自動ブレーキの義務化で標準搭載に

自動ブレーキ搭載の義務化へ!国産車はAEBS(衝突被害軽減ブレーキ)を標準装備へ

自動ブレーキ搭載の義務化が日本国内で2021年11月から採用。自動ブレーキはこれまで大型のバスやトラックのみに標準搭載が義務付けられていたが、普通車にも搭載義務が生じる。自動ブレーキの義務化が採択されると国土交通省で定める基準に各メーカーが統一する。

自動ブレーキ搭載が義務化へ!日本を含む世界40カ国で新車への標準搭載の規制原案に合意

ECE・欧州経済委員会が、日本やEU・欧州連合などの40の国や地域で、これまで大型車のバスとトラックにしかなかった国際基準の自動ブレーキ搭載の義務化でしたが、普通車や軽商用車の新車にも衝突被害軽減ブレーキ「AEBS」の搭載を義務づける規制案に合意がなされました。

欧州経済委員会によると、自動ブレーキの搭載を義務化することで、低速で走行しているときの衝突を38%減らし、欧州連合内では年間1,000人以上の命が守られると想定しています。

自動ブレーキの義務化の動きは日本とEU・欧州連合が主導となって行われ、こうした動きへの経緯は、増える高齢者のアクセルとブレーキの踏み間違いによる事故の防止に向け、ルールを国際的に決めることが急がれると判断されたためです。

自動ブレーキ搭載の義務化は2021年11月にスタート

自動ブレーキ搭載を2021年11月より義務化する方向で政府が最終調整に入りました。対象は2021年11月以降に販売される新型車が対象で、国産の軽自動車・乗用車・軽トラックなどで、主要メーカーとの調整は既に開始しており、年内には正式に決定されるとのことです。自動ブレーキの基準もさらに厳格化され、高齢ドライバーの操作ミスによる事故の抑止力となるでしょう。

自動ブレーキ搭載の義務化は世界フォーラムに提出後2020年に発行か

自動ブレーキの義務化を正式に導入するため、2019年6月に世界フォーラムに提出され、新規制としては2020年はじめころに発行されると見られます。日本においては、2020年には自動ブレーキ標準搭載車を90%以上とする目標を掲げています。

新車への自動ブレーキ搭載の義務化にEU・欧州連合以外の国はどう対応するのか

自動ブレーキの搭載義務化は日本とEUで合意された案件ですが、それ以外のアメリカをはじめ、インドや中国などはこれらの動きに加わっていません。

ですが、自動ブレーキの義務化がされている国へ車を輸出する際、車には自動ブレーキを搭載しなければいけませんので、義務化がされていない国の車メーカーでも、自動ブレーキの標準搭載という動きが積極的に行われると考えられます。

自動ブレーキは車両や歩行者、障害物の接近に対して作動するが誤作動する可能性はないのか

自動ブレーキシステムの義務化は2020年以降に発行されるものと考えられる

自動ブレーキは前方の車両や歩行者、障害物の接近をカメラやレーダーで監視・検知して警告音などを鳴らします。ドライバーが反応しない場合、緊急自動ブレーキを作動させ、自動停止させるシステムです。

ですが、自動ブレーキのシステムはあくまでも衝突の被害を軽減するものです。高速走行時に作動すると過信してはいけません。

2018年4月より、国土交通省で自動ブレーキの新基準を定めています。現在、各自動車メーカーによって自動ブレーキの基準にばらつきがあるため、世界フォーラムで採択されると下記の国土交通省で定めた基準に統一されると考えられます。

新基準の自動ブレーキ性能

  • 前方の車に接近時のスピードが50km/hの場合、衝突時の速度が自動ブレーキによって20km/h以下であること
  • 前方の車の速度が20km/hの場合、確実に衝突を回避できること
  • 警報アラートを自動ブレーキが作動する0.8秒前までに鳴らし、注意喚起をドライバーに行う機能を備えていること

自動ブレーキ標準搭載車は新車のみ?中古車に後付けできる?

2020年以降に販売される新車には、自動ブレーキが義務化されて標準装備されますが、中古車で自動ブレーキが搭載されていない車に後付けできるのだろうかと考える人もいるでしょう。現状では自動ブレーキの後付けはできません。ですが、似たような安全機能を後からつけることは可能です。

自動ブレーキの基準の中に、前方に車や歩行者、障害物が接近した際に警報を鳴らしてドライバーに知らせ、その後反応がなければ自動ブレーキが作動するというのがありますが、後付けできるものは接近を察知して警報を鳴らす警報システムで、自動でブレーキがかかるものではありません。

ですが、前方車両や歩行者、障害物が接近した際に警報を出すだけではなく、車線を逸脱した際にも警報で知らせてくれるので、自動ブレーキが搭載されていない車に乗る高齢者には、便利なアイテムではないでしょうか。

自動ブレーキの各自動車メーカーの呼び方を把握すると標準装備されている車種かどうかがわかる

自動ブレーキの義務化は2020年以降になりますが、現時点で自動ブレーキを標準装備している車も多くあります。ただし、自動車メーカーによって自動ブレーキシステムの呼び方が違いますので、名前を把握していると、購入時に標準搭載されているかどうかがわかります。

TOYOTA(トヨタ):トヨタ・セーフティ・センス

トヨタの自動ブレーキシステム、「トヨタ・セーフティ・センス」には、2つのタイプがあります。単眼カメラとレーダーの2種類のセンサーを組み合わせた「トヨタ・セーフティ・センスC」と、単眼カメラとミリ波レーダーを採用した「トヨタ・セーフティ・センスP」があります。

「トヨタ・セーフティ・センスC」はコンパクトカー向け、「トヨタ・セーフティ・センスP」はミディアムクラス以上向けの自動ブレーキシステムになります。

MAZDA(マツダ):アドバンストSCBS(スマート・シティ・ブレーキサポート)

マツダの自動ブレーキシステム「アドバンストSCBS」は、フロントガラスに設置されたカメラで前方の車や歩行者を検知し、衝突の可能性がある場合に自動ブレーキが作動して回避をサポートしたり、衝突時の被害を低減します。

そのほか、SBS(スマート・ブレーキ・サポート)で中高速で走行している際の衝突被害を回避、軽減する機能と、BSM(ブラインド・スポット・モニタリング)が後ろからの接近車両を知らせてくれる機能も搭載しています。

日産:エマージェンシーブレーキ・PFCW

日産では量産しているすべての主要グレードの車種に、自動ブレーキを標準搭載しています。フロントのカメラが前方の車や歩行者、障害物の距離と走行速度から、衝突する可能性があるかどうか判断します。

衝突の可能性がある場合、画面表示と警告音でドライバーに危険を回避するよう促し、対応が遅れた場合や対応しなかった場合、緊急自動ブレーキが作動します。

PFCWはスカイラインに搭載されており、フロントバンパー下部のミリ波レーダーセンサーが、2台前の車の走行をキャッチし、急ブレーキを行った場合などにドライバーに警告音で知らせる世界初の機能となっています。

HONDA(ホンダ):CMBS・衝突軽減ブレーキ

ホンダの自動ブレーキシステムは、車に対する衝突を防ぐミリ波レーダーを採用しているタイプと、歩行者も認識するカメラとミリ波レーダーの両方を採用しているタイプがあります。

衝突を予測したときに警告音で知らせて自動ブレーキが作動するだけではなく、対向車に対しても、接近した際にハンドルを振動させてドライバーに警告します。

スズキ:レーダーブレーキサポート

スズキの自動ブレーキ、レーダーブレーキサポートは、渋滞などで速度が出ていない走行中などに、レーザーレーダーが前方の状況を検知し、衝突を避けられないと判断した際に自動ブレーキが作動します。

高齢者に多い、ブレーキとアクセルの踏み間違いに対しても、一気にアクセルを踏んだ際にパワーが制限される機能を兼ね備えています。

SUBARU(スバル):アイサイト

スバルの自動ブレーキシステムアイサイトは、2台のカメラによって画像認識をする、高い評価を受けているシステムです。ステレオカメラの画像から、対象となるものとの距離や状況判断を行い、超低速でも機能し、障害物に対しては60km/hまで距離や対象物を判断し、衝突を回避します。

DAIHATSU(ダイハツ):スマートアシスト

ダイハツのスマートアシストは、世界最小の小型ステレオカメラがフロントガラス上部に設置され、4km/hという低速から50km/h程度の速度で、自動ブレーキが作動するシステムになっています。

スマートアシストが衝突の可能性をキャッチした際には、ブレーキの踏み込みを助けてくれる被害軽減ブレーキアシストも採用されています。