エクストレイルの維持費

エクストレイルの年間維持費と内訳をまとめ

エクストレイルの維持費を紹介。エクストレイルはミドルサイズSUVでコンパクトカーと比較すると車重が重く排気量も多い。アウトドアにも使え、ファミリーカーとしても活躍するエクストレイルの車検代や燃料代などの年間維持費はいくらかかるのか、内訳を確認。

3代目T32型エクストレイルの年間維持費

日産の3代目「T32型エクストレイル」を所有した際、年間でどの程度の維持費が発生するのかを詳しく解説します。エクストレイルは、悪路走破性に優れた4WDシステムを搭載し、アウトドアシーンで圧倒的な強さを発揮するミドルサイズクロスオーバーSUVです。本格的なレジャーを楽しむアクティブな層からはもちろん、3列7人乗り仕様の選択肢があることから、実用性を重視するファミリー層からも絶大な支持を獲得しています。

多彩なシートアレンジを活用すれば、毎日の通勤や通学、週末の買い物から長距離のレジャーまで、あらゆる用途を一台でこなすオールマイティーな運用が可能です。維持費の総額は、自動車税や重量税といった法定費用のほか、燃料代や任意保険料、日々のメンテナンス費用によって構成します。愛車とのカーライフを安心して継続するために、具体的なコストの目安を事前に把握しておきましょう。

モデルケースはエクストレイルで1番人気のグレード20Xの2列4WD仕様

今回のシミュレーションでは、3代目エクストレイルの中で最も高い人気を誇る売れ筋グレード「20X」の2列シート4WD仕様をモデルケースとして採用します。4WDならではの高い安定走行性能と、日常使いに十分な5名乗車の利便性を兼ね備えた、T32型を代表するパッケージングです。中古車市場でも流通量が豊富で、購入後の維持管理に関するデータが揃っているため、維持費の試算に適した一台といえます。

エントリーグレードである「20S」と比較すると、20Xは質感が大幅に向上しています。インテリアではステアリングやシフトノブが上質な本革巻きに刷新しており、エクステリアには足元を引き締める18インチアルミホイールを標準で装備します。さらに、バンパー下に足を出し入れするだけでバックドアが自動で開閉する「リモコンオートバックドア(ハンズフリー機能付)」を搭載しており、荷物で手が塞がっているシーンでもスムーズな積み込みを実現します。

利便性を高める快適装備が標準化されている「全部入り」のグレードが20Xであり、SUVとしての機能をフルに活用したいオーナーの要望にしっかりと応えます。本モデルはJC08モード燃費で15.6km/Lから16.0km/L程度の数値を記録しており、2.0Lガソリンエンジン車としてバランスの取れた経済性を維持します。最新の税制や燃料価格の動向を踏まえつつ、愛車のスペックに基づいた正確な支出を計算します。

全長 4690mm
全幅 1820mm
全高 1740mm
ホイールベース 2705mm
最小回転半径 5.6m
燃費(JC08モード) 15.6km/L
燃料 無鉛レギュラーガソリン
乗車定員 5名
車両重量 1540kg
エンジン MR20DD(直噴ガソリン)
総排気量 1.997L

エクストレイル20Xの年間維持費は590,155円

ミドルサイズSUVのエクストレイルは、コンパクトカーや軽自動車と比較すると年間維持費は高めですが、一般的な普通乗用車の範囲内に収まっていると言えます。本格的な4WD性能や広い室内空間を考慮すれば、コストパフォーマンスは十分に優れています。日々の燃料代や税金、定期的なメンテナンス費用を積み上げると一定の金額になりますが、事前のシミュレーションによって家計への負担を計画的に管理できます。

維持費を賢く節約するポイントは、月々の駐車場代の見直しや、自分に最適な任意保険プランへの組み換えです。さらに、オイル交換などの簡易的な整備を自身で行ったり、ユーザー車検に挑戦したりすることでも、年間の支出を大幅に抑制できます。タフな走りと実用性を兼ね備えたエクストレイルは、維持費を上回る走りの楽しさを提供します。購入後のイメージを具体化するためにも、各項目の内訳を細かくチェックしましょう。

自動車税 39,500円
燃料代 76,920円
駐車場代 360,000円
車検代 49,865円
任意保険料 43,200円
諸経費 20,670円
合計金額 590,155円

エクストレイルの自動車税39,500円の内訳

自動車税(種別割)は、毎年4月1日時点で車を所有している方、もしくは車の名義人となっている方が国や地方自治体に支払う税金です。エンジンの総排気量によって税額が細かく規定されているのが特徴です。納税通知書は毎年5月頃に届き、期限までに納付する義務があります。

エクストレイルの排気量は1.997Lのため「1.5L超~2.0L以下」の区分に該当し、年間の税額は39,500円となります。ただし、2019年10月以降に初回新規登録を受けた車両であれば、税制改正により36,000円に減額しています。納付期限は原則として毎年5月末日となっており、遅延すると延滞金が発生するため、計画的に準備を進める必要があります。

2019年10月以前に初回新規登録を受けた場合の自動車税
車の分類 総排気量 税額 税額(13年超)
自家用車 1.0L以下 29,500円 33,900円
1.0L超~1.5L以下 34,500円 39,600円
1.5L超~2.0L以下 39,500円 45,400円
2.0L超~2.5L以下 45,000円 51,700円
2.5L超~3.0L以下 51,000円 58,600円
3.0L超~3.5L以下 58,000円 66,700円
3.5L超~4.0L以下 66,500円 76,400円
4.0L超~4.5L以下 76,500円 87,900円
4.5L超~6.0L以下 88,000円 101,200円
6.0L超~ 111,000円 127,600円
2019年10月以降に初回新規登録を受けた場合の自動車税
車の分類 総排気量 税額
自家用車 1.0L以下 25,000円
1.0L超~1.5L以下 30,500円
1.5L超~2.0L以下 36,000円
2.0L超~2.5L以下 43,500円
2.5L超~3.0L以下 50,000円
3.0L超~3.5L以下 57,000円
3.5L超~4.0L以下 65,500円
4.0L超~4.5L以下 75,500円
4.5L超~6.0L以下 87,000円
6.0L超~ 110,000円

エクストレイルの燃料代76,920円の内訳

エクストレイル20Xの4WDモデルの燃費性能は、JC08モードで15.6km/Lを公表しています。実走行では路面状況や積載量によって変動しますが、ここでは年間走行距離の標準的な目安とされる10,000kmを基準に算出します。SUVらしい力強い走りを楽しみながら、レギュラーガソリン仕様による経済性の高さも維持しています。

年間走行距離の目安

通勤・通学(往復30km×120日=3,600km)
週1度のお買い物(往復30km×52週=1,560km)
月1度のレジャー(往復400km×12回=4,800km)
・3,600km+1,560km+4,800km=9,960km

燃料単価を120円/Lと仮定して計算を進めます。10,000kmを走行するためには理論上641Lのガソリンが必要となり、年間の燃料代は641L×120円/L=76,920円を算出します。ガソリン価格の変動やエコドライブの実践によってこの金額は前後しますが、家計における燃料費の予算を立てる際の有効な指標となります。

エクストレイルの駐車場代360,000円の内訳

駐車場は車両を安全に保管するために欠かせないインフラであり、購入時には車庫証明の提出も必要です。都市部では維持費の大きな割合を占めるため、居住エリアの相場を正しく把握することが大切です。毎月30,000円×12カ月=年間駐車場代360,000円をモデルケースとして計算しますが、自宅に駐車スペースがある場合はこの費用を大幅にカットできます。

東京都内の平均的な月極料金は約30,000円ですが、場所によっては15,000円前後で見つかることもあります。ただし、極端に安価な場所は防犯面の懸念や大型SUVであるエクストレイルの車幅に適さない可能性もあるため注意を要します。利便性とコストのバランスを照らし合わせ、最適な保管場所を確保することが、長く快適に乗り続けるための秘訣です。

エクストレイルの車検代49,865円の内訳

車検は法律で義務付けられている定期検査で、新車登録から3年後、以降は2年ごとに実施します。今回は2年ごとの継続車検にかかる費用を1年あたりの維持費として換算します。車検費用は「法定費用」と「整備・代行料」の2階建て構造となっており、依頼先によって総額が変動します。事前に内訳を理解しておくことで、不必要な出費を抑えることが可能です。

法定費用

法定費用は国に納める定額の費用で、重量税・自賠責保険料・印紙代を合算します。エクストレイルの場合、重量税32,800円+自賠責保険17,650円+印紙代2,300円=52,750円程度が必要な金額となります。※印紙代や自賠責保険料は、申請時期や車検を受ける場所の種別(認定・指定)によって変動する場合があります。

車検代行料・整備費・消耗品の交換

この項目は依頼先によって金額に差が生じます。ディーラーは手厚い点検と純正部品による高い品質を提供しますが、その分料金も高めに設定しています。一方で民間工場は、必要最低限の整備に絞ることでリーズナブルに抑える相談が可能です。また、自身で車検場へ持ち込むユーザー車検なら、不具合がない限り法定費用のみで済ませることができます。

車検代行料を30,000円、オイルやフィルター交換等の整備費を10,000円と想定すると、総額は約99,730円となります。車検は2年に1度の頻度なので、年間換算では約49,865円を維持費として計上します。定期的な点検を怠らず、消耗品を適切なタイミングで交換しておくことが、結果的に車検時の大きな出費を抑えることにつながります。

●重量税
自動車重量税 車検の有効期間(3年)
エコカー外 エコカー
車両重量/税率 減税無し 本則税率 25%減税 50%減税
~500kg以下 12,300円 7,500円 5,600円 3,700円
~1,000kg以下 24,600円 15,000円 11,200円 7,500円
~1,500kg以下 36,900円 22,500円 16,800円 11,200円
~2,000kg以下 49,200円 30,000円 22,500円 15,000円
~2,500kg以下 61,500円 37,500円 28,100円 18,700円
~3,000kg以下 73,800円 45,000円 33,700円 22,500円
自動車重量税 車検の有効期間(2年)
エコカー外 エコカー
車両重量/税率 減税無し 本則税率 25%減税 50%減税
~500kg以下 8,200円 5,000円 3,700円 2,500円
~1,000kg以下 16,400円 10,000円 7,500円 5,000円
~1,500kg以下 24,600円 15,000円 11,200円 7,500円
~2,000kg以下 32,800円 20,000円 15,000円 10,000円
~2,500kg以下 41,000円 25,000円 18,700円 12,500円
~3,000kg以下 49,200円 30,000円 22,500円 15,000円

※車を登録してから、13年、18年が経過すると、重量税を加算します。
※エコカー減免制度が適用される車であれば、税額を免除、または一定割合減免します。

●自賠責保険料(離島・沖縄を除く)
2017年4月1日以降、2020年3月31日以前の自賠責保険料
車種普通自動車 保険期間
37ヵ月 36ヵ月 25ヵ月 24ヵ月 13ヵ月 12ヵ月 1ヵ月
36,780円 35,950円 26,680円 25,830円 16,380円 15,520円 5,870円
2023年4月1日以降の自賠責保険料
車種普通自動車 保険期間
37ヵ月 36ヵ月 25ヵ月 24ヵ月 13ヵ月 12ヵ月 1ヵ月
24,190円 23,690円 18,160円 17,650円 12,010円 11,500円 5,740円

※新車を購入した場合は、自賠責保険に37ヶ月加入します。

エクストレイルの任意保険料43,200円の内訳

任意保険は、どのような条件で契約を締結するかによって支払金額が大幅に変動します。特に年齢条件や等級、事故時の補償範囲などは保険料を左右する重要な要素です。今回は任意保険の大きな分岐点である「車両保険」の有無に焦点を当て、それぞれのケースで発生する概算費用を算出します。車両保険は自損事故や盗難、災害時の修理費をカバーしますが、その分固定費としての比重も大きくなります。

シミュレーションの条件は、ブルー免許を保有する26歳の方が初めて任意保険に加入する状況を想定します。運転者は本人限定とし、年間走行距離は10,000km、対人賠償・対物賠償はともに無制限に設定します。この設定は、若年層のオーナーがエクストレイルを所有する際の標準的なモデルケースとなります。算出した具体的な金額は以下の通りです。

  • 車両保険を付けた場合は99,700円
  • 車両保険を付けない場合は43,200円

両者の金額差は56,500円に達し、車両保険の有無が家計に与える影響の大きさを物語っています。基本的には車両保険を付けると、付けない場合の倍額になると考えて予算を組む必要があります。初めて任意保険に加入する場合は、スタートの等級が低いため保険料全体が割高に推移し、その結果として車両保険の加算分も目立つ傾向にあります。自身の運転技術や事故のリスクを考慮しながら、最適なプランを吟味することが大切です。

一方で、長年無事故を継続して最高の20等級に到達したケースでは、保険料の負担は以下のように軽減します。

  • 車両保険を付けた場合は49,100円
  • 車両保険を付けない場合は21,300円

20等級まで上がると、車両保険の有無による差額は17,800円まで縮まります。等級が低いうちはリスクを承知で車両保険への加入を見送り、等級が上がってから車両保険に加入するという段階的な選択も、維持費を抑えるための有効な戦略といえます。今回は初めての加入(6等級から開始)を想定し、車両保険を付けない設定の年間保険料43,200円を総維持費に計上します。

エクストレイルの諸経費20,670円の内訳

諸経費には、5,000km走行毎の交換を推奨するエンジンオイル代と、定期的な刷新が必要な消耗品のタイヤ代を含めます。エンジンオイルはエンジンの健康状態を保つために欠かせないメンテナンスであり、工賃込みで1回6,000円を計上します。年間10,000km走行を前提とすると年2回の交換が望ましいですが、今回は最低限の維持コストとして算定しています。また、タイヤは1本10,000円の製品を4本分(計40,000円)購入し、3年周期で交換する場合の1年あたりの積立額として14,670円を算出します。

オイル交換6,000円+タイヤ代14,670円=年間諸経費20,670円という内訳です。タイヤはサイズやブランドによって価格が大きく変動しますが、エクストレイルの17インチや18インチといった標準的なサイズであれば、この程度の予算配分で運用可能です。日頃から空気圧のチェックやタイヤローテーションを適切に実施することで、摩耗を抑えて交換サイクルを伸ばし、結果的に年間コストを抑制できます。

エクストレイルの年間維持費は平均並み

エクストレイルはミドルサイズの本格派SUVであり、コンパクトカーと比較すると車重があるため、税金面ではやや不利な側面を持ちます。しかし、日産の優れたエンジン技術により、同クラスの中では比較的良好な燃費性能を維持しており、毎月のガソリン代を抑えることが可能です。年間維持費の総額は一般的な普通乗用車とさほど変わりませんので、SUV特有の利便性や走破性を手に入れるコストとしては非常に納得感のある範囲に収まります。

スポーツカーなどの趣味性が高い車種と比較しても、任意保険の料率クラスが極端に高いわけではなく、非常にバランスの取れた経済性を誇ります。アウトドアから日常の買い物まで幅広く活躍する一台として、家計への負担を極力抑えながら所有する喜びを享受できます。初めてSUVに乗る方も安心して維持できる車がエクストレイルです。スペック上の数値だけでなく、実際の運用コストをしっかり把握しておくことで、より豊かで充実したカーライフをスタートできます。