドアバイザーを取り付けるための両面テープは非常に強力です。力づくで外そうとすると、両面テープの糊痕(のりあと)がボディに残ってしまうだけでなく、最悪の場合、車の塗装面を傷めてしまう可能性もあります。
強力な糊痕を除去するためには、専用の溶剤や「トレーサー」と呼ばれる特殊な工具(ドリルに装着する消しゴム状の道具)が必要になることが多く、一般の方がDIYでキレイに剥がすのは困難です。塗装を傷つけずにキレイに剥がしたい場合は、ディーラーや板金塗装の専門店など、プロの技術に頼るのが最も確実で安全な方法です。
ドアバイザーは車の使用環境や運転スタイルに応じて設置を検討しましょう
ドアバイザーの設置については、ドライバーの運転スタイルや使用環境によって賛否両論があります。毎日の運転で換気を重視する方にはあれば便利ですが、外観デザインや静粛性を重視する方には邪魔に感じてしまうこともあります。
ドアバイザーを設置するかどうかは、ご自身の運転状況や車の使用目的を考慮して判断しましょう。必要性が高いと思ったら後付けを検討し、不要だと思ったのなら無理に取り付ける必要はありません。
























