エアコンフィルターを交換してみた!グローブボックスを外せば簡単に取り替え可能
エアコンフィルター(エアコンエレメント)は、外気や内気を取り込む際に空気中のゴミやチリを取り除く役割を持つ濾過装置です。フィルターがなくてもエアコン自体は作動しますが、砂ぼこりだけでなくPM2.5などの有害物質も車内に侵入してしまうため、衛生面や快適性を考えると必ず装着しておいたほうが安心です。
では、エアコンフィルターはどのように交換するのでしょうか。多くの車種では助手席側のグローブボックス奥に設置されており、グローブボックスを外すだけでアクセスできます。ただし、日産系の一部車種ではセンターコンソール裏に設置されている場合もあるため、不明なときは取扱説明書を確認するかディーラーに相談すると確実です。
今回は、エアコンフィルターに「わさびデェール」という商品を一緒に取り付けました。わさびの成分により、エバポレーターやブロアファンに付着する雑菌の繁殖を抑制できるとされており、フィルターと同様に1年ごとの交換を予定しています。
ここでは、エアコンフィルターの交換方法や役割、交換しないことで起こり得る問題などをまとめてチェックしていきましょう。
エアコンフィルターを交換!雑菌抑制効果がある「わさびデェール」も取り付けてみた
デンソーのクリーンエアフィルターとヴァレオのわさびデェール
実際にエアコンフィルターを交換してみました。グローブボックスを外すと聞いて難しそうに思えましたが、3か所のツメを外すだけで簡単に脱着でき、意外と手軽でした。以下の手順を参考に、交換方法を確認してみてください。
エアコンフィルターの基本的な交換手順
- グローブボックスの中身を取り出す
- グローブボックスを固定しているツメなどを外す
- 落とさないよう注意しながらグローブボックスを引き出す
- エアコンフィルターケースが見えたらフタを開ける
- 取り出す前にフィルターの上下・向きを確認して覚える
- 古いフィルターを外し、新しいフィルターに差し替える
- ケースのフタを閉める
- グローブボックスを逆の手順で取り付けて完了
ランドクルーザープラドでは、グローブボックスを外すとその奥にエアコンフィルターケースがありました。ただし、車種によってはセンターコンソールの裏など異なる場所に設置されている場合もあるため注意が必要です。
ランドクルーザープラドのグローブボックス。鍵穴部分を引いて開ける
奥側のツメ位置。反対側にもあるため両方を同時に外す
最初にグローブボックスを外してエアコンフィルターケースへアクセスします。グローブボックスを開けて中身を取り出し、奥のツメ2か所と手前左下のツメ1か所を外すとフリーになります。全体を支えながら手前に引いて外し、取り外したグローブボックスは後部座席やトランクなど邪魔にならない場所に置いておきましょう。
グローブボックスを外すと奥の白いケースにエアコンフィルターが入っている
白いケースの内側のツメを外すとフタが取れてフィルターが見える
グローブボックスを外すと白いケースが現れ、その中にエアコンフィルターが収まっています。ケース内側のツメを外すとフタが取れ、フィルター本体が見えます。
向きを覚えたらフィルターを手前に引っ張って取り出す
緑色の面は風を最初に受ける側。タンポポの綿毛が挟まっていた
裏面は活性炭で黒く見える。ほのかにタバコ臭がした
エアコンフィルターは手前に引くだけで取り出せます。緑色の面は外気を最初に受ける側で、ゴミや花粉などをキャッチします。蛇腹部分にはタンポポの綿毛が挟まっていました。裏側が黒いのは汚れではなく活性炭による色で、新品でも同様です。
実際に嗅いでみると、ほのかにタバコの匂いがしました。これは内気循環で使用した際に吸い込まれたものと考えられます。古いフィルターの状態を確認したら、新品を用意します。
左が新品、右が半年使用したフィルター
新品フィルターに交換する前にわさびデェールを取り付ける
左が新品のフィルター、右が半年使用したフィルターです。新品と比べると明らかに黒ずんでいます。交換の目安は1年ですが、今回は「わさびデェール」を早く試したかったため半年で交換しました。
わさびデェールのパッケージ裏。緑側にクリップ、黒側に本体を設置する仕様
黒い面にわさびデェール本体を挟んで押さえる
緑色の面にクリップを取り付けて落ちないように固定する
エアコンフィルターの風向きに合わせ、黒い面にわさびデェール本体を挟み、緑色の面からクリップで固定します。クリップを装着する際はフィルターを傷つけないよう注意してください。
装着時期シールはエアコンフィルター本体に貼り付け
UP↑の表示が逆にならないよう注意して挿入
フィルターを奥まで差し込み、フタを閉めて完了
わさびデェールには装着時期を記録するシールが付属していましたが、覚えておけるのでフィルター本体に貼りました。あとは「UP↑」の表示が正しい向きになるように新品フィルターを挿入し、奥まで差し込んでフタを閉めます。最後にグローブボックスを元に戻して作業完了です。取り付け後、2~3日はわさびの匂いがすると言われていますが、実際には気になりませんでした。
エアコンフィルター(エレメント)は、外気や内気から取り込んだ空気のゴミやチリを除去する役割を持つ
エアコンフィルターは、エアコンの送風経路に設置されている濾過装置です。外気や内気から取り込んだ空気をブロアファンやエバポレーターに送る前に、チリやホコリ、綿毛や花粉、場合によっては小さな虫までも取り除いてくれます。
エアコンの風が流れる仕組み
- 外気または内気を取り込む
- エアコンフィルターで濾過される
- ブロアファンで風を送る
- エバポレーターを通って冷やされる(冷房時)
- ヒーターコアで温められる(暖房時)
- 車内の吹き出し口から風が出る
車内の空気を清浄に保つエアコンフィルターですが、排気ガスや化学的な悪臭までは除去できません。そのため、臭いが気になるときは窓を閉めて内気循環に切り替えると、車内に入りにくくなります。
エアコンフィルターの交換は1年ごとが目安!交換を怠ると効果が落ちるだけでなく悪臭の原因にも
エアコンフィルターには不織布が使われており、キャッチしたゴミが再び流れ出さないよう工夫されています。その分ゴミがどんどん溜まっていくため、定期的な交換が欠かせません。
エアコンフィルターの推奨交換サイクル
- 1年ごとに交換
- または走行10,000kmごとに交換
交換を怠るとフィルターに汚れが溜まり、カビが発生することもあります。そうなると清浄どころか逆に汚れた空気を車内に送り込む原因となるため、最低でも車検ごとの交換がおすすめです。
エアコンフィルターの主な種類
- 高集じんタイプ
- 抗ウイルスタイプ
- 抗菌・脱臭タイプ
- アレル物質抑制タイプ
エアコンフィルターには、ゴミやホコリを効率的に集める高集じんタイプ、抗ウイルスやアレル物質の抑制機能を備えたタイプ、さらに抗菌・脱臭効果を持つタイプなどがあります。複数の機能を組み合わせた製品もあり、安心感が高いのが特徴です。
また、フィルターは車種によって適合品が異なるため、自分の車に合った品番を選ぶ必要があります。DENSO(デンソー)やBOSCH(ボッシュ)などのメーカーから販売されているので、メーカー公式サイトやカー用品店で適合表を確認しましょう。
見方が分からない場合は店員に相談するのがおすすめです。メーカー名・車種・型式が分かれば、対応するエアコンフィルターを簡単に特定できます。
エアコンフィルターの交換は意外と簡単!設置方向だけ間違えないように注意
交換作業は古いフィルターを抜き取り、新しいものを差し込むだけなのでとても簡単です。難しく感じるのは、フィルターケースにたどり着くためのグローブボックス脱着くらいでしょう。なお、フィルターには風の流れる向きがあるため、上下や前後を逆に取り付けないよう注意してください。
「わさびデェール」はフィルターにしっかり固定できるため落下の心配はなく、わさび成分による脱臭・抗菌効果が期待できます。取り付け直後はわさびの匂いが気になると聞いていましたが、今回は同時にエバポレータークリーナーを施工したため、クリーナーの匂いのほうが強く、わさび臭は感じませんでした。