ランボルギーニ・アヴェンタドール

ランボルギーニ アヴェンタドールは2022年9月に生産終了 累計11465台、後継はPHEVのレヴエルト

アヴェンタドールの後継はどうなったのか。2023年3月に登場したレヴエルトが、6.5L V12と3モーターでシステム1,015PSを発生するPHEVとして系譜を継ぎました。日本価格は6,600万円から。世代交代の中身を解説します。

アヴェンタドールは2022年9月26日に生産終了 累計11,465台で幕を閉じ後継はPHEVのレヴエルトへ

ミウラ、カウンタック、ディアブロ、ムルシエラゴと続いてきたランボルギーニのV12フラッグシップ。その系譜を2011年から担ってきたアヴェンタドールは、2022年9月26日に生産を終了しました。11年間の累計生産台数は11,465台に達し、歴代V12モデルとしては最多です。

そして最後の1台は、スイスの顧客向けにアド・ペルソナムでライトブルーに仕上げられた「LP780-4 ウルティメ ロードスター」でした。自然吸気のV12を単体で積む、ランボルギーニ最後の市販車という位置づけになります。

後継は2023年3月に発表された「レヴエルト」で、6.5L V12に3基のモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドへ移行しました。ここではアヴェンタドールが終幕までにたどった道のりを整理したうえで、各仕様の中身を詳しく見ていきます。

アヴェンタドールの中古相場は3,250万円台から 自然吸気V12最後の世代として高値圏を維持

新車としての供給が絶えたあと、アヴェンタドールは中古市場に舞台を移しています。国内の在庫を集計すると車両本体価格でおおむね3,250万〜9,700万円、平均で5,700万円前後というレンジで、初期のLP700-4が3,000万円台後半から、SVJやウルティメといった限定仕様は7,000万〜8,000万円台という並びです。

新車価格が4,000万〜5,000万円台だったことを考えると、限定仕様が発売時を大きく上回る水準で取引されている点が目を引きます。電動化が進むなかで、6.5Lの自然吸気V12を積む最後の世代という希少性が、そのまま価格に表れている格好です。

アヴェンタドールの後継は2023年3月29日に世界初公開されたレヴエルト V12に3モーターを組み合わせシステム1,015PSへ

アヴェンタドールの後を受けるモデルは、2023年3月29日にイタリア・サンタアガタボロネーゼで世界初公開された「レヴエルト」です。日本では同年6月6日に東京・有明アリーナで初公開され、価格は6,600万円からと発表されました。

心臓部は新開発の6.5L V12自然吸気エンジンで、単体で825PS/9,250rpm、725Nm/6,750rpmを発生。これに3基の電気モーターを組み合わせ、システム最高出力は1,015PSに達します。トランスミッションはアヴェンタドールが最後まで採用した7速シングルクラッチのISRから、8速デュアルクラッチへ刷新されました。

シャシーは航空宇宙工学に着想を得た「モノフューズラージ」と呼ばれる新設計で、カーボンファイバー製という点は共通ながら、ねじり剛性を25%高めつつアヴェンタドール比で10%の軽量化を実現。フロントのクラッシュストラクチャーもカーボンファイバー製とされました。V12の官能性を残したまま電動化するという難題に、ランボルギーニが出した答えといえます。

後継モデル「レヴエルト」の主要諸元
全長 4,947mm
全幅 2,266mm(ドアミラー含む)
全高 1,160mm
ホイールベース 2,779mm
乾燥重量 1,772kg
エンジン 6.5L V型12気筒自然吸気+モーター3基(PHEV)
エンジン最高出力 825PS/9,250rpm
エンジン最大トルク 725Nm/6,750rpm
システム最高出力 1,015PS
トランスミッション 8速デュアルクラッチ
日本価格 6,600万円~

なお、V12+3モーターというこの構成はその後も発展を続けており、2025年8月にはレヴエルトをベースとする世界29台限定のフューオフ「フェノメノ」が公開され、システム出力は1,080PSに引き上げられています。

2023年2月6日にアヴェンタドールをベースとしたワンオフ2台「インヴェンシブレ」「アウテンティカ」を公開

生産終了から4カ月後の2023年2月6日、ランボルギーニはアヴェンタドールをベースとする2台のワンオフモデルを公開しました。クーペの「インヴェンシブレ(Invencible)」と、ロードスターの「アウテンティカ(Autentica)」です。

いずれも6.5L V12自然吸気を780PS仕様で搭載し、歴代の限定モデルをモチーフとした専用の内外装をまといます。後継レヴエルトの発表を翌月に控えたタイミングでの披露であり、自然吸気V12だけで走るランボルギーニの、文字どおり最後の作品となりました。ワンオフのため、それぞれ世界にただ1台だけの存在です。

アヴェンタドールは2022年9月26日に生産終了 沈没事故で失われた15台を再生産したうえで11年の歴史に幕

アヴェンタドールの生産終了には、ひとつの事故が絡んでいます。2022年2月、大西洋上で貨物船フェリシティ・エースが火災を起こして沈没し、輸送中だったアヴェンタドール15台を含む多数のランボルギーニが失われました。

すでに全数が完売し、生産計画も終わりが見えていた状況でしたが、ランボルギーニは同年3月、失われた15台を再生産すると表明します。ラインを組み直し、部材を手当てし、電動化へ向けたスケジュールに無理やり空きを作っての決断でした。

その追加分を作り終えた2022年9月26日、サンタアガタボロネーゼの工場から最後のアヴェンタドールがラインオフします。スイスの顧客のために特別なライトブルーで仕上げられた「LP780-4 ウルティメ ロードスター」がその1台で、累計生産台数は11,465台となりました。歴代V12モデルで最多であり、10年以上にわたって1万台を超えるフラッグシップを送り出したことは、この規模のメーカーとしては異例の記録です。

最終限定モデルのLP780-4 ウルティメは日本で2021年7月29日に発表 価格5,454万3,088円で発表前に完売

アヴェンタドールの最終限定モデル「LP780-4 ウルティメ(Ultimae)」は、2021年7月7日に発表され、同月10日のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで実車が披露されました。生産台数はクーペ350台、ロードスター250台の計600台限定です。

「ウルティメ」はラテン語で「究極の」「最後の」を意味します。その名のとおり、6.5L V12はチタン製インテークバルブの採用やVVT・可変吸気システムの最適化によって最高出力780PS/8,500rpm、最大トルク720Nm/6,750rpmまで引き上げられ、市販ランボルギーニ史上最強の自然吸気V12となりました。アヴェンタドールSより40PS、SVJより10PS高い数値です。0-100km/h加速は2.8秒、最高速度は355km/hに達します。

デザインはアヴェンタドールSのエレガンスとSVJの獰猛さを融合させたもので、独立した大型リヤウイングは持たず、電動格納式のアクティブエアロで処理する洗練された仕立てです。日本では2021年7月29日に発表され、新車価格は5,454万3,088円。発表の時点ですでに完売していました。

アヴェンタドール LP780-4 ウルティメ(クーペ)の主要諸元
全長 4,868mm
全幅 2,098mm
全高 1,136mm
ホイールベース 2,700mm
エンジン 6,498cc V型12気筒DOHC自然吸気
最高出力 780PS/8,500rpm
最大トルク 720Nm/6,750rpm
0-100km/h加速 2.8秒
最高速度 355km/h
生産台数 クーペ350台/ロードスター250台
日本価格 5,454万3,088円

アヴェンタドール SVJ 63 ロードスターが米国で初公開 ベース車両はアヴェンタドールSVJロードスターで770馬力を発揮

ランボルギーニの特別モデル「アヴェンタドール SVJ 63 ロードスター」

2019年8月16日、「アヴェンタドール SVJ 63 ロードスター(Lamborghini Aventador SVJ 63 Roadster)」がランボルギーニ・ラウンジ・モントレーで初公開されました。63台限定で生産され、公開の時点ですでに完売しています。車名の63は、ランボルギーニが創業した1963年に由来します。

ベースはアヴェンタドールSVJロードスター。カーボンファイバーのエクステリアパーツをまとっており、ハードトップはRTM高圧プレス技術で大幅な軽量化を実現しています。ランボルギーニ独自のカスタムプログラム「Ad Personam」を利用でき、自分好みに車体色やトリムをカスタマイズできました。

ランボルギーニ「アヴェンタドール SVJ 63 ロードスター」のインテリア

アヴェンタドール SVJ 63 ロードスターのコックピットには、アルカンターラやカーボンファイバーを採用。グレーとオレンジのインテリアカラーがスポーツマインドを刺激します。
カーボンファイバー製スポーツシートにはスポーティーなホワイトのクロスステッチがあしらわれています。

6.5リットルV型12気筒ガソリン自然吸気エンジンの最高出力は770hp/8500rpm、最大トルクは73.4kgm/6750rpmを発揮。0~100km/h加速は2.9秒、最高速は350km/hオーバーとなります。
駆動方式は4WD、トランスミッションは7速「ISR」(インディペンデント・シフティング・ロッド)。道路状況に応じて「STRADA」「SPORT」「CORSA」「EGO」の4つの走行モードを選択できます。

SVJ 63 ロードスターはペブルビーチ・コンクール・デレガンス2019のタイミングで披露された

この特別モデルが公開されたのは、2019年8月18日から開催されたペブルビーチ・コンクール・デレガンス2019に合わせたモントレー・カーウィークの週でした。

事前に公開されたティーザー画像には、リヤエンジンフードの「SVJ」と、その下の「63 Edition」という表記が写し出されており、SVJ系の限定モデルであることが示されていました。SVJにはすでにクーペの「SVJ 63」が63台限定で設定されており、今回のロードスター版はその対となる存在です。

アヴェンタドールの最強仕様はSVJの770PS 最終仕様のウルティメで780PSに到達しペルフォマンテは設定されなかった

ウラカンに設定されている「ペルフォマンテ」は、アヴェンタドールにはついに設定されませんでした。ハードコア仕様の役割を担ったのは2018年8月に登場したSVJで、6.5L V12を770PSまで高め、ニュルブルクリンク北コースで6分44秒97という当時の量産車最速記録を打ち立てています。SVJにはウラカン ペルフォマンテ譲りのアクティブエアロ「ALA」が組み込まれ、空力を能動的に制御する仕組みが与えられました。

そしてシリーズの頂点に立ったのが、2021年の最終限定モデルLP780-4 ウルティメです。780PSはアヴェンタドールSに対して+40PS、SVJに対しても+10PS。ペルフォマンテという名前こそ使われませんでしたが、その思想はSVJとウルティメに引き継がれた形です。

アヴェンタドールSVJとLP780-4 ウルティメの比較
LP770-4 SVJ LP780-4 ウルティメ
登場時期 2018年8月 2021年7月
エンジン 6,498cc V12自然吸気 6,498cc V12自然吸気
最高出力 770PS/8,500rpm 780PS/8,500rpm
最大トルク 720Nm/6,750rpm 720Nm/6,750rpm
0-100km/h加速 2.8秒 2.8秒
最高速度 350km/h以上 355km/h
特徴 アクティブエアロALA、ニュル6分44秒97 SとSVJの融合、シリーズ最強にして最終

アヴェンタドールは2011年に発売したムルシエラゴの後継モデル 2017年からはアヴェンタドールSが販売された

ランボルギーニのフラッグシップだったアヴェンタドール

アヴェンタドールは2011年のジュネーブモーターショーで発表されたスーパーカーで、日本でブームにもなったミウラやカウンタックの流れをくむフラッグシップモデルです。日本国内では2011年9月から販売が始まりました。標準のLP700-4は2016年をもって役目を終え、2017年からはマイナーチェンジ版のアヴェンタドールSへとバトンが渡されています。

アヴェンタドールのバリエーション

  • LP700-4 アヴェンタドール
  • LP720-4 50° アニヴェルサリオ
  • LP700-4 ピレリ・エディション
  • LP750-4 SV(スーパーヴェローチェ)
  • LP700-4 ミウラ・オマージュ
  • LP740-4 S
  • LP770-4 SVJ/SVJ 63
  • LP780-4 ウルティメ

初代LP700-4のボディサイズは全長4,780mm・全幅2,030mm・全高1,136mmで、全幅が2メートルを超えていて全高は1.1mという超ワイドローボディです。搭載エンジンはV型12気筒6,500ccの自然吸気ガソリンで、最高出力は700PSに達します。

アヴェンタドール LP700-4のスペック
全長 4,780mm
全幅 2,030mm
全高 1,136mm
ホイールベース 2,700mm
エンジン種類 V型12気筒
エンジン排気量 6,500cc
エンジン最高出力 700PS/8,250rpm
エンジン最大トルク 690Nm/5,500rpm

2011年に発売されたアヴェンタドールは、2017年にアヴェンタドールSへとマイナーチェンジされて継続販売されました。搭載エンジンは変わりませんが、最高出力は740PSへと引き上げられています。このモデルからランボルギーニ初の後輪操舵システム(LRS=Lamborghini Rear-wheel Steering)を採用し、前輪操舵と協調させることで四輪操舵として機能させました。縦・横・垂直の3次元コントロールで安定した操縦性を提供してくれます。日本での価格は4,490万円からでした。

アヴェンタドールSのスペック
全長 4,797mm
全幅 2,030mm
全高 1,136mm
ホイールベース 2,700mm
エンジン種類 V型12気筒
エンジン排気量 6,500cc
エンジン最高出力 740PS/8,400rpm
エンジン最大トルク 690Nm/5,500rpm

世界に誇るランボルギーニのスーパーカー・アヴェンタドールのモデルチェンジ遍歴

アヴェンタドールはイタリアのランボルギーニが2011年から2022年まで製造した、世界に誇るスーパーカーです。エンジンフードカバーはカメムシから発想を得てデザインされたといわれています。

アヴェンタドール LP700型/2011年~2022年

2011年9月、日本国内でアヴェンタドールLP700-4が販売を開始します。
2013年、ドバイでアヴェンタドールがパトカーとして採用。
2016年、ジュネーブモーターショーでワンオフモデルの「チェンテナリオ」を発表。同年、マイナーチェンジ版のアヴェンタドールSを発表(日本発売は2017年)。
2018年、サーキット向けのワンオフモデル「SC18アルストン」を発表。同年8月には770PSのSVJが登場し、ニュルブルクリンク北コースで6分44秒97を記録。
2019年8月16日、63台限定の「SVJ 63 ロードスター」をモントレーで初公開。
2021年7月7日、最終限定モデル「LP780-4 ウルティメ」を発表(クーペ350台/ロードスター250台)。日本では同月29日に発表され、価格は5,454万3,088円。
2022年2月、貨物船フェリシティ・エースの沈没で15台を喪失。3月に同数の再生産を決定。
2022年9月26日、生産終了。最終号車はライトブルーのLP780-4 ウルティメ ロードスターで、累計生産台数は11,465台。
2023年2月6日、アヴェンタドールをベースとするワンオフ「インヴェンシブレ」「アウテンティカ」を公開。
2023年3月29日、後継モデル「レヴエルト」が世界初公開され、フラッグシップの座を明け渡しました。

アヴェンタドールのモデルチェンジ遍歴
アヴェンタドールのモデル 生産期間 日本での販売期間
LP700型(LP700-4/S/SVJ/ウルティメ) 2011年~2022年 2011年9月~2022年
アヴェンタドールのバリエーション
アヴェンタドールのバリエーション 発表時期 生産台数・備考
アヴェンタドール LP700-4 2011年 700PS。標準モデル
アヴェンタドール LP700-4ロードスター 2012年12月 オープンモデル
アヴェンタドールJ 2012年 ワンオフ
アヴェンタドール LP720-4 50° アニヴェルサリオ 2013年 創業50周年記念
アヴェンタドール LP700-4 ピレリ・エディション 2014年4月 ピレリとの協業記念
アヴェンタドール LP750-4 SV 2015年 750PS・600台
アヴェンタドール LP750-4 SVロードスター 2015年8月 500台
アヴェンタドール LP700-4 ミウラ・オマージュ 2016年6月 50台
アヴェンタドール LP740-4 S 2016年 740PS。後輪操舵を採用
アヴェンタドール LP740-4 Sロードスター 2017年 Sのオープンモデル
アヴェンタドール LP770-4 SVJ 2018年8月 770PS・900台。ニュル6分44秒97
アヴェンタドール LP770-4 SVJ 63 2018年 63台
アヴェンタドール LP770-4 SVJロードスター 2019年 800台
アヴェンタドール SVJ 63 ロードスター 2019年8月 63台
アヴェンタドール LP780-4 ウルティメ 2021年7月 780PS・クーペ350台
アヴェンタドール LP780-4 ウルティメ ロードスター 2021年7月 250台。最終生産車
インヴェンシブレ/アウテンティカ 2023年2月 各1台のワンオフ。最後の自然吸気V12

アヴェンタドールが築いた11年 ミウラから続く系譜はレヴエルトへ引き継がれた

ランボルギーニのアヴェンタドールは、同社のフラッグシップモデルとして君臨し、アヴェンタドールSは4,490万円から、最終限定のウルティメは5,454万3,088円という価格帯で販売されました。ミウラから続くフラッグシップの歴史のなかで、アヴェンタドールは11年という比較的長い現役期間を過ごし、そのあいだに11,465台という歴代V12最多の生産台数を積み上げています。

ランボルギーニのフラッグシップモデル年表
ミウラ 1966~1973年(7年)
カウンタック 1974~1990年(16年)
ディアブロ 1990~2001年(11年)
ムルシエラゴ 2001~2010年(9年)
アヴェンタドール 2011~2022年(11年)
レヴエルト 2023年~

フラッグシップの1,000PS超えは、アヴェンタドールの後を継いだレヴエルトが1,015PSで実現しました。V12を捨てずにモーターを足すという選択によって、ランボルギーニは出力とサウンドの両方を守った形です。一方で、エンジンだけで走る最後のフラッグシップという立ち位置は、アヴェンタドールだけのものになりました。自然吸気V12の咆哮を求める人にとって、この11年間に生まれた11,465台が、これからも特別な意味を持ち続けることになります。