カーシェアとは?仕組みや利用方法と大手サービス事業者の料金も
カーシェアは、今後ますます定着していくサービスで、利用者も増えていきその利便性も増していくシェアリングエコノミーを代表するビジネスです。シェアリングエコノミーとは、物を個人が所有するのではなく、一定のルールに従った複数の人で共有し合おうという考えのもとで、経済活動を行っていこうとする考えかたです。
今後、加速するシェアリングエコノミーの流れを受けてサービスの幅を広げていくカーシェアの仕組みやその利用方法、大手サービス事業者の料金プランも紹介します!
また、NTTドコモが2017年の11月からスタートさせたカーシェアビジネス「dカーシェア」の話題についても取り上げます。
カーシェアはルールを守りみんなで車を使うヨーロッパ発祥の仕組み
カーシェアリング発祥の地はヨーロッパで、複数人で同一の車を利用するというシステムは、日本ほどに公共交通機関が発達していない地域の生活の足として代用させる形で生まれました。車の購入費用や整備費、車検などの車にかかる維持費は、車を利用する人達で出し合います。
日本で普及しつつあるカーシェアリングは、ヨーロッパで誕生した方式とは異なり、サービス運営会社に会員登録をしたユーザーが会社の所有する車を希望時間に合わせて料金を支払って利用する仕組みです。
カーシェアリングの大手企業の特徴と料金プラン
日本でサービスを行っている大手カーシェアリング企業の「オリックスカーシェア」「タイムズカープラス」「カレコ・カーシェアリングクラブ」「アースカー」の料金を紹介します。
使えば使うほどお得になるオリックスカーシェア
オリックス自動車が運営する「オリックス カーシェア」は、関東・東海・近畿の大都市圏を中心にサービス展開しながら、積極的に事業展開を拡大し沖縄県などにもサービスエリアを広げています。
オリックス カーシェアの料金プランは、長時間パックがライバル企業よりもお得です。特に、ポイント毎にステージが上昇していく最上クラスのプラチナステージでは、月額基本料が無料となり夜間パックでは、一部車種を除けば無料でサービスを利用することが出来ます。オリックスカーシェアでは、サービスを利用すればするほどお得感を味わえます!
スタンダードクラスに分類される車種は、アクアなどのコンパクトカー・プリウスなどのセダン・フィットシャトルなどのステーションワゴンやミニバンなどです。デラックスクラスに分類される車種はエクストレイルなどのSUVとワゴンタイプの車です。
料金/プラン | 個人Aプラン | 個人Bプラン | 学生プラン | |||
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一般会員 | プライムステージ | |||||
ブロンズ ステージ |
ゴールド ステージ |
プラチナ ステージ |
||||
月額基本料 | 980円 | 無料 | 5年間無料 | |||
スタンダードクラス/ 通常料金(15分あたり) |
200円 | 300円 | 200円 | |||
6時間パック | 3,500円 | 5,250円 | 3,500円 | |||
12時間パック | 4,500円 | 6,750円 | 4,500円 | |||
24時間パック | 6,000円 | 9,000円 | 6,000円 | |||
夜間パック | 2,500円 | 無料 | 2,500円 | |||
デラックスクラス/ 通常料金(15分あたり) |
300円 | 200円 | 450円 | 300円 | ||
6時間パック | 4,000円 | 3,500円 | 6,000円 | 4,000円 | ||
12時間パック | 6,500円 | 6000円 | 9,750円 | 6,500円 | ||
24時間パック | 8,000円 | 6,000円 | 12,000円 | 8,000円 | ||
夜間パック | 2,500円 | 無料 | 2,500円 | |||
距離料金 | 15円/km | 3時間まで無料 | 6時間まで無料 | 15円/km |
全国に広い範囲でシェアを持つタイムズカープラス
パーク24グループが運営する「タイムズ カープラス」は、全国の主要都市で事業展開を行っているカーシェア業界の最大手です。
初期費用はカード発行手数料が1,550円で、月額基本料金の1,030円は学生プランや法人プランで申し込めば無料となります。車両台数は2万台近くを保有しています!
サービス料は、コンパクトカーなどが該当するベーシッククラスが15分ごとに206円、外国車などが該当するプレミアムクラスが15分ごとに412円となります。
パックメニューには、「12時間パック」や「アーリーナイトパック」などが用意されていて、距離料金として「6時間パック」以外は1Km走行毎に16円が加算されます。
クラス | ショート料金 | 距離料金 |
---|---|---|
ベーシック | 206円/15分 | なし |
プレミアム | 412円/15分 | なし |
メニュー | 料金 | 距離料金 |
---|---|---|
6時間パック | 4,020円 | なし |
12時間パック | 6,690円 | 16円/km |
24時間パック | 8,230円 | |
アーリーナイトパック(18:00~24:00) | 2,060円 | |
レイトナイトパック(24:00~9:00) | 2,060円 | |
ダブルナイトパック(18:00~9:00) | 2,580円 |
首都圏でステーションの数が多いカレコ・カーシェアリングクラブ
三井不動産リアルティが運営する「カレコ・カーシェアリングクラブ」は、東京・大阪・京都・兵庫を中心にサービス展開をし、首都圏のステーション数は業界トップクラスです。
カレコでは、平日の利用料金を割安設定とする「平日プラン」が人気です。土日祝日はマイカーに乗って、平日は違う車に乗って気分転換をはかっている利用者も大勢います。
小型車~高級外車まで幅広い車種を揃えるカレコの月会費は980円で、車種によって料金体系は異なってきます。6時間を超える利用であれば1km走行する毎に15円が加算されます。
車種クラス | 10分 | 6時間クラス | 12時間パック | 24時間パック | 夜間パック (18時~翌9時) |
---|---|---|---|---|---|
コンパクトクラス | 80円 | 2,800円 | 4,500円 | 7,800円 | 2,500円 |
ミドルクラス | 100円 | 5,000円 | 9,300円 | ||
プレミアムクラス | 240円 | 6,800円 | 8,000円 | 9,800円 | 4,500円 |
車種クラス | 10分 | 6時間クラス | 12時間パック | 24時間パック | 夜間パック (18時~翌9時) |
---|---|---|---|---|---|
コンパクトクラス | 160円 | 5,600円 | 9,000円 | 12,000円 | 5,000円 |
ミドルクラス | 200円 | 10,000円 | 13,000円 | ||
プレミアムクラス | 240円 | 6,800円 | 8,000円 | 9,800円 | 4,500円 |
距離料金 | |
---|---|
6時間以内の予約・利用 | 6時間以上の予約・利用 |
0円 | 15円/km |
入会金無料でリーズナブルな料金が魅力のアースカー
アースカーは関東や関西を中心にサービス展開をしています。アースカーは初めての会員登録であれば入会金は無料です。その他の料金体系は月額基本料金が0円で、時間料金と距離料金は車種によって異なりますが15分ごとに80円以上で、1km走行ごとに6円以上となります。
アースカーでは、長時間利用すればするほどお得になる割引サービスや夜間時(21:00~翌9:00)の利用で適用されるサービス、車を早く返せば料金が割り引かれる「トリプル割」が好評です!
利用時間 | 時間料金単価割引率 |
---|---|
0時間~3時間 | 0%引き |
3時間~6時間 | 20%引き |
6時間~12時間 | 70%引き |
12時間~24時間 | 80%引き |
カーシェアサービスの利用の仕方は簡単
カーシェアの運営会社に会員登録をして、車を使いたい日にちと時間が決まったら、パソコンや携帯電話で予約を行えば簡単にサービスを利用する事ができます。
当日は車が置いてあるカーステーションに向かって、会員カードや携帯電話などを使って予約している車の施錠を行います。車の利用が終わったら同一のカーステーションに車を戻して会員カードと携帯電話を用いて施錠を行えばサービスの終了となります。
カーシェアとレンタカーの違いは「走行距離」と「利用時間」の料金
日本で主流となりつつあるカーシェアリングは、会社に所有権のある車を会員が希望する日時に合わせて利用するシステムであり、レンタカーサービスとの類似性もあります。互いの相違点は、「走行距離」と「利用時間」がかかわる料金プランです。
レンタカーは旅行先でサービスを利用するケースが多く、長時間・長距離の移動を想定しての料金プランとなっています。一方のカーシェアリングは、生活の拠点を置く地域で利用するケースが多く短時間の利用を想定した料金プランとなっており、同一の車を長時間利用した場合にはレンタカーの方が割安となる事がほとんどです。
カーシェアリングの車は、借りた場所に返却する事が前提となります。そのため、レンタカーのように系列店に乗り捨てることは出来ません。
カーシェアリングのメリット・デメリット
カーシェアリングのメリットやデメリットを紹介します。
メリットは、24時間好きな時間帯に車を使えて、レンタカーのように担当者に身分証明書をみせ、必要な書類にサインする等の手続きは省かれるため簡単に車を利用できることです。
また、レンタカーを利用した際には、ガソリンを満タンにして返却しなければなりませんが、カーシェアリングの場合には燃料を満タンにして返却する必要はありませんし、燃料代はかかりません。
給油は燃料が各社定めた一定量以下となれば、次の利用者の事も考えて車内に置かれているクレジットカード決済で行います。カーシェアリングのサービス料には、燃料代も含まれているため会社負担となります。利用者が給油を行った場合には、手間賃としてサービスの一部が割り引かれる料金プランを用意する事業者も多くあります。
デメリットは、近所にカーステーションがないと利用がしにくく、レンタカーのように前利用者の使用後にスタッフが随時メンテナンスチェックを行わないため、車内が汚れているなど状態の悪い車も想定しなければならない事です。
メリット
- 24時間対応のサービスである
- 短時間の利用に限ればレンタカーよりも割安
- 車検費や維持費がかからない
- 大手業者に登録すれば、利用地域が広がる
- 様々な車種に試し乗りができる
- 燃料代がかからない
デメリット
- 長時間利用すれば割高となる
- 利用時間の延長がしにくい
- 乗り捨てサービスを利用できない
- 状態の悪い車を利用しなければならない事もある
- サービスを利用しない月でも固定費がかかる
- レンタカーよりも利用できる車が少ない
ドコモが始めた新サービス「dカーシェア」が2017年11月からスタート
通信業界の雄・ドコモは、2017年11月8日から個人間でカーシェアリングができる「dカーシェア」のサービスをスタートしました。同サービスではアプリを利用して個人が所有する車の中から、目的や場所、予算に合わせた車をレンタルすることができます。
dカーシェアでは、「事業者が運営するカーシェア」「レンタカー業者」をアプリ上で選択できるだけではなくて、個人所有の車を利便性に即してカーシェアできる「マイカーシェア」のサービスも展開します。
マイカーシェアは、ドコモが独自に行う新サービスで、クルマのオーナーが、クルマの利用を希望するドライバーに車を直接貸し出すシェアシステムです。
利用希望者は、アプリを使って直接オーナーに申し込み、予約する際に車両補償や対人・対物賠償がセットになった「1日自動車保険」に加入してから、オーナーとやり取りを決めた場所でクルマの受け渡しが行われます。お金のやり取りはその場では行わずに「dカーシェア」上での決済となるため安心感もともないます。
dカーシェア専用のコールセンターを設けて、24時間・365日サポート体制を整えてトラブル発生時にはスムーズに対応します。また、システム面ではオーナーと利用者、ドコモが3者間でチャット機能を用いて事前にコミュニケーションをとり、相互評価を行い過去の利用状況を確認した上での利用となります。
ドコモが不適切であると判断した人物はサービスを利用することができず、利用規約に違反する行為をしたユーザーにはサービスを停止する処置をとって、更なる安全性の強化をはかります!
カーシェアは今後広まっていく!シェアリングエコノミーの普及と浸透の流れを受けて
カーシェアは今後ますます広まっていきます。それは、カーシェアも分類されているシェアリングエコノミーが社会に普及して浸透していくからです。経済産業省の報告によると、2013年に世界で150億ドルであったシェアリングエコノミーの世界の市場規模は、2025年には10倍以上の3350億ドルになると予想されています。
市場規模が急成長する背景には、スマホなどでSNSを利用する事で個人と企業・個人と個人との距離が近づくことが大きく影響を与えています。NTTドコモが始めた新サービス「dカーシェア」は拡大するカーシェア市場を狙ったものです。
シェアハウスという言葉が定着していったように、今後はカーシェアという言葉も定着していきます。
シェアリングエコノミーがどんどん普及していけば、車や物は所有することが当たり前の時代から上手に賢くシェアする時代へと変わっていくでしょう。
社会と密接なかかわり合いをもつ車をシェアする流れが加速していけば、法体系や諸制度もそれに付随して変わっていきます。そんな未来社会では、個人は一台の車の所有者となるのではなくて、複数の車をシェアすることで、沢山の車に乗れる喜びを味わっているはずです。