ダイハツ アルティスは2023年に生産終了、後継なし——新型カムリは海外で継続、日本”逆輸入”復活が有力もアルティス復活は未定
ダイハツの最上級セダンだった「アルティス」は、トヨタ「カムリ」のOEM供給を受けて販売されてきましたが、2023年12月にカムリの国内販売終了に伴い、アルティスも販売を終了しました。5代目(2017〜2023年)をもって、直接の後継を持たないまま一代限りで幕を下ろしています。ここでは、これまでのモデルチェンジ・改良内容を振り返りつつ、その後のカムリの動向とアルティス復活の可能性を整理します。
新型カムリ(11代目)は海外で継続、日本へは”逆輸入”で復活が有力視——ただし「アルティス」としての復活は未発表
本記事はかつて「カムリは2024年にフルモデルチェンジが予想され、日本再導入が決まればアルティスも復活するかも」と結んでいました。まず前半は実現しています。新型カムリ(通算11代目)は2023年11月15日にワールドプレミアされ、2024年春から北米などで発売されました(米国仕様はハイブリッド専用)。詳細はカムリのモデルチェンジ情報のページに譲ります。
後半についても動きがあります。いったん2023年末で国内販売を終えたカムリですが、米国で生産される現行モデルを”逆輸入”する形で、日本へ再導入される見込みが強まっています(2026年ごろの発売が有力視されていますが、正式な時期は流動的です)。ただし注意したいのは、これはあくまで「トヨタ カムリ」としての導入だという点です。かつてのようにダイハツ「アルティス」としてOEM供給される、という発表は現時点でありません。ダイハツの認証手続きをめぐる問題を経た経緯も踏まえると、OEMセダンとしてのアルティス復活のハードルは高いというのが実情です。したがって現時点のアルティスは「2023年に終了したまま、後継・復活の予定なし」というのが結論になります。
アルティスはモデルチェンジせず販売終了(2023年12月、OEM元カムリ国内終了の影響)
アルティスはトヨタ カムリをOEM元とするセダンで、2023年12月下旬、カムリの国内販売終了を受けてアルティスも販売を終えました。
後継車の情報はなく、ダイハツのミドルサイズセダンは消滅しています。同じ2023年には、トヨタがダイハツからOEM供給を受けていたパッソやピクシスジョイも販売を終了しており、両社のOEM関係も見直しが進んだ時期でした。
アルティスが一部仕様変更で新ボディカラーを設定(2022年8月1日)
トヨタ カムリからOEM供給を受けるアルティスは、2022年8月1日に一部仕様変更を行いました。
中身は、新ボディカラー「エモーショナルレッドIII」(メーカーオプション:55,000円)の設定で、価格は4,063,000円(2WD)〜4,261,000円(E-Four)となりました。
OEM元のカムリは同日の仕様変更で内装色オーカーの設定や、充電用USB端子のtypeA→typeC変更を行いましたが、アルティスのプレスリリースは「新ボディカラーの設定など」とされ、内装色やUSB端子の変更は主にカムリ側の内容だったとみられます。
2021年2月1日にアルティスの一部改良を実施、E-Fourを追加
ダイハツは2021年2月1日、アルティスの一部改良を発表し、全国で一斉発売しました。
これは2017年7月にフルモデルチェンジした5代目アルティスの改良で、フロントフェイスの刷新、安全機能の強化、電気式4WD「E-Four」の追加設定などが柱です。E-Fourの追加により、アルティスに4WDが設定されるのは3代目以来となりました。あわせてカラーヘッドアップディスプレイやディスプレイオーディオ、アクセサリーコンセント(AC100V・1500W)も標準装備化されています。
価格はグレード「G」の2WDが4,053,000円から、E-Fourが4,251,000円からとなりました。
2020年8月5日の一部改良でブラインドスポットモニターを標準装備
アルティスは2020年8月5日にも一部改良を実施し、後方車両の接近をサイドミラーで知らせるブラインドスポットモニターを標準装備しました。
車線変更時などに後方車両の有無をサイドミラーのインジケーターで確認できる機能で、標準化により安全性が高まりました。この一部改良時の価格は3,652,000円からでした。
2018年8月1日の一部改良でインテリジェントクリアランスソナーを標準装備
5代目アルティスは2018年8月1日の一部改良で「インテリジェントクリアランスソナー」を標準装備しました。駐車や車庫入れなど低速での取り回し時に、ソナーが障害物との距離を測り、ブザー警告と自動ブレーキで衝突の可能性を下げるシステムです。
後方だけでなく前方にも搭載され、アクセルとブレーキの踏み間違いや、シフト操作ミスによる急発進といった事故の抑制に役立ちます。
LEDサイドターンランプ付の電動格納式カラードドアミラーを装備
同じく2018年の一部改良で、ドアミラーは細身のLEDサイドターンランプを備えたカラードドアミラー(メッキ加飾・運転席側ワイドビュー・ヒーター付)へアップグレードされました。
車体の最も外側にサイドウインカーが位置するため対向車からも見やすく、ボディ側面のサイドウインカーが不要となり、すっきりした見た目になっています。
アルティスのスペック・エクステリア・パワートレインをおさらい
アルティスは2017年7月にフルモデルチェンジした5代目で、トヨタ・カムリのOEMモデルです。前後エンブレムがダイハツ製となり、車名ロゴはトランクのシルバーガーニッシュに「ALTIS」と刻まれています。
プラットフォームはTNGA、パワートレインは2.5Lガソリンとモーターを組み合わせたTHS IIを搭載します。オーディオレスで充電用USB端子2個を標準装備するなど、カムリのGグレード相当の内容でした。
カムリのエントリー「X」やスポーティな「WS」のような設定はなく、アルティスは「G」のモノグレード。駆動方式は当初FF(2WD)のみでしたが、前述のとおり2021年の改良でE-Four(4WD)が追加されています。
| 全長 | 4,885mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,840mm |
| 全高 | 1,445mm |
| ホイールベース | 2,825mm |
| 最低地上高 | 145mm |
| 乗車定員 | 5人 |
| エンジン型式 | A25A-FXS |
| 種類 | 直列4気筒 |
| 排気量 | 2,487cc |
| エンジン最高出力 | 131kW(178ps)/5,700rpm |
| エンジン最大トルク | 221Nm(22.5kgm)/3,600〜5,200rpm |
| モーター型式 | 3NM |
| モーター最高出力 | 88kW(120ps) |
| モーター最大トルク | 202Nm(20.6kgm) |
| システム最高出力 | 155kW(211ps) |
| 燃費 | 28.4km/L(JC08モード) |
| 使用燃料 | レギュラー |
安全装備は、サポカーSワイド相当の「トヨタセーフティセンス」を標準装備。自動ブレーキ、レーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビーム、全車速追従機能付レーダークルーズコントロールなどを備えます。
アルティスの価格帯とOEM元カムリとの比較
アルティスの価格は時期によって変化しています。発売当初(2017〜2018年)は3,531,600円から(北海道地区は寒冷地仕様が標準で3,553,200円)で、この時点ではトヨタ カムリGとほぼ同額・同装備でした。寒冷地仕様ではワイパー熱線やリアフォグランプが備わります。
その後は改良に伴って価格が上がり、2021年のE-Four追加以降は405万円台〜426万円台となりました。いずれにせよアルティスとカムリGは中身がほぼ共通のため、当時はブランドや販売店の好みで選べる関係にありました。
ダイハツのフラッグシップだったアルティスのモデルチェンジ遍歴
アルティスはダイハツの最上級車種で、トヨタ カムリのOEM供給を受けたモデルでした。カムリは世界戦略車ですが、アルティスは国内専用車です。
アルティス初代 XV20N型/2000年~2001年
2000年3月、初代がデビュー。グレードは「SLパッケージ」「SXパッケージ」の2種類。2001年9月、2代目と入れ替わりで販売終了。
アルティス 2代目 XV30N型/2001年~2006年
2001年9月、フルモデルチェンジ。グレードは「SL」「SXパッケージ」で、エンジンは2,400ccの2AZ-FE型に変更。2005年12月に生産終了、2006年1月に3代目と入れ替わりで販売終了。
アルティス 3代目 XV40N型/2006年~2010年
2006年1月、フルモデルチェンジで3代目に。グレードは「Gリミテッドエディション」のみ。
2007年7月、マイナーチェンジでボディカラーを変更。2009年1月、マイナーチェンジでボディカラー追加と内外装を一新。2010年2月、ラインナップから消滅。
アルティス 4代目 XV50N型/2012年~2017年
2012年5月、約2年ぶりに4代目として復活し、ハイブリッド専用車に。グレードは「HYBRID“G Package”」のモノグレード。
2012年9月、一部改良でクルーズコントロールとリアプライバシーガラスを標準装備、ボディカラー追加。2013年9月、一部改良でボディカラー追加、後席にELR付3点式シートベルト+プリテンショナー&フォースリミッターを追加。
2014年9月、マイナーチェンジで内外装を変更。2015年10月、一部改良で内外装を一部変更。2017年7月、5代目と入れ替わりで販売終了。
アルティス 5代目 XV70N型/2017年~2023年
2017年7月、フルモデルチェンジでTNGAを初採用し5代目に。グレードは「G」のモノグレード。
2018年8月、一部改良でインテリジェントクリアランスソナーを標準装備、ボディカラーを入れ替え。2020年8月、一部改良でブラインドスポットモニターを標準装備。2021年2月、一部改良でフロントフェイスを刷新し、E-Fourを追加、安全性能を向上。2022年8月、一部仕様変更で新色エモーショナルレッドIIIを設定。
2023年12月、OEM元カムリの国内販売終了に伴い、アルティスも販売を終了(後継なし)。
| アルティスのモデル | 販売年表 |
|---|---|
| 初代 XV20N型 | 2000年~2001年 |
| 2代目 XV30N型 | 2001年~2006年 |
| 3代目 XV40N型 | 2006年~2010年 |
| 4代目 XV50N型 | 2012年~2017年 |
| 5代目 XV70N型 | 2017年~2023年 |
アルティスはOEM元カムリの終売で生産終了——日本再導入は「トヨタ カムリ」として
アルティスはトヨタ カムリのOEMセダンだったため、ベースのカムリが2023年に国内販売を終えると、アルティスも同時に姿を消しました。ダイハツの最上級セダンの系譜は、これで途絶えています。
一方のカムリは、北米を中心に販売好調で、2023年11月に11代目へフルモデルチェンジ。日本へは米国生産車の”逆輸入”というかたちで、2026年ごろの再導入が有力視されています。ただし、それはあくまで「トヨタ カムリ」としての復活であり、ダイハツ「アルティス」として再びOEM販売されるという発表は、現時点でありません。もし将来アルティスが復活すれば大きなニュースになりますが、少なくとも今のところ、その予定は示されていません。