シューティングブレークの注目度が高まっている!その意味や海外や日本の車の有名車種
イギリスの自動車メーカーであるアストンマーティンが2017年の8月15日、ヴァンキッシュ・サガードに限定99台のシューティングブレークモデルを追加発売すると発表したことで「シューティングブレーク」という言葉の注目度は上がりました。
日本ではヨーロッパほどシューティングブレークという単語には親しみはないかもしれませんが、国産車にもその概念をたっぷりと取り入れて販売している車もあります。それらの車も含めた、国内外の有名車種や、シューティングブレークという車が誕生した歴史的背景についても取り上げます。
シューティングブレークは狩猟用の車としてスタートした「クーペ」と「ワゴン」が融合した車
シューティングブレークは、ネーミングの響きからアニメの主人公が使う必殺技のようなカッコ良さを感じてしまいますが、そのルーツは狩猟をスポーツや社交の場としている英国に始まります。
シューティングブレークとは本来19世紀~20世紀の初めにかけて活躍していた狩猟用の馬車の事を表現する言葉でした。シューティングの意味は「狩猟」で、ブレークの意味は「馬車で人が乗る4輪の車両」です。
その後、シューティングブレークという言葉は、時代が進んで馬ではなく車に付けたエンジンなどの動力源で動く狩猟用の車にも使われるようになりました。
「ブレーク」という言葉は、フランスの車を始めとしてステーションワゴンに対して使われていたという理由もあって、シューティングブレークにはステーションワゴンタイプの車も含まれるようになりました。
そういった時代背景などが影響を与え、最近のシューティングブレークの車の特徴は、クーペタイプのスポーツカーのデザインを基本コンセプトにしながらも、ステーションワゴンタイプの実用性も取り入れているという事です。
その流れを受けてシューティングブレークは一般的には、3ドア(2ドア+バックドア)を表現する言葉でしたが、ワゴン車的な性質も備えた5ドア(4ドア+バックドア)の車であっても、基本コンセプトから大きく逸脱していなければシューティングブレークと呼ばれるようになってきました。
シューティングブレークとステーションワゴンとの違い
シューティングブレークは、元々が狩猟をアクティブな楽しむために発展していった経緯もあり、ボディフォルムの形状や走りにおいてもスポーティな要素が満載です。
一方のステーションワゴンのルーツは、セダンや商用車であり荷物効率的に積載して運搬する目的に合わせてボディラインに流線形が少なく、シューティングブレークに比べれば角ばっているボディラインが特徴的です。
シューティングブレークのボディタイプがある海外の車
スタイリッシュワゴンのシューティングブレークは日本に多いイメージがあるかもしれませんが、発祥はイギリスです。海外でも一定の人気があるシューティングブレークの車種を紹介します。
アストンマーティンがヴァンキッシュ・サガードでシューティングブレークをラインナップ
シューティングブレークの誕生した地である英国の老舗自動車メーカーであるアストンマーティン社は、先行発売しているヴァンキッシュ・サガードの「クーペ」「ヴォランテ」に加えて、「シューティングブレーク」と「スピードスター」をラインナップさせる事を2017年8月に発表しました。
シューティングブレークモデルは99台で、スピードスターは28台の限定モデルとなります。限定モデルは予約がスタートしすでに完売しています。
新たに誕生したヴァンキッシュ・サガードのシューティングブレークモデルは、2シートで先行発売しているサガードよりもルーフをロングサイズ化して、サガード本来のダブル・バブルという流線形を多用したデザインのコンセプトを活かししつつリヤ部分に独自の特徴を持たせています。
同じく99台の限定販売が行われたクーペタイプの販売価格は8510万円であった事を考えれば、シューティングブレークも同様の価格になるのではないかと予想します。
ベンツ「CLA」クラスのシューティングブレークはやはりプレミアムな1台
世界に名だたるラグジュアリーブランドであるベンツは、「CLA」クラスでシューティングブレークの車をラインナップさせています。
市場に投入されている車は、ベンツのセダンタイプの高級感に、シューティングブレーク元来のスポーティな魅力を巧く融合させています。
ベンツのシューティングブレークのルーフのリヤ部分の曲がり具合には、黄金比のような計算された美しさを感じます。また、その曲率には車体に使われているパーツの光沢感を最大源に引き立てるような効果もあります。
全長 | 4,645mm |
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全幅 | 1,780mm |
全高 | 1,440mm |
ホイールベース | 2,700mm |
最小回転半径 | 5.1m |
燃費 | 12.6km/L |
燃料 | 無鉛プレミアムガソリン |
乗車定員 | 5名 |
車両重量 | 1,540kg |
エンジン | DOHC 直列4気筒ターボチャージャ |
総排気量 | 1,991cc |
最高出力 | 135kw/5,500rpm |
スーパーカーブランド「フェラーリ」のシューティングブレークもやはり最高クラス
スーパーカーを多数揃えているイタリアの格式の高いフェラーリからもシューティングブレークがラインナップされています。
他の車には容易に真似できないフェラーリ・GTC4Lussoのオリジナリティ溢れるエクステリアは、フロント部分とリヤ部分とで際立つコントラスト感が魅力的です。フェラーリの車は、世界に数多くある自動車メーカーの車の中でも街中走行で映える車としてトップレベルに位置します。
ヨーロッパに比べれば、シューティングブレークの車の割合が少ない日本でフェラーリ・GTC4Lussoに乗れば注目を浴びる事は確実です。
GTC4Lussoは、リヤシートやラゲッジルームに十分に余裕を持たせGT(グランツーリスモ)としての機能も十分に備えた特別な車です。
全長 | 4,922mm |
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全幅 | 1,980mm |
全高 | 1,383mm |
ホイールベース | 2,990mm |
最小回転半径 | – |
燃費 | 15.3L/100km |
燃料 | 無鉛プレミアムガソリン |
乗車定員 | 5名 |
車両重量 | 1920kg |
エンジン | V12-65° |
最高出力 | 507kw/8,000rpm |
総排気量 | 6262cc |
日本で販売されているシューティングブレークの国産車
国内でもシューティングブレークと呼ばれるボディタイプの車が販売されています。日本国内で購入できる車種を紹介します。
スバルのレヴォーグは日本を代表的するシューティングブレーク
2013年に発売されたスバルのレヴォーグは、日本のメーカーが製造している車種の中では最もシューティングブレークを意識して開発された車です。
2017年の8月にマイナーチェンジが行われた新型レヴォーグでは高性能エンジンを搭載し、エクステリアはスポーティなスタイルで魅力を高め、リヤ部分の座席とラゲッジルームをさらに充実することでシューティングブレークとして性能も向上させました。
全長 | 4,690mm |
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全幅 | 1,780mm |
全高 | 1,490mm |
ホイールベース | 2,650mm |
最小回転半径 | 5.5m |
燃費 | 13.2km/L |
燃料 | 無鉛プレミアムガソリン |
乗車定員 | 5名 |
車両重量 | 1570kg |
エンジン | 2.0L DOHC直噴ターボDTI |
最高出力 | 221kw/5600rpm |
総排気量 | 1998cc |
トヨタのGT86にもシューティングブレークが?発売時期は未定
トヨタの人気スポーツカー86のコンセプトカーである「86シューティングブレーク」が2016年にオーストラリアで一般公開されました。
86シューティングブレークのエクステリアは、フロントマスクやテールランプ等では現行モデルの86とほとんど同一のデザインを採用しています。大きな違いと言えば86シューティングブレークモデルでは、クーペタイプよりもルーフ部分の車高を高く設定して曲率を抑えている事です。
富士スピードウェイでも公開された同車の市販化は未定ですが、もしかしたら86のフルモデルチェンジが噂される2020年には、シューティングブレークタイプも同時にラインナップされるかもしれません。
日本の自動車メーカーでシューティングブレークを意識して製造されている車は数少ないので、発売された時のインパクトは大きいはずです。
シューティングブレークはこれからも進化し続けていくボディタイプ
狩猟用の車としてのルーツを持つシューティングブレークの現在の特色はスポーツカーとしてスタイリッシュ性や走りの爽快感を堪能できるだけではなくて、ステーションワゴン特有のリヤ部分の座席とトランクルームのスペースを広く確保している事です。
シューティングブレークが発祥した国である英国の自動車メーカーであるアストンマーティンが限定モデルを発売する可能性やトヨタ86からシューティングブレークモデルが発売されるかもしれないなど話題は尽きません。
シューティングブレークは車社会の流れとともにイメージされる車の種類が変わってきました。もしかした今後は、クーペタイプの車を意識したクロスオーバーのSUVやハッチバックもその概念に含まれるかもしれません。
獲物を追いかける車からスタートしたシューティングブレークは、今後も人々の快適性や車としてのカッコ良さを求めて進化を続けていきます。