BMW MINI PHEV

MINI史上初のPHEV「クーパーSEクロスオーバーALL4」の特徴と走行モードを徹底解説

MINIクロスオーバーのPHEVモデル「クーパーSE ALL4」とディーゼルモデル「クーパーSD ALL4」を諸元表で比較。EV走行距離・燃費・トランク容量・加速性能の違いを一覧でわかりやすく解説。PHEVの走行モードや充電方法も詳しく説明しています。

MINIが史上初のPHEVを投入「MINIクーパーSEクロスオーバー ALL4」

BMWのブランドであるMINIは、2017年3月のクロスオーバーモデルのフルモデルチェンジと同時に、MINIとして初めてのPHEVタイプとなる「MINIクーパーSEクロスオーバー ALL4」を追加設定しました。

MINIはこれまでガソリンモデルとディーゼルモデル(車名の後ろにDがつくものがディーゼルモデル)が用意されていました。どちらも輸入車の中では燃費がよく、低燃費志向の強い日本ではフォルクスワーゲンを抜き最多の販売台数を記録していました。

本記事では、MINI初のPHEVモデルとして注目を集めた「MINIクーパーSEクロスオーバー ALL4」のエクステリア・インテリアの特徴と、PHEVとしての走行性能を紹介します。なお、当モデルは2024年4月をもって販売を終了しており、後継にあたるMINIカントリーマン(旧クロスオーバー)はEV(BEV)モデルとして2024年3月より国内販売が開始されています。

クーパーSEのエクステリアは「イエローバッジ」が特徴

PHEVとなったクーパーSEは、ミニのクロスオーバーの追加モデルとして設定されており、基本的なエクステリアはMINIクロスオーバーと共通です。EVモーターを搭載した分だけ車体重量が増加しており、トランク容量も標準モデルより少なくなっています。

クーパーSEのエクステリアで最も目を引く特徴は、各所に配置された「イエローバッジ」です。一目でMINIのPHEV車とわかるこの黄色いバッジは、電気を表す「E」と充電プラグをモチーフにしたデザインとなっています。

イエローバッジは充電ポートのあるサイドに配置され、フロントには黄色の「S」マーク、リアにはバッジとSのマークが組み合わされています。ガソリン車・ディーゼル車と一目で区別できる仕上がりです。

モデルの位置づけ MINIクロスオーバーの追加モデルとして設定されたPHEV。エクステリアは基本的にクロスオーバーと共通
ボディサイズと実用性 EVモーター搭載で車体重量が増加。トランク容量も標準モデルより少ない(405L対450L)
エクステリアの象徴 各所に配置された「イエローバッジ」が最大の特徴。電気を象徴する「E」と充電プラグをモチーフにしたデザイン
フロント・リアデザイン フロントに黄色の「S」マーク、リアにはイエローバッジとSのマークを配置
充電ポート周辺 充電用サイドにもイエローバッジを設置。機能性とデザインを兼ね備えたアクセント

ボディカラーは全7色がラインナップ

クーパーSEには全7色のボディカラーが用意されていました。ルーフ・ミラー・キャップカラーには選択したボディカラーのほかにホワイトとブラックの3色が組み合わせられます。豊富なカラーの中からお気に入りの組み合わせをカスタマイズできるのもMINIの特徴です。

  • チリ・レッド・ソリッド
  • ライト・ホワイト・ソリッド
  • ラピス・ラグジュアリー・ブルー・ソリッド(116,000円高)
  • チェスナット・ブラウン・ソリッド
  • ミッドナイト・ブラック・メタリック(76,000円高)
  • メルティング・シルバー・メタリック(76,000円高)
  • アイランド・ブルー・メタリック(76,000円高)

クーパーSEはワイドカラーディスプレイを標準装備

車内中央に配置された8.8インチのワイドカラーディスプレイは、気分に合わせてブルー・イエロー・オレンジ・ピンクなど好きなカラーを選択できます。エアコンの温度を上げるとレッドに、下げるとブルーに変化するなど、遊び心にあふれた仕様となっています。MINIのSグレード以上で標準装備されるこのワイドカラーディスプレイは、PHEVのクーパーSEにも標準搭載されていました。

  • ブルーに変化したディーゼルモデルのタッチモニター
  • イエローに変化したPHEVモデルのタッチモニター
ディスプレイサイズ 8.8インチのワイドカラーディスプレイを車内中央に配置
カラー変更機能 ブルー、イエロー、オレンジ、ピンクなど多彩なカラーに変更可能
遊び心ある仕様 エアコン操作に連動し、温度を上げるとレッド、下げるとブルーに変化
装備グレード MINIのSグレード以上に標準装備。PHEVのクーパーSEにも標準搭載

ガソリンでも走れるのがPHEVの魅力

MINIとして初登場となったPHEVモデルのクーパーSEは、完全なEV車(電気のみで走る車)ではないため、充電切れで走行不能になる心配がありません。電気で充電できる機能を持つHV(ハイブリッド車)という位置づけで、三菱のアウトランダーPHEVやトヨタのプリウスPHV(現プリウスPHEV)と同様に、走行中も回生ブレーキなどで充電しながらEV走行が可能です。

フル充電には家庭用電源の200Vで約3時間かかります。自宅に充電設備がない場合は、トヨタや日産のディーラー、ホテルや旅館、道の駅やコンビニなど全国に整備された充電スタンドを利用できます(発売当時は全国21,685か所以上。現在はさらに増加しています)。

MINIのPHEVのデメリットとして、急速充電のCHAdeMOには対応していないため、電気のみでの遠乗りは一度に移動できる距離が限られる点が挙げられます。ただし、電気がなくなってもガソリンで走行できるため安心です。

PHEVとしての位置づけ 充電切れでもガソリン走行が可能。完全なEV車ではなくハイブリッド車として機能
EV走行と充電機能 走行中に回生ブレーキで充電しながらEV走行を継続可能
家庭での充電時間 200Vの家庭用電源を利用した場合、フル充電まで約3時間
急速充電への非対応 CHAdeMO方式の急速充電には対応していないため、電気のみでの長距離移動には制限あり
ガソリン走行の安心感 電気が切れてもガソリンで走行・充電できるため、長距離ドライブでも安心

フル充電での走行距離42.4kmを活かす3つの走行モード

PHEVのクーパーSEはフル充電で最大42.4kmのEV走行が可能です。この走行距離を効果的に活かすために、速度域や走行シーンに応じてガソリン走行とEV走行を使い分ける2つのモードと、電力を蓄えるモードの合計「3つの走行モード」が搭載されています。

AUTO eDriveモード

エンジン始動時に最初に選択される基本モードです。約70km/hまでの走行はガソリンを使わずモーターのみでEV走行し、70km/h以上への加速時や最大トルク250Nm以上が必要な坂道などでは自動的にエンジンが始動しガソリン走行へ移行します。発進・停止が多い街乗りや渋滞時に最適なモードです。

MAX eDriveモード

EV走行を最大限に活用するモードで、郊外や高速道路の走行に最適です。最高速度120km/hまでモーターのみでEV走行し、最大42.4kmの航続距離を最高効率で発揮します。120km/hを超えると自動的にAUTO eDriveモードに切り替わります。

Save Batteryモード

バッテリー残量が少ない、または将来のEV走行に備えて電力を蓄えたい場合に使うモードです。回生ブレーキを強化しガソリンエンジンの走行で電力を最大90%まで充電します。このモード中はガソリンのみで走行します。

最大EV走行距離 フル充電で最大42.4km。街乗りや短距離移動に適している
AUTO eDriveモード エンジン始動時の基本モード。約70km/hまでEV走行。街乗り・渋滞時に最適
MAX eDriveモード 最高120km/hまでEV走行可能。高速・郊外の長距離走行で航続距離を最大化
Save Batteryモード ガソリン走行しながら回生ブレーキ強化でバッテリーを最大90%まで回復。将来のEV走行に備える
走行モードの使い分け 街乗り→AUTO eDrive、長距離→MAX eDrive、バッテリー温存→Save Batteryと使い分けると効率的

発売当時のエコカー減税・補助金・充電無料サービス

以下は発売当時(2017年)の情報です。エコカー減税・補助金の内容や条件は年度によって変更されるため、購入の際は最新の情報をご確認ください。

発売当時のエコカー減税で183,500円相当の節税効果

  • 自動車所得税119,000円が0円
  • 重量税30,000円が0円
  • 翌年の自動車税34,500円が0円

発売当時はエコカー減税により合計183,500円の税負担がゼロとなっていました。

発売当時は200,000円のCEV補助金が支給

発売当時、クリーンエネルギー仕様車に対するCEV補助金として国から200,000円が支給されていました。発売時の車両価格4,790,000円から補助金を差し引くと4,590,000円での購入が可能でした。

購入後12ヶ月間の充電無料サービス「ChargeNow」

BMWとMINIが提供する「ChargeNow」は、提携公共充電スタンドをお得に利用するためのサービスです。発売当時、急速充電非対応のクーパーSEの場合は通常月額2,500円の定額料金でしたが、購入後12ヶ月以内に登録することで12ヶ月間無料で利用できる特典が用意されていました。

スマートフォンのアプリからも登録可能で、カード忘れの心配もない利便性の高いサービスでした。夜間に家庭で充電した場合の1回の満充電コストは約120円で、年間走行距離10,000kmの場合は年間の電気代は約30,000円程度の計算になります。

エコカー減税(発売当時) 自動車所得税・重量税・翌年自動車税の合計183,500円がゼロに
CEV補助金(発売当時) 国から200,000円が支給。実質4,590,000円での購入が可能だった
ChargeNow(発売当時) 購入後12ヶ月以内の登録で、提携充電スタンドが12ヶ月間無料。通常は月額2,500円
家庭充電のコスト目安 1回の満充電で約120円、年間10,000km走行の場合は年間約30,000円の電気代

クーパーSEクロスオーバーとクーパーSDクロスオーバーを比較

PHEVモデルのクーパーSEとディーゼルモデルのクーパーSDはボディサイズが同一で、違いはパワートレインに関わる部分のみです。以下の諸元表で各スペックと特徴を比較します。

クーパーSE ALL4(PHEV) クーパーSD ALL4(ディーゼル)
全長 4,315mm 4,315mm
全幅 1,820mm 1,820mm
全高 1,595mm 1,595mm
ホイールベース 2,670mm 2,670mm
最小回転半径 5.4m 5.4m
最低地上高 165mm 165mm
トランク容量 405L 450L
車両重量 1,770kg 1,630kg
ホイールサイズ 18インチ 18インチ
総排気量 1,498cc 1,995cc
最高出力 136PS(エンジン単体) 190PS
最大トルク 220Nm(エンジン単体) 400Nm
システム出力 224PS(エンジン+モーター合算)
使用燃料 ハイオク ディーゼル
JC08モード燃費 17.3km/L 20.8km/L
EV走行距離 42.4km
燃料タンク容量 36L 61L
駆動方式 4WD(ALL4) 4WD(ALL4)
0~100km/h加速 6.8秒 7.4秒
乗車定員 5人 5人

MINIのPHEVクーパーSEは充電設備が整っていれば買いの車

MINI史上初のPHEV車として大きな話題を集めたクーパーSEは、2024年4月に販売を終了しました。後継にあたるMINIカントリーマン(旧クロスオーバー)は2024年3月から国内販売が開始されており、PHEVではなくBEV(完全電気自動車)モデルが設定されています。MINIブランドが電動化をさらに加速させた象徴的な転換といえます。

クーパーSEの実用面での特徴として、充電環境の整備が重要なポイントでした。日本では賃貸住まいが多く家庭内に充電設備を持つことが容易ではない点や、急速充電のCHAdeMOに対応していない点は課題でした。充電せずHV車として使用する場合は、燃費面でディーゼル仕様のSDモデルに劣るのも事実でした。

一方、充電設備が整っていれば日常の街乗りをほぼガソリンを使わずに走れるため、環境にも経済性にも優れた選択肢となっていました。現在は販売終了しているため、中古車市場での入手が主な選択肢となります。充電設備の整った環境でMINIの走りと電動走行の両立を楽しみたい方にとって、今なお魅力的な1台です。