RVRのモデルチェンジ

RVRのモデルチェンジ情報:2024年春に生産終了も、エクスフォースベースで2026〜2027年復活か・独自ストロングハイブリッド搭載

RVRは本当に消えたのか?結論は「一度終了、しかし復活へ」。2024年春に生産終了した3代目に代わり、エクスフォース譲りの新型が独自ストロングハイブリッドを積んで2026〜2027年に日本投入とみられます。予想価格やパワートレイン、これまでのモデルチェンジ遍歴まで詳しく紹介します。

RVRのモデルチェンジ情報:2024年春に生産終了も、エクスフォースベースで2026〜2027年復活か・独自ストロングハイブリッド搭載

三菱RVRは2024年春に生産終了、しかしエクスフォースをベースに独自ハイブリッドで復活の見込み

三菱RVRのモデルチェンジ情報をまとめました。コンパクトSUVのRVR(3代目)は、販売の低迷や規制対応コストの兼ね合いから2024年春に日本向け生産を終え、在庫車の販売も2024年のうちに終了しています。いったんはカタログから姿を消したかたちですが、三菱は東南アジアで人気のコンパクトSUV「エクスフォース」をベースにした日本仕様を、ふたたび「RVR」の名で復活させる方向とみられます。ここではまず最新の状況から順に、その後で基本スペックやこれまでの遍歴を整理していきます。なお、復活の時期や仕様についてメーカーの正式発表はまだありません。

エクスフォースをベースに水島工場で生産、独自ストロングハイブリッドで2026〜2027年ごろ復活か

新型RVRのベースになるとみられる三菱エクスフォース次期RVRのベースとみられるのが、2023年8月にインドネシアで登場したエクスフォース

次期RVRは、東南アジアで展開するコンパクトSUV「エクスフォース」をベースに日本仕様を開発し、「RVR」の名で送り出す方向とみられます。生産はインドネシアではなく岡山の水島製作所が有力で、パワートレインには三菱が新たに開発するストロングハイブリッドを組み合わせる見込みです。投入時期は2026年後半から2027年ごろとみられ、予想価格はガソリン車で240万円前後から、ハイブリッドは290万円前後になるとみられます。エンジンはガソリンが最高出力107psの1.5L直列4気筒、本命のハイブリッドは新開発の1.6L直列4気筒とモーターを組み合わせた構成が有力です。

ベースとなるエクスフォースのボディサイズは全長4,390mm、全幅1,810mm、全高1,660mm、ホイールベース2,650mmで、最低地上高は222mmと悪路走破性にもゆとりがあります。歴代RVRと比べても取り回しのよいコンパクトなサイズ感に収まり、インテリアは12.3インチのセンターディスプレイと大型ドライバーディスプレイを組み合わせた先進的な仕立てです。国内投入となれば、トヨタのカローラクロスやヤリスクロス、ホンダのヴェゼル、スバルのクロストレック、日産のキックスといったコンパクトSUV勢がライバルになります。BEV化の観測もありましたが、市場動向を踏まえるとまずはガソリンとハイブリッドで登場する見込みです。

3代目RVRは2024年春に生産終了、在庫販売も2024年内に終了

2010年から長く販売されてきた3代目RVRは、2024年春(4月めど)に日本向けの生産を終了しました。国内各社が相次いでコンパクトSUVを投入するなかで販売が伸び悩み、環境・安全規制への対応コストに見合わなくなったことが背景です。生産終了後は在庫車の販売が続きましたが、それも2024年のうちに一巡し、日本市場からいったん退きました。ちなみに北米では兄弟車の「アウトランダースポーツ」が2025年モデルとして継続されるなど、車としての実力そのものは各地で評価され続けています。

ベースのエクスフォースにはHEVを追加、3列SUV「デスティネーター」も登場

エクスフォースの原型となったMITSUBISHI XFC CONCEPTエクスフォースの原型が、2022年のベトナムモーターショーで公開されたXFCコンセプト

次期RVRの土台となるエクスフォースは、2022年に公開された「XFCコンセプト」を原型に、2023年8月にインドネシアで市販化された世界戦略車です。当初はガソリンのみでしたが、2025年3月にはアイシン製ユニットを用いたハイブリッド(HEV)モデルがタイで世界初公開され、電動化の幅を広げました。日本仕様のRVRが独自のストロングハイブリッドを積むとみられるのも、この電動化の流れの延長線上にあります。

さらに三菱は、エクスパンダー・エクスフォースに続く世界戦略車の第3弾として、3列7人乗りのミドルサイズSUV「デスティネーター」を2025年7月17日に世界初公開し、同月23日からインドネシアで発売しました。ボディサイズは全長4,680mm×全幅1,840mm×全高1,780mm、ホイールベース2,815mmで、3列目にも快適性を確保した実用的なパッケージです。いずれも現時点で日本への正式導入はアナウンスされていませんが、三菱のコンパクト〜ミドルSUV戦略が東南アジア発のモデル群を軸に動いていることがうかがえます。

欧州の「ASX」はルノー・キャプチャーのOEMへ、日本のRVR後継とは別系統

ややこしいのが、欧州で「ASX」として売られてきたRVRの扱いです。欧州向けASXは2023年にモデルチェンジし、アライアンス先ルノーの「キャプチャー」をベースとしたOEMモデルへと切り替わりました(2024年4月には大幅改良を実施)。当初は「これが次期RVRになるのでは」との見方もありましたが、こちらは欧州向けの供給施策であり、日本にRVRとして導入される見込みはありません。日本で復活が取り沙汰されているのは、あくまでエクスフォースをベースとした別系統のモデルです。

三菱RVR(3代目)の一部改良とスペック、そして当時の次期型予想を振り返る

ここからは、最後まで販売された3代目RVRの内容と、かつて本記事が示していた次期型の予想が実際にはどうなったのかを振り返ります。

RVRの最後の一部改良は2023年2月24日 エントリーグレードMに安全装備などを標準化

2023年に一部改良した三菱RVRのエクステリアとインテリア2023年の一部改良では寒冷地仕様を全駆動方式へ拡充し、MグレードにもGグレード相当の安全装備を標準化した

3代目としての実質的な最後の手入れとなったのが、2023年2月24日の一部改良です。エントリーグレードのMに、上位Gグレードと同等の予防安全装備を標準化したほか、それまで4WDのみに設定していた寒冷地仕様を2WDにも拡充しました。

2023年RVR一部改良の内容

  • Mグレードへ予防安全装備追加
  • 対車両・対歩行者衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM)
  • オートマチックハイビーム(AHB)
  • 前進時誤発進抑制機能
  • レーンチェンジアシスト機能付車線逸脱警報システム(LDW)
  • レーンチェンジアシスト機能付後側方車両検知警報システム(BSW・LCA)
  • 後退時車両検知警報システム(RCTA)
  • 2WD駆動モデルへ寒冷地仕様追加
  • ヒーテッドドアミラー
  • リヤヒーターダクト
  • ラジエータークーラント寒冷地仕様化
  • Mグレードへガーニッシュ追加
  • ターンランプ付きドアミラー
  • ホイールアーチモール追加
  • サイドガーニッシュのメッキ加飾追加

Mグレードはホイールアーチモールやサイドガーニッシュ、ターンランプ付きドアミラーの追加で上級感が増し、Gグレードとの装備差が縮まりました。当時の販売価格はMグレードが2,306,700円〜2,534,400円、Gグレードが2,470,600円〜2,698,300円、特別仕様車のブラックエディションが2,604,800円〜2,832,500円でした。

ジュネーブでお披露目予定だった欧州ASXの改良(2019〜2020年当時)

三菱ASX(日本名RVR)のフロントエクステリアジュネーブでお披露目予定だった欧州向けASX(日本名RVR)のフロント

三菱ASX(日本名RVR)のリヤのエクステリア水平基調でワイド感を強調した欧州向けASXのリヤ

3代目は欧州で「ASX」として販売され、たびたび改良を受けてきました。2020年モデルとしてジュネーブ国際モーターショーでの初披露が予定されていましたが、ショー自体が中止となった経緯があります。デザインフィロソフィ「Robust & Ingenious」を掲げ、エクリプスクロスに通じるダイナミックシールドのフロントフェイス、スキッドプレート形状のバンパー、バンパーサイドに配したターンランプとフォグランプなどが特徴でした。

ボディカラーにはレッドダイヤモンド、サンシャインオレンジ、オークブランなどが用意され、リヤコンビランプはターンランプ以外をLED化。ワイド感を強調した水平基調のデザインで、力強さを演出していました。

三菱ASX(日本名RVR)のインテリアモニターを8インチへ拡大した欧州向けASXのインテリア

インテリアはモニターが7インチから8インチへ拡大され、スマートフォン連携ディスプレイオーディオ(SDA)も改良。上級クラスにはオランダTomTom社のナビが搭載され、リアルタイム交通情報や車両情報を活用するアプリの提供も図られました。もっとも、この欧州ASXはその後2023年にルノー・キャプチャーのOEMへ切り替わっており、日本のRVRとは異なる道を歩むことになります。

かつて予想した「小型化+1.1L PHEVやe-Power」は実現せず

道を走るRVRのエクステリアかつては次期RVRがひとまわり小型化すると予想したが、3代目は大きな刷新のないまま販売を終えた

RVR

本記事ではかつて、次期RVRがアウトランダー・エクリプスクロスとの差別化のために全長4,200mm前後まで小型化し、C-HRやヴェゼル、CX-3と競合するサイズになると予想していました。しかし実際には、3代目が大きなサイズ変更を受けることはなく、そのまま2024年に生産を終えています。皮肉にも「コンパクト化」という当時の見立ては、エクスフォース(全長4,390mm)ベースの復活版でようやく現実味を帯びてきたかたちです。

コンセプトモデルの「XR-PHEV2」のエクステリアかつて次期RVR用と目された「XR-PHEV2」の1.1Lターボ+モーターは、結局RVRには搭載されなかった

パワートレインについても、ジュネーブモーターショー2015で公開されたコンセプト「XR-PHEV2」の1.1Lダウンサイジングターボによるプラグインハイブリッドや、日産のe-POWERが載るのではないかと見ていました。ですが、これらのいずれも3代目RVRには採用されませんでした。結果として3代目は1.8Lガソリンを積んだまま世代を終え、電動化は次期型(復活版)へと持ち越されています。前述のとおり、その復活版では三菱独自のストロングハイブリッドが本命とみられます。

EXコンセプトのエクステリア東京モーターショー2015で公開された「EXコンセプト」。これがEVのRVRになるとの見方もあったが実現しなかった

RVR

「2019年12月にフルモデルチェンジ」「東京モーターショー2015のEXコンセプト(航続約400kmのEV)が新型RVRになる」といった予想も、いずれも実現しませんでした。三菱の電動化そのものは着実に進みましたが、それがRVRという車名に結実するのは、当時の想定より大きく後ろにずれ込むことになります。

欧州ではASXとして販売されたRVRのモデルチェンジ遍歴

RVRは三菱の乗用車で、「Recreational Vehicle Runner」の頭文字に由来します。3代目からは欧州などで「ASX」の名でも販売されてきました。

RVR初代 N11W/N13W/N21W/N23W/N23WG/N28W/N28WG型(1991年~1997年)

1991年2月、RVブームのなかRVRがデビュー。当初は2WDの「S」、4WDで5人乗りの「R」、4人乗りの「X」を用意し、いずれも5MTと4ATを設定しました。6月には16バルブエンジン搭載の「Z」を追加。

1992年10月、フロントグリルガードやオーバーフェンダー、背面スペアタイヤキャリアを備えた「スポーツギア」と、「Z」の4WDにディーゼルエンジン搭載車を追加。1993年1月、カープラザ15周年特別仕様車として、PIAAのフォグランプやMOMOのステアリング、AMGホイールを装備した「X ANNIVERSARY 15」を発売。5月には特別仕様車「Z スペシャルバージョン」を、8月に3ドア仕様の「オープンギア」を追加しました。

1994年1月、特別仕様車「スペシャルエディション」を発売。6月、キーレスエントリーやグリルガードを備えた特別仕様車「オープンギアリミテッド」を発売。9月のマイナーチェンジではディーゼルモデルがインタークーラーターボ化され、外観の一部変更とともに「X2」「X3」「スーパースポーツギア」「スーパーオープンギア」を追加。10月には専用アンダーガードバーなどを備えた特別仕様車「ワイルドギア」を発売。

1995年5月、マイナーチェンジで排ガス規制にディーゼルを適合させ、ボディカラーも一部変更。6月に特別仕様車「バージョンS」、10月に大型フロントグリルガードを備えた「ワイルドギア」を再販、12月に「スポーツギアリミテッド1.8」を発売。

1996年1月、アルミホイールとカセットデッキを備えた「スポーツギアリミテッド2.0」と、スポイラーを備えた「X3」スペシャルを発売。5月のマイナーチェンジで5人乗りを廃止し、「スポーツギア」を2.0Lのみに整理、フロントガードバー非装着の「スポーツギアZ」を追加。

1997年1月、大型エアロパーツを備えた新グレード「ハイパースポーツギアZ」「ハイパースポーツギアR」を追加し、カープラザ20周年特別仕様車「スポーツギアV20」を発売。9月にABSやキーレスエントリーを備えた特別仕様車「フィールドエクスプレス」を発売。11月、2代目と入れ替わりで販売を終了しました。

RVR 2代目 N61W/N64WG/N71W/N73WG/N74WG型(1997年~2003年)

1997年11月、フルモデルチェンジで「RVR」は「X」「X2」「X2タイプS」の3グレードに、「RVRスポーツギア」は「2.0X3」「2.4X」「2.4X2」の3グレードとなりました。

1998年6月、「Xリミテッド」「X2リミテッド」を追加。1999年1月、最上級グレード「スーパーエクシード」を追加。2月に特別仕様車「フィッシングギア」、5月に「EXCEED サンルーフリミテッド」を発売。10月のマイナーチェンジで「RVRスポーツギア」にオンロード指向の「エアロ」を追加し、「RVR」は「X」「エクシード」「スーパーエクシード」の3グレードに整理。

2000年7月、特別仕様車「ナビリミテッド」「スポーツギア エアロ ナビリミテッド」を発売。12月に「エクシードL」を発売。2003年1月、販売を終了しました。

RVR 3代目 GA3W/GA4W型(2010年~2024年)

2010年2月、7年の空白を経てコンパクトクロスオーバーとして復活。安全・快適装備を充実させ、エンジンスイッチも新採用しました。7月に特別仕様車「BEAM Edition」、8月に中国で輸入車として「ASX」の名で販売開始、12月に「1st Anniversary Edition」を発売。

2011年6月、ドレスアップ仕様「ROADEST」系を発売。10月のマイナーチェンジで新開発エンジン(DOHCからSOHCへ)を搭載し、当時のSUVでは国内初のアイドリングストップを採用。12月に台湾で「ASX」として販売開始。

2012年10月、マイナーチェンジで2型へ移行し燃費を大幅改善。2013年7月の一部改良でサスペンション変更や静粛性向上、4WDへの寒冷地仕様標準化を実施。

2014年の一部改良で燃費・操縦安定性・乗り心地をさらに向上。2015年4月の一部改良でベーシックグレード「E」を廃止、7月に英国仕様を発売。2017年のマイナーチェンジで3型へ移行し、ダイナミックシールドを採用して「ROADEST」を廃止。10月の一部改良で4型へ移行し、特別仕様車「ACTIVE GEAR」を発表。2018年9月、一部改良で「e-Assist」を全車標準化。2019年8月、5型へ移行し進化したダイナミックシールドを採用、12月に特別仕様車「Black Edition」を発売。2021年7月、一部改良で6型へ移行し、充電用USBポート追加や「G」へのBSW/LCA・RCTA標準化を実施。2023年4月、一部改良で7型となり、「M」にもBSW/LCA・RCTAを標準化、全車にSRSサイド&カーテンエアバッグを標準化、寒冷地仕様を全車標準化しました。

そして2024年春、販売低迷と規制対応コストを背景に日本向け生産を終了。在庫販売も2024年のうちに終え、3代目はその歴史を閉じました。

RVR 4代目(欧州ASX・2023年~)

2023年3月、欧州で新型ASXが発売されました。ただしこれはルノー・キャプチャーをベースとしたOEMモデルで、日本にRVRとして導入されたことはありません。日本市場での“RVR復活”は、前述のとおりエクスフォースをベースとした別系統のモデルとして、2026年後半〜2027年ごろに予定されているとみられます(本稿執筆時点でメーカー未発表)。

RVRのモデルチェンジ遍歴
RVRのモデル 販売年表
初代 N11W/N13W/N21W/N23W/N23WG/N28W/N28WG型 1991年~1997年
2代目 N61W/N64WG/N71W/N73WG/N74WG型 1997年~2003年
3代目 GA3W/GA4W型 2010年~2024年
4代目(欧州ASX/ルノー・キャプチャーOEM) 2023年~